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作者: 行世長旅

作家になりたいけれど、読むのもままならなくなった。

作家を目指そうと思ったのは、初めて見たアニメに感動したから。

そのアニメでは、感情がわからないヒロインが恩人に「好きだ」と言われたところから始まる。

ヒロインは、「好き」の意味もわからない。けれど、その意味を知る前に恩人が死んでしまう。

ヒロインは恩人が亡くなった後、多くの人と接していろんな感情を知っていく。

そして最終話で「好き」の意味を知り、恩人に心の中で「私も好きです」と返答する物語だ。

この作品は世界的にも大きな人気がある。

この作品を書いた人は、これがデビュー作だったという。

デビュー作で多くの人を感動させて、一躍有名となった。

しかし、素晴らしい作品を書き上げた裏には、とんでもない出来事が隠されていた。

作品の内容は、大部分が作者の実体験だと言う。

幼い頃に両親に捨てられてから恩人に拾われて育ててもらうまで、作者自身の人生が反映されている。

恩人が死んでしまっているというのも事実だ。

ようやく人としてまともに育ってきた頃になって、交通事故で亡くなってしまった。

作者は感謝の気持ちを伝えられなかったのがずっと心残りで、気持ちを形にして届けたい一心でこの作品を書いたのだという。

恩人が作者を拾い育てたのにも理由がある。

恩人は学生時代、通学中に発生した災害で両親が行方不明になっていたため、孤児院で育っていた。当時は寂しさやら悲しさでひどく落ち込んだという。

なので同じく両親のいない作者に共感を抱き、身元も知れない子に自分と同じ寂しさを抱いてほしくなかったそうだ。

けれどもちろん、いきなり子を預かって育てるのは簡単ではない。

作者には恩人とは別に、気にかけてくれている人がいた。

その人は恩人の幼なじみで、食事を作って渡してくれていたのだ。

幼なじみは同じ町内で惣菜屋を営んでおり、営業時間が終わるとたまに恩人の家に差し入れをしていた。

作者とはあまり顔を合わせなかったので、この2人の関係性は薄いと言わざるを得なかったらしいのだが。

幼馴染みが惣菜屋を営んでいるのにも理由がある。

祖母が戦争を体験した身で、その日に食べるものにも困る時代を生きたそうだ。

そのため、常に飢餓と隣合わせの人生だったという。

だからものを食べられるというだけで幸せという思いが強く、食べ物のありがたみを絶えず聞いて育った幼い頃の幼馴染みは、将来はご飯を作る人になるとこの頃から夢見ていた。

幼馴染みが店を持つまでに至ったのは、旦那の力添えがあったのが大きな要因だ。

旦那とは高校生の頃に出会ったらしく、旦那が幼馴染みに一目惚れしたとのこと。

クラス内で自己紹介した時から幼馴染みは周りとは違う雰囲気を抱いていたと言っている。

しっかりと何かを見据えている眼差しが印象的で、当時は見据えているものが何かはわからなかったが、後に仲良くなった際に「ご飯を皆に作って食べてもらって、幸せになってもらいたい」という夢を抱いていた心根に惹かれたのだとわかったと語った。

旦那自身は飲食物の販売にさして興味は無かったのだが、そこは惚れた弱みから、夢を手伝うと申し出たという。

幼馴染みも始めはそれほど真剣に受け止めていなかったのだが、それまで昼食はコンビニのパンばかりだった旦那が自作の弁当を作ってきたりして、料理に対しても真面目に向き合っているのと感じ始め、学生時代から交際を始め、互いに社会人となってすぐに結婚したそうだ。

しかしその結婚生活も苦難の連続だった。その主な理由が、金銭の不足によるものである。

惣菜屋の出店から経営まで、社会人になりたての人間2人が意欲だけで解決できる問題ではない。

どうにかお金を集めて店を始めたものの、収支は何年もマイナスが続いた。そんな苦境が続きながらも店を畳まずに続けられたのは、旦那の両親のサポートがあったからだ。

両親はお金こそ渡さなかったものの、料理の改善を提案したり外装の印象を良くするために協力するなど、2人の夢を全力で応援していた。

2人は気持ちの面で大きな助けを得られたため、挫けそうになってもなんとか経営を続けてこられた。

そして店の存続には、常連客ができ始めたのが救いとなった。

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