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体育大会 何でもあリレー 後編

今、結界の中には走者しかいない。

固有結界を展開されたしまった以上、その術者が解かなければ結界が消えることはない。

しかし、高雅と結界を展開した本人以外、誰が結界を張ったか分からない。

だから、無知の者がとる行動は・・・


皆殺しというバトルロワイヤルだった。


高「おぉ~、殺ってる、殺ってる」

高雅はそのバトルロワイヤルを傍観しながら術者を探していた。

狭いグランドのトラックに展開しただけだが、荒野は地平線まで広がり、術者はどこかに消えていた。

物陰などなく、剣しかないこの場所でだ。

ア(コウガ、後ろから誰か狙ってるよ)

高「ん、俺に矛先を向けたか?」

高雅が振り向くと、そこにはロケットランチャーを構えている生徒がいた。

他「死ね!!」

高「あいつ、死ねって言ったぞ」


バシュウッ!!


ロケットは一直線に高雅に向かって放たれた。

高「これは・・・普通、当たったら死ぬよな」

ア(まぁ・・・普通はね)

高「ちゃんと、火薬とかは制限してるのか?」

そう言って避けもせず、当たってみた。

もちろん、そういう風に見せかけて目の前に不可視のシールドを創って張ってあるが。


チュドォォォォン


高雅を中心に半径約2メートルのクレーターが出来上がった。

高「十分、人が死ぬじゃねえか!!」

ア(ルールって意味あるのかな?)

撃った本人は高雅が怒鳴り散らしているのを見て驚き、もう一度構えようとしていた。

もちろん、高雅がそれを許すはずはないが。

マッハ以上のスピードで接近し、腹を殴って気絶させた。

高「ったく・・・死ねはねえだろ。死ねは・・・ん?」

ふと、生徒が持っていたロケットランチャーに目をやった。

高「あいつ・・・弾を装填する動作なんかしてなかったな・・・」

生徒は撃ってすぐに2発目を撃とうとしていた。

それでも、弾はちゃんと装填されていた。

高「これって・・・まさか、無限ロケットランチャー?」

ア「そんな、公式チート武器な訳ないよ・・・・・・多分」

バカな結論だが、今の状況からして信じられない話ではなかった。

そのため、アリアも完全には否定できなかった。

高「取りあえず、こいつ、何処で手に入れたんだ?」

ア「確かに不思議だよね。こんな現実味のないものを持ってるなんて」

高「今、俺が持っているのも現実味がないけど」

ア「それは別。私は別なの」

高「こらこら、別にするんじゃねえ」

真面目な話だったが、内容がずれていっているのに気付いてない二人である。

高「とにかく、術者をぶっ倒すぞ」

ア「そうだね・・・ん、誰か来てるよ」

高「ああ、とっくに気付いてる」

高雅の後ろに一つの殺気がある事に二人は気付いていた。

気付かれている事を知らないその哀れな人は突き刺さった剣を影にしながら様子を窺っていた。

最も、剣に隠れても、はみ出ているので丸見えだが。

高「あー、そこに隠れてるの、出て来い。最も、隠れられてないが」

他「ちっ、ばれたか。やるじゃねえか」

そう言って出てきて、早々に高雅に剣先を向けた。

高「喧嘩っ早いな」

他「そうじゃないさ・・・まぁ、見てなって」

剣を両手で握り、剣先を高雅に向けたまま集中し始めた。

地面がうなり、小さな軽石が浮きはじめていた。

他「・・・○・・・・解!!!!」

高「嘘だろ!?」

突然、その生徒の霊力が爆発し、霊力が静まった時、手には黒い黒刀を握っていた。

その刀の柄と刃の境目には『卍』な形をしていた。

高「あちゃー、こりゃ、マジで何でもありだな」

ア(どうする?)

高「どうするも何も、やるしかねえだろ」

そう言ってバトンをズボンに挟み、双剣を抜き構える。

他「ほう、この姿を見ても戦う気か?」

高「何だ。戦わないでくれるのか。俺的にはあんまし戦いたくねえんだけどな」

他「そうか。なら、一撃で倒れてくれ。そしたら戦わないでやろう」

高「好戦敵だな。ほんと・・・」

他「それが嫌なら、痛い目にあってもらうしかないな」

その瞬間、生徒の姿がぶれ、一瞬で高雅の後ろを取った。

他「死ね!!」

高「だから、死ねって言うな!!」

高雅は振り向きと同時に剣を振り、敵の剣を受け止めた。

生徒はすぐに移動し、また一瞬で高雅の後ろを取った。

高「ああもう!!、うっぜーな!!」

今度は振り向きもせず、片方の剣を後ろに回すだけで、見もせずに剣を受け止めた。

しかし、その受け止めは少し違った。

他「うお!?」

剣同士が当たったが衝撃がなく、生徒は流されるように前に倒れていった。

高「ふん!!」


ドガッ!!


他「ぐお!!」

そして、倒れた背中に目掛けて一発殴った。

高「これでよしっと」

他「何だ・・・体が・・・動かねえ・・・何をした!?」

高「ただ殴っただけだ。神経が弱るつぼを殴ったけどな」

もちろん、全くの嘘である。

静寂の力で神経を弱らせただけである。

他「く・・・・・そ・・・・・」

高「さーって、術者を探すか」

再起不能の生徒をそのままほっといて、高雅は術者を探し始めた。








一方、景色変わって、固有結界の外は唖然としていた。

夢「走者が・・・皆・・・消えたぁ!?」

龍「高雅君・・・」

夢「一体、今年もなんちゅーリレーだっつーの」

龍「夢ちゃん・・・落ち着こうよ・・・」

夢「これが落ち着いていられるわけないの!!。走者がいなくちゃリレーじゃないじゃん!!」

龍「それは・・・そうだけど・・・」

夢「もーっ、前年に比べてレベルが上がり過ぎっつーの!!」

計りしれない人間の知略にののしっている夢だった。


場所を変えて、ギャラリーサイドでは・・・

フ「コウガ様が消えたです」

レ「この競技は何なのだ?。人が消えるなど、一体どのような仕掛けがあると言うのだ?」

フ「ボクに聞かれても分からないです」

レ「そうか・・・しかし、コウガ殿は無事だろうか?」

フ「大丈夫です。コウガ様とアリア様は最強のペアです。如何なる境地でも乗り越えて来るです」

レ「そうだな。あの二人は我々の想像を遥かに超えておるからな」

二人を心配しつつも、その不安は薄いものだった。








戻って結界内。

高「見つからねーなー」

ブラブラと歩き続けているが、殆どの走者は倒れ、人は見つからず、途方に暮れていた。

ア「あっ、人発見」

高「どこ?」

ア「4時の方向」

高雅は首だけを動かしてその方向を窺う。

そこには人が倒れていた。

高「誰かにやられたんだろうな」

生きてるかどうか確認するために近づいて見ると、綺麗に額を銃弾で撃ち抜かれていた。

しかも、死体に銃が握られていた。

高「自殺か?。そこまで、追い込められていたのか」

ア「ルールは破るためにあるって本当ね」

高「んな訳ねえだろ」

そう言って呆れつつも、死体を埋めるための穴を掘っていた。

掘ると言っても、破壊と活性の融合力の爆破の力で小爆発を起こし、人が埋まるだけの穴を開けただけだが。

?「・・・・・ねえ・・・」

高「!?、生きてる!?」

突然、死んでいた生徒が地面に顔を俯けたままゆっくりと起き上がり、呟いていた。

その呟きは次第に大きくなり、高雅の耳にも聞こえてきた。

生「・・・・きれねえ・・・」

高「ん?、何だって!?」

すると、首を勢い良く上げ、高雅に聞こえるように喋った。

生「死んでも死に切れねえ!!!!!」

高「・・・・あー・・・あれか・・・復活か」

生徒の額にはオレンジ色の炎が燃えており、目は淡いオレンジ色に輝いていた。

高「でもあれって、後悔がないと死ぬんじゃなかったっけ?」

高雅は目の前にいる生徒が何の後悔があるか分からず、むしろ故意的に撃ったのなら、後悔などは無い。

そう推測していた。

しかし、事の成り立ちを考えている内に、生徒はその場から消え、高雅の後ろを取っていた。

生「どこを見ている?」

高「ッ!?」


バゴッ!!


生徒は手から炎を噴射し、その勢いで高雅をぶっ飛ばした。

高雅は地面を何回かバウンドした後、地面との摩擦によって停止した。

ア(コウガ!!、大丈夫!?)

高「いって~~・・・あの野郎、不意打ちしやがって。てか、グローブなしで炎をだせるのかよ」

すぐに立ち上がって、付着した砂を呑気に払っていた。

ア(迎え撃たなくていいの?)

高「もう終わった。俺に触れた地点であいつの負けだ」

高雅はもしもの為に体の外側に静寂の力をまとっていたのだ。

それに触れたとなれば、お分かりだろう。

高「ったく、術者はどこにいるんだか・・・・」

砂を払いながら辺りを見回すが、人影(さっきの生徒は除く)すら見つからない。

高「・・・・あっ、まさか・・・」

高雅は一つだけ隠れられる場所を見つけた。

ア「何か分かったの?」

高「多分・・・まぁ、何でもありだからきっとそうだろうけど」

そう言って高雅はしゃがみ込み、地面に手を置いた。

そして、意識を集中させ、ある力を込め始めた。

すると、近くの地面が盛り始めた。

その隆起した地面は次第に大きくなり・・・

生「熱ちいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

人が出てきた。

高「ビンゴだったな」

ア(まさか、地面に隠れてるなんて)

ちなみに、高雅が使った力は活性の力である。

それによって、地面の中にある様々な分子の熱運動を激しくさせ、熱を上げていたのであった。

詳しくは理科で習ってね。

高「取りあえず、こいつを倒すか」

生「へん、簡単にやられると思うなよ」

すると、生徒は手のひらに渦巻いた球体を創りだした。

生「らせn「さっさと、くたばれ!!」」


バギッ!!


痺れを切らした高雅が瞬速のパンチを浴びさせ、声を出す前に気絶した。

すると、もの寂しいかった剣と荒野だけの景色が歪みだし、もとのグラウンドに帰って来た。

高「やっと終わった」

ア(お疲れ様)

歓「わああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

倒れている走者達と一人だけ立っている高雅を見て、観客は物凄い歓声を上げた。

高「何で、こんなに盛り上がるんだ?」

ア(誰もいなくなって、再び現れたら、皆倒れて一人だけ立っているとなれば、勝手な想像で盛り上がるんじゃない?)

高「まぁ、その創造はあながち間違ってねえけどな」

観客の歓声を浴びながら、高雅は走ることなく歩いてゴールした。

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