時代遅れの敵
不「テメーを殺す時が来たようだぜ」
高「いきなり、ブサイクな声で始まったな」
不「そう言っていられるのも今のうちだ」
?「へへへ、流石、虹の契約者だ」
高「!?」
高雅が驚くのも無理はない。
なぜなら、槍が喋り始めたからだ。
高「こいつ、まさかアリアと同じ天の使いか!?」
?「せーかいー」
すると、槍は人間の形になってゆく。
ゲ「俺の名はゲイボルグ。よろしくそしてさようなら」
高「続けて喋ると何て言いようか分かりにくいな」
不「ゲイボルグ、さっさと戻れ」
ゲ「へいへい、偉そうな契約者だな」
ゲイボルグは槍に戻りながら不良の手に戻った。
不「刺殺してやる」
高「そんなことしたら、退学じゃすまんぞ」
不「知らねえよ。お前を殺せばそれでいい」
高「はぁ~、めんどくせ」
不「おら、行くぜーーーー!」
不良はゲイボルグを高雅に向けて走り出した。
高「ぶっwwwwwなんだその構えは?モンハンの突進よりだっせ~」
不良は腰がふらつき、ゲイボルグが震えている。高雅はそれを見て笑っていた。
ゲ「だっせ~な、ほんと。なら、力を貸してやる」
突然、ゲイボルグが灰色に輝き始めた。
ゲ「契約の力、発動!!」
不「うお!?、何だ!?」
高「!?」
不良は立ち止った。そして、灰色の光に包まれる。
ゲ「これでましになっただろ」
光が消え、不良の姿が現れる。不良は背中に喧嘩上等大きく書かれた学ランとシルバーが体中に巻いていた。
高「うわ~、だっさ。しかもシルバーって・・・こりゃ、ニコ動の○戯が喜ぶな」
ゲ「イメージした姿になるのだが・・・こいつ、センスわりー」
力を貸した本人も引いていた。
不「おお、あこがれの学ラン、お気に入りのシルバーだ。一度でいいからこんな姿になりたかったんだよな~」
高・ゲ「・・・・・・」
不「ふははは、この姿に恐れて声も出ないか」
高「あちゃー、完全に時代遅れだ」
ゲ「まあ、姿がどうであれ力は上がったはずだ」
不「おら、行くぜー!!」
高「テンション上がったな~・・・ってうお!?」
不良は音速のスピードで高雅に突っ込んだ。高雅はそれを紙一重でかわす。
高「普通の人間じゃ避けれなかったな」
不「どこを見ている?、ここだぜ」
高「何!?」
不良はもう高雅の後ろに回っていた。
ザシュッ!!
高「うぐ・・・」
高雅は避けようとしたが、さすがに近距離の為、避けきれなかった。
高「いっててて・・・」
高雅は横腹を抑えながら苦しそうにしている。
不「おらおら!!、俺のターンは終了してないぜ!!」
高「こうなれば・・・」
高雅は目を閉じた。
不「死を覚悟したか!?、情けねえ奴だな」
不良はゲイボルグを構えて高雅に突っ込んだ。
不「死ねーーーー!!」
ガシッ
不「何!?」
高雅は目を閉じたまま、突っ込んできた槍を掴んでいた。
高「ふん!!」
不「あっ!?」
高雅は思いっきり引っ張り、不良からゲイボルグを取り上げた。
高「形勢逆転だな」
すると、横からある声が聞こえた。
ア「コウガ!!、その槍に付いている宝石を壊して!!」
高「アリア!?。お前、どこに行ってたんだよ!?」
ア「いいから早く宝石を壊して!!」
ゲ「やべーな、ここは引くか」
パリーン!!
高雅は瞬時にゲイボルグに付いている宝石を壊した。
ゲ「何、逃げれなかっただと!?」
高「残念だったな」
ゲ「何でだよ!?ここは普通、逃げて後でまた戦うってパターンだろ」
高「知るか、アニメの見過ぎだ」
ゲ「ちぇ・・・流石、虹の契約者だ・・・」
そう言い残し、ゲイボルグは消えた。
ア「コウガ、怪我してるわ。すぐに治してあげる」
アリアは力を使って高雅の怪我を治した。
高「サンキュ。さーて、この脇役どうしよ・・・ってあれ!?」
そこにいたはずの不良の姿がなかった。
高「あいつ、逃げ足速いんだな」
ア「違うわ、使いが死んだから契約者も死んだのよ。姿を残さずに」
高「ふーん、まあザコ処理が亡くなって楽になったな」
高雅は軽く背伸びをした。
高「さーて、これからどうするかな?」
ア「とりあえず、コウガらしく帰って寝たら」
高「じゃあ、そうするか。学校はどうせ明日にでも元に戻るだろう」
高雅は学校をほっといて帰ることにした。
家に着いた高雅はアリアに色々聞いていた。
高「なあ、お前はあの時どこにいたんだ?」
ア「ちょっと天国に戻ってたの。嫌な予感がしたから」
高「あの墜落物と関係あるのか?」
ア「うん・・・どうやら、地獄の使い達がここに来たみたいなの」
高「地獄の使いって・・・あの槍野郎みたいな奴か?」
ア「そう、他にもまだ数人いるの」
高「まさか・・・全部やっつけろって言うんじゃないだろうな?」
ア「さすがコウガ。わかってるね」
高「やだ!!。てか、これは非日常もんでバトルもんじゃねえだろ」
ア「バトルも非日常も同じよ」
高「ちくしょーー!!」
高雅はとにかく大声で吠えた。落ち着きを取り戻した所で再び質問した。
高「はぁ・・後、虹の契約者って何か特別なのか?」
ア「さあ、それは分からないわ」
高「ふーん、でもただの契約ならあんなに評価しないだろうし・・・」
ア「あっ、そうそう忘れてた」
アリアは突然何かを思い出した。
高「どした?」
ア「明日、天国に来てもらうわ」
高「つまり、俺に死ねということか。ほーほー」
ア「そういう意味じゃないから。ちゃんと死なないで連れていくから」
高「そうかいそうかい。じゃあ、俺は死ぬ前に遺書でも書くかな」
ア「だから死なないって!!。信じてよ!!。大体、誰に遺書を書くのよ!?」
高「これを読んでいる誰かへ。私、崎村高雅は・・・」
ア「もー、いい加減にしてよ!!」
高「冗談に決まってんだろ。さっさと飯作って寝るぞ」
高雅は台所へ向かった。
次回、高雅は天国に逝きます。
高「ちょっと遺書書いてくる」
ア「だから、ちゃんと帰って来れるってーー!!」