121、進みだそう
チカの意識がもどったのは三日後。
そして、世界が動き始めて一週間が立った。
「世界に貢献してくださいね」
「ふ、大魔法使いの我だからな、言われなくてもわかっている」
クロとチカはそんな言葉をかわすと、クロは転移してどこかに向かう。
世界は変わり始めているというのは、聞いていた。
みんなが精力的に頑張るのを見ているチカは……何も感じなかった。
外の世界に渦巻いていた魔力の塊たちは、確かにチカが簡単に吸収し、さらにいえばもう一人の自分にすることで破壊した。
その言葉だけを聞くと、簡単に世界は救われたと感じるだろう。
だが、実際にはそうではない。
あのとき、もう一人の自分自身が言っていた。
飲み込まれるなという言葉の意味を理解した。
「感情をもてない。この意味を理解しました」
最初は疲れているだけだと思っていたものの、今では自分に感情がないことは確信に変わっていた。
代償があることはわかっていた。
だからこそ、これは悲しかったり、憤りを感じたり、普通ならばするものだろう。
だけど、何も感じない。
そのことが、悲しいことなのかすらもわからない。
世界が救えて嬉しいはずなのに、チカにはそのことがわからなかったが、世界は広くなった。
「行ってきます」
そしてチカは、一人歩き始めた。
魔力がない、チカの行方は誰にもわからなくなってしまうが、それでいい。
体を鍛えるのも含めて、世界を旅すれば、何かが変わるだろうから……
こうして、世界はようやく動き始めた。
チカの行方はどうなるのかは、まだ誰も知らない。
読んでいただきありがとうございます。
一度ここで、この物語は終わりになります。
最後の方はご都合主義だったり、展開が早かったりしたと思います、申し訳ありません。
また、よければ次の作品で出会えればと思っています。
それでは




