表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
筋肉姫と魔法使い(仮)  作者: 美海秋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/122

91、人造人との戦い

 中央都市を襲撃した存在たちというのは、チカたちが迷宮を消す前には、一つ目の迷宮最深部へと辿り着いていた。


「ああああああああ!」

「何をやってやがる!」


 迷宮主である一人がそう言葉にしたものの、その化け物は迷宮にある人造物を取り込みながら強くなる。

 本当の化け物だ。


「楽しい、楽しい」

「成功しただろ?」

「うん、いい気分」


 それを見ていた男と女はそう口にする。

 二人がやってきたことは、ある人物を魔物として作り変えること。

 言ってしまえば、人造物のような存在を無から作りだすのではなく、魔力を宿した人物から作りあげるというものだ。

 名前は、人造人(じんぞうびと)と名付けられた。


「ああああああああ!」

「うるさいのだけは、失敗じゃない?」

「はは、これだけの力になったんだ。欠点が一つくらいはねえとな」

「それもそうね」


 そう言葉にする男女は楽しそうだ。

 人造人は止まることなく次へと進んでいく。

 仕方がない。

 人造人が求めるものが、純粋に魔力なのだから……

 二つの迷宮と、二つの人造物を取り込んだ人造人が次に目をつけたのは中央都市だ。

 アンノが作りだした塔などがあることから、そこへ向かうのはむしろ必然という流れではあった。

 そして、人造人は中央都市の壁を破壊した。


 人々が焦る声がする。

 チカはすぐに立ち上がり、音に向かって行くはずだったが、気づけば景色は変わっていた。


「これって……」

「チカさん?」

「アイさん」


 見たことがある人。

 気づけばチカは転移させられていた。


 ※


「思ったよりも未来は早くやってきたかぁ……」


 アンノはそう言葉にする。

 この未来というのは、予想していたこと。

 通常であれば、塔を壊されながらも逃げる予定だった。

 でも、塔にはみんながいる。


「誰かのために何かをする。なんだか、昔みたいだねえ」


 思わずそんなことを口にしてしまうほどには、アンノは似合わないことをしていた。

 未来を視たことから、敵わないことはわかっている。

 でも、時間稼ぎくらいはできるだろう。


「魔力に寄ってくることは知ってるもんねえ。少し多めの魔力を溜めれば向かってくるよねえ」


 慣れないことはもうやっている。

 それでも、時間くらいは少し稼ぐことができるはずだ。


「死ぬなよ、みんな」


 そんな言葉が口から思わず出ながらも、アンノは人造人へと向かって行く。

 魔力を使った転移によって、街の外へと移動したアンノは、すぐに魔力をさらに強くする。

 人造人は、アンノの魔力に引き寄せられるようにして向かってくる。


「はあ!」


 アンノはすぐに魔法を放つ。

 風の刃が人造人へと向かって行くが、全ては人造人が作り出した水の壁に阻まれると、消えていく。

(もうすでに取り込んでいるから、厄介ねえ)

 人造人は、一定の範囲内の魔力を全て取り込むことができるが、魔力が多く籠められる魔法に対してはすぐに取り込むことは難しい。

 よって、何も魔力を取り込まない状態であれば、魔法によって簡単に倒すことができる。

 そのことは、見てきた未来の一つであったことだ。


 でも、そんな都合のいい未来というものはやってくることは多くない。

 今回もすでに人造物を取り込んでいるため、強力な水の魔法を使うことができている。

 魔力が高く、全ての魔法を扱うことができるアンノであっても魔法を破りながら、自分の魔法を相手に届かせるとなれば、さらに強力な魔法を使う必要があるが、それも難しい。


「離れていても、魔力を吸われますか……」


 人造人は無尽蔵に周りの魔力を吸っている。

 よって魔力が多いアンノもそれは例外ではなく、さらにいえば魔法というのはある程度緻密(ちみつ)なため、少し魔力が乱れてしまうと魔法が発動できない可能性だってある。

 魔力が多いとはいえ、無駄に魔力を消費し、さらにいえば人造人に与えるようなことだけは避けなければならない。

 アンノが考えられることで、さらにはできる選択肢というのは今は決まっている。


「これで!」


 全方位から、魔法を放つ。

 案の定というべきか、人造人は水の壁を周りに発動して身を守る。

(こういうところは、考えることができないねえ)

 どれだけ人に近い化け物を作ったとしても、人と同じように考えることはできない。

 アンノは、そのことをわかっている。

 だからこそ、完全に全方位から攻撃をし、こちらを見えないようにして、打ち取るという方法がとれるはずだと考えた。


「おしまい」


 地面から今度は土の魔法によって人造人を貫く。

 その予定であったが、貫いたはずの土が凍っているのを見て、アンノは理解する。


「まずいですねえ」


 アンノは予想よりも多くの人造物を取り込んでいることに気付くと、転移をするつもりだったが、すでに魔法の発動がうまくいかなくなっていた結果、見落としていた。

 そして、横腹の辺りに痛みを感じる。


「これは、まずいですねえ」


 フードを被った女性二人が握った剣に自分の血が着いているのを見ながら、アンノはそう言葉にした。

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ