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XIX 東北遠征

霞は再び仕事へ戻るようだ。

私が初めて雨に負けてから1週間ほど。特に国内で目立った変化はなかった。どうやら、雨の話が噂で広まり、もうみんな気にしていないようだ。


「あ!霞様!どうです?お茶でも飲んでいきます?」

「今日もありがとうございます!霞様!」


こんな感じである。以前、おんなじようなことを言っていた人に


「私は負けたんだぞ?本当にいいのか?」


と聞いたが、答えは


「当たり前じゃないっすか!」


だった。それ以来、私は聞くのをやめた。国もまとまってきたようで何よりだ。


「あ、お茶はいいや。また今度来るねー」

「はい!いつでもいらしてください!」

「ありがとー」


「さーて、そろそろ仕事だな」


私は目的の場所へ急ぐのだった。


「よーし、みんな揃ったな。わたしたちはこれから、東北へ向かう。噂に聞いてるかもだけど、最近各地に、私達みたいな組織が出来上がってるらしいんだよね。てことで、同盟結びに行くよ。ゲス組織は潰しちゃうけど、それ以外は仲良くね」

「はい!」

「じゃあ、一隊と十隊は先に行って道を拓いて。六隊は後方支援で。その他は、ここを警護!あ、九隊は別の仕事あるかもしれないから準備よろしくー」


そして、一隊と十隊は先に行った。まぁ、雨と晴居るし、なんの問題もないだろう。


「それでリーダー、別の仕事って?」

「あ、うん。九隊には関西方面に下ってもらおうかなって。必要なら一個くらい隊つけるけど、どう?」

「いいよーん。じゃあ、二隊もらってこっかな。雲ー?行くよー」

「ということらしいので、皆さん着いてきてくれます?」


雲が少し困ったような表情で言う。


「当たり前じゃないっすか!隊長に自分たちは着いていきますよ!」

「そうっすよ!」

「はい、話もまとまったし、行くよー」


そのまま霙は雲を引きずって行ってしまった。雲、生きて帰ってこいよ…!


「残りの子達も、準備はしといてね。いざとなったら十五隊以外、援軍に動かすからね」

「「はいっ!!」」

「じゃ、解散!」



◎●◎●◎●◎●◎●◎



「なぁ、霞。どうして私達を連れて行かないんだ?」


と、雪さんが不思議そうにこちらを見つめて聞いてくる。


「今回の目的は同盟を結ぶことにあります。同盟の使者が大量にいたら、圧をかけてるみたいでしょう?そうすると、現地の人々から信頼が取れません。なので、なるべく少ない人数で行きたかったんです一隊と十隊は国でトップの実力者ですから。」


まぁ隊長が強すぎるだけだが、


「多分、援軍必要になったら最初に動かすのは三隊と六隊なので、準備はしといてくださいね」

「あぁ、わかっている」

「じゃ、私はそろそろ行きますね」

「そうだな。行ってらっしゃい」



◎●◎●◎●◎●◎●◎



「おーい、ってあれ?雨は?」


私がハイスピードで追いついたのに、十隊には肝心の隊長が居ないのである。


「あぁ隊長は先に行ってモンスターと戦ってますよ。ここ一週間、そんな感じなので慣れました」

「あいつも部隊放置するタイプか…」


やっぱあいつら隊長向いてねーのかな。晴のところにも行ってみたが、こっちはちゃんと仲間を引っ張ってるようだ。安心安心。


岩手まで着いたところで、私はようやく雨を発見した。


「なにやってんだよ雨、部隊のみんな置いてくなよ」

「知らん。弱いやつに興味はない」

「そんなこと言って、部隊のみんなに戦わせたくないだけだろー?」

「そんなの知らん」


ちょっと顔赤くなってる。図星かよ!


「そっかぁ、そうだねぇ」

「なにニヤニヤした顔で言ってるの!」

「いいや、なんでもないよ。安心しただけ。先行っちゃおっか。副隊長にまかせてあるんでしょ?」

「霞はなんでもお見通しだな」

「まぁねー」


私達はひと足早く、青森へ向かうのだった。

《五重 晴》:19歳。リーダーシップのある、ポジティブ男子。能力は"怪力"【能力ランク:S】

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