XVI 戦闘部隊の実力
ついに始まる、開幕戦。
「まずは一隊と二隊からっ!両者位置についてください」
「負けねぇかんな」
「全力を尽くします、」
両者3名が位置に着く。
「それでは、始め!!」
雷雨の大きな号令とともに戦闘が始まる。雲は早速能力を使っているようだ。けど…、
「あれ?!なんで?!」
「ここは屋根があるからなっ!昨日特訓してた雷雲はここには出てこないぜ!戦士なら正々堂々力で来いよ!!」
「私、戦士じゃないもん…」
「隊長!こればっかりは仕方ないです!なんとかやりましょう!!」
「そうだね。ありがとう」
中々いいチームじゃねーか。
「私の能力は2つあるんですっ!あまり舐めてると怪我しますよ!!」
「いいねぇ!そうこなくっちゃ!!」
戦いはそれぞれ1vs1に発展した。隊長以外の2人は早々に決着が付いたが、隊長たちにまだやってる。
「っ…!」
「どうしたどうした?!ギブアップか?!」
ちょっと雲が押され気味かな。まぁ、男と女だと身体能力が違いすぎるしなぁ。
「あれを使いますか…」
「おっ?ぶつぶつしゃべってどうしたぁ?」
「極・身体能力強化!」
そう言葉を放つと同時に、雲が体に纏うオーラが明らかな変化を見せる。おいおい、あいつはいつあんなの身につけたんだ…?
「なんだぁ?!」
「これ使うと倒れちゃうんですよね…。でも手を抜くのは失礼だと思いまして。あと1分しか持ちませんが、最後の決戦です!!」
うぉっ!急に雲が押し始めたぞ。一切攻撃は当たってないし、確実に晴がダメージを受けてる。
「この程度じゃ負けてらんねぇなぁっ!」
一発返した!あんまダメージ受けてないみたいだけど。その後、30秒ほど攻防が続き、
「あっ、だめっ…」
バタッ・・・
雲が倒れたことにより、試合の決着が着いた。
「勝者、一隊!!」
うおぉぉぉーー!!観客の歓声が耳鳴りを起こしそうなくらいうるさい。いやーでも、いいものが見れた。やっぱり雲は期待株だ。
「続いて、三隊と四隊っ!両者位置についてください」
おっ、ここは隊長副隊長の試合だな。さて、どうなるかな。
「隊長!手加減はナシですよ!!」
「もちろん!」
「始め!!」
両者共に遠距離攻撃の能力なため、一度距離を取るようだ。
「ちょっとー遠いんですけどー」
「知ってますよ。だからこうしたんです」
ありゃりゃ、どうやら千洞が百白の射程外に出たようだ。これだと百白が圧倒的に不利だな。千洞の能力は”操作魔弾”射程は基本意識の届く範囲なら無限だ。当たるかは別問題だがな。
「うーん、これどうしよう。僕達の隊には近距離戦える子が居ないんだよね」
「ですね、隊長どうしましょう」
「しょうがないから近づこう。被弾覚悟で出るから、僕の後ろを付いてきて」
「でもそれじゃあ隊長が」
「大丈夫。僕を信じて」
おっ?百白が飛び出したな。これじゃ当て放題だぞ。
「諦めましたか隊長!じゃあこれで終わりですよ!!」
ドドーン・・・
「その程度じゃ、僕はまだやれないよ!!」
やっぱりか。あいつ、見た目に反して意外とタフなんだよね。これは決まったかな。
「あっ…」
「もーらい!」
百白の能力で、巨大な岩石が千洞の頭に当たり、決着が着いた。周りの2人はよほど力の差があったのか、一瞬で百白の後ろの奴らに倒されていた。
「勝者、四隊!!」
まぁまぁ順当な勝ちではあるな。これからに期待だ。
「続いて五隊と六隊です!両者位置についてください」
「楽しくやろーねっ!」
「あぁ、もちろん」
「では、始めっ!」
「みんなー、行っくぞーっ!!」
「いぇーい!!」
いきなり突進を始める雹達。全員にっこにこで楽しそうやなおい。
「落ち着いて捌くんだ!いいな!」
「「はい!!」」
ここでもリーダーシップ発揮の雪さん。いいなー。混ざりたくなってきた。
「作戦どーりっ!!」
なんと急に突進をやめた雹は、周りの2人を仕留めにかかる。そしてそのまま倒してしまった。あいつ、意外と考えてんだな。
「嘘だろ…。これはやられた」
「どーします?まだやりますぅ?」
「当たり前だ!私はみんなのために負けられないっ!」
なんか雪さんだけ理由重くない??結果は予想通り、雪さんの負けで決着がついた。
「勝者、五隊!!」
「いえーい!」
どこまでもお調子者だな。こいつは。
「続いては、七隊と八隊!両者位置についてください」
「よろしくな」
「よろしくお願いします」
なんだかよそよそしいな。仲良くしろー。
「では、始め!!」
「さ、さっさと倒します」
霰は早速能力全開のようだ。すでに億長を圧倒している。だか、億長の表情は余裕に満ちている。
「なに余裕かましてるんですか!倒して差し上げます!」
と、言った途端。何故か億長が霰の背後を取っていた。
「これで終わりです」
ドタッ・・・
あまりの決着の早さに会場は一瞬静まる。
「しょ、勝者、八隊!!」
この前手合わせした時はこんなの使ってなかったよな…!これは燃える…!!あー早く私もやりたい。
九隊は相手がいないので、試合はなしになった。霙は不貞腐れてた。
《億長 枯凩》:17歳。雪さんより強いらしい。能力は"透浸"【能力ランク:S】
※P.S.XVのタイトル間違ってたので直しました。執筆追いついてないので、どこかで必ず追いつきます!