Ⅵ 東京制圧
仲間の元へ戻る霞達。
「霞様、なにか大きな音がしてましたが…」
「あーそれね?私達でモンスター全部倒してきちゃった。強いとか言われてたやつもね」
「流石霞様だ!」
「やっぱり最強!」
「はいはい、おだてるのはそこまでにしてどのくらい人見つけたの?」
「東京23区以外の町はすべて見回り、合計20万人程見つけてまいりました。持ってきた食料、見つけたものと合わせて3日分はあるかと」
「んー少ないね。一刻も早く群馬から食料取ってこないと。雷雨頼める?」
「人使い荒いよぉ…。任せといて」
「まいどまいどすみませんねぇ」
雷雨は能力で群馬へ速攻帰ってしまった。私が能力使ってもいいんだけど、戦闘で使えなくなるリスクがあるから、あんまり使いたくないんだよなぁ。にしても、自分に能力かけられるようになったなんて。いつの間に。
それから1時間ほど経って、雷雨が食料と100人ほどの仲間を連れてきた。
「流石に車10台加速させるのは無理があった…」
と、雷雨はこっちに着いた途端に、倒れるように眠ってしまった。このくらいで倒れちゃうなんてまだまだだなぁ。能力の限界ってのを教えてあげないと。まぁ今は寝かせてあげよう。とりあえず床じゃないところに、雷雨を寝かせておく。それから私は、部隊のみんなと救けた人々を一箇所に集め。
「皆さん!私達は群馬から来たプロスペリテと申します。硬い感じは嫌いなのでここからは適当に」
「お前らぁ!よく聞いてくれ!私達は今日から東京の復興を開始する!23区内のモンスターは全て倒したから安心してくれ。信じられないのなら自分の目で確認してもらって構わない。この話が信じられないというやつ、これからの態度で示して見せる。だから力を貸してくれ!共に日本を復活させよう!」
「「「ウォォォォオオーー!」」」
てっきりもっとヤジでも投げられると思っていたが、やる気があるようで何より。にしても、20万人も居るとちょっとうるさいかも。
「じゃあ、能力をそこの部隊の子たちに教えて仕事を振ってもらって。仕事は大きく3つ。戦うこと、食料生産、それから街の復興。強そうな子はスカウトに行くかもしれないからよろしくねー」
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2時間ほど経って、
「今何時!?」
と、雷雨が起き上がる。
「起きて最初がそれ?夕方の6時くらいかな」
「えっ?東京は?人助けは!?」
「あー終わったよ?雷雨が寝てるうちに」
「嘘、私どれだけ寝てた?というか倒れたんだよね?」
「そうだね、いきなり倒れたからびっくりしたよ。ざっと4時間くらいかな。演説したり色々やっててここに運んできたのは2時間前くらいだし」
「でもここって…」
そう、私達は今群馬に帰ってきている。
「だってー、雷雨全然起きないからこっちのほうがいいかなって。霙に聞きたいこともあったしね」
「でもどうやってそんな短時間で?」
「うん?能力使ってびゅびゅーんよ。雷雨1人位なら意外となんとかなるもんだねぇ」
「そっか…。迷惑かけてごめん」
「気にしないの!仲間なんだから。でも、能力の限界を覚えてもらわないとね。今日みたいに助けられるとは限らないし」
「そうだね、今度から気をつける」
「それでよしっ!じゃあ、私は霙のところ行ってくるね。もう少しここで休んどきな。明日からはまた東京行くからね」
「うん、わかった」
私はそう言い残して部屋を後にした。
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「霙ー、どう?戦果の程は」
「それがねー、雲が頑張ってくれるおかげで私の出番なくてー。今、栃木にまで手を出してる感じ。一応伊勢崎まではなんとかしたんだけど、前橋に集団が居座ってるみたいでね。偵察の子が怪我させられちゃって。とりあえずそこは避けてるんだ」
「そうかぁ、霙でも勝てなそう?」
「どうかなぁ、でも一ヶ月くれれば群馬はなんとかしておくよ」
「お、そりゃ大きく出たね。その言葉期待してるよ?」
「お任せあれっ!リーダー!」
その報告が聞けたので私は、雷雨の部屋へと戻るのだった。
《三日月 雲》:16歳。少しビビりなおとなしめの女の子。いざというときはやる子?かも。能力は”天候操作”身体能力強化”【能力ランク:B】