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合宿編 その3、迷路

三人は迷宮と化したホテルをもう3時間もさ迷っていた。

高「ちくしょー、一体どうなってやがる」

高雅はわけが分からない迷宮をさ迷い続け、少しキレ始めた。

高「ここはさっき来た所じゃねえかよ」

ア「落ち着いてコウガ。どう考えても不自然だよ」

高「何が?」

ア「あんな大きな爆発があったならホテルの人は結構起きているはずよ」

高「それで?」

ア「何人かが私達と同じようにさ迷っているとしたら、誰かと合流してもおかしくないんじゃ?」

高「確かに、あの爆発じゃ少なくとも100人は起きただろうな。それで?」

ア「へ!?」

高「それで何だよ?。他に何かあるのじゃないか?」

ア「いや・・・ただ不自然だな~って」

高「おいおい」

龍「あの・・・」

高「何だ、杉野?」

龍「あそこに、階段が・・・」

龍子が指を指した方向には階段があった。

高「でかした杉野。行くぞ、アリア」

高雅は階段に向かって走った。

高「これで、一気に1階に下りれば出口・・・」

ア「どうしたの、コウガ?。元気がなくなってきて」

高雅の元気を奪ったのは階の表示だった。そこには・・・


∞/∞


高「なんじゃこりゃああああああああああああ」

高雅は叫んだ。

叫び声はただむなしく響くだけだった。

ア「これは・・・一体」

高「もういい、ブチギレた!!。アリア!!、バズーカにでもなって壁をぶち破れ!!」

ア「ダメよ。もし人がいたら危ないじゃない」

高「人間が一人や二人死んだってどうでもいい!!。だから早k「どうでもよくないよ!!」な!?・・・」

ア「本当にどうでいいと思ってるの!?。人間はコウガが思っているほどカスじゃないのよ!!」

高「いいや、カスだ!!。自分だけがよければいいと考えているクズだ!!」

ア「じゃあ、コウガだってクズよ!!」

高「だとゴラッ!!」

ア「当然よ!!。人間を少し殺してもいいって勝手に思い込んでるコウガはクズよ。コウガが思っている人間と同じよ」

高「・・・っく」

高雅は自分の言ったことは自分にも当てはまることを理解した。

その瞬間、自分に腹が立ち、同時に自分の未熟も生まれた。

高「・・・やっぱ、俺も含めて人間なんてクズなんだ・・・」

龍「・・・崎村君はクズなんかじゃない・・・」

高「杉野?」

龍「だって、私を何度も助けてくれた。もしクズだったらそんなことできないよ」

高「・・・お前はいい人間だな」

龍「・・・私もクズだよ・・・ちっぽけで・・・崎村君が思うクズと同じ」

高「少なくとも俺が思う人間じゃない」

龍「え・・・」

高「お前は俺よりまともだ。そのまともな心を大切にしろ」

龍「・・・うん」

龍子は小さく頷いた。

高「ふー、二人のお陰でちょっと頭が冷えたな」

ア「それじゃ、また歩こう」

そう言って三人は再び歩き始めた。




あれから、さらに3時間後。

高雅達は龍子をベンチに下ろし、休憩を取っていた。

高「・・・ダメだこりゃ。もう外は日が昇り始めてるだろうな」

ア「疲れてきたね」

龍「どうしましょ・・・」

三人は軽く絶望に達していた。

高「何一つわからないままさ迷って、無駄な体力使っただけかよ」

ア「窓一つ見つからないなんてね」

龍「・・・もしかして、敵は私達を見ているのではないでしょうか?」

高・ア「え!?」

龍「だって・・・こんなに動いて窓一つ見つからないのは・・・その・・・敵が常に見つけられないように改造しているのではないでしょうか?」

高「つまり、俺らがゴールに一歩近づけば、敵はゴールを一歩遠ざけているってことか。その確率もあるな。地獄の使いも何でもありかもしれないし」

ア「じゃあさ、ゴールが動く前にこっちが動けばいいのかしら?」

高「成程な。じゃあ、本当にそうか確認するか」

ア・龍「?」

高「何かいいのは・・・これかな」

そう言って高雅は近くに会った公衆電話を持ち上げた。

高「今から俺の何でもありを発動するぜ」

すると、高雅は公衆電話を大きく振りかぶって・・・

高「どりゃあああああああああああ!!!」

ぶん投げた。公衆電話にも関わらず、その速さは裕に300キロは出ている。

ア「すごい・・・」

公衆電話は次々と壁を貫通して行く。

そして、ふとアリアは気づいた。

ア「・・・ってこれ、人がいたら危ないじゃない!!」

高「今頃気づいたのかよ」

龍「・・・・・・」

高雅は壊れていく壁を見ながらツッコミを入れた。

高「・・・見えた!!」

ア・龍「ええ!?」

高「今、窓があった部屋が見えた。行くぞ」

高雅はすぐに龍子をおぶって、走り出した。

ア「ま・・・待ってよ」

アリアもそれに続く。しかし・・・

高「やっぱり、壁が再生していく」

壁が再生していき、窓の部屋まで後一つのところで壁が道を封じる。

高「アリア、剣になれ」

ア「うん。でも、両手がふさがってるよ」

高「いいから、剣になれ」

アリアは剣になり、高雅の足元に落ちた。

高「行くぜ」

そう言って高雅は足で剣を取り、そして・・・


シュンッ!!


その足で壁に大きな円を描いた。

描かれた先には綺麗な穴が開いた。

高「またつまらぬ物を斬ってしまった」

ア「そんな、ありふれた決め台詞はいいから早く行くよ」

アリアは元の姿に戻り、穴の先へ行く。

遅れて高雅と龍子も続く。

だがそこは、窓があった部屋ではない。

ア「あら?、おかしいわね?。さっき窓があったはずじゃない?」

高「これで確証ができたな」

ア「でも、謎が解けたからと言ってどうやって高速で壁を壊し、かつ私達が進む方法なんて・・・」

高「う~ん、俺の両手を使わずに高速に壁を破壊して進む方法か・・・あっ、閃いた!!」

ア・龍「何!?」

アリアと龍子は同時に聞いてきた。

高「昔のアニメで投げた柱に乗るシーンがあったんだ。詳しくは初代の龍玉を見てくれ。それを真似してみよう」

ア「でも、柱に乗っただけだったら乗ってる人は壁にぶつかるよ」

高「大丈夫、そこはお前が剣になって俺が斬るから」

ア「両手はふさがってるんじゃないの?」

高「さっき足で斬っただろ。どうにかなるって」

そう言って高雅は何か丈夫で乗れるものを探し始めた。

高「これでいいか」

高雅が見つけたのは教室によくある机だった。

ア「・・・いくらなんでもそれは無理があるんじゃない?」

高「公衆電話が大丈夫だったんだからどうにかなるって」

ア「高雅もだんだん何でもありキャラになってきてるわね・・・」

高雅は何の躊躇ためらいもなく準備をした。

高「杉野は剣になったアリアを持ってそこにいろ」

龍「うん、わかった・・・」

高「行くぞーーー・・・せりゃああああああああああああ!!!」

机を平行にぶん投げた。時速は同じく300キロある。

高「着地」

高雅はもう龍子をおぶって机に乗っていた。

龍「・・・あれ!?・・・いつの間に!?」


ドガン!!


一つ目突破。

高「ちんたらやってられねえからな」

龍「あれ!?・・・剣はもう崎村君に渡っt・・・」


ドガン!!


二つ目突破。

高「もうちょっと早く物を言え」

龍「だって・・・早すg・・・」


ドガン!!


三つ目突破。

高「何か言いたいのか?」

龍「いや・・・だからはy・・・」


ドガン!!


四つ目突破。

高「何?なんか言った?」

龍「・・・何でもあr・・・」


ドガン!!


五つ目突破。

高「聞こえないけど?」

龍「・・・・」


ドガン!!


六つ目突破。

そこは窓がある部屋であった。

高「窓発見。作戦成功だな。よっと・・・」

高雅はすぐに飛び降りたが・・・

高「わーー、慣性の法則で横に飛ぶーー」

まだ早さが残っていたため慣性の法則が働いた。

ア「世話が焼けるわね」


ボフンッ!!


アリアはマットに変身し、高雅と龍子を受け止めた。

高「サンキュー、アリア」

ア「どういたしまして」

高「んじゃ、あいつらをぶっ倒しに行くか。杉野はここで待ってくれ」

龍「うん・・・気をつけて・・・」

高「よし、行くぞアリア!!」

ア「いつでもいいよ」

高雅はアリアを翼に変え、窓ガラスを破って外に出た。


そして、高雅とアリアは敵のいると思われる朝日に照らされている空へ飛び立った。

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