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体育大会 短距離走

遂に始まった体育大会。


学校全体の生徒はグランドで整列し、開会式に臨んでいた。

しかし、8割がだらけているが。

高「まだ、始まらねえのかよ・・・」

高雅もその8割の中に入っていた。

ちなみに、アリアは観客として、学校に人間状態でいる。

もちろん、レオ(当然、人間状態)やフィーラも一緒にどこかで応援するらしい。

今、校長がお話を仰っているのだが、それがあまりにも長い。

優に10分を超えている。

校「―――ですので、皆さん、頑張ってください」

高「やっと、終わるか」

校「さらに―――」

高「まだかよ・・・」

それからさらに10分後。

やっとのことで校長のお話が終わり、全員のやる気が萎えていた。

放「続きまして、選手宣誓。代表、姫花凛」

凛「はい!!」

はっきりとした返事をして、凛が校長の前までやって来た。

凛は手を挙げ、校長へ宣誓をした。

凛「私たち一同は、全力を出し切り、正々堂々戦うことを誓いますわ」

宣誓をし終え、凛は列へ戻って行く。


それから、準備体操や諸注意など開会式で行われることは終了した。






開会式が終わり、全員はそれぞれのテントで座って待機していた。

放「短距離走に出る選手は入場門に集まってください」

短距離走選手の召集がかかり、高雅は渋々立ち上がった。

高「初っ端からか・・・あの、校長の後は萎えるな~」

A「まあ、お前は萎えていようが一番だろう」

Aが高雅の肩を叩きながら言う。

高「さあ、どうだか」

曖昧に答えながら、高雅はAを置いて入場門へ行った。

A「おいおい、俺を置いてくなよーー」




入場門。

短距離走に出る選手が整列していた。

高雅は取りの為、後ろから皆が並ぶのを待っていた。

すると、そこに・・・

凛「あら、高雅さん」

凛がいた。

どうやら、凛も同じ短距離走らしい。

ちなみに、全競技男女共同である。

高「ん、凛か」

外野共(な・・・名前だと!?。しかも、呼び捨て!?)

高雅は普通に凛に返事をしたが、外野は一瞬で視線を高雅に集中させた。

凛「あなたも短距離走に出場するのですね」

高「まあ、一番楽な個人競技だからな」

凛「相変わらずですわね。それより、並ばなくてよろしいですの?」

高「俺は最後だ。だから、他の奴が並ぶのを待ってるんだ」

凛「奇遇ですわね。私も最終走ですわ」

高「ほー、俺に勝てるかな?」

高雅が挑発染みた口調で言う。

すると、凛が近づいて来て耳元で小声で聞いた。

外野がさらに反応したのは言うまでもない。

凛「まさか・・・あなた、アリアさんの力を使うつもりですの?」

高「俺はそんな卑怯な手は使わない。アリアはギャラリーとして、どっかで見てる」

凛「そうですの。それなら、あなたに勝てるかもしれませんわね」

高「アリアがいないと何もできない奴じゃねーよ、俺は」

凛「そうですわね。それでは、そろそろ並びましょうか」

高雅と凛は列の最後尾に並び、ちょっとすると入場のコールが掛かった。

選手は駆け足でスタートラインの前まで行き、その場に座り込んだ。

そして、第一走者がスタートラインに着いた。

用意が出来ると、審判がピストルを空に挙げ、片方で耳を塞ぐ。

審「よーい・・・〈パァン!!〉」

そして、競争は始まった。



次々と走り終え、次はAの番が回って来た。

A(ふっふっふ・・・このメンツなら勝てる!!)

Aの競争相手は殆どがデブであった。

A(皆は捨て競技だと思っているのか。これは俺らのクラスが独走するな)

内心で勝ちを確信しつつ、用意をする。

Aは多大なる間違いをした。

それは、これが負けフラグだと言うことを知らない事。

審「用意・・・〈パァン!!〉」

そして、Aの負け試合が始まった。

Aは会心のスタートダッシュだったのか、周りは誰もついて来れず、最初から独走状態だった。

A(勝てる・・・・勝てるぞ!!)

Aは余裕をこいて、後ろを振り返る。

すると、そこにはおぞましいスピードで近づいて来るデブ達がいた。

A「なっ!?・・・・嘘だろ!!」

デブ達は己の体を生かして、転がって来ていた。

しかも、坂でもないのにスピードがドンドン加速して行く。

さらに、ちゃんとインコーナーをついている。

かなりの上級テクニックであった。

A「ちょちょちょ・・・まっt〈プチッ〉・・・」

デブの一人は何事もなかったようにAを踏みつぶして行った。

そして、後ろから次々とデブが転がって来ていた。

A「ちょ・・・たんm〈プチっプチチ・・プチッ〉」

Aは全員から潰され、再起不能になった。

高「あちゃー。ダメだな、あいつ」

凛「仕方ありませんわ。あの方達と一緒だったのが最大に不運ですわ」

傍らから、高雅はダメ押しし、凛は同情していた。

その後、Aは担架で運ばれ、高雅のクラスの第一走の得点は0となった。



遂に、高雅と凛の番になった。

高雅はスタートラインに着きつつ、周りの対戦相手を確認する。

殆どは運動部のエースが最後を飾っているようだ。

凛以外にも女子もいるが、スタートの構えからして、陸上部だと言うことが判明した。

高雅もスタートの構えをし、集中する。

ア「コウガーーーー」

高「ん?・・・」

ふと聞こえたアリアの声の所為で、高雅は集中を切らした。

声が聞こえる方を見ると、そこにはアリアが手を振っていた。

すぐ横にはフィーラとレオが高雅を見守っていた。

ア「コウガーーーーー、頑張れーーーーーー」

フ「コウガ様ーーーーー、ファイトですーーー」

高(フィーラ、こんな所で様を付けるな)

もう既に手遅れで視線は高雅とアリア達に集まっていた。

きっと、殆どが高雅にドン引きしているのだろう。

ア「フィーラちゃん、こんな所で様を付けるとコウガに怒られるよ」

それを察したのか、アリアがフィーラに指摘し始めた。

フ「あみゅ?。何故です?」

ア「現世じゃ、様なんて普通使わないんだから」

フ「でも、コウガ様はボクにとって様を付けないと失礼です」

ア「それでも、今だけは我慢してる方がいいよ。コウガもきっと望んでいるよ」

フ「みゅ~・・・コウガ様が望んでいるのなら・・・」

ア「ほら、また付けてる」

フ「みゅみゅみゅ~・・・」

レ「アリア殿、そのようなことは特に問題なかろう」

ア「レオ君も、殿は使わない」

レ「我もか・・・って、アリア殿も君付けをするでない!!」

ア「いいの。君付けは現世でも使われてるからいいの」

レ「理不尽ではないか!?」

ア「理不尽じゃない!!」

そんなやり取りが行われ、3人は完全に注目の的となっていた。

高「あのバカ共・・・ただでさえ目立つのに、さらに目立ってどうする・・・」

審「よーい・・・〈パァン!!〉」

高「あ・・・」

集中を切らせていた高雅は不意になった音に反応できず、出遅れた。

しかし、凛は結構いいスタートだった為、現在、2位をキープ中。

凛(よし、上々ですわ)

香「凛姉ちゃん、頑張れなのーーーー」

香凛の激励を受け、凛はスピードを上げていく。

しかし、横から誰かが追い抜こうとしていた。

凛(!?、まさか・・・)

そのまさかだった。

高雅がもう追いついて来ていた。

高「おっさきー」

こんな状況にも関わらず、声を出して余裕を見せる高雅。

そして、さらにスピードを上げていく。

凛は唖然とその光景を見ながら走っていた。

高「後一人か~」

などと呟きながら確実に距離を追い詰めていた。

残り20メートル地点で高雅とその1位の人は横に並んだ。

1(この野郎。凛様といちゃつきやがって。ただで済むと思うなよ)

この非公式の凛ファンクラブにでも入っているバカは高雅に向けてショルダーアタックをしようとした。

高(典型的なバカだな、こいつ)

高雅はもちろん、自分が何かの標的になっていることは、あの時の視線で感じていた。

そして、こいつが何かを仕出しでかすのも大体予想していた。

高雅は一瞬にしてかがんで敵の攻撃を避け、一気に踏み込んで加速した。

2(何!?・・・)

当たることを前提にして突っ込んでいた為、外すことなど考えてなかった。

もちろん、当たらなければ、バランスは崩れ、横に突っ込んでしまう形になる。

1位だった人は無残にも転んだ。

そして、高雅は悠々とゴールテープを切った。

凛も転んだ隙に追い抜き、2位を納めた。

凛「はぁ・・・はぁ・・・流石ですわ、高雅さん」

高「お前もすげーな。運動部相手に2位とは」

凛「べ・・・別に、褒められたって嬉しくありませんわ」

高「あっそ」

高雅は素直に受け止めない凛をほっといて、1位の旗の列に座った。



結果発表。


紅  90点  白 80点


追伸

いい忘れていましたが、高雅達は紅組です。

凛も紅組です。

後、別でクラス得点もあります。

それは、面倒なので、最後の結果発表だけにします。(←おいッΣ)



高「勝ってんじゃん」

凛「そうですわね」

点差は無いが勝っていることを二人は素直に喜んでいた。

そして、高雅達は駆け足で退場して行った。

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