XXX 一つの決着
リベンジマッチ!!
「リエ・ソレイユ!」
私は能力を発動する。ルシファーの攻撃パターンは”記憶能力”によって、全て頭の中にある。これ、思ったより有利?
「ふん。先程より強いが、こんなものか」
「言ってられるのも今のうちだっ!雨っ!」
「レオーネ!!」
「またこのパターンか!!2度は喰らわぬ!」
ルシファーは雨のレオーネを弾き飛ばしてしまう。だが、
「それは囮だ!!フィシ・ソレイユ!!」
重複契約により、強化された超近接攻撃をやつに浴びせる。確かに手応えは合った。
「ほぅ…。少しかすってしまったか」
「えぇ…。あれ、私のフルパワーなんですけど…?」
私の攻撃は胸を浅く切る程度にしかなっていなかった。
「貴様もわかっていることだろう。”私の攻撃は通じない”と」
「おーおーよくわかってんねぇ。でも別に”全く”通じないわけじゃねぇよなぁ!!」
私はルシファーに攻撃を浴びせる。が、軽くいなされてしまう。
「貴様の力はこんなものではないだろう!我をもっと楽しませよ!!」
「余裕そうな顔が苛つくんだよっ!!」
もっとだ、もっと、攻撃を…!
「そろそろか?!そろそろか?!貴様は何かを待っているのだろう?!」
「へっ。もう気づいても遅い!!」
「アリエテ!!」
雨お得意の水魔法。が、今回はかなりサイズが小さい。
「こんな程度のものっ!」
と、ルシファーが目線をアリエテへ向けた瞬間に、
「ここだあぁぁっ!!サテリー・アインス!!」
私は習得したばっかの能力を発動する。行き当たりばったりだけど、なんとかなったな。
”サテリー・アインス”この能力は”見切り能力”を強化し、2刀流が可能となる。というか、2本めの剣が出てくる。そして、力が増加する!!
「なっ!?貴様ら予想以上に楽しいじゃないか!!」
「その鼻っ柱へし折ってやる!!」
常人では目に終えないような斬撃の嵐がルシファーへ降り注ぐ。
「どうしたどうした!?余裕なんじゃないのかぁ!?」
(いける…!これなら押し切れる…!)
「はいはーい。そこまでー。ルシファーを今殺されちゃうと私困っちゃうんですよー」
「確かてめぇは…、サタン」
「お名前を覚えていただいて光栄です。先程もお会いしましたけどね」
「お前も殺さなくちゃなんねぇんだわ。死んでくれる?」
「物騒ですね…。ほら、ルシファー。立って。私も戦いますよ」
「手を出すな!サタン!」
「んぅ…。物わかりが悪いですね…。一緒に戦うんです。さっさと潰しますよ」
(2対1で近接戦は分が悪い…。どうする…?)
「霞、私がサタンをやる」
いつの間にか横に居た雨がそう言う。
「お前、魔力を貯めてたはずじゃ、」
「そんなことも言ってらんないでしょ。…背中は任せるよ」
「当たり前よっ!」
「ルシファァァー!!!」
「そんなに叫んでも強くなどなれんぞ」
「てめえの余裕は私が消してやんよ!!」
最後の切り合いへと流れ込む。やはり押している…!
「こしゃくな…!人間ごときに負けるわけには行かないのだ…!!!」
「ルシファー!てめぇは絶対に殺す!!」
「これで、終わりだぁぁあ!!」
ドーーーン・・・
「やっ、た…」
そこには倒れているルシファーの姿があった。2刀流は意外とうまく言ったな。最後の斬撃は1本じゃ、パワーが足りなかった。
「雨の、ところに、、」
私はもう限界だった。歩くちからもなかった。
「あらら、負けちゃいましたか。しょうがないですね、回収しましょう」
サタン…の声か…?雨は…負けたのか…?
「雨を、どうした…!」
「あれ、まだ立てるんですか。頑丈ですねー」
「雨をどうした!!!」
「知らないですよ。そのへんで倒れてるんじゃないですか?」
見たところ、サタンは無傷。雨が、負けた…!?周りを見てみれば、横たわっている雨が居た。
「ルシファーが死んだ今、私がここに居る理由はないので、御暇しますね。では、また会う日まで」
そういって去っていくサタンの姿を目で追うことしか出来なかった。
《七緒 霞》:17歳。重複契約により、新たな力を手にした。【能力ランク:X】
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