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緑の復讐編 その17、終戦

異常に長いです。

多分、2話分ぐらい。


分ければよかったと後悔しています。orz


こんな、長ったらしい駄文を全部読んでくださるとうれしいです。


高「おーい、レオー、フィーラー」

フ「あ、コウガ様」

レ「おお、コウガ殿。もう傷は癒えたか?」

高「見りゃ分かるだろ」

レ「ふっ、そうだな」

いつもの緊張の無い口調にレオもフィーラも安心した。

高「それにしてもよ、援護が遅いと思えば蓮田達を呼んでたのかよ」

レ「ああ、仲間は多い方が戦略も立てられると思ったのだ」

高「よく、学校にいると分かったな。どうしてだ?」

レ「フィーラ殿に案内を頼んだのだ。それに、我、一人では仲間か分からないであろう」

高「まぁ、そうだな。納得」

A「おーい、まだかー!!」

Aは高雅達がゆっくり話せるように一人でツタを斬っていた。

高「後10分」

A「なげーよ!!」

高「おいおい、主人公に見せ場をあげてるのに、もう要らねえみたいだな」

A「前言撤回。うおおおおおおおおおおおお」

Aは雄叫びと共に再びツタを斬り始めた。

タ(・・・乗せられておらぬか?)

そう思っているタイトだった。

そんな思いも知らず、ただ斬って斬って斬りまくるAである。

高「まあ、バカに時間を稼がせて、俺達は作戦会議だ」

レ「どうするのだ?」

高「まず、あのツタタワーには核があると思う。理由は、ウルザスの声が聞こえるから、どっかにウルザスの魂や宝石があるだろうと推測したから」

レ「成程、あながち間違ってはなさそうだ」

フ「で、その核は何処にあるです?」

高「一回、辺りを斬り刻んでみたんだ。そしてら、再生の場所が速い所と遅い所があった」

レ「つまり、核に近いほど再生が速いと見た訳か?」

高「その通り。それが本当かは実証できねえけど。相手は老人だ。俺みたいな若造と経験が違い過ぎる。裏をかいているかもしれないし」

ア「でも、分からない事を考えてもしょうがないよ。違ったら違ったでまた考えればいいし」

高「そうだな。変に悩んでられねえ。そこで、作戦だが―――」


ゴミョゴミョ・・・


レ「分かった。それで行こう」

高「そんじゃ、行きますか」

フ「オーケーです」

ア「その前に―――」

いざ行こうとした所をアリアが突然止める。

高「何だよ、せっかく行こうとしたのによ」

タイミングの悪さに高雅も少しキレ気味である。

だが、アリアはそれに関わらず、高雅の目を見て言った。

ア「その・・・もう、本気にならないで」

高「・・・・・・」

アリアの真剣な言葉に高雅も少し固まってしまう。

少しの沈黙の後、高雅が口を開いた。

高「・・・はぁ、わーったわーった。大体、もう本気になる必要は無いし」

ア「ほんと!?」

高「嘘を言うとでも思ってるのか?」

ア「・・・少しだけ」

高「ひでー」

ア「ほんとに少しだけだから!!」

高「いや、少しでも、疑うとか酷いぞ」

レ「コウガ殿」

フ「イチャイチャは終わった後です」

高「誰がイチャイチャしてんだよ!!」

ア「そんなつもりじゃないってば!!」

息ピッタリな二人に、自然と笑うレオとフィーラ。

高雅は笑っている二人に怒りをぶつけるも、相手は反省しようとしてない。

A「ぎゃああああああああああ」

ふと、Aの悲鳴を聞き、現状を再び確認する。

Aはやられ、落下して行っていた。

高「時間稼ぎ終了か。んじゃ、作戦通りに行くぞ」

レ「ああ」ア「うん」フ「はいです」

それぞれが短く返事をし、それぞれの役目を果たしに行った。

高「さあ、こっちもやるぜ、アリア」

ア「うん」

高雅も剣を構え、ツタタワーへ近づく。

その前に、時間稼ぎをしていたAの近くに寄る。

高「おい、主人公。この程度でやられてしまうのか?」

Aの傷を再生しながら呟くと、Aが目の色を瞬時に変えた。

A「まだだ!!、俺の見せ場を見せてやるぜええええええええ」

Aは張り切ってツタへ向かっていく。

そんな光景を見ながら一言。

高「計画通り」

ニヤリと妖しい笑みを浮かべている高雅に気付いたものはアリアぐらいだった。

ア「コウガ、作戦作戦」

高「わーってる。今、実行するから」

そう言って高雅もツタに近づき始めた。



ちょっと視点が変わって、レオはどうしているかというと・・・

レ「・・・・・・・」

ただ無言で、自分の手だけでひたすらツタを斬っていた。

斬ると言っても、傷を付けると同じ意味だが。

ウ「天の犬が、小賢こざかしい」

無数の細かいツタも無言で斬り続けるレオ。

A「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ」

それとは対照に声をあげて我武者羅がむしゃらに斬り刻んでいる。

高「ほらよ!!」

高雅も二人に遅れを取らず、双剣を巧みに使って斬り刻む。

ウ「邪魔じゃ!!」

三人からの攻撃にウルザスも惑わされ、怒りを込めていた。

三人は斬ってはまた別の場所を斬る。

それの繰り返しだった。

ウ「束でかかろうとも、わしの力で生まれた自然に勝てる訳がなかろう」

ツタも斬られては再生しの繰り返しである。

だが、そんなことは高雅だって百も承知である。

高「やはりな」

高雅はただ確認したかっただけである。

何処が再生が早く、何処が再生が遅いのか、を―――。

今の攻撃でより場所が正確になった。

高「そろそろだな。レオ、A、一旦離れろ」

レ「分かった」

A「えーー、何でだよーー」

レオは素直に離れたが、Aは文句があるらしく攻撃を続けていた。

高「・・・さっさと退け」

高雅は声だけで猛獣も殺せそうなほど冷酷な声を発した。

さすがのAも殺気に震え、冷や汗を掻き、命を危険を感じた。

A「わ・・・分かりました」

逆らえば殺される。

それを察したAはすぐにツタから離れた。

高「これでよしっと」

ア「コウガ!!、前!!」

高「!?」

高雅の目の前には無数のツタが向かって来ていた。


グササササ・・・


高「がっ!?・・・」

気付くのが遅れたため、避ることができなかった。

高雅の体中に無数のツタが貫かれ、高雅は宙吊り状態になった。

ウ「ほっほっほ、若造が老人をバカにするからじゃ」

ウルザスはただ一人笑っていた。

何も聞こえない中でただ一人。

ウ「・・・?、おかしいのぉ」

何も聞こえない。

それは、本当に何も聞こえないのだ。

この悲況の中、仲間の怒りの声も悲しみの声も聞こえないのだ。

ウ「・・・!、まさか!!」

高「そのまさかだ」

高雅が少し離れた所で虚無の力を溜めていた。

そして、その隣では・・・

フ「べ~です」

片方の目元を下に引っ張りながら舌を出しているフィーラがいた。

ウ「おのれーーーー!!」

高「俺が二度同じ技に引っ掛かるかよ」

そう言いながら、虚無の力を込めた剣の先をツタへ向ける。

高「終わりだ!!」


ドシュウ!!


そして放たれる虚無のレーザー。

フ「これで終わりです」

フィーラも敵の最後を見届けようとしている。

だが・・・

ウ「・・・ふふふ」

ウルザスは笑っていた。

そして、レーザーがツタに直撃する瞬間、突然、空間が開き、レーザーを別の空間へ飛ばした。

その飛ばした先は高雅の後ろだった。

高「何!?」

フ「あみゅ!?」

ウ「わしが再生に偏りがある事を知らぬと思ったのかのぉ?。敵は弱点を教えると、そこへ本気で攻撃するもんじゃ。それを利用させてもらったぞ」

高雅はレーザーを撃っているためか動かない。

フィーラも慌てふためいていた。

フ「あみゅみゅみゅ、後少しだったのですのに~」

フィーラはもう負けを認めていた。

高「・・・へっ」

しかし、高雅はこの場に合わない笑みを浮かべていた。

まるで、全て知っていたかのように。

ウ「何がおかしいのじゃ?」

高「バーカ、お前が空間を使えることぐらい、知っていたさ」

レーザー直撃まで後12秒。

ウ「偽りを話した所で何も変わらぬ」

レーザー直撃まで後8秒。

高「嘘かどうかは、俺が死んだ後に判断するんだな。最も、死ぬはずがないけどな」

レーザー直撃まで後4秒。

ウ「どういう意味じゃ?」

レーザー直撃まで後1秒。

高「こう言う意味さ」


ドォォォォン。


レーザーは対象物を呑みこんだ。

そして、レーザーが晴れていくと・・・

ウ「な・・・何故じゃ!?」

巨大なツタの一部が綺麗に無くなり、光り輝く宝石が姿を現していた。

高「あれが核か」

高雅は分かっていたように言う。

ウ「小僧、何をした!?」

高「俺は何もしてない。ただ虚無を放っただけだ」

ウ「ならば何故!?」

レ「我だ」

レオが高雅の横に並ぶようにやって来た。

レ「我が貴様と同じようにコウガ殿の後ろに空間を開き、標的の目の前に展開させたのだ。

ウ「天獣、貴様はいつの間に力を吸収していたのじゃ!?。貴様は力を吸収するタイプのはずじゃ」

レ「その通りだ。だから吸収しておいたのだ」

ウ「いつ・・・はっ!?、まさか!?」

ウルザスは一つだけ思い当った事があった。

それは、レオが噛む動作をしたあの時だ。

高「そっ、俺を止める為に甘噛みしたように見せて、実は色んな力を送っていたんだよ」

ウ「ならば、何故わしが空間の力を使える事を知っているのじゃ!?」

高「まず、お前が楽園の心臓の倉庫に連れて行ったことだけど、あれは暗くて見えなかったが、足元にあった紋章見たいのチラッと見えて、それが原因だと分かり、空間の力ではない事は分かった」

ウ「ならば、何故じゃ!?」

高「もっと前から知ってたんだ。丁度、インジと初めて会った時かな」

インジと初めて会った時。

それは、皆で旧校舎で肝試しをしたことだ。

ウ「あれとどう関係があるんじゃ?」

高「意思会話を知っているよな。俺も最近分かったんだが、あれは空間と変換を応用して使える力だよな。それで、俺の目の前でインジがいきなり『集合命令が出されやがった』とか言ってたんだよ。それって、意思会話で命令したんだよな。つまり、お前かエガルのどっちかが使える、あるいは、二人で協力して使えることが分かってたんだ。エガルは空間は使わなかったし、後はお前だけだから、空間を使えると分かってたんだ」

ウ「そこまで見破っていたとは・・・」

高雅の推理にウルザスは驚きを隠せなかった。

高「さて、無駄話もここまd「おりゃああああああああああ」!?、おい!!」

突然、Aが核目掛けて剣を振り上げていた。

高雅の呼びかけにも答えず、剣を振り下ろす。

そして・・・


パリーン


ウルザスの宝石ははかなく散った。

それと同時に巨大なツタも姿を消した。

辺りにはおぞましい戦いの後と沈黙の空気。

それと・・・

A「はっはっはっはっは、主人公の力、思い知ったかーー!!」

もういなくなった敵に向けて大口叩いているA。

高雅は黙ってAに近づいて行く。

A「何だ?、とどめをさしたかったか?」

気楽に問うAだが、高雅の目はそんな気楽に対して怒りを帯びていた。

高「お前、勝手なことをしやがって・・・」

A「いいじゃねえかよ。別に誰が倒したってよ」

高「俺はそう言う意味で言ってんじゃねえよ!!!!!」

A「ッ!?」

いつもと違う怒りの声。

Aも体が反射的に怯えている。

フ「コウガ様、もういいです」

高「お前が良くても、俺g「いいです」」

フィーラが高雅の反論に聞く耳を持たず、口を挟む。

フ「過ぎてしまったことはしょうがないです。それに、元々、楽園同士で中が良かった訳でもないです。だから、怒らないでくださいです」

高「・・・・・・・・くっ」

フィーラが悲しそうに呟き、高雅がそれを見ながら悔しがる。

そんな光景をいま一つ理解できていないAがいた。

A「え!?、え!?、どゆこと!?」

Aの責任の無い声に高雅の怒りも爆発寸前だったがレオが止めて、代わりに説明した。

レ「奴が大量の命を持っており、その場所を聞き出す前にA殿が奴を倒してしまったのだ」

レオがAでも分かるように言葉を変えて言う。

それでやっとAが理解した。

A「え!?、それって・・・」

高「その命が救えねえってことだよ!!」

高雅が怒り交じりの声で言う。

自分でも必死に怒りをこらえているのが目に見えるように分かる。

A「それは・・・」

さすがのAも反省の色を現し始めた。

そこへ・・・

ロ「やったぜコウガっち!!。遂に勝ったんだな!!」

空気ブレイカーこと、ログナが現れた。

ログナは高雅の肩を組みながら高雅に聞いていた。

高「邪魔だ!!」

そのまま背負い投げでログナを投げる。

ログナは器用に着地し、ノーダメージだった。

龍「・・・勝ったの?・・・」

凛「遂に終わりましたの!?」

蓮「こうが兄ちゃんの勝利?」

そして、遅れてやって来た龍子達も高雅に確認をする。

高「ああ、勝ったぜ。もう、気味が悪い虫も植物も終わりだ」

蓮「それにしても、どうして虫さんやツタさんを使ったのだろう?」

高「敵が自然を使って人間を殺したかったらしい」

大体当っている事を言う高雅に対して、蓮田は少し怒ったような顔をした。

蓮「ダメだよ!!。お花や虫さんは人を殺したりするんじゃなくて、人を生かしてくれる大切なものだよ!!」

高「ははは、そうだな。じゃあ、蓮田は悪い人から自然を守るためにはどうするのか?」

蓮「う~ん・・・」

蓮田は少し悩んだが、すぐに答えを導き出した。

蓮「大丈夫。どんな人でも自然の大切さを知ってるから分かってくれるよ」

高「ほんと、純粋って言うか何と言うか・・・」

高雅は蓮田のまっすぐな答えにどこか羨ましげがあった。

高「それで・・・」

高雅は龍子と凛に向き合う。

高「記憶、どうする?」

高雅の最小の質問に二人は理解し、一緒に答えた。

龍「・・・いい・・・」

凛「人間は楽ばかりではろくな人間性になれませんわ。この程度の事など、消す必要もありませんわ」

高「そっか」

二人の意思を確認し終わると、高雅は背伸びをしながら空を仰いだ。

高「さーて、そろそろ帰りますか。レオ、フィーラ、行くぞ」

レ「分かった」

フ「はいです」

高雅の呼びかけに答えるとすぐに近づいて来た。

高「じゃあな、後で俺が全部戻しておくから」

ロ「再生ぐらいは俺っちがやるぜ」

高「いや、いい。再生と同時に記憶を消すための破壊を使うし」

ロ「そうか。またな、コウガっち、アリアっち、レオっち、フィーラっち」

蓮「ばいばい」

龍「・・・また明日・・・」

凛「御機嫌よう」

タ「達者でな」

A「じゃ~な~」

それぞれの言葉を交わし、高雅達は帰路を歩いた。




緑の復讐編  終






☆おまけ☆



帰宅途中。


フ「・・・あのです・・・」

フィーラが少し申し訳なさそうに聞いて来る。

高「ん、どうした?」

高雅達は歩みを止め、フィーラの話を聞く。

フ「ボク・・・帰る場所が・・・」

高「・・・そんな事かよ」

高雅は呆れて首を振る。

フ「そ・・そんな事とは何です!?」

フィーラもその動作に少し怒りを現していた。

そして、高雅が手を伸ばしながら言う。

フ「あみゅ?」

高雅の謎の行動に理解ができてないが、高雅は構わず言った。

高「俺の家に来いよ」

そして、高雅に続いてアリアも手を伸ばす。

ア「おいで、フィーラちゃん」

レオは獣の状態に戻っている為、手を伸ばせないが、一歩前に出る。

レ「歓迎するぞ、フィーラ殿」

フ「あみゅ!?、あみゅ!?」

三人の行動に戸惑うフィーラ。

そして、落ち着きを取り戻すとゆっくりと手を伸ばし。

フ「・・・よろしくです」

高雅とアリアの手を握った。



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