XXVI 決着?
戦闘中の霞と雨
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視点交代:雨視点
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「霞ー?!霞ーー?!」
私は見えなくなってしまった霞の姿を探している。ルシファーを倒すためとはいえ、霞には耐えられない攻撃を当ててしまった。無事なのか…。あの子はきっと無事だろう。そうに決まっている。
「やってくれたな」
私は聞いちゃいけない声を聞いた気がした。
「流石にあれは効いたぞぉ」
そこに立っているのは堕天使ルシファー。だがその容姿は、体の半分が爛れ、羽は無くなっていた。あれは魔力を一点に集めすぎると怒る現象だ。ルシファーは魔力を左半身に集めて、臓器を守ったらしい。どんな守護魔法してんだ。
「我の体がこんなのになっちまった。これは責任取ってもらわんとなぁ」
「おうおうおう、責任持って殺してやんよ」
私の聞きたかった声がした。
「雨ー。私死にかけー」
「霞!よかった!生きてたんだな!」
「手加減してたやつがよく言うぜ。あれ、私が死なない程度に加減してあっただろ」
・・・
「まぁいいさ。ここで殺せばなんの問題もない」
相当ブチギレモードの霞。相手に対して”殺す”なんて言葉を使うのを私は初めて見た。
「そんな体で我を殺せるものか」
「お前だって、人の事言えねーだろ」
「お前なんぞ、右半身のみでひねってくれるわ」
「言って、、くれ、、る、、なぁ、、」
ドサッ・・・
「霞!?霞どうした!?」
(霞が倒れた…。私は剣の技術では、霞には勝てない…。このままじゃ、負ける…!)
「はいはーい、霙ちゃんさんじょー!」
「なんじゃなんじゃ、雑魚が増えおったぞ」
なんで霙がここに…!?西へ言ったはずじゃ…。
「リーダー!?どうしたの!?みんな!!リーダーを早く安全なところに!!」
「そうはさせぬ。!?」
攻撃を放とうとしたであろうルシファーの体は、固まっていた。
「いいよ!みんなこの隙に!!」
「貴様…!!なにをした!!」
「教えるバカは居ませーん」
正直私にも何をしているかわからない。ただ、霙の能力から察するに、かなりの力を使い、今動けない状態にあることは確かだ。だが…!
「霙!よくやった!」
私には、一瞬動かない時間があれば十分だ!!
「レオーネ!!」
私は全力の雷魔法をやつへ放った。
「!?」
なんとそこには、もう一人天使がいた。私の攻撃を受け止めたのか?
「なぜ止める。サタン」
「もう限界でしょう?ルシファー」
「やめろ、我は全然問題ない」
「はいはい、意地張ってないで手当しないと」
私の前から立ち去ろうとする2人の天使。霙は能力を使い果たして、膝をついている。
「まっ、待て!」
「なんですか?このおもちゃにもならないものは」
サタンと呼ばれていた天使は、私の攻撃を吸収したように見えた。私は天使たちが立ち去っていくのを見送ることしかできなかった…。
「おい!霙!大丈夫か?」
「私は大丈夫。それよりリーダーのところへ行かないと…」
と言いつつ立ちあがろうとする霙だが、倒れてしまう。
「無理するな。私が背負っていく」
「ごめんねぇ、私が年上なのに」
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「霞はどうだ?」
「依然、気を失ったままです…」
「霞…」
《サタン》:年齢不詳。ルシファーの相棒?一緒に行動している。
※11/11 12:00に次話投稿します