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体育大会 何でもあリレー 前編

遂に、この体育大会の大目玉である『何でもあリレー』が始まろうとしていた。

そして、生徒達による策略が波乱を呼ぶ。

高「るっさい。能書きはいいから、さっさと始めろ」

はいはい、わかりましたよーだ。

まずは、1年、2年、3年という順番で行います。

走者以外が助けたりするのはNGです。

でも、バレなければOKです。

後はそんだけ。

何でもありです。

高「分かりやすくて助かる」

それでは、1年の第一走者はスタートラインに着いてください。



1年はまだ、どれほどまでが許されるか分からず、落とし穴やエアーガンなど規模の小さいもので済んだ。



そして、高雅達2年が始まろうとしていた。

高雅は軽くストレッチをし、戦いに臨んでいた。

ア(やる気満々だね)

高(これぐらいしてねえと後で筋肉痛になるっての。全く、あいつらがいれば・・・)

実は、高雅はアンカーを任されていた。

しかし、それはちょうど購買部組が占めていた部分で、高雅がその穴埋め役となってしまった。

なので、高雅は購買部組と自分の分、計3周走らなければならない。

ア(筋肉痛って・・・ちょっと前に命を掛けた激しい戦いを過ごしたのに、ケロッとしている人が言うセリフ?)

高(あれは全体の筋肉を程良く使うからそこまで負担は無いんだ。今回は足に負担が大きいからな)

ア(ふ~ん・・・ま、今回は命は掛けないし、気楽に行こうよ)

高(重傷はあるけどな)

そんなこんなのやり取りをしている最中に、もう第一走者がスタートラインに着いていた。

審「よーい・・・〈パァン!!〉」

地獄のリレーの幕が切って下ろされた。

しかし、一人しか走り出さず、他の皆は気絶していた。

高「なっ!?・・・いつの間に!?」

気絶した者に外傷はない。

すると、先に走った一人がタネを明かした。

他「はははのは!!。俺様の眠り粉は即効性だからな!!」

呑気に後ろを見ながらスキップで進んでいると、突然、その場から消えた。

いや、消えた訳ではない。

落とし穴に掛かっただけだった。

さらに、落とし穴に掛かった瞬間、カモフラージュしていた布で綺麗に蓋がされた。

他「ぎゃああああああああああああああああ、スズメバチの巣がああああああああああああ」

その第一走者はスズメバチと共に穴の生活を楽しんだ。

ア(コウガ、このままだと、終わらないよ)

一人はスズメバチ、他は睡眠と、さっそく展開が全く進まない状況に陥った。

高(・・・はぁ~、しゃーねえな)

高雅は地面に力をを伝わせながら自分のクラスの走者の目を覚まさせた。

これは活性の力により、脳を活性化して起こさせたのだ。

もちろん、この場にいる皆はそんな異能の力だとは思わない。

ただ、何でもありという言葉にしょうがないと思ってしまう。

結局、何にも掛かることなく、高雅のクラスは第2走者目にバトンが渡った。

高「このまま、楽に終わればなぁ~」

そんな事をボヤキながら第2走者が走るのを見ていたが、第2走者はいきなりその場に倒れ込んだ。

よくみると、足から血を流していた。

ア(い・・・いつの間に!?)

高(・・・成程、ワイヤーだ)

高雅は目を活性化させ、原因を確認していた。

すると、第2走者の周りには無数のワイヤーが張り巡らされている事が分かった。

高(多分、足を切ったんだ)

すると、第3走者が心配したのか迎えに行った。

高(あいつ・・・ワイヤーって気付いてないな)

ア(どうするの?。このままじゃ、あの人も怪我しちゃうよ)

高(はぁ~、めんどくせえな)

高雅はまた地面に力を伝わせ、ワイヤーを全て破壊した。

その後の事も考え、このグランドにある全ての罠を破壊しておいた。

所々、爆発も起きたりした。

高「おいおい、重傷で済むか?」

そんなことを思っている内にバトンが渡り、高雅のクラスは完全に独走状態だった。

そして、さっきの爆発によって眠っていた他の走者も目を覚ました。

レースはまだ始まったばかりである。





もはや1時間が経過していた。

高雅のクラスは独走状態から3位まで落ちていた。

鉈を持って笑いながら振り回す生徒もいれば、それを鍬で立ち向かう生徒もいた。

いきなり氷点下まで気温が下がるかと思えば、炎天下並みに気温が上がったりもした。

破壊光線を撃つ者もいれば、か○は○波で対抗する者もいた。

箒に乗った生徒が謎の石からビームをだしたら、傘を持った生徒が傘の先端からからビームをだして撃ち合いしていた。

エクスなんとかパトローナムで守護神を召喚すれば、カードを掲げて神を召喚したりもあった。

とにかく、この日だけ、皆は異常な力を得られていた事を知らない。

そして、そのたびに高雅が裏で力を使っていた事を知らない。

高(あー・・・走ってもねえのに、何か辛い)

高雅の出番まであと一人。

その一人は龍子だった。

虎「おらおらおらおら!!、どきなどきな!!」

虎子が竹刀を振り回しながら豪快に生徒を突きとばして一気に1位に浮上した。

龍子は虎子が通った後ろを走っていた。

高「やっぱ、強いな。龍子の母親は」

すると、虎子が高雅の目の前で止まった。

そして、高雅に竹刀を向けた。

虎「あんた。今、ここで再戦を望むよ」

高「いや、待て。いくらなんでも今は無理だろ」

高雅が冷静に現状況を説明したが、虎子の目は高雅しか映っていなかった。

虎「問答無用!!。はあああああああああああああ」

高「マジかよ!?」

虎子が高雅に向かって竹刀を振り回して来た。

高雅はそれを紙一重でかわしていった。

振り切ったとき、周りの生徒に被害が及んだのは言うまでもない。

龍「お母さん・・・やめて・・・」

遅れて来た龍子が歯止めを掛けるが、その小さな声は虎子の耳に入っていなかった。

ただ、高雅の一つ一つの動作を見切るのに集中していた。

虎「・・・もらったよ!!」

高「やべっ!?」

高雅が一瞬だけ足を滑らせた。

その隙を狙って虎子が鋭い突きを繰り出して来た。

高「あー!!、もう!!。やってらんねえ!!」

そこで、高雅は吹っ切れてしまった。


スパパパパ!!


虎「な・・・」

虎子の竹刀は高雅の双剣によって細切れにされた。

高雅は剣を逆手に取って、神速で踏み込むと同時に・・・


ドグッ!!


虎「ぐはぁ!!」

虎子の腹に柄を埋まらせた。

そのまま、虎子は力なく倒れた。

高「今度は正々堂々戦ってやる。ただ、今のはちょっと不公平だった」

そう言って、剣を束ねて片手で持ち、虎子をグランドのトラックから退ける。

そして、唖然と佇んでいる龍子の下へ行った。

高「ん」

高雅は手を出して、気付かせるように一文字だけ喋った。

龍「え・・・あ・・・はい・・・」

龍子もそれに気付き、高雅にバトンを渡した。

気が付くと、虎子にやられた生徒は既にバトンを渡していた。

高「んじゃ、行きますか」

ア(やっと、出番だね)

高(もう、散々働いたけどな)

高雅は速度の力を使って異常なスピードで走り始めた。

とは言っても、肉眼で確認できない程のスピードではない。

さすがに、マッハで3周したと言っても誰も信じられないため、あえて、見えるような速さである。

見えると言っても、軽く世界陸上の記録を破る速さだが。

高雅は10秒も掛からずに半周し、2位との差を追い詰めた。

高(軽い軽い)

余裕をかまして2位を抜き去ろうとした。

他「I am・・・・・・・my sowrd・・・・・・・fire is my bood・・・・・」

高「!?」

抜き去ろうとしたとき、その走者は意味不明な英語を喋っていた。

あまり集中していなかったため、片言しか聞きとる事は出来なかった。

しかし、その言葉は高雅の記憶のどこかにあった。

高(今のは・・・えっと・・・何だっけなぁ~)

けれども、高雅は思い出す事は出来なかった。

高雅は特に気にもせず、1位との距離を縮めていた。

そして、残り2周のところで1位と並んだ。

高雅は普通に1位を抜き去ろうとした。

しかし、とんでもない事になってしまった。

高「!?・・・何だ!?」

突然、空間が歪みだしたのだ。

そして、グランドは段々荒野と化していった。

しかし、ただの荒野ではない。

地平線まで異様な形をした剣が無数に突き刺さっている荒野だ。

高「思い出した!!・・・けど」

高雅はこの光景を見て先ほどの英語が何だったのか理解した。

高「UBWってありかよおおおおおおおおおおおおおおおお」

高雅は叫んだ。

叫ぶしかなかった。

この、本当に何でもありの展開に。

※UBWが分からない人用。


簡単に言えば、固有結界。


固有結界が分からない人は、俺世界の結界に閉じ込めた、とでも思っていてください。

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