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筋肉姫と魔法使い(仮)  作者: 美海秋


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83/122

83、中央都市と塔

 魔物がいないおかげで、周りを気にしなくてもよくなった馬車はさらに速度を上げた結果、一日と半分で中央都市が見えてきた。

 後一時間もあれば、中に入るところまでいけるだろう。


「いつ見ても高いな」

「ほんとに」


 見えてきたのは、中央都市の真ん中にある塔だ。

 あれを見れば、誰もが中央都市へとやってきたと感じるはずだ。

 マモルやキキルも例外ではないが、そんな中でカイは冷静言う。


「ギルドを目指すってことでいいんだよな」

「え……」

「いいえ、その塔に向かってください」


 それでいいとキキルは言おうとしたが、馬車の荷台から顔を出したチカに先に行先を言われてしまう。


「どういうこと?」

「ここに来たときから、あたしにはその塔が見えません」

「え?」「ええ?」


 すぐにキキルとスイの驚いた声が聞こえるが、驚いたのは二人だけではない。

 声には出さなかったがカイとマモルも驚いていた。


「ごめん、どういうこと?」

「はい。カイと初めてここに来たときから違和感を感じていました。塔というものがあると言われましたが、それがわかりませんでした」

「あのときからか……」


 カイはそこで思い出す。

 確かにチカはここに来たときに戸惑ったような表情を見せていた。

 それはあんなに大きな塔を見たことがないという反応だと思っていたが、今の話しを聞くに実際には違っていたということだ。


「それでは、お姉様にはあれが何に見えてるです?」

「何も……塔がないということだけはわかりますが、そこに何があるのかを見に行ったわけではありませんでしたから」


 チカはそう言葉にする。

 にわかに信じられないことではあったが、チカがこんなことで嘘をつくなんてことはあり得ない。

 それは他の四人もわかっていた。


「行こう」

「そうだな」

「カイ、お姉様の神の目を信じるです」

「わかった、向かわせる」


 すぐにチカ以外の四人も、その何かというものを確かめたいと考え、馬車はギルドではなく真ん中にある塔へ向けて進むのだった。

 さすがは中央都市ということもあり、馬車はそれなりに走っているため、他の街であるようないろいろな視線に晒されることはない。

 だからこそ、塔へも早く着いた。


 チカは近づくにつれて、塔がなんなのかが見えてきていた。

 普通の人が見ていれば、かなり大きな塔が見えるのだが、チカにはそれはただの小さな家にしか見えない。


「何に見える?」

「平凡な家に見えます」

「家だと、見えるか?」

「僕には全く」

「スイもです」


 四人は不思議そうだが、チカからすれば逆だ。

 そもそも、チカからすれば塔が逆にあるのか疑問だ。

 とはいえ、あきらかにおかしな位置にこの塔を監視しているような門番のような人がいることから、何かがあるのだろう。


「すみません。聞いてもいいですか?」

「いいけど」

「塔の内部がどうなってるのか、知っていますか?」

「わかんないけど……」


 知ってるのかと、キキルは三人を見る。

 だが、全員が首を横に振る。

 塔内部のことを誰も知らない。

 そこまで考えると、なんとなくこの塔がどんなものなのか理解する。


「やはり、この塔は魔法で作られたものではないですか?」

「魔力がないから、チカには見えないってこと?」

「そうだと思うのですが……」


 チカは曖昧に返事をする。

 それは仕方ないことだ。

 言葉にしたものの、ここまで見えているものが違うとなると、チカ自身の見え方を疑ってしまうからだ。

 だが、入るというのもできるのかわからなかった。

 奥に家があるのが見えるとはいえ、逆にいえばそれだけで、その周りがどうなってるのかチカにはわからないからだ。

 例えば魔力の壁になってるかもしれない。


 だからこそ、門番もいるだろうからだ。

 そう思い、次の行動に迷っていたときだった。

 家が開き、見知った顔の女性が手招きしたのを見たのは……

 気づけば、その手に誘われるようにして、全員がその場からいつのまにか移動していたのだが、それを知るのはもう一つの見知った顔を見たときだ。


「おお、な、なんじゃ」


 驚いたような声で全員を見るのは少し前にお互いの用事から、別れたラスだった。

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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