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筋肉姫と魔法使い(仮)  作者: 美海秋


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90/122

90、嫌な予感

「大丈夫なのですか?」

「大丈夫ー。魔力を使った結界だからちょっと時間がたつのが少しだけ遅いし、あっちからしか開かないからねえ」

「そうなんですか?」

「ええ。作った本人がそう言うんだからねー」


 アンノがそう言葉にする。

 先ほどまで話を聞いていた限りではさすがというべきだろう。

 アンノと二人で話をしていた内容というのは、多くはあの場所。

 塔と呼ばれる場所についてだ。

 作っているのは、アンノだ。

 彼女の目、髪全ては金色であり無限の魔力が湧き出ている存在だと教えてくれた。


 だからこそ、いろいろ不思議なこともある。

 それの一つが、チカの力だ。

 チカが使う力が同じように金色になっていることだ。

 無限の魔力が湧き出る存在が持つ体に宿す色というのが金色だということは、チカは知らないことだがアンノは知っていた。

 それもあって、チカが使っていた力というものが、どういうわけか金色の魔力のようなものを纏っている。

(ここにきて、知らないことが増えるなんて……長生きはするものねえ)


 アンノはしみじみ思う。

 そんなアンノが作り出した塔の中にある家に先ほどの話しに出た修行を行える部屋というのは三つある。

 本来であれば、一つ余っているはずなのだが、三つともが使用されている。

 この部屋というのは、半分しか時間が立たないというものだ。


「ねえ、まだまだ時間かかりそうー」

「そうなんですか?」

「だから、出かけるよー」

「わ、わかりました」


 未来は本当に少しずつ変わっている。

 そのことがわかっているからこそ、アンノはチカと予定には全くないことをする。

 だって今はチカが隣にいるのだから……


 そうして、塔の外へとやってきた二人は、中央都市を歩いていく。


「どこか行きたいところがありますか?」

「うーん、チカちゃんは?」

「難しいですね」


 急に言われても、チカは何か思いつかない。

 確かに行きたい場所というのはあるが、そこにアンノと一緒に行くというのも少し違うのではと考えてしまう。


「そんなに、考えなくていいよー。ギルド行く?」

「ええっと、その……はい」

「いいよ。気になったら行動は必要なことー。それとこれねえ、触らないでねー」


 アンノがそう言うのは二人の周りに発動している魔法のことだ。

 見て、なんとなく効果というものがわかるが、姿を見えなくする魔法だ。

 チカは魔力がないから効かず、魔法を発動したアンノが何かをしない限り、他の人から見えることがないというすごいものだ。


「なるべくものは先に触るねー」

「はい」


 そして、扉などに関してはアンノが先に開けることにしている。

 あれだ、先に行ってもし魔法が解けてしまうくらいならいいが、チカの能力が強すぎた場合。

 アンノが作り出している塔などの魔法も全て消えてしまう可能性がある。

 そんなことになってしまうとこの世界全てが混乱に(おちい)ることは確実だ。

 二人ともがそれをわかっているからこそ、気をつけないといけない。


 だが、ギルドに近づくとき、チカの予想よりもさらに慌ただしい。

 迷宮がなくなったことというのが、それほどまでに影響しているということなのだろう。

 そう思っていたが、話している内容は考えていたものと違っていた。


「おい、迷宮がまた消えたぞ」

「どうなってんだ。魔物も押し寄せてくる可能性がある」


 どういうことなのだろうか?

 また消えたとは……

 チカには言っていることがわからない。

 確かにチカたちは迷宮を消した。

 でも、魔物たちも一緒に消えているはずだ。

 それなのに、魔物が押し寄せてくるというのはどういう意味があるのだろうか?


「やっぱり、ここは変わらないねー」

「どういう意味ですか?」

「チカちゃん。迷宮を消した人がいるってことー」

「あたしたち以外にということですか?」

「そう、よくわかってるねえ」

「だったら、あたしは……」


 行かなければならない。

 そう言葉にする前に、目の前の景色が変わり家だ。


「ここは……」

「ダメだよ。ちゃんとみんなが揃っている状態じゃないと、許さないよお」

「どうしてですか?」

「力の使い方を、間違えないようにに決まってるでしょお?」


 アンノが言った言葉はチカを心配したものだ。

 それを理解しているからこそ、何も言えない。

 戻ってきた家で、みんなを待つしかないと思っていたときだった。


 大きな音が鳴り響いたのは……

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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