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XLIII 近畿地方 de ピンチ!

現在鬼たちと戦闘中の一隊。

「ちょこまかと避けおって!!」


命を奪わんとする攻撃が振るわれる。ひゃー、当たったら間違いなく砕け散るね。辺りの地面は割れ、砂塵が舞っている。しっかし、どうやって攻撃を当てればいいんだか。と、そろそろ能力使っとくか。


身体能力強化(パワーアップ)!」


とりあえずは回避に集中する。如何せん攻撃の速度が早すぎて近づけないし、回り込もうにもあの金棒の攻撃範囲は広い。今は作戦を考えなきゃダメそうだ。


「所詮人の土地を奪おうとスルものは雑魚じゃな」


別に奪いに来たわけじゃないんだけどな…。もう一回訴えてみるか。


「なぁ!俺達は話し合いをしに来たんだ!戦いをしに来たんじゃない!」


そうやって声を張り上げるが、奴の答えは金棒だった。あーもう!金棒めんどくせぇな!


「そうやって避けてるだけじゃ、我は倒せぬぞうつけ者!」


いささか、戦いを楽しんでいるようにも見えるぞ…?鬼で戦闘狂で強いとか、キャラ渋滞してるって!

でも、作戦は決まった!


「おっしゃあー!!今度はこっちから行くぞ!!みんな!力を貸してくれ!」


そうやって俺は左腕を掲げて声を張り上げる。するとそこに、無数の生物が姿を表し、腕を囲っていく。これが俺の新たな能力、”万生操術(ディエーレノヴァ)”。ちょっと前に雲が能力を覚醒?だかなんだかしてたから、負けたくなくて身につけた。この能力は左腕を犠牲にどんな生物をも呼び出すことのできる能力だ。そして、操ることもできる。ただまぁ、マルチタスクということであまり長くは使えない。あと、左腕は生物の依代となって操作を失うだけで能力を切れば再生する。残った右腕で”怪力(イーカフ)”は使えるので問題はない。


「そんな木鼠がおろうとなんの問題もないわ!!」


鬼が左腕目掛けて金棒を振るってくる。おいおい、まだ集まってる最中なんだからそこは空気読めよ!お約束天界だろぉ!?

何にしろ左腕をやられるわけには行かないので全力で回避する。ただ、回避しきれず足を打ち砕かれてしまった。と言っても、指の数本だからなんとか走れる。


「よっしゃ!みんな行ってくれ!!」


俺の呼び出した生物たちは鬼目掛けて飛びかかっていく。その間にも俺は生物を補充し続ける。一回放出してしまえば、補充するのは簡単だ。


「ふん!小細工なんぞ、いくらやっても無駄じゃ!」


奴の金棒は生物たちを灰として消していく。あともう少し…、もう少しだけ…。

…やっぱりな。奴の金棒を振れる範囲は限られている。肩の関節が大きすぎるのだ。それ故に触れない部分が大きく。隙間となる。ただ、それはあいつが一定の方向を向いていないと隙間とならない。奴が正面を向いたらそれこそ隙なしだ。この能力、”万生操術(ディエーレノヴァ)”も燃費が悪くて体力の減りが早い。マルチタスクで燃費悪いとかやっぱり、使いにくい能力だ。


「はぁ…。雑魚は雑魚じゃな。こんなことをして時間稼ぎにもなっておらんぞ!!」


うぉっ!?まじかよ、あれ全部消したの!?補充続けてたのに、


ズドーーン!!


俺は激しく壁に打ち付けられた。左腕は無事だが、肋骨と頭が割れた。ガードに使った右腕もかなり軋んでいる。こりゃ”怪力(イーカフ)”は使えて一回だな。


「あぁ…イッテェの貰っちまったわ。こっから本気出す!」


そして俺はまた呼び出す。


「二度も同じ手は通じぬ!!」


奴はまた左腕を狙ってくる。だが、俺は完全に回避する。スイッチ入ったからな。


「よし、行け!」


さっきよりは数が少ないが十分にいるはずだ。


「ふん!ふんっ!」


作戦通り、奴は釣られている。疲れているのか動きは遅いし隙間は大きい。あぁ…!世界がスローに見えるね!!


「ここだぁぁあ!!”怪力(イーカフ)”!」

「何だと!?」


俺は渾身の力を込めて打ち込む。”万生操術(ディエーレノヴァ)”は切ってある。俺が倒れるような出力だ。


ドサッ…!ガガガガガ


鬼は力なく倒れた。そこで俺は気がついた。


「あれ…?なんであいつが倒れて…。俺は壁に打ち付けられてたはずじゃ」


記憶がなかった。だが、倒したのは事実だったようなので、鬼の近くへ寄ってみる。鬼の左半身は大きな穴付が空いていた。どうやら殺してしまったようだ。とりあえず霞に連絡だな。

まさかの近畿地方1話に収まらなかったので、2話構成となりました。


木鼠とはリスのことらしいです。

※筆者調べ

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