XLI 四国地方!三日月 雲編!
こちらは四国地方の雲達。
「みんなー気をつけてねー」
現在、私達は兵庫県の淡路島から四国と本州をつなぐ、鳴門海峡大橋を渡って四国の徳島県に降り立ったところだ。とりあえずは拠点探しである。
「たいちょー、ここどうでしょう?」
部隊の子が見つけてきた場所は、数日前まで生活感のある場所だった。見回った感じ人は居ないようだが、四国にも何かしらあるのかもしれない。
「みんな、よく聞いて。今回は部隊の人数が多いから強いなんて思っちゃだめ。しっかりみんなで助け合うこと。それと、報告は怠らないこと。いい?」
「「はい」」
「じゃあ、四国は広いし、とりあえず徳島県を見て回ろう。私の部隊と、副隊長3人の部隊で4部隊に分けるよ。日が沈んできたら一回ここに集まろう。その後作戦を練るよ」
「「はい」」
私の部隊には副隊長が3人いる。全員私の部隊には勿体ない人たちだ。一度隊長に推薦したのだが、全員霞様の元へ行って、わざわざ辞退の意思を伝えたそうだ。それなら。と、全員副隊長に任命した限りだ。霞様の許可は降りている。
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「たいちょー、あれなんでしょう?」
12:00を回ろうとするところ、部隊の子が声をかけてきた。私だけはミニフォンを持っているので時間を確認できるのだが、西方面に向かって1時間とてかからず、巨大な建物を見つけた。
「しっ、みんな静かに」
私はその建物から並々ならぬ気配を感じたので、即座に臨戦態勢を取る。能力も使う。杞憂であってくれれば助かるのだが。
「私がとりあえず見てくる。みんなは私が戻ってこなかったら向かって」
巨大な建物の前に立ってみると、戦国時代かと思うくらい大きな城があった。天守閣も見える。上にいるのは…、イルカ?
「だれだ。なをなのれ」
突然どこからか声がする。私は声の位置が特定できないため、質問に答えることにする。
「私達はプロスペリテです。戦闘の意思はありません。話し合いに来ました。」
「そうやすやすと、とおすわけにはいかぬ」
かなり雑音がある。どうやらスピーカーのようである。
「あんたかい?いきなり来るお馬鹿さんは」
鮮明に後方から声が聞こえる。そこに経っていたのは60代ほどのおばあちゃんだった。和装に身を包み、左腰には日本刀のようなものを抱えている。
「ここは儂ら”グリフォン様の里”じゃ。部外者は帰らせるか切り捨てるのが決まりなんじゃ」
グリフォン…。伝説のモンスターか。あまり戦いたくはないんですけどね…。
「私達は、日本の復興を目指している組織です。そのためには、四国を仲間に加えることが必要なのです」
私は必死に伝えてみる。だがしかし、おばあちゃんの目はみるみる黒くなり、
「グリフォン様にア、ダなす者は…。切り、捨てるのじゃ…」
突如地面が揺れる。先程私が立っていた場所は大きく穴が空いていた。そこには日本刀が突き刺さっている。まさかあのおばあちゃんが…?様子を見てみれば、かなり呼吸が荒れている。
「ア、ダなす者は…、切り、捨てる…」
同じセリフしか言わないのを見る限り、操られていると考えるのが自然だと思う。いかんせん、私では太刀打ち出来そうもない。私はその場から逃げることしか出来なかった。
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拠点に戻ってきた私達は情報交換をしていた。愛媛には小さな組織が2つ。香川には小さな組織が1つ。高知には大きな組織と小さな組織が2つずつあるらしい。徳島には先程の”グリフォンの里”のみだったみたい。
私達は四国攻略に向けて作戦を練るのだった。
(別の話に続く)
時系列的にはサタンたちとの戦いが先になるので、次話は近畿地方編となります。