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緑の復讐編 その8、融合力テスト

高「お前・・・まさか・・・」

高雅は目の前の獣に話しかけた。

動物に話しかけるとはバカなことだが高雅はあえて話しかけた。

それは、一つ思い当ることがあったからだ。

レ「1億年以来だ、コウガ殿。」

高「やっぱ、レオか!!」

それは高雅の予想通りレオだった。

レオは体長5メートル程で、人が余裕で乗れそうなぐらいまで大きくなっていた。

すると、レオは高雅に擦りよるように顔を近づけた。

高雅はその行動に驚きながらも頭を撫でてやった。

そして、撫でながら矛盾点を聞く。

高「だけど、1億年ぶりの訳がねえだろ。まだ、3千6百万年ぶりだろ?」

そう、レオがあの空間に入ってからまだ2時間しか経っていないのだ。

レ「いや、しかと1億年後だ。・・・そうか、コウガ殿は知らなかったな」

高「?」

レオは何か忘れていたのを思い出したように納得し、高雅は全く持って理解できなかった。

レ「そんなことより、アリア殿の様子が優れないようだが」

高「あっ!!」

レオに言われて、高雅はすぐにアリアの方へ向く。

アリアは地面に横たわり、苦しそうに呼吸をしていた。

高「アリア、しっかりしろ!?」

ア「う・・・うん・・・はぁ・・・」

レ「アリア殿に不純な力が混じっておる。それが原因か?」

高「不純な力?・・・あっ、毒の事か。うん、多分そう」

レ「コウガ殿、アリア殿を少し起こさせてはくれぬか?」

高「わーったけど、どうするんだ?」

高雅は理由を問いながらもアリアの上半身を起こしてあげた。

それを感じたアリアも高雅に掴まりながら任意に体を起こそうとした。

レ「アリア殿、痛みを感じるが辛抱してくれぬか?」

ア「・・・はぁ・・・う・・・うん・・・」

アリアはもはや返事をするのでさえ苦しそうにしていた。

レオはアリアの許可をもらったことを確認し、牙を向ける。

高「おい、まさか・・・」

そのまさかだった。


ガブッ!!


ア「う・・・」

レオがアリアの肩辺りに噛み付き、牙が一本食い込んだ。

アリアは高雅を掴んでいた手を強く握り、痛みに耐える。

血が重力に従い、地面へしたたり落ちる。

すると、みるみるレオの毛色が変色していった。

高「まさか・・・力を吸収してるのか?」

高雅は根拠などないが、そう結論するのが一番の得策だと思った。

レ「・・・よし、完了だ」

レオは牙を外し、傷周りを一舐めして血を拭きとった。

ア「・・・あれ、体が熱くない?」

変化はすぐに訪れた。

アリアはさっきまでの状態とは打って変わり、苦しみを見せる表情は消えていた。

高「おおー。レオ、何をしたんだ?」

レ「さっきコウガ殿が言った通り、アリア殿の中にあった不純な力を吸収したまでだ」

高「1億年経ったら、そんなことまでできるようになるんだ。すげーな」

レ「今なら、コウガ殿を超越しておるだろう」

高「へ、調子に乗るなよ」

エ「そろそろいいか?」

エガルが痺れを切らせたのか、空気にされて怒りが湧いて来たのか不明だが声に覇気がこもっていた。

高「おっと、悪いな。今からお前を倒してやるよ。アリア、準備はいいか?」

ア「うん、もう再生の力で傷は治したから大丈夫」

そう言って、アリアは双剣になり、高雅の両手に納まった。

高「レオ、お前はあの使いを引きよせといてくれ。俺はフィーラを救出する」

レ「あの蛇に捕まっている者の事か。了解だ」

レオは支持を聞いた途端にエガルに向かって走りだした。

エ「天獣が相手か。面白い」

エガルはその場で飛躍し、ビルの屋上へ行く。

レオもビルの壁を伝って駆け上り、すぐに間を詰める。

だが、エガルは戦おうとせず、ひたすら逃げていた。

レオはエガルを追い、次第に高雅達からは見えなくなっていった。

高「レオは大丈夫だろう。それより・・・」

高雅はレオを見送った後、大蛇を睨みつけた。

そして、一歩一歩大蛇に近づく。

周りの虫達がまるで大蛇に加勢するかのように、大蛇の周りに集まりだした。

フ「あ・・・・あ・・う・・・」

フィーラが弱り切った体を使って高雅に手を伸ばす。

それは、助けを求めているのか、または自分に構わず逃げて、と伝えているのか分からない程弱り切っていた。

だが、高雅に取ってその行動の意味は一つしか解釈できなかった。

高「わーったわーった。助けてやるから安心しろ」

その言葉を聞いた瞬間、虫達は人間の言葉が分かるのか、一斉に高雅に向かって襲い掛かり始めた。

その種類ははえ百足むかではちせみ飛蝗ばったなど、季節を無視したものも中にはあった。

そして、それら全部がでかかった。

大きさは前に倒した巨大蜘蛛に比べればかなり劣るが、人間を喰えるだけの口の大きさはあった。

高「一匹残らず来いよ。まとめて斬ってやるから」

そう言った瞬間に高雅の姿が残像と化した。

虫の頭ではそれが残像とは見破れず、構わず突っ込む。

すると突然、残像が膨らみだして・・・


ドオーーーーン!!


巨大な爆発を巻き起こした。

突っ込んだ虫の半分は巻き込まれ、灰と化した。

高「ほー、面白いな。活性と破壊の力を融合は色々応用が効きそうだな」

高雅はビルの屋上でさっきの融合力の今後の使い道を考えていた。

先ほどの力は活性と破壊を融合して生まれた、爆破の力だ。

効力は読んで字のごとく、爆破させる力だ。

ア「コウガ!!、後ろ!!」

高「ん・・・うお!?」

後ろを振り向けば巨大な蟷螂かまきりが持ち前の鎌を振り上げていた。

高雅はすぐに屋上から飛び降りた。

振りかぶった鎌はビルの角に刺さり、蟷螂は追うことができなかった。

だが着地地点には既に他の虫が待ち伏せしていた。

高「誰がそこに着地するなんて言ったかよ!!」

高雅は向かいのビルに片方の剣を投げた。

剣はビルに刺さり、その瞬間に紐の伸縮を止めた。

すると、高雅は弧を描くようにビルに向かい、ガラスを突き破って中に入った。

ビルに入るとは予測はできなかったのか、ビルの中には虫は一匹もいなかった。

高「よし、暇ができたな。アリア、真の契約をするぞ」

ア「分かった」

アリアは人間の姿に戻り、高雅との契約を交わす。

再び剣に戻ったと同時に、窓ガラス越しに蜻蛉とんぼが待ち構えていた。

高「やっぱ、蜻蛉はこれだな」

高雅は双剣を片手で持ち、開いている手で蜻蛉に人差し指を向けた。

高「それじゃ、夢幻の力を使って・・・」

高雅は蜻蛉に自分の指しか見えない夢幻を見せ、人差し指を回し始めた。

すると、蜻蛉は目を回して落ちてゆき、下にいた虫達を巻き添えにした。

高雅は窓から外へ出て、創造の足場で空中に立つ。

高「きりがねえな。早くあの蛇を倒してフィーラを助けなきゃならねえのに」

ア「コウガ、あれ見て!!」

高「何度言えば分かる。剣だとあれじゃ分からねえって」

ア「後ろ!!。あの蛇が逃げてる!!」

高「何!?」

高雅が振り向くと大蛇がフィーラを咥えたまま逃げていた。

そして、虫がそれを追うのを阻止するかのように高雅に群れてゆく。

高「一発、デカイので虫達こいつらを終わらせる」

高雅は空高く跳躍すると、飛行可能の虫は追い、飛行不可能の虫は高雅の真下に集まる。

ある程度空に近づいた所で、高雅は自分の真下の点と大蛇との距離を確認する。

高「このぐらいでいいだろう」

そう呟いた瞬間に、高雅の足元に魔法陣が出来上がった。

そして、ある呪文を唱える。

高「天光満つる所我あり、黄泉の門開く所汝あり」

すると、高雅が創った魔法陣の下に雷雲が出来上がる。

そして、魔法陣の中心に強大な力が生まれる。

高「アディオス。お前達に付き合うのはこれまでだ」

強大な力は電撃を帯び始め、今にも地上に落ちそうだった。

その許可を高雅は与えた。

高「イン○ィグ○イション!!」

青い電気を帯びた雷は轟音を立てながら真下へ落下した。

飛行中の虫も巻き込まれ、地上にいた虫は言うまでもない。

地上は半径500メートルのクレーターがあり、威力を物語っていた。

虫は一匹残らず全滅した。

ア「すごいね。ちゃんと蛇には届いてないし、よくこんな技が思い出すね。後、名前も」

高「まあ、技も名前もゲームだし。イメージが楽だからな。後は創ればいいだけだし」

高雅は地上に降りる。

しかし、先ほどいた空中の下ではない。

空間の力を使い、大蛇の前にだ。

大蛇は突然、高雅が現れたことに驚き、逃走を中止する。

高「さあ、これで仲間はいなくなったぜ。どうするよ、蛇さん?」

大蛇は高雅の挑発じみた口調に乗ったのか、自分の尾を使って叩き潰そうとしてきた。

高雅は避けようとはしなかった。

尾が自分の攻撃範囲に入った瞬間・・・


ザシュッ!!


長い尾を切断した。

蛇「キシャアアアアアアアアアアアアア」

蛇は悲痛の叫びを上げ、フィーラを忘れて放り捨ててしまう。

高雅は双剣を腰に挿すと、フィーラが飛んだ方に空間を開け、自分の手元にフィーラを納めた。

高「ちょっと待ってろな」

フィーラにそう言うと、一旦地面にフィーラを置き、再び双剣を握る。

フィーラの表情はさっきまでに比べ、少し安心しきっていた。

そして、高雅は蛇に向き合う。

蛇はまだ我を忘れ、痛みにもがき苦しんでいた。

高「まあ、あれだけ苦しむのも当然だ。斬る時に活性の力で血の流れを早くしたからな。血が無くなる感覚に混乱してるんだろうな」

ア「ちょっと、可哀そうになってくるね」

高「小さな奴を苦しめた罰だ。後、ドタバタうるさいから、もう仕留める」

すると、高雅は目を瞑り、剣先を大蛇に向けてあるイメージをする。

段々と剣先に紫と青のグラデーションを帯びた光が出来上がる。

高「よし、発射!!」

その光を大蛇に向けて放つ。

光が直撃した瞬間に大蛇の動きが止まった。

ア「コウガ、あの融合力は何?」

高「あれは空間と静寂を融合して作った時抑じよくの力だ。まあ、止まってるように見えるけど、実際は超スローモーションで動いてるんだ」

ア「へー、凄いね」

高「凄いって、お前も本を見ただろうが」

ア「コウガの読むスピードが早すぎて1個しか覚えてないよ!!」

高「そういや、そんなこと言ってたな。それより、あののろま物を斬るぞ」

高雅は速度の力を発動し、僅か10秒で大蛇を100等分した。

大蛇の全てが鈍くなっているため、血が噴き出すのも遅く、帰り血を浴びることなく倒した。

高「いっちょ上がりだな」

ア「まだ早いよ。早くフィーラちゃんの怪我を治さないと」

高「そんぐらい、わーってる」

高雅はフィーラの下に駆け寄る。

フィーラの体は牙によって風穴が一つできていた。

高「それじゃ、傷と毒・・・いや、不純な力を消すか」

高雅は剣先をフィーラに向け、傷の再生と毒の破壊をする。

時間は掛からず、僅か4秒で完治する。

フ「ありがとうです」

高「どういたしまして。取りあえず、フィーラも大丈夫だし、レオの加勢に行くか」

ア「そうだね。レオ君が敵を引きつけてるから上手く戦えたしね」

高「頭の悪い奴を倒すのは楽だけど、あいつは何か頭がよさそうな雰囲気があったからな」

フ「みゅ~、エガルは天界で5本の指に入るほどの天才です」

高「そこまで天才だったとは。こりゃ、レオでも苦戦してたりして」

ア「大丈夫だよ。今のレオ君は強いんだし」

高「そうやって油断してたら、いずれ足を払われるぞ。とにかく、レオの所へ行くか」

ア「フィーラちゃんはどうするの?」

フ「ボクも行くです。後・・・ちょっとお願いがあるです」

フィーラが急に改まって高雅とアリアに聞く。

高「何だ?」

フ「実は・・・その・・・ボクのガーディアンになってほしいのです」

高「アリア、説明よろしく」

ア「えーっと、楽園には力の源・・・つまり、フィーラちゃんみたいな人?がいる訳。それで、悪用されないように天国から超優秀な使いがそれぞれの力の守護者・・・もとい、ガーディアンが存在する訳」

高「へー、理解完了」

フ「それで・・・答えはどうです?」

高「そんなことをいきなり言われてもなー」

高雅は頭を掻きながら悩み始める。

だが、フィーラが急かすように言う。

フ「悩む必要なんてないです。ボクのガーディアンになればボクを好きなだけ使えるのです。夢幻で誰にも負けなくなるです」

高「・・・やだ」

フ「え!?・・・」

フィーラは裏切られたかのように目を丸くした。

高「守るべき者を利用するなんてふざけてやがる。そんなガーディアンなら絶対やだ」

フ「で・・・でも、力が手に入r「力、力って、力を何だと思ってんだ」あう・・・」

高「いいか、お前は夢幻の力の母親みたいなもんだぞ。なのに易々力を使わせてやるだ?。お前は自分を何だと思ってやがる!!。自分を道具としか見てねえのかよ!!」

フ「あ・・・あぅ・・・ぁぅ・・・」

フィーラは高雅の気圧に半泣きになった。

高「俺は自分を道具としか見てない奴は嫌いだ!!。自分の価値を何だと思ってんだ!!。・・・腹立たしい、もう行くぞ!!」

高雅はフィーラを置いてレオの下へ行こうとした。

フ「・・・めん・・・さい・・・」

高「あぁ!?、何だって!?」

フ「・・・ごめんなさいです!!」

フィーラは首が取れてしまいそうなほど勢いよく頭を下げた。

フ「ボクが悪いです!!。ガーディアンになってとか嘘を吐いて生意気な事を言っていたのです。だから、本音を言うです」

そして、下げていた頭を上げて、高雅の目を見て言った。

フ「ボクの・・・傍に居てください!!。いや、居させてください!!」

高「・・・・・アリア」

ア「私はいいよ」

高「じゃあ、最後のチェック。それはどういう意味でだ?」

フ「それは、ボクを一人の存在としてです」

高「・・・好きにしろ」

すると、緊張が解けたのか、フィーラ座り込んでしまった。

フ「あひゅー・・・」

高「何座り込んでんだ?。もう行くぞ」

フ「何だか・・・眠・・い・・・で・・・」

フィーラは言い終わるか否や眠ってしまった。

高「何やってんだか・・・」

高雅はレオの下へ繋がる空間を開けて、剣を腰に挿してフィーラを負ぶる。

ふと見たフィーラの寝顔はとても安心しきった顔だったそうだ。

やっぱ、アビスは神ゲーですよねww

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