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合宿編 その2、KY

今は夜。

高雅はホテルの屋上で満天の星空をアリアと見ていた。

高「やっぱ、田舎だけあって星が綺麗に見えるな」

ア「そうね、何もかも忘れてしまいそう」

高「ふぁ~、寝みーな」

ア「ここで寝たら風邪引くよ」

高「わーってるよ。でも、寝みーもんは寝みーんだ・・・」

ア「あらあら、困った契約者だね」

すると、高雅の眠りを覚ます声が聞こえた。

A「さあ、諸君。我々の目の保養のために一肌脱がないか?」

男全「おおー!!」

高「ほえ、何だ何だ!?」

突如、下の方から聞こえてくる男達の歓声を確認すべく、高雅は下の方を覗いた。

A「この岩の向こうには何があるか言うまでもない」

そこには男達が裸で集まっていた。

高「この先、何が起こるか大体予想がつくな」

A「さあ、同胞はらからよ。我々の力を今見せる時だー!!」

B「行くぞーーー!!」

男全「うおーー!!」

男達は岩を登り始めた。

高「あいつら、何人が進路指導室行きになるかな?。と言っても今は進路指導室は無いか」

高雅だけがこの結果を分かっていた。

A「よっしゃ!!、一番乗り・・・」

最初は元気よく言っていたがその声は次第に弱くなっていった。

B「どうした?・・・何!?」

男先「ようこそ」

そこには男の先生が何人も立っていた。

A「しまった、罠か!?。皆逃げろーー!!」

しかし、時すでに遅し。後ろにも先生が立っていた。

男先「彼の言う通りになるとは・・・お前ら!!、学校が治ったら爪を剥がしてやるからな!!」

全「ちくしょーーーーーーー!!」

高雅はその雄叫おたけびを面白半分で聞いていた。

高「ぷぷ、単純な奴らだ」

ア「ほんと、人が悪いね。コウガは」

高「悪い人間はこれくらいの制裁は必要だ」

実は、高雅が既に先生に連絡済みだった。

高「1年の時の合宿と同じことをするとは・・・学習の無い奴らだ」

ア「前にもあったの?」

高「場所が違うが、これと似たようなことがあった。さて、また星を堪能するか」

そう言って、高雅は仰向けに寝そべった。




月が映る海辺に二人の人影があった。

片方は緑淵高校の者で女子、片方は赤い髪の者だ。

?「さあ、契約するわよ」

女「本当に願いが何でも叶うのでしょうね?」

?「ええ、本当よ。さあ、行くわよ」

そう言うと赤い髪の者と女子の胸から光を帯びた紐が出てきた。

そして結ばれる。

?「契約完了ね。よろしくね、嬢ちゃん」

女「あんたの名前は何よ?」

ラ「私はラビリンスよ。よろしくね」

女「変な名前ね」

ラ「あなたのお名前は何?」

女「いいわよ嬢ちゃんで。別に名前で呼ばなくても」

ラ「あらそう」

女「それより、早く願いを叶えてよ」

ラ「その前に、やってもらうことがるわ」

女「なによそれは?」

ラ「それはね・・・」

ここに一つ、契約が交わされた時だった。




時間が経ち、今は0時。

完全に人気が無くなった時を見計らって、高雅とアリアはそれぞれの風呂場にいた。

そして、岩を挟んで会話していた。

ア「ん~、気持ちい~」

高「家と変わらねーだろ」

ア「そんなことないよ。星空が見えるお風呂なんて素敵じゃない」

高「もう星は堪能したから別にどうでもいい」

ア「何よ、つまらない」

高「そういう性格だからな。俺はもう上がるぜ。あんまり長風呂すんなよ」

ア「わかってるよ」

そう言って、高雅は風呂を上がった。

アリアは空を眺めていた。

ア「・・・どうしたらコウガは皆と仲良くなるかな・・・」

ただ、それだけを考えていた。すると・・・


ガラガラッ


ア「へ!?」

突然、扉が開く音がした。

ア「まさか、こんな夜中に誰が?。とりあえず、隠れなきゃ」

そう言って、アリアは岩に化けた。

しかし、アリアは重大なことを忘れていた。

ア(・・・って虹色だからこれじゃ不自然だよ)

アリアは完全に追い詰められていた。

ア(ど~しよ~。こうなったら・・・)

アリアは瞬時に鳥にでも化けて逃げようとしたその時・・・

杉「不思議な岩・・・やっぱホテルにはこれくらいの出し物があるんだ」

ア(・・・へ!?)

入ってきたのは杉野だった。杉野は虹色の岩を見て、何とも思っていなかった。

ア(どうして杉野ちゃんが今お風呂に入るんだろう?・・・そうだ)

アリアは何か閃いたようだ。

ア(上手く行けば、コウガと仲良くさせるチャンス)

アリアは心の中でグッと決心した。そして・・・

ア「おめでとう!!」

杉「ええ!?」

そう言いながら岩からいつもの姿に戻った。

ア「あなたはこの風呂に入る100万人目だよ」

杉「ええ・・・ええええええええ!?」

アリアは上手くこじつけたつもりだろうが杉野にとっては意味不明だった。

杉「な・・・何!?・・・一体何なの!?」

ア「とりあえず自己紹介。私はアリアで、天使よ」

杉「あ・・・杉野です・・・杉野龍子すぎのりゅうこです・・・」

ア「リュウコちゃんね、よろしくね」

龍「はい・・・ところで、天使って・・・本当ですか?」

ア「本当だよ。天使は何にでもなれるのよ。それより、あなたはお礼を言いたい人がいるのじゃないの?」

龍「どうしてそれを!?」

ア「私は天使だから何でも知っているのよ。それで、いるのでしょ?」

龍「・・・はい・・・崎村君って言う人に助けられて・・・お礼の一つも言えなかったのです」

ア「じゃあ、コウガに会わせてあげる」

龍「コウガ!?」

ア「サキムラの下の名前だよ。会わせてあげるから、ついて来て」

龍「待ってください。裸ではちょっと・・・」

ア「あっ、ゴメンね。それじゃあ、着替えてきてね」

龍「はい・・・」

そう言って龍子は脱衣所に向かった。



アリアと龍子は屋上へ向かっていた。

龍「あの・・・本当に会えるのですか?」

ア「うん、会えるよ。屋上にいるから」

アリアはただそれだけを言って階段を上がっている。龍子もそれについてきている。

すると、階段を全て登りきった所の扉にさしかかる。

ア「ここだよ。さあ、ごたいめーん」

そう言ってアリアは扉を開けた。

その先には高雅が仰向けで星空を見ていた。

高「遅かったな、アリア。一体何を・・・」

高雅の言葉が龍子を見た瞬間止まった。

高「何で杉野がいるんだよ!!」

ア「いいから、リュウコちゃんの話を聞いてあげてよ」

高「りゅうこ!?」

龍「あの・・・私の下の名前、龍子って言うの」

高「ふ~ん、それで、話は何だ?聞いてやるよ」

龍「うん・・・話って言うのは・・・」

すると、空からKY(空気読まない奴)が現れた。

ラ「見つけたわよ、虹の契約者」

高・ア「!?」

高雅とアリアは瞬時に声がした空を見た。龍子も遅れて見る。

そこには、赤い翼を生やした女子生徒がいた。

高「お前、地獄の使いか?」

ラ「正解よ。それじゃあ、ご褒美あげるわ。嬢ちゃん」

女「はいはい」

すると、赤い羽根が1枚ひらひらと落ちてきた。それが屋上に着いた途端・・・


ドガーン!!


高「な!?」

大爆発が起きた。爆風に巻き込まれなかったものの、屋上が崩れていく。

高「やっべ・・・落ちる!!」

龍・ア「きゃあああああ」

3人は一つ下の階に落ちた。

高雅とアリアは着地したが、龍子は上手く着地できなかった。

高「アリア!!、あいつを倒すぞ!!」

ア「待って。リュウコちゃんが足を挫いたみたいなの」

高「まじかよ」

すると、不可思議なことが起き始めた。

高「!?、瓦礫が戻って行く!?」

壊されたはずの屋上が自然と戻って行った。

ラ「あなた達はそこで迷い死ぬのよ。おーっほっほっほ・・・」

人をあざ笑う声は再生した屋上によってかき消された。

高「ちょっとあいつら倒してくる。アリアは杉野を頼む」

ア「わかったわ」

そう言って高雅は階段がある所へ走り出した。しかし・・・

高「あれ!?、ここに階段があったはずだろ?」

高雅は階段があったはずの場所にいたがそこには壁になっていた。

そして、ふと敵の言葉を思い出した。


”あなた達はここで迷い死ぬのよ。”


高「・・・そういうことかよ」

高雅はアリア達がいる所へ戻った。

ア「あら、もう倒したの?」

高「違う。それよりやばいぞ。今このホテルは相手の手の中にある」

ア「それってどういう・・・」

高「敵の思うように改造されて迷宮になってんだよ」

ア「嘘!?」

高「多分、マジだ。とりあえず、出口を探すぞ」

ア「でも、リュウコちゃんはどうするの?足を挫いているのに」

高「・・・これはしたくなかったがしょうがない」

龍「へ・・・わっ!?」

高雅は龍子をおぶった。

高「さあ、迷宮をさ迷うぞ」

そう言って、迷宮と言うホテルを駆けだした。





☆おまけ☆


高「アリアは何で杉野はちゃんと呼んでいるが、崎村や龍子、俺の名前は何でカタカナ読みなんだ?」

ア「天国で人間の名前をより多く覚えなさいって言われてたけど、全然で」

高「それで、崎村や龍子とかは知らなかったってことか」

ア「まあ、杉野は覚えてたけどコウガやリュウコは知らなかったのよ」

高「へー、てっきり作者のミスかと思ったんだが」

作「ええ!?そんなことありませんよ・・・そんなこと・・・」

高「・・・図星だな」

作「・・・ごめんなさい」

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