114、姉妹決着
そもそもキキルは武技の中でも剣技を得意としていた。
全ての武技を簡単に扱えるとはいえ、剣技を多く使っていたのはそのためだった。
どんな敵であっても、剣技を使えば倒すことが可能であるとキキル自身は考えていたし、実際にキキルの剣技はほとんどの相手に通用していた。
だからこそ、魔物であっても倒すときには剣技を多用した。
でも、それは剣技以外の剣というものをおろそかにしてしまったわけでもあったが、逆にいえば剣技に関していえば極めているに近かった。
どれだけ剣技を操る人であっても、咄嗟に剣技を放てる人は多くない。
だが、キキルにはそれができた。
そして、一つのことに気づいた。
剣技を組み合わせれば、最強のものができるのではと……
でも、これには欠点がある。
というのも、基本的に武技というのは、それぞれの武器の特徴を考えて作り出されたものだからだ。
よって、剣技であっても同じ動きのものは一つもないはずだった。
そう……
一つだけあった。
それは、魔力で剣を作り出し、剣技とするものだった。
だが、その二つを組み合わせるというのは、問題が多かった。
同じように剣技を使おうとした際、どちらかの一方が干渉するからだ。
通常の武技であれば、体と武器の二つに魔力を宿して振る。
逆に、絶技と呼ばれるラスのものは、武器そのものを魔力で作り出すというものだ。
二つは全く違うものであり、同時には扱うことは不可能だ。
それは、キキルもわかっていた。
よって見つけたのは、剣を振る前。
その一瞬までは、全身に魔力を宿し、剣を振るそのときには、剣にのみ魔力を宿すものだ。
あり得ないくらいの、魔力操作能力が必須の技ではあったが、キキルは天才的な魔力操作によって完成させたのだった。
「なによ、あたい知らないんだけど!」
「うん、うちだって今完成したしね!」
「なに、それ?だったら、ぶっつけ本番であたいに試したってわけ?」
「そうだけど?」
当たり前もばかりに答えてしまうキキルに、シシルは呆れてしまうとともに思う。
(これだからお姉は……でも、そんなお姉だったからこそ、あたいの目指す価値はある相手!)
「お姉」
「なに?」
「全力でいくよ」
「何言ってんの?うちなんか、あんたが強すぎて最初から全力だったんだけど」
一番尊敬する姉にそう言われたシシルは、口元に思わず笑みが浮かぶのを感じながらも、その大剣を構える。
「お姉いくよ!火剣、炎」
「受けて立つ!絶剣」
二つの技はぶつかる。
だが、決着は一瞬だった。
絶剣。
それはあまりにも強力な技だった。
一太刀で、シシルの技と剣のどちらも斬ったからだ。
「あー、もう……せっかく強くなったのに!お姉強すぎ」
二つになった大剣を見てシシルはそう言葉にする。
それだけで、キキルは昔を思い出して口にする。
「じゃ、次はうちと一緒に特訓する?」
「うん!」
シシルは楽しそうに、そう言葉にした。
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