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NVS(国家対外局)
ちかちかと光が点滅する廊下を男が歩いていた。
「そろそろ交換時か?」
消えかけの電球を見ながら呟く。
資料を上司へ送るためにオフィスへ向かう。
扉を開けホールに出ると、さっきいた廊下より明るく、その眩しさに目を細める。
大理石でできた大きなホールの中心に、赤い星が特徴的な紋章が掲げられている。
私はエレベーターに乗り、事務室に向かう。
「同志カラマーゾフ」
後ろから声をかけられた。
振り向くと、狼人間のナターリヤ・スミルノワがいた。
「こちら、救世主に関する報告書です」
そう言って彼女は紙の束を手渡してくれた。
「ありがとう、同志スミルノワ。引き続き調査を続けてくれ」
「了解」
デスクに着いて、これらの資料を上司に送った。
NVSで通信水晶のような骨とう品を使っているのは私だけだろう。
資料を水晶に認識させ、本部へ送信した。
「明日は報告か...」
私は少し憂鬱な気分で、仕事をする。
KIS(王国諜報局)所属、ドミトリー・カラマーゾフはナターリア・スミルノワからもらった報告書を処分した。




