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緑の復讐編 その16、集合

高雅があの言葉を喋った瞬間、高雅の雰囲気はどことなく変わった。

ア「あれ、高雅の静寂が消えた!?」

アリアは戦いの時、常に高雅の闇に静寂を掛けていたが、それが突然消えてしまった。

ア「嘘!?・・・静寂が消される!?」

アリアは何度も何度も高雅に静寂を掛けるが全て消されてしまっている。

まるで、高雅がそれを拒絶しているかのように。

ア「コウガ!!、コウガ!!」

高「さっきからうるせえなぁ」

ア「だって・・・コウガが―――」

高「安心しろって、2・3分は持つから」

ア「そうじゃなくて・・・いや、それもあるけど」

高「何だよ、一体?・・・っと、それよりも、仕掛けて来たようだ」

ア「えっ!?」

意識をウルザス(てか、ツタタワー)に戻すと、枝分かれするように無数の細いツタが高雅の方に襲って来ていた。

高「それじゃ、木っ端微塵に切り刻んでやるか」

薄気味悪い笑みを浮かべた瞬間に、神速の速さでツタを迎撃した。

ウ「!?、一段と速くなっておる!?」

高「たははは、どうしたじじい?。ビビったか?」

高雅が挑発染みた口調でウルザスに問う。

ウ「笑止、たかが速くなっただけでわしの本気にかなうとでも思っているのかのぉ?」

高「そうか、速さだけじゃ足りないか・・・」

ウ「そうじゃ。速さでこのツタを斬ることは不可能じゃ」

高「ふっふっふっふ・・・」

自信気に反論するウルザスだったが、高雅は笑っていた。

ウ「何処が可笑しいのじゃ?」

高「全部だよ、全部。お前の存在も頭も見かけも」

ウ「小僧、老人を何だと思っておる?」

高「さぁー?」

ウ「調子に乗りようて」

高「ひゃははははは!!」

ア(・・・コウガ・・・)

高雅はツタをすり抜けるように近づいてゆく。

全てのツタを紙一重で避け、さらに活性の力で腕の筋力を上げていく。

高「真っ二つだ!!」

ツタタワーとの距離が無くなった瞬間、渾身の力で叩き斬ろうとした。


ガッ・・・


高「あり?」

巨木なみのツタは斬ることができず、ただ傷を付けただけだった。

ウ「そんな、ぬるい攻撃で切断など出来る訳がなかろう」

高「・・・切断はな」

ウ「?」

高「今に分かる」


ピキ・・ピキキ・・・


高「へへ」

高雅が微笑を浮かべた瞬間、斬った所から亀裂きれつが入っていった。

ウ「バカな!?」

高「バカはオメ―だ、ハゲ。脳が老化したか?」

亀裂は次第に大きくなり、斬った場所がポロポロと欠け始めていた。

ウ「速さだけでなく、力も上がったのか?」

高「ひゃはははは、本気の俺は誰にも負けはしねえ!!」

ア「コウガ、本当に大丈夫?」

高「黙ってろ。まだ1分も経っちゃいねえ」

ウ「黙るのは小僧じゃ」

高「何!?・・・なっ!?」

突然、高雅が斬った所から無数の細いツタが出てきた。

高「くそが!!」

間近に関わらず、高雅は何とか反応し、数本は斬り伏せることができた。

しかし、たかが数本で無数を何とか出来る訳ない。

残った無数が高雅の体を拘束していく。

ウ「ほほ、甘く見たのぉ」

高「この、放せや!!」

ウ「あきらめろ。あらがった所でそのツタから抜け出せぬ」

高「だったら、斬る!!」

ウ「どうするのじゃ?。身動き一つ取れぬのに」

高「はな」

ウ「何?」

高雅は周りに自分の分身を数人創りだした。

しかも、剣まで分身している。

分身が本物の高雅を捕えているツタを斬っていき、呆気なく脱出した。

高「お疲れ、

ウ「バカな!?、静寂が通用しないじゃと!?」

高「はぁ?、このツタに静寂があったのか?。全く感じないけど」

ウ「小僧は何者だ!?」

高「その問い、聞き飽きた。さっさと死ね!!」

高雅は再び剣に力を込める。

そして、神速の速さでツタを切り刻んでゆく。

しかし、ツタは斬れることなく、ただ傷が付いてゆくだけであった。

ウ「無駄じゃ。小僧の力では自然に勝つことなど不可能じゃ」

高「ふ~ん」

高雅はウルザスの話をろくに聞かず、移動しながら色んな所にツタを傷付けていく。

ある程度傷付けた後、高雅は一旦ツタから距離を取った。

そして、自分が斬った所を見ていくと・・・

高「・・・再生か」

傷は再生していた。

ウ「言ったろう。小僧は自然に勝つことはできぬ」

高「・・・・ふふ」

高雅は傷が再生していくのを見て、突然笑い出した。

ウルザスの痛恨のミスに高雅は気付いたからだ。

高「ははははは。おいハゲ、お前バカだろ」

ウ「小僧、いい加減にせんとただでは済まさんぞ!!」

高「最初から済まさんつもりだろ。ほんじゃ、とどめとす・・・くぅ!?」

突然、高雅が頭を抱え、その場にうずくまった。

ア「コウガ、どうしたの!?」

高「く・・あ・・・そろそろ、限界か・・・」

ア「え!?・・・コウガ、しっかりして!!」

アリアはすぐに、高雅に静寂の力を掛けた。

しかし、それは正しい判断ではなかった。

高「!?、バカ!!、違う!!」

ア「え!?、どうしt〈グシャ!!〉!?」

ウ「ちっ、ギリギリで心臓を避けたか」

高雅の胸には一本のツタが貫かれていた。

高「が・・・ごば!!・・・」

ア「コウガ!!、しっかりして、コウガ!!」

高雅は痛みで声を出すことができず、血を吐くことしかできなかった。

ウ「油断大敵じゃのぉ」

高「く・・・・・・そ・・・」

高雅は血が無くなりつつあり、目まいで視界がぼやけていた。

例え、血を再生したとしても、貫かれたままならば意味がない。

ツタを抜こうとしても、既に手遅れで、力が入らなかった。

ウ「では、これで終幕じゃ」

ウルザスは無数のツタを高雅に向けた。

もう、急所を運よく外したとしても、この数では死ぬことは確定だった。

ウ「お主の都合良く力を受け付けない体質を研究したかったのじゃが、わしの怒りはそれで納まらんのじゃ。だから、―――」

ウルザスは最後の言葉を行動に示した。

無数のツタが高雅に向かって伸びて来た。

ア「させない!!」

アリアが高雅の周りにシールドを創る。

しかし、シールドはいとも容易たやすく貫いて来た。

ア「嘘!?」

ウ「さらばじゃ。永遠に眠るがよい」


グササササ・・・


無数のツタが貫く音が辺りに鳴り響いた。

ウ「終わったのぉ」

ウルザスは貫いた高雅からツタを抜いて行く。

だが・・・

ウ「!?、どういうことじゃ!?」

貫いたものは高雅ではなく、丸太であった。

ウ「何故じゃ!?、小僧は動けなくなった筈じゃ!!」

?「すり替えておいたのさ!!」

ウ「!?」

謎の声がした方に意識を向けると、そこには・・・

ウ「小僧、何者だ?」

ス?「情け無用の男、スパイ○ーマ!!」

ア「いや、言ってる意味分からないよ、A君」

侍姿のAが高雅に肩を貸しながら、空中に悠々と立っていた。

とは言っても、アリアの創造のお陰で空中に立っていられるけど。

ア「それにしても、どうしてここに!?。ログナは!?」

タ「心配無用」

ロ「おーい、エイっち。早くこっちにコウガっちを運べー」

A「もうちょい、俺にかっこつけさせろよ」

声が聞こえる方を見ると、龍子達の所にログナと蓮田がいた。

ア「どうして、皆が!?。ログナも毒が治ってるみたいだし」

タ「話は後だ。主よ、早く高雅を運ぶのだ」

A「へいへい、分かりましたよー」

ウ「させるか!!」

ウルザスが無数のツタをAに向けて伸ばして来た。

しかし、ツタは途中で斬れ、力無く消えていった。

ウ「何!?」

Aとウルザスの間には一人のスーツの男と小柄なピンク髪の少女が立っていた。

それは、まぎれもないレオとフィーラだ。

レ「速く、コウガ殿を」

フ「ここは任せろです」

ア「レオ君、ありがとう」

レ「この姿でも君付けをするつもりか!!」

ア「もう、慣れちゃったから」

A「任せたぞ、イケメン。そして、俺の嫁!!!!!!」

フ「ボクは君の嫁なんかじゃないです!!」

ア(イケメン、それに嫁って・・・)

アリアがそう思いながらも、Aはログナがいる所へ移動した。

ロ「よーし、俺っちの再生の出番だぜ!!」

ログナは自慢の再生の力で高雅の胸の穴を塞いだ。

龍「高雅君・・・大丈夫?・・・」

凛「生きて・・・・・いますよね?」

ロ「俺っちの再生能力は天下一品だぜ。すぐに分かるって」

ログナの言った通り、高雅はすぐに起き上がり、無事を二人に分からせた。

高「くぅ~~・・・あれ、生きてる」

ロ「大丈夫か、コウガっち?」

高「ログナ!?、それに、蓮田やAも!?。どうしてここに!?」

ロ「それより、助けられたらまずすることは?」

高「ん?・・・ああ、サンキュ、ログナ」

ロ「はっはっはっは、礼には及ばんよ」

高「偉そうにしやがって」

A「俺には礼が無いのか?」

高「はいはい、サンキュ、タイト」

タ「前に拙者も助けられた。貸しはこれで無しだ」

A「おい!!、俺は!?」

高「さーてと、落ち着いた所で聞きたいが」

A「俺は!?」

高雅はAを無視して疑問をぶつける。

高「まずは、ログナ。お前、毒はどうした?」

ロ「ライオンに食べてもらったぜ」

余りにバカな回答だったが、高雅は十分理解できた。

高「あー、成程。後はレオについて行った訳か。じゃあ、次はレオに聞かねえとな」

そう言ってレオの方を見る。

レオはフィーラと共に無数のツタを相手にしていた。

高(よく思ったら、フィーラは夢幻しか使えないよな。無生物に夢幻が通用するのか?)

そんな疑問を残しながらも、見たところ戦況はレオ達の方が上であることが分かった。

高「んじゃ、あのハゲヅタを倒すぞ。多分だけど、あのツタの核が分かった」

ア「そうなの!?」

A「そーなのかー?」

Aは手を横にまっすぐ伸ばしながら尋ねていた。

高「お前、自重しろ!!」


ガスッ!!


A「ふげっ!?」

高雅の右フックがAの顔面を捉えた!!

高「気絶しねえ程度に手加減はした。それがお礼だ!!」

A「恩をあだで返すなよ・・・」

ロ「それより、さっさと行ってやったらどうだ?」

高「そうだな。よし、行くぞ、A」

A「待ってくれよ~、まだ頬がヒリヒリするよ~」

高「知るか!!」

高雅はレオ達の所へ移動し始めた。

Aも遅れて高雅の後を追った。

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