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体育大会 裏競技 終幕

三年生はさらに酷かった。

ガン○ム VS エ○ァという夢の共演もあった。

ウェ○カーのように異常な身体能力を手に入れている者もいた。

あろうことか、巨人兵を召喚した人もいた。

取りあえず、全員に言えた事は・・・


普通に死ねます(笑)


そんな大乱闘の末、得点は、



紅 650点  白 650点



と、奇跡の同点だった。

競技は全て終わり、生徒全員はグラウンドに整列し、閉会式に臨んでいた。

そして、今は最後の地獄のこーちょーのお話である。

校「お互いに全身全霊を出し切り、共に一歩も引かない戦いで―――」


30分後。


校「―――である。最後に一言。ご苦労様じゃ」

最後の一言は誰の耳にも入っていない。

高「うげー、やっと終わった・・・」

縮こまった体を伸ばし、青空を仰いでいた。

他の生徒も同じようにしているのが何名もいた。

放「続きまして、得点のはっp「ちょっとまったああああああああ」はい!?」

突然、一人の生徒が放送席からマイクを奪い、発言の主導権を奪った。

生「引き分けで引き下がれるかあああああ。だから、紅白の団長同士で戦い、勝った方の勝利とするって言うのはどうだああああ!?」

高「うわ、帰りが遅くなりそう・・・」

高雅の悪い予想は簡単に当たり、生徒だけでなく観客もその言葉に大いに賛成していた。

凛「待ちなさい!!。勝手なことは許しませんわ!!」

凛が止めに掛かるが生徒は聞く耳を持っていなかった。

生「はぁ!?、別にいいじゃねえかよ、会長さん。そうだ、いっそバトルロワイヤルにして会長争奪戦にしようぜ」

凛「なっ!?。何ふざけた事を言いますの!?」

生「いいじゃん。俺、お前のこと好きだし」

凛「意味が分かりませんわ!!」

生「うるせえな。ちょっと寝てろ」


ボゴッ!!


凛「うっ!?・・・」

生徒は凛の腹を殴り、気絶させた。

生「しゃああああああ、野郎共!!。勝利と女が欲しけりゃ勝て!!。いっそ、ギャラリーも参加したいならしてもいいぜ!!」

男共「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

観客も参加し、先生では抑えられない騒動まで飛躍した。

女性陣はすぐに避難したため巻き込まれてないが逃げ遅れた女子生徒もいた。

高「ったく・・・何だって、こう、喧嘩っ早いかな・・・」

ア「それで、どうするの?」

高「どうするも何も、さっさと帰って寝るが一番だろ」

ア「いや、この状況でそれは無いと思うけど・・・」

生「死ねえええええええええええええ」

一人の生徒が無謀にも高雅に挑戦しに行った。

高「だーかーらー、死ねを言うな!!!!」


ガンッ!!


生「ぬぎゅ!?」

走ってくる生徒の頭の上に巨大なたらいを落とした。

当たり所が良く、呆気なく気絶してくれた。

高「ったく、死語は自重しろよな」

ア「コウガ!!、リュウコが逃げ遅れてるよ!!」

高「何!?」

アリアに言われ、首だけを動かして居場所を確認する。

すると、少し離れた場所で龍子が男子4人に囲まれていた。

高「適当に襲い始めたか。強欲な人間はs「制裁だね」俺のセリフを取るな」

ア「たまにはね。それに、あいつらは私も許せない。無害な人を襲うなんて」

高「お前の場合、友達が危険な目に遭ってるからだろ」

ア「それは、高雅にあげる」

高「いらん。制裁が出来る、それだけで十分だ」

ア「それじゃ、早く制裁という名の救出をしよ」

高「はいはい」

高雅は同じように標的の頭の上に巨大な盥を落とさせた。

男4人の身長は大体同じなので、綺麗に4人ともスタンした。

龍子は何が起きたか分からず、その場に立ちすくんでいた。

でも、少し離れた所の高雅を見つけて納得した。

龍子は一度頭を下げてこの戦場から離れた。

高「さて、帰るか」

踵を翻して、帰ろうとした。

しかし、足は動かず、何かに掴まれていた。

レ「何をしている、コウガ殿」

フ「速く喧嘩を止めるです」

フィーラとレオがそれぞれ片足ずつ抑えていた。

フィーラに取って、この大騒動は喧嘩に見えるらしい。

高「やだ。めんどい。眠たい」

レ「何を言うのだ!!。この混乱に乗じて地獄の者が襲ってくるかもしれんぞ!!」

高「何で地獄の奴らが、たかが喧嘩で俺らを襲うんだよ?。大体、来たって10秒でぶっ倒せる」

フ「でも、捕まったあの人はコウガ様の仲間です。助けるのが道理です」

高「仲間だから信用してるんだよ。一人で何とか出来るって」

ア「気絶してるのに?」

レ「武器を持っておらぬのにか?」

フ「あの人、女性ですよ?」

綺麗に三者三問で来たが高雅は口ごもることなく、全てに当てはまる答えを言った。

高「安心しろ。あいつは金持ちだぞ。あんなことすれば・・・」

そう言って、少し遠い空を見る。

レオ達も吊られて空を見ると、そこには何十というヘリがこちらに向かって来ていた。

高「ほんと、スケールがでけえな。金持ちは」

高雅はグラウンドを後にしながら呟いていた。

ア「でもさ、今、生徒達はチートな行動をしてる人が多いよね」

高「・・・・・・・・・」

その言葉に高雅は足を止め、振り返ってグラウンドを見た。

そこには、いつの間にかテポ○ンがあった。

高「おいおいおいおいおいおいおいおいおい」

高雅の目の前でミサイルは放たれ、ヘリの大群のど真ん中で爆発した。

火薬は制限されていたのか、爆炎は地面まで届かなかった。

だが、ヘリは全て落ちた。

ア「でっ、気絶してるし、応援はないよ」

レ「武器を持っておらぬし、特殊能力もないぞ」

フ「女性だし、一般人です」

高「うぐぐぐぐ・・・」

三人はさらに一言付け加えていってやった。

口ごもった高雅は完全な負けを感じていた。

ア「どうするの?。もはや、救いの王子様は高雅しかいないと思うけど」

レ「我も手伝いはするぞ」

フ「ボクだって手伝うです」

高「・・・・・・30秒で終わらせる」

高雅は双剣を握り、速度の力でグランドへ戻った。

邪魔な人を峰打ちで押しのけ、気絶している凛の下へ一瞬で着いた。

そして、凛を抱えてその場から離れようとした。

生「おい、賞品を勝手に持ち帰るな!!」

高雅の行動に気付いた生徒がどっから生み出したか知らない禍禍しい斧を持っていた。

高「人を賞品にするな。これは没収だ」

生「ふざけんな!!。ジャノサイd〈ガッ〉うっ!?」

生徒は斧に邪悪な力を溜めたかと思うと、地面に崩れ落ちた。

レ「コウガ殿、先走るでないぞ」

レオが指と指の間を閉じ、鋭くした手を見せながら言う。

高「手伝ってくれるんだろ?」

レ「今、手伝ってやったではないか」

高「フィーラの方がよっぽど働いてるけど」

高雅は首だけでレオに後ろを見せるようにした。

それが伝わってレオは後ろを向くと、頭を抱えながら苦しんでいる生徒が無数にいた。

こちらの視線に気付いたフィーラは余裕のVサインを見せてくれた。

レ「やはり、楽園には勝てないか」

フィーラのお陰で生徒と参加した観客は争いを止め、自分の幻覚と向き合っていた。

高「取りあえず、凛を親族に送ってくる」

レオにそう言い残して、高雅は凛の親族の所へ行った。



姫花家は学校の外で待機しており、警察、FBIなどを呼んでいた。

香「お父様、凛姉ちゃんは大丈夫なの?」

父「待ておれ、香凛。今、救出に向かわせておる」

自分の事をろくに見ず、携帯電話と向き合っている父をつまらなく感じた。

香凛はそんな姿に嫌気がさして目を逸らした。

香「・・・・・ん?」

その目先には、凛を抱えた高雅が映っていた。

香「あっ!!、高君と凛姉ちゃんだ!!」

父「何ッ!?、凛だと!?」

香凛の声に反応し、ガードマンや執事が驚きの声を上げていた。

高「ん?、何か嫌な予感が・・・」

高雅の嫌な予感の的中率は100%であった。

ガードマン達が一斉に銃を高雅に向けていた。

高「おいおい、撃ったら凛に当たる可能性があるだろ」

父「心配するな。この者どもの射撃の腕は群を抜いてトップだ。この距離で外す訳がない」

高「あくまで可能性だろ。万が一、凛に当たったら責任取らんぞ」

父「ふふっ。なら、試してみるか?」

?「やめなさい!!」

突然、車の中から制止の声が上がった。

ガードマンはすぐに銃を下ろし、声がした方を窺った。

すると、車から一人の女性が下りてきた。

香「お母様?」

母「あなた、恩人の顔を忘れたの!?」

突然、香凛を無視して夫を叱りだす。

この場の所有権が一目瞭然だった。

父「恩人じゃと?。この者がか?」

母「あなた、本当に忘れたの?。呆れたわ」

父「何のことやら?」

高「こっちが聞きてえよ」

すると、母親はポケットから一枚の紙を取り出した。

そこには、高雅の顔が書かれていた。

高「あれ、俺の似顔絵だ」

ア(ほんとだ。すごく上手に描かれてるね)

絵の出来は非常に素晴らしく、1000人に1000人が高雅の顔と分かる程だ。

母「この者は香凛を救ってくださった方よ!!」

紙を突き付けながら自分の夫を気圧で倒そうとした。

父「な・・何と!!。この者が!?。確かに、顔は同じのようだ」

高「何だか、誤解は解けたのか?」

ア(そうみたいだね)

凛「う・・・ううん・・・」

すると、凛がゆっくりと瞼を開け始めた。

高「んあ、起きたか」

凛「高雅・・・さん?・・・」

寝起きで頭が回らず、目をこすってもう一度見る。

すると、ある事が分かった。

それは、高雅に抱かれている事だった。

凛「きゃあああああああああああ」

高「げふっ!?」

見降ろす高雅の頭を殴り飛ばし、高雅の腕から離れた。

凛「ななななな、何をしていますの!!??///」

赤くなりながらも高雅に問う。

すると、凛の母親が手を肩に置き、落ち着けた。

母「彼があなたを助けたのよ」

凛「お母様?」

一度母の顔を窺ってから、もう一度高雅の方を見る。

高雅は顎を擦りながら痛みを和らげていた。

母「ほら、お礼を言いなさい」

凛「わ・・分かりましたわ」

高「別にいらね」

会話が聞こえていたのか、高雅が割り切って来た。

高「お礼なんていらねえよ。俺はさっさと帰って寝たいんだ」

すると、高雅は踵を翻して学校の方へ向かおうとした。

凛「あっ・・・待っ・・・」

凛が呼び止めようとしたとき、既に高雅はこの場から消えていた。

凛「あ・・・」

凛は高雅がいた所を惜しみそうに見つめていた。

母「ふふっ、彼なら凛の婿になってもいいわね」

凛「なっ!?・・・何を仰っていますの!?、お母様!?///」

母「あら、顔が真っ赤よ」

凛「べ・・別に赤くありません!!///」

しかし、自分でも気付いているほど顔が熱いのは感じていた。

母「じゃあ、香凛の方かしら?」

香「え・・・カリンは・・・その・・・」

香凛は俯きながら、口ごもっていた。

しかし、それは照れではなく、別の人を思っているようだった。

母「あら?、香凛には、もう思い人がいたのね」

香「あうう・・・・///」

母に簡単に見破られてしまい、両手で顔を隠して照れ隠ししていた。

母「あなた達、思い立ったらすぐに行動しなさい。そうしないと、取られちゃうわよ」

凛・香「お・・・お母様・・・///」

母の言葉に照れながら非難するが、母はただ悪戯っぽく笑うだけだった。








その後、高雅は一度学校へ戻り、レオとフィーラを迎えに行って、家へ帰った。

今は、その帰宅中。

自転車を押しながら雑談していると、アリアが何かを思い出した。

ア「あっ、そう言えば・・・はい、これ」

アリアはポケットをあさくると何かを掴み、高雅に差し出した。

高「ん?・・・ああ、これか」

もらったのは前にアリアからもらった三日月が付いているネックレスである。

高雅は体育や風呂など特別な時以外は常に付けているのである。

今日はそれをアリアに預けていた訳である。

フ「みゅ?・・・!?、それは!?・・・」

ふと目に入ったネックレスを見て、フィーラは目の色を変えた。

高「ん、どうした?」

フ「コウガ様!!、それをどこで手に入れたです!?」

高「どこでって・・・アリアにもらったから分からねえけど」

ア「どうしたの?。突然?」

フ「それは楽園の賜物たまものです!!」

高「これがか?」

フ「はいです。それは、『選別の飾り』と言って、自分が望む力しか受け付けない代物です」

高「ふ~ん・・・」

高雅はもう一度ネックレスを間近で見るが、特に変わったものではなかった。

フ「だから、コウガ様は天蜘蛛の毒も効かないです」

ア「そう言えば、高雅が本気を出した時、静寂の力が掛けられなかった時もあった」

高「肝試しの時も、フィーラの夢幻が効かなかったのもこのお陰か」

そう言ってネックレスを空高く上げる。

夕日に反射して幻想的な輝きを帯びていた。

高「何が幸せにする効果があるだよ。とんだ代物じゃねえか」

ア「私だって分からなかったの。それは子供の頃セバスチャンからもらったものだから」

レ「何にせよ、アリア殿からもらった大切なものに違いはないだろ」

高「べ・・別にアリアからもらったからって大切な物って訳じゃねえぞ」

レ「ふっ、素直になれぬな」

高「何が言いたい?」

レ「さっき言った通りだ」

レオはスーツのネクタイを調整しながら鼻で笑う。

高雅はそれを横目に見ながらネックレスを付けた。

フ「でも、楽園の賜物は他にもあるです」

高「この現世にか?」

フ「噂では3つあるらしいのですが・・・一つは現世にあるらしいです」

高「ふ~ん・・・まっ、別にいらねえか。これ一つだけでもすげーし」

フ「よくないです!!。地獄の手に渡ったら現世何か崩壊するです!!」

高「はぁ~・・・何でそんなもんを創ったのかね~」

フ「知らないです。きっとノリです」

高「ノリで創るな!!!!」

そうこう話している内に家に辿り着き、高雅はすぐに眠りに着いた。

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