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筋肉姫と魔法使い(仮)  作者: 美海秋


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70/122

70、同じく出会ったもの

「収穫はあったわけ?」

「そっちはどうだったんだ?」

「ないけど」

「なんで俺たちが責められる形になってんだよ」

「理由は言わなくてもわかるでしょ?」


 お互いに収穫がないことはわかった。

 とはいえ、こういうときにマモルたちが怒られるのはどうしてなのか……

 それは何も買ってこなかったかららしい。

 キキルたちは、なんだかんだといって、買い物のついでに食べられるものを買っていたのに対して、マモルたちは何も買っていなかった。

 実際にはスイがお姉様のために買っていきたいとなったからだ。


「気が利くでしょ?」

「く……お前の手柄じゃないくせによ」

「カイは、お姉様にちゃんと買ってこないのは許せないです」

「すまない。ちょっとしたことがあってな、忘れてた」

「謝れるのはいいです。偉いです」

「だそうよ」

「なんで俺がそんなことを言われることになるんだよ……」


 さすがにというべきか、マモルも呆れているが、確かに気が利かないと言われてしまえばその通りなのだ。

 そもそも、今までそんなことをする機会がなかったのだから、仕方ないのだが……

 とはいえ、今はそんなことを追求している場合ではなかった。


「カイ、お金どうしたです?少ないのは使ったからです?」

「半分とられたんだ」

「とられた?どういうことです?」

「えっと、それはだな……」


 とられたことをあまり説明をしたくはないが、言わないということもできないので、カイはあったことを説明する。

 盗まれたことをいじられるかもしれない。

 カイはなんとなくそう考えたが、スイから返ってきた言葉は違うものだった。


「カイたちも同じようなことがあったということです?」

「みたいね」

「同じこと?」

「どういう意味だ?」


 今度はキキルたちがあったことを説明する。


「僕たちがあったことと似てる」

「みたいだな」


 どうやら、お互いに分かれて行動したものの異変といえばいいのか、出会った相手というのは同じ人であったということだ。

 でも、気になっているところはそれではない。


「フードの中を見たか?」

「見たけど……」

「そうか」


 マモルが何か言いにくそうにしているが、キキルはすぐに何を言いたいのかを理解する。


「あの頭についていた角よね」

「そうだ。あれはラスについていたものと一緒のように見えた」

「でも、一本じゃなかった?」

「だな。それが俺にもわからん」


 そう、気になっていたのは、角だった。

 普通の人にはついていないものではあったが、だからこそ、特別なものだとはわかるが、それだけではない。

 角が折れているように見えたからだ。


「なんとなく嫌な予感がするんだけど」

「俺もだ」


 二人はそう言葉する。

 後のことがわかっているのだろうか?

 だけど、一度チカと合流する必要があると四人は思うのだった。


 ※


(よし、これで買える)

 握りしめたものの重みを感じながら、フードを目深に被った人物は走る。

 いつものように買い物を済ませると、さらに走るスピードがあがる。

 向かっているのは、自分の片割れがいる場所だ。


 今回は力を使いすぎてしまったせいで、こんなことになってしまっていた。

 本来であれば魔物たちを倒した後のお金をもらえるはずだったが、いつもの姿でない以上はそれが難しい。


「はあ、はあ……」

「すぐよくするから……」


 フードを被った人物はすぐにいつものように荒い息をしている、全く同じ顔、同じ背丈の人物にあるものを与える。


「はあ……う……すう、すう……」


 与えた後、すぐに人物は息が落ち着く。

 これでなんとかなった。

 人物はそう安心した。

 だからこそ、油断していた。


「あの?大丈夫ですか?」


 自分たちのことを見ている女性がいることに気づかなかった。

 すぐに声がしたほうを見ると、そこには見たことない見た目の綺麗な女性が心配そうに二人を見ていたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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