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XLVIII もう二度と…!

雷雨を抱える霞。

私は必死に走っていた。体の至る所が悲鳴を上げるがそんなものは関係ない。

私は雨を殺し、雷雨をこんなふうにしてしまった。自分が情けない。


「死ぬな…!絶対助かる…!雷雨!!」


先程から呼びかけているが、返答はない。全速力で東京まで戻る…!



◎●◎●◎●◎●◎●◎



「誰か!雷雨を助けてやってくれ!!」


私は、東京で自分が立てた医療施設まで雷雨を運びきった。


「むぅ!?これは一体…!とにかく、すぐにオペだ!!」


眼の前で叫ぶのは30代くらいだろうか?男の医師が立っていた。

雷雨を渡した瞬間、糸が切れたかのように私も倒れてしまった。いや、ここまでこの出血量で運べるほうがあまりにおかしかったのだ。根性で立っていただけだった。

_____

数時間後…

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ここは…病院か…」

「お目覚めですか、霞様」


そこには記憶の途切れる直前に見た若い医師が立っていた。


「雷雨はどうなった!?」

「とりあえず命はつなぎました…。ただ、神経や臓器に損傷が酷く、現代の医療技術では延命させ、再生させるまでが限界でした。意識を取り戻すかはあの方次第です」

「そうか…。わかった、ありがとう」


私はベットから立とうとする。


「いけません!霞様は絶対安静の身です!!」

「すまないな、私は行かなきゃいけないところがあるんだ」

「しかし…!」


私は少し圧をかける。普段から戦い慣れしていない人間に、この手の圧はとても耐えられるものではないだろう。私は病院をあとにした。



◎●◎●◎●◎●◎●◎



私は、雨の隣で立ち尽くしていた。そこで3時間泣いた。


「ごめん…、ごめん、雨。私なんかをかばって…」


更に3時間泣いた。ここに来た目的を思い出せないくらい泣いていた。ミカエルたちはすでにいなかった。雨が降ってきた。


「こんな寒いところ嫌だよな…。みんなのところに戻ろう…」


そう言って、私は東京へ駆け出した。

東京へ着いた頃、各自に散らばっていた部隊から連絡が来ていた。暴走していた間だったので気づかなかった。どうやら、攻略には成功したようだ。私は雲達二隊を除く部隊に電話を折り返す。東京へ戻ってくるように伝えた。

_____

数十分後…

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

私は隊長(雲を除く)たちを集めていた。


「みんな…聞いてくれ。雨は…死んだ」


それを聞いた全員の顔が固まった。私は続けざまに言う。


「雨は…、私が殺した。雷雨は意識が戻らない」


霙が席を立った。私の顔を強くビンタした。


「私達の知ってるリーダーはどこ!?言いなさいよ!!」


その顔は、泣いていた。


「私達のリーダーは、仲間を殺すような人なんかじゃない!!ちゃんと説明して…」


誰も、何も言えなかった。私は口火を切るように話し出す。


「私達は、霰と雹のところにルシファーが出たという連絡を受けて、行った。そこでルシファーと戦い、依代との戦いは勝利したんだ。だが、本体が出てきた。そして、いきなり自爆した。私は雨に守られたおかげで軽症で済んだ。その後の記憶は、ない…。気がついたら、雷雨の背中に刀が3本刺さっていた」


私は、話しているうちに過呼吸になってしまった。霙が私を強く抱きしめる。


「会議は一旦お開きにしよう」


霙の号令でみんなが立ち上がる。雰囲気は最悪…、とても重苦しかった。

そんなときだった。私に電話がかかってきたのは。


やっぱりね。駅伝っていいですね。箱根駅伝お疲れ様でした!!

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