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もはや最凶

時を戻して7分ぐらい前。

高「・・・って、あれ?。学校?」

目を開けると、そこは学校の敷地内だった。

しかし、アルテマからかなり離れていた。

高「アリア、大丈夫か?」

ア「うん、平気。どこも異変は無いよ」

高「そっか。それにしても、何で生きてんだ?」

?「私が助けましたからです」

声を掛けられ、その方へ振り向くとセバスチャンが立っていた。

高「そっか。サンキュー」

セ「ですが、あの状況下では空間の力を使いになるとコウガ様でも簡単に避けられましたぞ」

高「あっ、そう言えばそうだな。つい、いつもの様に速度で避けようとしてた。・・・ん?」

高雅はふと、足のけがを思い出して見ると、傷などどこにもなかった。

高「セバスチャン、お前が治したのか?」

セ「左様でございます」

高「前から気になったんだけどな、セバスチャンは力を何個持ってんだ?」

セ「それよりも」

セバスチャンは急に話を逸らす様に高雅に厳しい言葉を言い始めた。

セ「今のコウガ様ではあの天魔獣に勝てません」

高「んなっ!?、何で!?」

セ「簡単でございます。決定的なものが足りません」

ア「足りないもの?」

高「それは何だ!?」

答えを求める高雅にセバスチャンは遠くを見ながら答えた。

セ「・・・・経験ですよ」

高「経験?」

セ「そうです。コウガ様は戦闘技術、勇敢さ、その他のどれをとっても引けを取らぬ才能をお持ちです。しかし、それを最大に引き出すには経験が必要でございます」

高「まぁ、半年前は喧嘩はしていたが、殺しはしてなかったからな」

セ「ですので、今から経験を積んできてもらいます」

高「は!?」

高雅は意味が分からず、素っ頓狂な声を上げたがセバスチャンは着着ちゃくちゃくと準備を進めていた。

セバスチャンは紫と蒼のグラデーションが掛かった球体を創りあげた。

それは人一人が入れる大きさだ。

セ「一年すれば勝手に出られますので、それまで経験を積んできてください」

高「えっ・・あ・・・ちょ・・待てって」

セ「何でしょうか?」

高「・・・なるべく早く帰ってくる。それまで、あいつの破壊活動をなるべく抑えてくれねえか?」

セ「畏まりました。ですが、私の空間から出ることはできませんぞ」

高「じゃあさ、もし出られたら、お前の力を教えてくれよ」

セ「ほっほっほ、分かりました。その時はお教えしましょう」

高「っしゃー、行くぞ、アリア!!。さっさと経験値を溜めて戻ってくるぞ!!」

ア「うん!!」

高雅は空間の中に飛び込み、セバスチャンはアルテマのもとへ向かった。








そして、時は現在。

高「さぁ、セバスチャン。約束通りに教えてもらおうか」

ア「楽しみだなぁ。セバスチャンの力がどれだけあるのか」

セ「ほっほっほ、私の完敗です、コウガ様」

高「はっはっは、若者だってやれば出来るものさ」

二人は笑いながら話をしていた。

A「何で楽しく会話が出来んだよ!?、状況を把握してんのか!?」

Aはアルテマの方に指を指しながら二人の会話に割って入る。

高「はいはい、分かってますって。あれを倒せばいいんだろ?」

A「だ・・・だが、あいつの腹の中にはフィーラちゃんがいるんだ」

高「それを速く言え!!」

高雅はAを怒鳴った瞬間、残像を残してアルテマのもとへ向かった。

A「はやっ!?。いつの間に!?」

セ「ここまで綺麗な残像を残すとは、並みの速度では無理ですね。コウガ様の力はどれ程・・・」

セバスチャンは高雅を観察するような目で見続けた。

高雅は双剣を構え、片方だけアルテマの口に剣先を向けていた。

高「ひらけ~、ごま!!」

ア「それで開いたら苦労しないって・・・」

アルテマは高雅のバカな行動に付き合わず、巨大な拳で殴りかかろうとしていた。

バカにされたのが分かっているのか、今までのスピードを遥かに超えた速さのパンチだ。

高「あれ、前より速いな。フィーラを吸収したからか?」

高雅は特に避けようともせず、双剣を片手で持って片方の素手で受け止めようとした。


ガッ!!


そして、高雅は片手でアルテマの拳を受け止めた。

吹き飛ばされることなく、高雅は一ミリも動かなかった。


バギボギバギ・・・


ア『ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』

さらに、アルテマの腕の骨が木っ端微塵に砕けて言った。

アルテマは何が起こったのか理解できていなかった。

小さなものに片手で止められ、自分の腕が崩れゆく。

アルテマは激痛の絶叫と共に混乱をも交えていた。

高「作用反作用の法則だ」

そう呟いた高雅はアルテマが開けた大きな口に潜り込んだ。

Aとセバスチャンは傍らで見ていたが、Aは理解できていなかった。

A「なななななな、何が起きたんだ!?」

セ「コウガ様が直撃の瞬間に波動の力で衝撃を吸収したのでしょう。さらに、その衝撃に破壊の力を含ませ、アルテマの腕を壊しのたでしょう」

A「すげー・・・高雅すげーよ」

そんな事を話している内に、徐々にアルテマの腹が膨れ上げっていた。

A「ま・・・さか・・・」

セ「そのまさかでしょう」


ブシャア!!


二人の思った通りのシナリオになった。

アルテマの腹が裂け、中からフィーラを抱えた高雅が出てきた。

ア『グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』

アルテマの悲痛な絶叫は続いた。

あろうことか、腹から多量の血が出ているにも関わらず、高雅とフィーラには血が一滴も付着していなかった。

高「よっと」

高雅がセバスチャン達のもとへ戻り、フィーラを下ろしてやった。

A「お前、どした?」

高「ちょっと経験値が上がっただけさ」

セ「分かりやすくレベルで例えるなら、50が200まで上がったものですね」

高「逆に分かりにくいと思うぞ。もし、最大が1万だと、対して上がってないと取れる」

セ「失敬。A様を少し見誤っていました」

高「お前、さり気なくAをバカにしてるんだな」

高雅はセバスチャンの薄黒い態度を横目に見ていた。

セバスチャンは誤魔化す様に笑っていた。

高「・・・取りあえず、フィーラを頼む」

A「お・・おい、あのまま放って置いても死ぬだろ!?」

それもそのはず、アルテマは腹に穴をあけられ、ダム決壊の様に血を噴き出していた。

高「まぁ、安理明を助けるついでとして、情け掛けて苦しみから解放してやるのさ」

セ「生贄にされたモノを助け出すなど、前代未聞な事をやろうとしております。可能性は低いと」

高「だったらそのわずかな可能性を100%に上げてやる」

A「そんなこと、どーっやって・・・」

Aの話など聞かず、高雅はさっさとアルテマのもとへ飛んだ。

A「聞けよっ!!」

セ「それよりも、私達はレオ様とフィーラ様の介抱を急ぎましょう」

A「よし、俺はf「レオ様をお願いします」ちょ・・・聞けよっ!!」

セバスチャンもAの話など聞かず、フィーラを抱えてAから離れて行った。

A「ったく、男を介抱なんて、これだけにしてくれよ」

Aは誰かに言うまでもなく、一人呟いてレオの介抱に移った。


ところ変わって、高雅方面。

高「楽にしてやるよ。安理明を斬り抜いた後にな」

宣言をし終わった高雅は一瞬のうちにして、安理明の周りの鎖を斬り落とした。

そして、安理明の周りに剣を深く刺し込み、綺麗な円を描いて斬り抜こうとした。

ア『ギュアアアアアアアアアアアアア』

アルテマも簡単にはやらせてくれず、暴れ回って高雅の動きを止める。

流石の高雅も、暴れられると誤って安理明を斬ってしまう。

高雅は剣を刺したまま、自分だけ離れてた。

落ちる寸前に双剣を繋ぐ紐を握っていた為、伸縮性を操って無事に着地した。

高「アリア、後は任せるぜ」

そう言って紐を放し、紐は自然と縮んでいった。

殺気の媒体がいなくなって安心したのか、アルテマは暴れるのを止めた。

ア「隙あり!!」

止まっていれば、簡単に斬りとれる。

まさにその時だった。

アリアは腕だけを剣のままにして、活性の力で安理明を斬り抜こうとした。

アリアも十二分じゅうにぶんに強くなっているため、アリア一人でもアルテマの体を斬る事が出来た。

しかし、高雅に比べれば遥かに劣る速さだが。

ア『ギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ』

アルテマは体が斬り抜かれる痛みに再び暴れ出した。

人間に例えるなら、蚊に肉を斬り抜かれるみたいなものだ。

自分より遥かに小さい生物がいつの間にか最強な力を手に入れたのだ。

アルテマの頭は混乱に埋め尽くされていた。

アルテマが暴れ出す頃には、既に80%は斬り抜かれていた。

ア「あと・・少し・・・」

力をフルに使って斬り抜きを進める。

ここまでくれば、もう終わったも同然である。

ア「・・・・よし、斬りとれた!!」

そして、アルテマの胸に小さな穴が出来上がり、アリアは安理明を救い出した。

高「ややこしいんだよ」

ア「誰と話してるの?」

役目を終えたアリアが地上に戻ってきていた。

空間の力で瞬間的に高雅のもとへ行ったのだ。

高「別に。それより、そっちの安理明は大丈夫か?」

ア「うん。息はしてるよ」

高「そっか。じゃあ、トドメと行こうぜ」

安理明を寝かせて再び双剣に戻り、高雅は再び飛んだ。

アルテマの顔の前に止まり睨みつけた。

アルテマは暴れ回って高雅が目の前にいることにまだ気づいていない。

高「・・・おいっ!!」

ア『ビクッ!?』

痛みで暴れ回ったアルテマが一瞬で止まった。

そして、目の前にいる高雅の目を見続けた。

高「どーだ?。お前が今感じているのは、お前が周りの奴らに与えたものだ」

アルテマは震えながら高雅の目を見ていた。

目を放したくても、放せない。

それほど、高雅の殺気は恐ろしいものなのだ。

高「アデュ~♪」

高雅は笑顔で手を振った。

その瞬間・・・


バリーン!!


アルテマを包む空間が破壊した。

もちろん、自害した訳ではない。

高雅が相手の技をパクったのだ。

高「普通に殺しても道連れされたら困るし、完全消滅にして見たぜ」

ア「誰に話してるの?」

高「さぁ」

ア「さぁって・・・」

高「取りあえず、皆のとこに行くとするか」

ア「あっ、無視するなぁ!!」

高雅は完全に無視して、地上に降りた。







校舎裏側。

ここに、妖しく笑うものがいた。

セ「さて、少し手こずったが手に入れられるとは」

セバスチャンはフィーラを抱え、物陰に隠れていた。

セ「あいつが戻ってくる前に済ませたかったが、まぁいい。結果オーライだな」

フィーラを乱暴に投げ捨て、腕を剣に変えてフィーラの心臓に狙いを定めた。

セ「遂に、女王クイーンの心臓が我がものに!!」

高「上手くいく訳ないだろ」

セ「ッ!?」

顔を上げると、フィーラを抱えている高雅の姿があった。

もちろん、地面にはフィーラは転がっている。

つまり、フィーラが二人いるのだ。

セ「まさか、これは偽物!?」

高「ご明察。お前の本性を導き出すために、わざわざ精密なフィーラを創ったんだ。見た目、力、雰囲気、内臓も全てな」

セ「わ・・・私が見破れぬとは」

高「で、クイーンってなんだ?」

セ「貴様に話す筋合いはない!!」

セバスチャンは地面に転がっているフィーラを高雅に蹴り飛ばした。

高雅は何の動作もなく、偽物のフィーラを消した。

高「ん?」

しかし、飛んできたフィーラとセバスチャンがかぶったときに、セバスチャンは姿を消していた。

周りを見渡すが姿は見えず、殺気を感じ取ろうとするが感じない。

高「どこに行きやがった?」

精神を研ぎ澄まして注意を払う。

だが・・・


グシャッ!!


高「ッ!?」

突然、自分の両足が吹き飛んだ。

もちろん、立っていられる訳なく、高雅は倒れ、フィーラを放してしまった。

高「がはっ!?」

辛うじて生きていた高雅は血を吐き捨てた。

セ「甘いですね。力をリサイクルしようと取りこむからこうなるのですよ」

どこからともなく現れたセバスチャンがフィーラを拾いながら見下していた。

高「・・・爆破の力か?」

セ「その通りでございます。一度救った命を無駄にするとは、情けない事です。たかが1年で強くなったからと言って、私に勝てる訳がありませんぞ」

何が起こったか解説すると、セバスチャンは偽フィーラを蹴ると同時に爆破の力を潜めていたのだ。

高雅は一度作った創造を再び自分の力に入れる事で力の消費が±0になる。

つまり、高雅の創造の力が自分に戻るとともにセバスチャンの爆破の力も中に入れたのだ。

高「く・・・そ・・」

セ「まだ、私の力は残っておりますぞ」

セバスチャンが指を鳴らすと・・・


グシャッ!!


二度目の爆発により、高雅の頭は粉々に吹き飛んだ。

セ「では、アリア様。大切なお方の死を嘆んでいてください」

それだけを言い残し、セバスチャンはフィーラを連れてどこかへ消えた。

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