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筋肉姫と魔法使い(仮)  作者: 美海秋


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98/122

98、決断と暴走

 抱きしめたチカは、離さないと力を強める。

 殴られるはずだと思っていたが、レイの魔力を帯びた手はチカを殴ることはなく何かに阻まれるようにして止まっている。


「チカさん!」


 アイの声で、すぐにチカは何が起きているのかを理解すると、レイに纏わりついているものを剥がすべく、時間がなくても考える。

 そんな光景を見て、アンノはただ驚いていた。


(あり得ない)

 アンノの知っている未来のどれにも、こんなことはなっていなかった。

 人造人になった彼女が全てを破壊するか、それかスイやカイが手に入れた力によって殺すのかだ。

 でも、今起こっていることは、全くといっていいほど予想外なことだ。

 人造人になってしまった彼女を二人がかりで止めている。

 魔法を連発するだけだった彼女が、そもそも体を使って攻撃をしてくるということすらも、あり得ないのに……


 どうする?

 チカは考える。

 時間がない中で最善の方法を……

 レイは何か魔力を体に無理やり入れられているようなものを感じる。

 それをなんとかするというのであれば、魔力を解放するしかないことはわかっている。

 あの能力に、それが可能なのかはわからない。

 でも、やらないという選択は絶対にしない。

 一つだけ気掛かりがあるとすれば、これをすればアイが止めてくれている魔法も同じように消えてしまう可能性がある。

 そうなれば、確実にレイの腕はチカに向かってくるだろう。


「迷っている暇はありません!」


 チカは自分に言い聞かせるようにして言葉を口にすると、力を発動させる。


「チカさん!」


 アイは自分の魔法がなくなることに気付くと、チカの名前を呼ぶ。

 とはいえ、チカは何も言うこともなく集中している。

 すでにやると決めたのだからもう止まれない。

 そんなチカへと、腕が迫る。

 慌ててアイはすぐに魔法を放つが……


「魔法が!」


 アイは魔法を発動しようとするが、チカが使っている力によって無意味に終わる。

 チカは、背中に両腕を受ける。


「くう……」

「ああああああ!」


 苦しむチカを見たとき、レイも同じように苦しんでいる。

 それは、体の中にある魔力というものが徐々に抜けていくのを感じているからだろう。

 レイはもがくようにしてさらに両腕をチカに向ける。

 最初とは違い、痛みにもがいているからか、それとも魔力が少しずつ抜けているせいかはわからないが、チカに当たった腕は、最初よりも確実に勢いは弱まっている。


「ああああああ!」

「レイ、ごめんなさい。あたしが助けるから!」


 チカはさらに力強くそう言葉にしたときだった。

 予想外のことが起きる。

 抱きしめていて、さらに言えばレイの腕は背中側にあったというのに、チカを腕が払いのけたからだ。


「きゃっ……」


 予想外の出来事に、チカは思わず腕の力が抜けてしまう。

 そこで見たレイは、異形の怪物になっていた。

 レイは、自分の力というものを制御できないとはいえ、暴走を起こさないようになんとかしていた。

 だが、チカはそんなものも含めて、レイに入っている力を全て解放させようとした。

 結果、中で眠っていたはずの取り込んだ力たちというものが、反抗を始めた。


「レイ!」

「ああああああ!」


 まるで解き放たれたかのように、レイの魔力は爆発的に増える。


「こんな化け物、知らないねえ」


 これまで見てきた中でも、最悪……いや、災悪と呼べる存在になってしったレイを見て、アンノはそう言葉にするが、仕方なかった。

 それほどまでに、今のレイは本当に化け物だ。

 どれだけレイ自身が力を抑えようとしても、中のものたちはそうではない。


「ああああああ!」


 大きな叫び声とともに、レイはそれまで使ってこなかった魔法を放つ。

 チカは、それを力で消していく。

 だが、レイの魔法はそれだけで防ぐことはできないほどに大量の数だ。

 チカの周り以外は、アイと、いつの間にか飛んできていた矢が防いでいたものの長くはもたないだろう。


「行くしか、ありません……」


 チカが覚悟を決めたとき、声が聞こえる。


「お姉様!道を作るです!」


 そんな声とともに、水の弾丸がどこからともなく大量に放たれたのは……

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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