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XX 同盟の難しさ

青森に着いた霞達。

「ついたー」

「意外と早かったな」


私達は今、青森県の青森市に来ている。どうやらここに、私達と似た組織があると、噂に聞いたのだが…。


「あれ?全然人居なくね?」

「いないな」


まぁ、噂は噂だしなー。嘘だったのかもしれない。帰ろうとしたその時、


「シンニュウシャ、ハッケン」

「タダチニハイジョ」

「「ハイジョ」」


と、ロボットの大群が迫ってくる。


「なーにこれ、壊していいのかな」

「ふん。雑魚め」


私が迷っている間に、雨は一機壊してしまっていた。


「大丈夫なのか…?それ」

「知らん。あっちが勝手に襲ってきたから反撃したまでだ」

「戦闘モード、移行」

「「移行」」


ロボットたちは集まって何かを始めた。みるみるうちに大きくなっていく。


「あれ…?なんか大きくね…?」

「大きいな」


ロボットは合体して、高さ5mくらいの人間型ロボットになった。


「でも、こんなもんかぁ」

「そうだな」

「シンニュウシャ、ハイジョスル」


と、ロボットは飛びかかってくる。だが、雨が杖で弾き飛ばして一発で壊してしまった。


「ほんとに大丈夫かなぁ…。これ、人の作ったやつでしょ絶対」

「襲うやつは反撃されて当然だ」


雨が正論を言っている。やっぱこいつただの脳筋バカじゃないな。


「あー!私のロボットがぁー!」


と、遠くから幼い子どもの声が聞こえてくる。


「どうしてこんなひどいことするのっ!」

「そんなこと言われてもなぁ…」

「ロボットが襲ってきたんだ」

「だとしても限度って物があるでしょ!凪より年食ってるくせに、そんなのもわかんないの?!」

(こいつ、やけに煽り性能たけーな…。でも、泣きそうな顔で言うもんだから、怒るに怒れねー)


ん?待てよ?凪…?


「お前、壱河 凪(いっか なぎ)か?”パーチェ”のトップの?」

「は?なんで知ってるの?アンタ達のことなんか知らないもん!」


と、凪はそっぽを向いてしまう。これは…。


「おい、礼儀ってものがあるだろ。私達は襲われた側だ。いきなり襲ってきたそっちから、謝るべきだ」

「知らないっ!どっか行け!」


ありゃりゃ、こりゃ大変だ。


「まぁまぁ、落ち着け雨。そのうち凪も落ち着くさ。みんなを待とう」

「霞が言うなら…」


うんうん。やっぱり話は聞いてくれるね。

1時間ほど経って、


「やっと来たぁ。遅くない?」

「俺達は全員、お前らのように早くは行けないんだよ。仕方ないだろ」

「そんなことは置いといて。晴、交渉と、子どもの相手ってできる?」

「子ども?まぁ、弟の世話なら良くしてるけど」

「じゃあ、あそこの子よろしく」


私が指差す先に居るのは凪。今もなお、私達が壊したロボットを、せっせと直している。


「あの子に何回か話しかけたんだけど、口も聞いてくれなくてさぁ。ということで、よろしく」

「なんかわかんないけど、わかった」


晴は凪に歩み寄っていく。お、うまく言ってるようだ。なになに…


”そいつらがロボットを壊した””私の大事な大事なロボットを…”


めちゃくちゃ都合のいいように言ってやがる。


「霞、素直にあの子に謝れ」

「いやいやいや、私達は襲われた側だよ!?あっちから先に来たんだよ!!ねぇ?雨」

「あぁ」

「うーん、もう一回行ってくる」


再び戻ってきた晴は、怪訝な顔をしながら、


「やっぱり、お前たちが悪いんじゃないか?」

「絶対悪くないから!!私達のこと信じれないの?」

「でもなぁ…。あの子、小学生くらいだぞ?嘘ついてるようには見えないんだよなぁ…」

「ついてるから!めっちゃ嘘まみれだから!!」


結局、晴を説得するのに30分くらいかかった。この同盟、難しくなりそう…。


《壱河 凪》:12歳。頭脳明晰で生意気。ロボットが好き。能力は”効率強化”【能力ランク:D】


※パーチェとは、イタリア語で”平和”という意味です。

作者調べ。

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