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緑の復讐編 その10、VSインジ

高雅達は地図が記された場所の目の前まで来ていた。

高「ここ・・・だよな?」

ア「うん、あってるよ・・・多分・・・」

レ「しかし、予想しておったのと違うな」

フ「ふえーーー・・・」

フィーラが天をあおぐように顔を上げて眺める。

それは、周りのビルより一層大きいビル・・・てか、タワーの領域だろう。

高「さっき映っていたのからして薄暗い廃墟かと思っていたけど、みょーに立派だな」

ア「取りあえず、中に入らない?」

レ「確かに、動かなくては何も生まれはしないぞ」

フ「ライオンもどきも時にはいいこと言うです」

レ「きょ・・・恐縮です・・・」

フィーラの言葉に腹を立てながらも、逆らえずにいるレオ。

フィーラの前では、成長したレオは最早子犬に等しい存在だ。

高「そんじゃ、気を取り直して、いざ行かん」

そう言って目の前の自動ドアが反応する範囲まで歩くが・・・

高「・・・開かねえな」

ア「軽くバカにされてるかも」

高「だとしたら、絶対殺す。あのハゲじじいは普通に殺さねえ」

ア「こ・・・コウガ、少し怖いよ。落ち着いたら」

その最中さなかだった。


ウィーン・・・


高「ん・・・うお!?」

何気ない機会音を上げながら自動ドアが開いた途端、急激な突風が吹き荒れる。

それも、ドアの中へ吸い込まれるように。

フ「あみゅみゅうううううううううううう!?」

フィーラが風に飛ばされ、タワーの中へ招待される。

高「フィーラ!!・・・・って、うわあああああああああああ」

レ「うおっ!?」

ア「きゃああああああああああああ」

フィーラに続き、高雅達も耐えることができなくなり、タワーの中へ招待された。

そして、自動ドアは何事もなかったように口を閉めた。







高「いっててててて・・・」

高雅は軽く打った頭を擦りながらあたりを見回す。

タワーの中は見上げるほど開いた空間があり、軽く30階分は見上げられた。

あの宝石から見えた薄暗い所などはなく、あたり一面が明るかった。

2階からは壁際に廊下が付いてあり、所々に一直線に向かい側を繋ぐ橋が掛かってあった。

レ「うぐぐぐ・・・コウガ殿、大丈夫か?」

高「ん、大丈夫だ」

高雅が見渡すのを止め、立ち上がるレオの方を見る。

高「・・・あっ」

ふと、レオの腹下を見て見るとピンク色の髪が見えてしまった。

高「・・・レオ、ご愁傷様」

レ「?、どういう・・・はっ!?」

高雅の目線が気になって自分の腹下を覗いてみると、フィーラがX字にベターンと倒れていた。

レ「ななな・・これは・・その・・・」

レオが口ごもりながら飛び退くとフィーラが立ち上がった。

フ「き~~~~~さ~~~~~ま~~~~~・・・・」

レ「申し訳ない申し訳ない申し訳ない申し訳ない・・・」

レオが床に頭をガンガンぶつけながら謝罪をする。

高雅は脳震盪のうしんとうを起こしそうだったから止める。

フィーラはその光景に満足していなかったが、高雅が・・・

高「レオはお前を守るために、自分の身を犠牲にしてたんだよ」

と、言うとフィーラはレオを睨みつけるて真実を見抜こうとする。

レオは本当ですと言わんばかりに首を上下に振る。

フ「・・・仕様がないです。今回は許してあげるです」

どこか納得してなかったが取りあえず、この場を抑えることができた。

そして、高雅はため息交じりで周りを見渡すと、ふと思った。

高「階段が・・・ない!?」

そう、見渡す限り何処にも上へと通じる階段が無かった。

さらに、別の部屋へ繋がる扉もありはしない。

イ「そりゃそうだろ」

高・ア・レ・フ「ッ!?」

突然、上から声が聞こえて来た。

見上げると、そこにはインジが向かい側を繋ぐ橋の真ん中で見下ろしていた。

周りには一回り大きいはちもインジに従うかのように数匹飛んでいた。

イ「おっす、小僧。元気してたか?」

高「してたしてた。してたから死ね」

イ「おいおい、意味が分かんねえぜ。よっと・・・」

そう言ってインジは柵を乗り越え飛び降りる。

ちなみに、高さは10階分はある。

インジは飛んでいるように見えず、普通に重力に従って落ちている。

高「なあ、使いの骨って丈夫か?」

ふと思った疑問をアリアに問う。

ア「う~ん・・・平均並だと思うよ」

高「じゃあ、死ぬぞ。あれ」

そう言っている内に、既に床まで残り5メートル。

インジは何もしようとせず、重力加速度でドンドン加速していっていた。

そして、遂に・・・


ズドーン!!


豪快な音を立てて両足でしっかりと着地した。

着地した瞬間に、高雅達は震度2ぐらいの揺れを感じた。

イ「よし、戦うか」

高「って、すご!?」

インジは何事も無いような清々(すがすが)しい顔で開戦しようとする。

さすがの高雅もこの光景には驚いた。

イ「おいおい、何が凄いんだ?。俺にとって当たり前だろ。髪の色見て、タネが分からねえか?」

高「あー、そう言えば・・・」

高雅は髪の色を見て、ふと思い出した。

高「消失か・・・」

イ「イエス。んじゃ、お待ちかねのバトルタイムだぜ。ヒャッホー!!」

そう言ってインジは壁を伝って上り始めた。

インジの開始宣言の声を聞いて、蜂達も勢いよく降りて来た。

何階か上ると廊下に入り、柵によって見えなくなった。

高「降りて来た意味は何だったんだ?」

ア「さぁ?。それより、どうして消失の力で着地した時に何事もないって分かったの?」

高「お前、バカだろ。力で衝撃を消したに決まってんだろ」

ア「あっ、成程」

高「ったく、少し考えれば分かるだろ。それより、どう戦うかなー」

高雅は蜂が来る間に戦略を立て始めた。

まず、地形は敵本拠地のため、相手の方が有利だろう。

そして、次に敵の実力。

合ったことはあるが実力は分からない。

力は髪色からして主要は消失、今の垂直の壁を登る時に使った速度しか分からない。

ア「コウガ!!、後ろ!!」

高「ん・・・のわっ!?」

高雅が身をひるがえして避けた瞬間、元いた所に鎖鎌の鎌を持った手が空を裂いた。

そして、歪んだ空間からインジの顔だけがひょっこりと出て来た。

イ「ちぇ、外したか」

高「テメ、空間の力も使えたのかよ!?」

イ「なっはっはっはっは。他にも使えるのはあるぞ。おっと」

レオが隙を見て頭を食い千切ろうとしたが、インジが気付くのが早く、歪んだ空間へ顔を引っ込めた。

レオの口は空を食べただけだった。

ア「コウガ!!、今度は上!!」

高「あっ、蜂を忘れてた!!」

既に、蜂達はすぐそこまで迫っていた。

だが、突然軌道を変え、それぞれ別の場所へ飛んで行った。

高「なっ!?、どうなってんだ!?」

フ「あいつらはボクの夢幻におとしいれたのです」

高「そうか。なら、レオとフィーラで虫達を頼めるか」

レ「問題ない」

フ「任せろです」

そう言ってフィーラはレオの上に乗る。

高「じゃあ、任せる。力が欲しかったら隙を見て俺の所に来い」

レ「分かった」

高雅はそれだけを伝え、空間の力で上の階へ一気に移動した。

レオ達も惑わされている虫を殺虫しにいった。






高「さーて、あいつは何処だか」

高雅の現在地は19階の端から端を繋ぐ橋のど真ん中。

高「かくれんぼとか、懐かしいな」

ア「思い出に浸ってる暇あるの?」

高「・・・無いな。よし、探すか」

そう言って目を閉じる。

意識を集中して、出て来た所を捕まえるつもりだ。

だが・・・


ザシュ!!


高「がっ!?・・・」

ア「コウガ!?。嘘、いつの間に!?」

真後ろにインジが立ち、持ち前の鎖鎌で高雅の背中に大きな傷を負わせた。

斬られた勢いで高雅はバランスを崩し、倒れた。

イ「甘いな。意識を集中したって無駄無駄。俺にそんな器用なことは通用しない」

インジが人差し指を振り、挑発をする。

高雅は傷を再生してすぐに立ち上がる。

高「一体、どんなタネだよ?」

イ「まあ、お前みたいな人間に分かる訳ない。分かってもどうしようもない。と、言うことで、そこから飛び降りて死ね」

高「バーカ。最後まで諦めるかっての」

イ「かっけぇこと言うねー。まあ、俺から見れば、苦しみたいMにしか見えないけど」

そんな減らず口を叩きながら歪んだ空間へ消えていった。

高「また同じ戦法か。芸がないというかワンパターンというか」

ア「でも、破られてない戦法を使うのは当たり前だと思うよ」

高「あいつは俺を試してるんだ」

ア「どうしてそう思うの?」

高「いくら破られてない策と言っても多用するのは三流がやることだ。普通は色んな技を組み合わせてより破られなくするのが基本だ」

ア「あー、そっか」

高「取りあえず、この状況を打破しないとな。次は心臓ブスッて来そうだし」

ア「それじゃ、私が後ろと左を見るから、高雅は前と右」

高「上はどうすんだよ?」

ア「じゃあ、上は私g「下は?、空間だからあり得るぞ」え・・えっと・・・」

高「これで、肉眼は無理と判明されたな」

ア「うう~・・・」

アリアは考えが無くなったのか無気力な声を上げる。

高「う~ん・・・こうなったら・・・」

高雅は突然、速度の力で走りまわった。

それも、超不規則に。

突然、策を越えて降りたり、上ったり、空間で別の場所へ移動したりしている。

ア「ど・・・どういう作戦?」

高「敵に自分の場所を特定されないようにするんだ」

イ「残念、無意味、また来週~」

高「なっ!?」

目の前にインジが鎖鎌を構えており、振り下ろす。


ガキィン!!


何とか防ぐことができたが、ただ防ぐことで頭が一杯なのか隙だらけだった。

イ「ほらほら、意識が一点集中し過ぎだぜ」


ボゴッ!!


高「ぐはっ!!」

インジは高雅の横腹に蹴りを喰らわせる。

高雅はその勢いで柵を越えて空中へ投げ出され、落下していった。

高「いって~~・・・何でダメだったんだ?」

高雅は落下しながらさっきの事を考えていた。

イ「あほかお前。あんな豪快に走り回れば、適当に自分の目の前に出す空間をそこらじゅうに展開すれば、呆気なく罠に掛かってくれるだろ」

高「あっ、そうか・・よっと」

高雅は落下に飽きたように足場を創造して着地する。

着地する際にさっき敵がやったように衝撃を消失の力で消した。

高「ほほー、こっちの方がいいな。今まで着地の際は活性してたからな」

ア「それより、どうするの?。もう万策が尽きたんじゃ・・・」

高「まあ、そうだな・・・こりゃ、やばいな」

高雅は敵のマジックを見破ることに挫折気味になっていた。









一方、下の戦いはと言うと。

フ「左49度、上67度から2匹来てるです」

レ「ん?、針に静寂の力が含まれておるな。我を止めるつもりだろうが、逆に利用させてもらおう」

レオはこっちに向かってくる蜂へ自ら接近する。

蜂は予想しない行動に少し怯んだ。

レ「もらった!!」

レオはその隙に2匹の蜂の針を噛み砕いた。

しかし、それだけでは蜂は死んではいないが、フィーラの夢幻によって殺虫剤を掛けれたかのように落ちてゆく。

レオは地面に落ちた蜂目掛けて牙を向け、落下する。

そして、着地すると同時に蜂の喉を食い千切った。

レ「ふぅ、まだ数があるようだ」

レオが飛んでいる蜂を見上げながら言う。

フ「とにかく、喰って喰って喰いまくるです!!」

レ「わ・・・分かりました・・・」

フ「それよりも、コウガ様は大丈夫です?」

レ「そのことについては問題ない・・・と、申し上げたいところですが、先ほど、コウガ殿が落下しているのを見てしまいまして・・・」

フ「じゃあ、さっさとこの虫けらを倒してコウガ様の援護にいくです!!」

レ「いたたたた・・・毛を引っ張らないでください」

フ「だったら早く虫を倒すです!!」

レ「分かりました。分かりましたから引っ張らないでください」

レオは逆らえず、フィーラに従うしかなかった。

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