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XXVII 勝つために

戦いで気を失ってしまった霞。

「リーダーならきっと大丈夫。すぐ起きるよ」

「そうだな。私のライバルにそうやすやす死なれても困る」


声にもならない不安が2人の間に沈黙を導く。先に話題を出したのは霙だった。


「ルシファー、だっけ?そんなに強かったの?」

「あぁ。私の攻撃ぐらいの威力があれば効くらしいが、霞の攻撃では全く効いていなかった」

「えぇー、私の攻撃じゃ効かないじゃーん。隣りにいたやつは?遠くてよく見えなかったんだけど」

「サタンと名乗っていたな。ルシファーの相棒だと思う。おそらく、ルシファーより強い。あいつは魔力を吸収する能力を持っている」

「じゃあルシファーを倒すにはサタンを倒さないといけないってことか」

「そうなるな」


考えただけでも戦力が足りていない。


キィィィィン・・・


耳鳴りのような音が頭で鳴り響く。ん、頭痛がひどすぎるからこの呼び出し方は毎度まいどやめてほしいものだ。


「どうした?ガブリエル」

「んーとね、今日は先輩がどうしても雨ちゃんに会いたいって」

「先輩?」

「どーもー。霞ちゃんの天使でーす」

「???」

「なんでここにいるかわかんないって顔してるね。私達は契約してる人間のところなら自由に移動できるんだー」

「まぁ、理屈は理解した。でもなんでここに?」

「おぉ、物わかりがいいね。流石現最強。ルシファーたちとの戦いを見てたんだけど、このままじゃ勝てないよね?」

「…」

「そこで、提案があります。重複契約、してみない?」

「ちょ!?先輩!?」

「重複契約?」


ガブリエルがすごく驚いている。そんなに驚くようなことなのだろうか?


「重要なことだからよく聞いてね。重複契約っていうのは、契約してる天使がもう一人のパートナーを選ぶこと。ただしできるのは1人まで。そして、その天使が契約している人間それぞれの命は連動制になる。つまり、雨ちゃんが死んだら霞ちゃんも死ぬってことだね」

「そんなのだめに決まって、」

「まぁまぁ。でも、メリットも大きくて天使の力を大きく使える。要は2人分の天使の力が身につくし、強化もされる。力に耐えきれるかは別の話だけどね」

「でも…」

「このままじゃ、ルシファーには勝てないんじゃない?私達の巻いた種を摘んでもらってるのにって話だけど」


「まぁ、霞ちゃんが目を覚ましてから十分に話し合ってよ。今ここで決められることじゃないでしょ」

「って話なので…。雨ちゃんまたね」


ん…。帰りも頭痛がひどいのだけは勘弁…。


「どうしたの?ぼーっとして」

「ン?あぁ悪い。少し考え事だ」


重複契約…。さて、どうしたものか…。


「リーダーは目を覚まさないし、一旦部隊のところに行こっか」

「そうだな」


私達が部屋を出ようとすると、


「んぅ…?」

「霞!」

「リーダー!」

「どうした…?雨、霙。ってか、ここどこ…?」

「よかった…!リーダーは大怪我なんてレベルじゃないけど、大怪我で倒れちゃって、ここに運んできたんだよ。今回は本当に目が覚めないかと思ったよ…」


そういう霙の顔は今にも泣きそうだ。


「そうか…。私はまた、負けたんだな…」


3人の間に沈黙が流れる。


「霙、悪い。霞と話したいことがあるんだ」

「私も居ちゃだめ?」

「…すまない」

「ん…わかった。外で待ってるよ。終わったら教えて」


そう言って霙は外へ言ってくれた。とてもじゃないけど、重複契約の話は霙には教えられない。


「霞…。話したいことはわかるか?」

「あぁ、さっき聞いたさ。重複契約の事だろ?」

《九十九 霙》:19歳。最近能力がパワーアップしたらしい。【能力ランク:A】

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