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The dream never ends〜Bright Shining☀︎Light編〜  作者: 小山シホ
四人の明るく輝く光
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第2話「アイドル達」


「貴方は羽田玖美さん!?」

愛はかつてのアイドル、羽田玖美と出会った事により、少しパニックになってしまう。と、同時に少し興奮していた。

「うん…そうだけど…どうしてそんなに興奮しているの?」

「あ、あの!実は私、貴方のファンなんです!」

愛は自分の推しに会った事により、興奮している。

「そう。それは嬉しい。けど…」

「今、わたしはダンスを練習しているの。もし、貴方が邪魔するんだったら教室に戻って欲しい。」

玖美は興奮している愛に冷静に言う。だが、愛は「大丈夫ですっ!私は貴方の邪魔にならないように体育の練習します!」と言い放った。押しに負けた玖美は仕方が無く屋上に居る事を許可した。

「ありがとうございます!」

愛はお礼を言い、体育の練習を始めた。

「いち、に、いち、に!」

「(む、難しい…いや、アイドルになる為ならそんな弱気は言ってはいけない!)」

「(取り敢えず、最後まで踊りきる!)」

愛はそう言いながら踊るがお世辞にも上手とは言えず、寧ろ下手なレベルだった。動きは間違っていて、その上、動かすのが遅い。

「(あの子の踊り…物凄く下手で動きも遅い。なのに…)」

それは元アイドルの玖美から見てもだった。

「(何故か見たくなってしまう。これは何故…?)」

しかし、愛が必死にやっているのは間違い無かった。それは玖美の目に不思議と写る。アイドルから見ればプロどころか地下アイドルでも微妙な踊りである。それなのに、何故か愛には人を惹きつける力があった。

「中々やるね。」

玖美は小さく呟く。すると、何処かから不穏な声が聞こえて来た。

「良い加減して欲しいわ!玖美!」

「え?」「…え?」

愛と玖美は思わず言葉を上げる。

「ちょっと待って莉衣ちゃん!そんなに言わなくても…」

「いや、これでも優しい方!…もう良い!屋上に行くわ!」

愛はその場を離れようかと考えたがもう遅かった。其処には二人の女生徒が居た。

「ねえ!玖美!あれはどう言う事!?全く理解出来ないわ!」

「って、貴方…」

厳しい方の女生徒は愛に気付く。厳しい方の女生徒の名前は世田谷莉衣せたがやりい。優しい女生徒の友達で玖美の親友。だが、今は明らかに言葉がキツいが…?高一B組。

「す、すみません!」

「あの、莉衣ちゃん。この子も困っているみたいだよ…?」

優しい方の女生徒の名前は音羽柚月おとはゆづき。莉衣の友達。勿論、玖美の事は知っている。高一B組。

「それはそうね…ごめんなさい!其処の人!」

「い、いえ!大丈夫です…!」

愛は仕方が無く、三人から離れた屋上の端で体育の練習をする事になった。

「…玖美!」

莉衣は強い声で玖美に話しかける。

「な、何?莉衣。」

玖美は戸惑った返事をする。無理もない。練習をしていたのに突然声を掛けられたからだ。

「『何?』じゃ無いわよ!何で貴方がアイドルを引退する羽目になったの!?」

「ハッキリしなさい!貴方はそれで本当に良いと思っているの!?」

莉衣は誰よりも強い声で玖美に意見を言う。だが、流石にキツい言葉遣いだと思ったのか玖美は莉衣に反論した。

「うるさい。莉衣には関係無い話でしょ?それに悪いのはメンバーだし…」

「違う!少なくとも貴方はそんな程度でアイドルを辞める人では無い。少なくともあたしが知っている玖美はそうだった!」

「人のせいにするのなんて論外!」

「ちょっと!莉衣ちゃん!辞めて!言葉が…」

柚月は莉衣を止めようとしたが、莉衣は「ごめん。止めないで。」と言い、意見するのを辞めない。

柚月は諦めて愛とは反対側の端に行く羽目になった。

「はぁ…玖美。これでも答えないつもり?」

「貴方、アイドルは夢だったんじゃないの!?それだったら後悔している筈じゃ無いの?」

「貴方は本当に夢に向かう事が出来ているの!?出来てないからこうなったんでしょ!?」

「玖美は本当は嫌なんじゃないの!?今の状態が!」

徐々に言葉が強くなって行く莉衣。だが、そんな強い言葉をぶつけても玖美は全く答える気は無い。そして強い言葉によって玖美の堪忍袋の緒が切れた。

「良い加減にして欲しいのはこっちだよ?莉衣。よくもまあそこまで言えるね。」

「貴方は確かにアイドルではある。だけどたかが────苦労を知らない方でしょ?」

「…苦労を知らないアイドルには分からないよ。上の辛さが。」

玖美は腹が立ってキツい言葉を莉衣にぶつける。それでも答える気が無かった莉衣にさらなる追い討ちをかけるように言った。

「…後、わたしは体育の練習をしているの。邪魔しないで。」

「出て行って。後言っておくけど、端の二人も練習しているから。」

その言葉が効いたのか莉衣は仕方が無く、帰って行く事になった。

「ふん!…柚月は好きにしなさい。あたしは帰るわ!」

「う、うん。」

柚月も莉衣のように下に降りて行った。

「あ、私、友達との約束があった。教室に行かないと。」そう言って愛も下に降りて行った。

「(大丈夫かな…羽田玖美さん…)」

愛は玖美と莉衣の喧嘩が気になっていた。

一方、屋上には玖美ただ一人、ポツンと立っていた。

「はぁ…なんで莉衣はそんなに言葉がキツくなったんだろう。」

実は昔の莉衣は優しくて思いやりもあり、キツい言葉なんて使わなかった。だから玖美は莉衣のキツい言葉遣いに驚いていた。

「大体、アイドルを辞めようが個人の自由でしょ。それなのに莉衣はなんでぶつかって来るの?」

「あのアイドルは。」

玖美は莉衣に腹が立ち、 莉衣に負けないキツい言葉遣いで愚痴る。


「ふざけないで!!わたしの未来を奪ったのは玖美ちゃんなんだよ!!!」

「──皆のアイドルの未来を…消さないでよっ…………!!!!」

「…なんでまたこの時を…」

すると、玖美はアイドルの時の事を思い出す。この時が起きる前、玖美は全盛期を向かえた。それなりにファンは多くなり応援する人は増えた。しかし、その後メンバーと大きく揉めてしまった。

「踊るの辞めようかな。今はそれどころじゃないし。」

玖美はタブレットを片付け、学校の勉強を始めた。

こんにちは!小山シホです!さて、遂に愛と玖美がリアルで会うことになりましたね。そして主要キャラクターである音羽柚月おとはゆづき世田谷莉衣せたがやりいも登場し、物語は複雑になって行きます!余談ですが、世田谷という苗字は日本全国にはまだ見つかっていないそうです。(2025時点)

次回予告

その日の放課後、三人は衝撃を受ける。

「あの玖美が…?」

その事を話し合っていると玖美の仲間が来て────?

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