祭りだ祭りだ!!
高雅は寝っ転がってゲームをしていた。
高「あー、暇だなー・・・あっ、天鱗ゲット」
レ「コウガ殿、勉強でもしてはどうだ?」
高「夜はしてるぞ・・・よーし、これでツバキが作れる」
ア「昼もすると効率がいいよ」
高「昼の分も夜に回してるから大丈夫・・・訓練所でもいくかな」
ア「たっく・・・ん?」
アリアは落ちている広告に目がいった。
ア「緑淵お祭りか・・・今日の夜にあるみたいだし。ねえコウガ。これに行こうよ」
高「夜は勉強だ・・・おっ、威嚇ばっかししてる。今日は運がいいな」
ア「今からすれば行けるよ。私は行きたいよ」
高「一人で行け。場所は500メートル以内だろ・・・おお~、レックスを1分40秒か。中々だが、もっと上がいるだろうな」
ア「も~」
レ「コウガ殿、生活習慣を変えて堕落することはダメな人間の証拠だ」
ダメな人間。その言葉が高雅を動かした。
高「・・・わーったよ。勉強すればいいんだろ」
ア「じゃあ「だけど、祭りは行かねえ」どうしてよ?」
高「めんどくさい、人間うじゃうじゃ、つまらない。分かったか」
ア「何一つ分からないよ。特に最後の方。つまらないってどういうこと?」
高「簡単に言えば飽きた。だから行かねえ」
ア「・・・はぁー、こんなに可愛い子が誘ってるのに」
高「イタイイタイ病にかかったか?」
ア「それってどういう意味?」
レ「使い方も間違っておるぞ。勉強不足だ」
高「いや、わざとだし」
アリアは遂にキレた。
ア「分かったよ!!。レオ君と一緒に行けばいいのでしょ!!」
レ「何故我と!?。後、君付けをするでない!!」
アリアはレオを連れて部屋を出ていった。
高「・・・・・しゃーね、勉強でもすっか」
高雅はゲームを止め、勉強を始めた。
アリアはリビングで落ち込んでいた。
ア「はぁー・・・」
レ「どうしたのだ、アリア殿?」
ア「コウガと祭り、行きたかったなー」
レ「仕方がないではないか。コウガ殿は夜に勉強をすると言っておられる」
ア「そうだけど、普通は祭りの為に昼に勉強を終わらしたりないの?」
レ「コウガ殿はある意味で生活習慣を乱してないのだ」
ア「でも、こういう特別な日ぐらいは・・・」
アリアはバカらしくなってきて喋るのを止めた。
ア「もういいや。ここで愚痴ってもしょうがないし・・・」
レ「祭りはどうするのだ?」
ア「興味はあるから一応行くよ。レオ君も来る?」
レ「君付けをやめい!!・・・まあ、我も行ってみたい」
ア「それじゃ、決まりだね。夜まで暇だし、散歩でもしよっか?」
レ「悪くないな」
アリアとレオは外に出て時間つぶしの散歩をした。
夜。
アリアとレオは高雅に断っていた。
ア「それじゃ、お祭りに行ってくるね」
高「金を持たずにか?」
ア「あっ・・・」
高「それと、この場所が分かるのか?」
高雅はチラシを押しつけながらアリアに問う。
ア「えっと・・・大体・・・」
アリアは自信無く答えた。
高「行く気あるのか?」
ア「コウガよりはあるつもりだよ」
高「ふ~ん・・・ほらよ」
ア「えっ!?・・・っと」
高雅は手提げ袋を投げ、それをアリアは受け取った。
アリアは中身を確認すると中には2千円入っていた。
ア「コウガ・・・これ」
アリアの質問を無視して高雅は説明を続ける。
高「学校への道は分かるな。そのあたりに看板で案内してると思うからそれを辿れ」
ア「えっ・・・ありがとう」
高「後、女の子は祭りのときは普通、浴衣になるもんだぞ」
ア「そうなの・・・だったら」
アリアは契約の力を発動し、浴衣を創造した。
高「・・・力の無駄遣い・・・」
ア「気にしない。それじゃ、行ってくるね」
レ「コウガ殿、勉強を怠ってはダメだぞ」
高「へいへい・・・あっ、そうそう。8時にはそこから離れろよ」
ア「どうして?」
高「隣町があの祭りに何か恨み持ってるらしい。だから、面倒事に巻き込まれる前に帰って来い」
ア「うん、分かった。心配してくれてるのね」
高「ば・・バカ!!、別にそんなことじゃねえよ!!///」
ア「ふふふ、見事なツンデレだね」
高「さっさと行きやがれ!!///」
ア「はいはい。行こ、レオ君」
レ「君付けやめい!!」
アリアとレオは祭りに向かった。
高雅はそれを見送りながらこう思った。
高(・・・祭りか・・・・・兄ちゃんとよく行ったな・・・)
祭りの会場である緑淵神社。
周りは木々に囲まれてある、よく見かける神社の類に等しい。
そして、出店がズラーと並んである。
ア「へー、活気があるね」
人も結構な人数が集まってある。
ア「レオ君、はぐれないようにね」
そうレオに言うがレオから返事が聞こえなかった。
ア「・・・あれ、レオ君?」
あたりを見回すがレオの姿はない。
ア「・・・早速迷子・・・いや迷獣になっちゃったの・・・」
アリアは早すぎる展開に呆れていた。
ア「ま、その内見つかるよね。出店でも回ろっと」
楽観的に考えたアリアは祭りを楽しみ始めた。
ア「これで、一通り回ったかな?」
アリアは頭にお面を付け、綿あめ握って、金魚の入った袋をぶら下げて、水ヨーヨーで遊んでいた。
完全に祭りを満喫しきった姿だ。
ア「結局、レオ君には合わなかったな・・・はむ」
綿あめを食べながら、そんなことを思っている時だった。
他A「大変だー!!。隣町の暴力団が来たぞー!!」
他B「何だって!?。まだ8時じゃないのによ!!」
他C「逃げろーーーー!!!」
賑やかなお祭り騒ぎは恐怖の騒ぎに発展した。
ア「何!?。何なの!?」
アリアは現状が理解できずに一人立ちすくっていた。
そこに顔つきの悪いに人がアリアに話しかける。
暴A「よお、姉ちゃん。お祭りは楽しいかぁ?」
ア「な・・・何よ、あなた達!?」
暴力団がアリアを囲んだ。
その数、ざっと20人ぐらい。
逃げている人達は『可哀そうに』という目で見ながら逃げていた。
暴A「ここの祭りを楽しむ奴はなぁ、俺達と遊ばないといけないんだよなぁ」
暴B「ちょっと、相手してくれよ」
暴力団の一人がアリアの腕を掴む。
ア「きゃあ、離してよ!!」
水ヨーヨーは落ちて破裂し、金魚も苦しそうに跳ねていた。
それを気にせず、暴力団はアリアを無理やり押し倒す。
ア「きゃあ!?」
暴C「優しくしてあげるよー」
暴D「叫んでもいいぜ。けど、助けてくれる奴なんていねえよ」
暴力団が嫌らしい手付きでアリアの浴衣に手を掛けていく。
ア「嫌だ・・・誰か、助けて!!」
?「やめろ!!」
暴力団の視線が一つに集中する。
そこには・・・
蓮「金魚さんが苦しんでるじゃないか!!」
蓮田がいた。
ア「れ・・・レンタ君!?。それより、私って金魚以下!?」
暴A「何だガキ。ガキは大人しく母親の乳でも飲んでろよ!!」
暴力団の一人が蓮田に殴りかかった。
パシッ
暴A「何!?」
その拳は別人に片手で塞がれた。
ロ「蓮田に手を出すなら俺っちが相手だ」
ア「ログナも!?」
ロ「アリアっち、もててるね。羨ましいぞ」
ア「何処から見たらそう見えるのよ!!」
暴A「舐めやがって。野郎共、このガキ共をぶっ殺すぞ!!」
暴力団全員でログナと蓮田に襲いかかった。
ロ「あるぇ~、タイマンじゃないの!?」
蓮「どうしよう、ログナ!?」
ロ「こうなったら、あのお方に来てもらうしかない!!」
ログナは高らかと手を上げて叫んだ。
ロ「来い!!。我が手下、コウガっちよ!!」
ドガッ!!
高「誰が手下だって?」
ロ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」
高雅は登場と同時にログナの頭をぶん殴った。
ア「こ・・・コウガ!?」
高「やっぱ巻き込まれてたか」
暴A「何だ、あいつは!?」
暴B「構わずやっちまえ!!」
暴力団が一瞬驚いたがすぐに襲い掛かって来た。
高「話が早くて助かるな。だけどよ、祭りの時期が一緒だからって暴力団を使って邪魔するとか聞いたことが無い。そんな金使う余裕があるならな、もっと画期的な祭りを用意しやがれってんだよ」
高雅は念仏を唱えているログナの足を掴んで・・・
高「おらっ!!」
ロ「ごめんなさいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
ぶん投げた。
ドガッ!!
ログナは半分もの暴力団を巻き込んだ。
暴A「この野郎・・・ならば・・・」
ア「きゃあ!?」
暴力団の一人がアリアをナイフで突き付けながら人質に取った。
暴A「これでどうだ?」
それでも高雅の顔色は一瞬たりとも変わらない。
高「それで勝ったつもりか?」
暴A「何だと!?・・・うっ!?・・・」
突然、その人は力無く倒れた。
タ「得物を持たぬ者に得物を突きつける行為は武士の恥だ」
ア「タイト!?」
タイトが後ろから峰打ちで気絶させていた。
暴C「り・・・リーダーがやられただと!?」
高「どうする?。続けるか?」
高雅が優しく問いかけていたが、他の人から見れば恐怖のオーラが溢れていた。
暴C「ちくしょー。覚えてやがれーーーー」
気絶した仲間をすぐに背負い、暴力団は逃げていった。
高「また有り触れた言葉だったな」
高雅はアリアに歩み寄りながら言った。
高「大丈夫か?」
ア「コウガ、どうしてここに?」
高「お前らが行った後に、蓮田とログナがやって来てな。広告見たら行きたいとか言いだして案内してやったんだ」
蓮田とログナは弱り切った金魚をもとの水槽に入れてあげていた。
そして、再生の力で元の元気な金魚に戻ったようだ。
タイトの姿はもう消えていた。
ア「そうだったんだ」
高「それにしても、ちゃんと祭りを満喫してるな」
高雅はアリアの姿を見てそう判断した。
ア「うん。でも、レオ君と逸れちゃって・・・」
高「心配ねーよ。ほら」
高雅が指を指す所を見るとそこにはレオが屋台の上から見下していた。
レ「いつから気づいておった?」
高「ログナを投げた時ぐらいだな」
ア「レオ君、何処に行ってたの?」
レ「人込みでちょっと逸れてしまった。心配かけて申し訳ない」
ア「でも、無事ならよかった」
レオはピョンと飛び、高雅の頭に着地した。
高「そろそろ帰るか?。満喫しただろ?」
ア「うん」
短く返事をしたアリアは立ち上がった。
高「そーだ。おいログナ、人がいないからって屋台の物を盗むなよ」
ロ「ドキッ!!・・・やややややややややややややだなあ。そそそそそそそそそそそそそんなことししししししししししないよ」
高「・・・・動揺し過ぎ。バレバレだ」
ロ「悪い・・・」
ログナが俯きながら誤っていると・・・
ヒュ~~~・・・バンッ!!
高「おっ!!」
ア「綺麗・・・」
打ち上げ花火が上がり、夜空に花を咲かせた。
高「中々綺麗なもんだな」
ア「そうだね・・・ねえ、コウガ」
高「何だ?」
アリアは恥ずかしそうに言った。
ア「あのね・・・その・・・手・・・繋ご?」
高「別にいいけど」
そう言って高雅はアリアと手を繋いだ。
ア「あっ・・・///」
アリアは高雅に握られた手をじっと見つめ、赤くなっていた。
ア(こんな些細なことなのにとっても嬉しいな)
高「どうした?。行くぞ」
ア「へっ!?・・・あっ、うん」
高「何焦ってんだ?」
ア「別に焦ってなんかないよ。ほら、早く行こうよ」
高「変な奴」
高雅は前を向いて歩みだした。
ア(一緒に祭りに行けなくて残念だけど、これで十分かな)
アリアは星と共に輝く花を見ながら高雅に寄り添った。
高雅は『疲れたんだろう』と思い何も言わなかった。
☆おまけ☆
タ「主よ、言われたとおりに出店の物を買ってきた」
A「おお、サンキュー」
タ「それより、何故主は祭りに赴かないのだ?」
A「だってよ、面倒じゃん。屋台のもんでも買ってくればそれで十分だし」
タ「ほう、それだけの為に拙者を利用したのか・・・武士を何だと思っておる」
A「あっ、マジゴメン!!。だから真っ二つだけは・・・」
タ「ならばバラバラにしてやろう」
A「おい、バラバラ殺人事件はまずいって。俺、崇りに遭いたくないよ。だから落ち着kぎゃあああああああああああああ」
PS.ショボイことで他人を利用するのは絶対にしないように。




