緑の復讐編 その6、一時の休み
ちょっとした御詫び。
最近、蜘蛛について疑問に思ったことがあったので辞書で調べてみました。
そしたら、蜘蛛の糸は口からは吐かないことが分かりました。
作者はつい、ハウスオブデッド4の2面のボスを想像してしまい、口から吐き出すように書いてしまいました。
この小説ではこれからも、そう書いていきますが、現実では吐かないのでご注意ください。
嘘を書いてしまい、申し訳ありませんでした。
ある木の下。
この辺りには肉食植物や異常な虫はいなかった。
ロ「えーっと・・・えーっと・・・」
何故ログナがえーっと、と言っているのはこの場が物凄い沈黙に覆われているからです。
何人かは気絶しているし、アリアは今だに苦しんでいるし、誰も会話をしようとしてなかった。
ロ(い・・・今こそ、俺っちの空気ブレイカーを発動するべきだよな!?)
ログナは意を決してこの空気の破壊を試みた。
ロ「いえーい。おめーら、暗い顔なんてするんじゃねえぞ」
タ「お主は少し黙っておれぬか?」
ロ「はい・・・」
空気の破壊は失敗に終わった。
高「・・・ん・・・・くう・・・」
高雅が遂に暗闇から解放された。
目を開けた瞬間に木の葉から漏れる日差しを感じ、手で目を隠した。
ロ「コウガっちーーーーーーーーーーーー」
高「へぶっ!?」
そこに、ログナがダイブした。
さらに、ログナは大泣きし始めた。
もちろん、高雅が起きたからではない。
ロ「コウガっち、俺っち、初めて空気を壊せなかったーーーーーーー」
高「はぁ!?、んなこと知るか!!。さっさと退け!!。鼻水垂らすな!!」
高雅は訳の分からない事で一気に覚醒した。
だが、一つ不思議な感覚に襲われた。
高「なあ、何で俺ってここで寝てるんだ?」
高雅はとにかく、退いているログナに聞いてみる。
ロ「あー、俺っちが気絶させといた」
高「何で!?。大体、お前逃げなかったのかよ!?。せっかく距離をあけてやったのによ」
ロ「いや、逃げた。アリアっちを蓮田に任せて加勢しようとしたらコウガっちとタイトっちが何か戦っててさ。コウガっちがあからさまに、おかしかったからちょっと気絶させたって訳」
高「俺がタイトと戦っていた!?。そんな記憶なんて無いぞ」
タ「当然だ」
いきなり、タイトが割って入って来た。
その声は少し怒りが入り混じっていた。
高「どった?。何でそんなにキレてんだ?」
タ「お主は拙者に恥をかかせてもらった」
高「いや、主語を述べろよ。訳分かんねえって」
タ「拙者の目を閉じさせるとは・・・拙者はまだまだ修行がたらりぬ」
高「あれ、何か一人の世界に入ってないか?」
?「・・・あのー・・・」
高雅はふと聞こえた弱弱しい声の方を向いてみる。
そこには、顔見知りの子がいた。
高「お前・・・フィーラ!?。何でここに!?」
フ「あう~、やっと気付いてもらえたです」
多分、読者の皆は気付いていたと思うが一応説明をしておきます。
さっき敵に捕まっていたのはフィーラでした。
説明終了(Σ短ッ!!)
フ「ボクがここにいるのは、エガルから逃げていたら、ここに辿り着いたからです」
高「エガル?、誰だそれ?」
フ「エガルはエガルです」
高「だーかーらーなー・・・」
高雅は何と言えばいいか分からず、頭を掻きながら悩んでいた。
だが、その思考はすぐに変えられた。
フ「それよりも、自分の使いを心配したらどうです」
高「あっ、そうだった」
フ「自分の使いの状況を忘れるなんて、どうかしているのです」
高「く・・・反論できねえ」
高雅はフィーラの言ったことを認め、すぐにアリアの様子を窺う。
ア「はぁ・・・はぁ・・・」
高「おい、大丈夫か!?」
蓮「ずっとこの状態だよ。アリアお姉ちゃん、死んじゃうのかな?」
高「ふざけんな!!。ぜってーにそれは防いでやる!!」
フ「大丈夫です。天蜘蛛の毒はどの種類も死に至るものなんて無いです」
高「てんくも?。何だそれ?」
フ「さっき、君が倒した蜘蛛のことです。あれは元々、天界の生物です」
高「何で、天界の生物がここにいるんだよ?」
フ「誰かが現世に連れて来た、それが一番正しいです」
高「一体、誰が何のために・・・って、今はそれどころじゃねえ。なぁ、フィーラ」
フ「な・・何です?」
フィーラは何故か動揺した。
高雅はそれを理解することはできず、頭の疑問に残るが、今はそんなことよりも優先べきことがあった。
高「どうしたら、その毒を治せる?」
フ「それは・・・消失か破壊の力で消すしかないです」
高「だったら、ちょっとだけ契約の力を発動して破壊の力を使えば・・・」
フ「残念ながら無理です。あのタイプの毒は熱毒で力を封印し、静寂で動きを封じるものです」
高「マジかよ!?。くそっ、どうすればいいんだよ!?」
A「笑えばいいと思うよ」
突然起きたAがこの場に合わないセリフを言ってしまった。
全員がAの方を見て、空気が凍る。
そして、高雅の堪忍袋の緒が切れた。
ドガッ・・・バキッ・・・ゴキッ・・・シン○制裁中・・・ドゴッ・・・メキッ・・・バゴッ
高「なあ、ふと思ったんだけどよ」
高雅が制裁を終了し、手を叩きながらフィーラに問う。
フ「何です?」
高「アリアはどこも攻撃を受けてないのに、どうして毒になったんだ?」
フ「それは僕も思ったのですが・・・多分、血のはずだと思うのです」
高「だとしたら。どうして俺は毒にならない?。帰り血は結構浴びているぞ」
高雅自身にも直接攻撃したアリアに比べれば劣るが、蜘蛛の血が所々に着いていた。
フ「だから分からないのです。君は規格外だから特別なだけかもです」
高「いや、それは何だか・・・何と言うか・・・」
蓮「ろ・・・ログナ!?」
突然、蓮田が慌てた様子でログナへ近づく。
蓮「ログナ、どうしたの!?」
ロ「な・・・何か・・・体がアチくてさ・・・力も入んねえ・・・」
突然、アリアと同じようにログナも苦しみ始める。
ログナの様子を窺い、高雅はある結論を出す。
高「・・・フィーラ、きっと合ってるぞ」
フ「何がです?」
高「血に触れるだけで毒るってこと」
ログナにも蜘蛛の血が付いていた。
さっき、高雅に抱きついた時に着いたものだ。
そして、少し経ってからの発症。
アリアも血が着いてから少し経って発症した。
完全に筋が通る。
一人を除いて。
フ「じゃあ、どうして君は毒が発症しないのです?」
高「それが分かれば苦労しない。取りあえず、他に解毒の方法はないのかよ?」
フ「みゅ~・・・」
フィーラは頭の中を探し回るため目を閉じ、少しの間沈黙の時が生まれた。
だが、沈黙の時は長くは持たなかった。
フ「ボクの知識ではないのです・・・」
フィーラは責任を感じているのか申し訳なさそうに言う。
高「そうか・・・だとしたら、どうすればいいんだ・・・」
高雅は完全に途方にくれていた。
フィーラは高雅の姿を見て、何かいい考えがないか再び考え始める。
すると、あるアイデアが一つ生まれた。
フ「もしかすると・・・気分ではどうにかなると思うのです」
高「何かいい方法が思いついたのか!?」
フィーラは高雅の問いに頷き、アリアの近くへ行く。
フィーラは右手にピンク色の光を作りだすと、それをアリアへ落とした。
高「何をしたんだ?」
フ「夢幻の力を使ったのです。自分は平常である夢幻です」
フィーラの力の効果はすぐに変化が訪れた。
ア「はぁ・・・はぁ・・・あれ、体が・・・熱くない?」
高「おおー」
高雅は、つい歓喜の声が上がった。
周りも声までは出してないが驚いている。
そんな光景を見たフィーラが慌てて言う。
フ「で・・でも、本当は体が熱いし、力も使えないし、それからえっと・・えっと・・」
フィーラが一生懸命に謙譲する。
だが、フィーラの懸命は高雅によって呆気なく撃破される。
高「だけど、今の状況じゃいい助け船だ。ありがとな」
高雅がお詫びを兼ねてフィーラの頭を撫でる。
フィーラはブツブツと言いながら恥ずかしそうに俯いた。
高「あっ、そうだ。なあ、タイト。俺ってどんぐらい気絶してたんだ?」
タ「約1時間だ。それより・・・」
高「ん・・・おわ!?」
突然、タイトが刃先を高雅に向けてきた。
タ「拙者がお主を鍛えてやる」
高「鍛えるって・・・何を?」
タ「決まっておる。闇の扱い方だ!!」
高「や・・闇!?」
高雅が目を丸くして驚くが、タイトは無視して説明に入る。
タ「誰しも闇を持っておる。その量はまた別だが、お主は底なしの闇を持っておる。それに身を委ねれば、いずれ自分を失うだろう。だが、闇をも自分で扱えるようになれば今まで以上に戦闘が優勢になる。特に、お主のような異常な量の闇の持ち主ならば」
高「ふ~ん。で、修行方法は?」
高雅はやる気が出たのか、挑発的にタイトに聞いた。
タ「簡単だ。この校舎内におる、あの植物を倒せばよい」
高「だけどよ、アリアは力が使えないぞ」
タ「安心せよ。使うのは拙者の刀だ」
高「あっそう。じゃあ、早速言って来るかねぇ」
高雅はタイトの刀を受け取り、植物の所へ向かおうとする。
だが、アリアがそれを止めようとした。
ア「待って、コウガ!!」
高「普通に喋るようになったんだ。それで何だ、心配か?。心配しなくても、ちゃんと闇を俺のものにしてみせるよ」
ア「そ・・そうじゃなくて、もっと重要な・・・」
高雅はアリアの話を聞かずに、さっさと肉食植物の所へ行った。
タ「拙者も奴に着いて行く」
タイトもこの場を離れ、二人は伐採へ行った。