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海と蛸 後編

タコは大分ご立腹になっていた。

どたどた足を振り回しては高雅に斬られていた。

ペースは完全に高雅のものになっている。

高「なあ、セバスチャンの力は何だ?」

セ「わたくしの力は速度です。ですが、コウガ様は使うことができません」

高「何でだ?」

セ「簡単な理由です。契約をしておられないからです」

高「成程な。そりゃ納得」

セ「ただし、私自身なら使うことができます」

高「・・・じゃあ、早速頼むぜ」

高雅はセバスチャンを天高く投げ上げた。

セバスチャンは速度の力を使い、高く高く上ってゆく。

だが、剣は気づいた時にはタコを真っ二つにしていた。

高「解説すると、重力+速度で落下速度をマッハぐらいにまで跳ね上げ、そのまま斬った訳」

代わり解説、乙。

セ「しかし、これではまた再生されてしまいますぞ」

高「戻ってくるの早いな。まあ、確かにそうだな」

タコはまた再生を始めていた。

高「何か策があればいいけどな・・・」

ペースはこっちのものだが倒すことのできないなら結果は負けてしまう。

高雅は再生するタコを見ながら策を練っているが思いつかない。

すると、高雅の肩に手の感触が感じた。

高「ん?、アリア!?。大人しくしろって」

ア「だって、再生されるなら静寂か虚無を使わないと勝てないよ。だから私も戦う」

高「あのな、そんな怪我だらけでどうやって戦うつもりだ?」

ア「大丈夫よ。契約の力を使えば再生の力で回復できるから」

高「あれはあくまで再生だ。骨折とかは治るが、腫れは治らねえぞ」

ア「それでもいい。腫れは痛みだけだから我慢できる。だからお願い」

高「お前な、何でそんなに戦いたいんだよ?。戦闘狂にでもなったのか?」

ア「違う。・・・ただ・・・見捨てないで欲しい・・・」

高「はぁ!?」

高雅は理解してないがアリアは言い続けた。

ア「だって・・・コウガが私の代わりにセバスチャンを使ったから・・・私、見捨てられると思うから・・・」

高「おいおい、意識し過ぎだって」

ア「お願い、私を使って!!。痛みなら我慢するから!!。戦いに支障は出さないから!!」

高「・・・・・・・・」

高雅は険しい顔をしながら黙り込む。

そして、セバスチャンに聞いた。

高「なあ、セバスチャン・・・」

セ「いいですよ」

高「・・・お見通しか。一人で戦っててくれ」

セバスチャンは高雅の手から離れ、一人でタコへ向かった。

ア「コウガ・・・」

アリアは認めてもらったと思い、安心したが・・・


バゴッ!!


ア「ッ!?」

高雅がアリアの頬を思いっきり殴った。

高「・・・私を使え?・・・ふざけるなよ」

ア「コウガ?」

アリアは頬を抑え、高雅の顔色をうかがう。

高雅は怒りに満ちていた。

高「お前は自分を物としか思ってないのかよ!!。自分の価値を何だと思ってやがる!!」

今までに見せたことのない激しい憤怒。

アリアは怯え、目の前の高雅が本物か疑っていた。

高「お前は誰かの奴隷になればそれでいいのかよ!!。自分の身が果てようがそれでいいと思ってるのかよ!!。んな、間違いだらけの気持ちを持ってんじゃねえよ!!」

ア「間違ってn「間違いだ!!。もし、お前に何かあったら、誰が悲しむのか分かってんのかよ!!」え!?・・・」

高「お前は人の心配をブチ壊してるだけだ!!。もっと甘えやがれ!!。人の恩恵を受け止めろ!!」

ア「・・・・・・・」

アリアは頬に一筋の涙を流した。

高「・・・反省したか?」

高雅はさっきまでのと裏腹に優しく尋ねた。

ア「・・ぐす・・・ごめんなさい・・・」

高「分かればいいんだよ」

高雅はアリアの頭を撫でる。

ア「ぐす・・・うう・・・」

高「俺はもう行く。待っててくれるか?」

アリアは小さく頷く。

それを確認した高雅はセバスチャンの元へ向かった。

セバスチャンは足を斬り倒していた。

高「どうだ、状況は?」

セ「再生能力が厄介なだけで変わりありません。それより、コウガ様」

高「な・・・何だよ」

セ「アリア様を殴ったことは許し難いですね」

高「あー・・・悪い」

セ「特別に許して差し上げましょう」

高「サンキュー。・・・はぁ~、だりーな。何かキレてから、もっとだるくなった」

セ「?、コウガ様、その足に付いている水はアリア様の涙ですか?」

高「ああ、ちょっと掛かってな」

セ「それに静寂の力があります」

高「マジかよ。どうりでだるい訳だ」

セ「いい案があります。それを使って再生の力を静寂化させましょう」

高「あ、成程。そりゃ名案。だけど、こんだけで足りるか?」

高雅の足に付いてある涙は3,4滴だ。

セ「大丈夫です。かなり密度の高いようですから」

高「そうか。ならそうするか」

すると、タコが足を振り下ろして来た。

セバスチャンと高雅はそれを難なく避ける。

高雅はすかさずタコ足に乗り、タコの顔面へ向けて駆けだした。

高(結局、アリアのお陰で勝てそうだな)

高雅はそんなことを考えている内にでかい頭の目の前に来ていた。

高「くらえ!!」

高雅がドデカ頭に静寂を込めた蹴りを喰らわせる。

それを見計らってセバスチャンが上空から頭を一閃する。

タコは本日3度目の真っ二つになった。

それが再生することはなかった。

高「再生しないな。勝ったのか?」

セ「そのようでございますな」

セバスチャンは高雅の手を掴み、浜辺へ飛んだ。

高雅は浜辺へ着地して安全を確認した。

高「よーし。取りあえず、逃げた皆を呼ぶか」

セ「でしたら、わたくしが呼びますのでコウガ様は気絶している者をお願いします」

セバスチャンは速度の力で車の所へ向かい、高雅は気絶している皆を集めた。









それから時が過ぎ、夜。

あの後、ログナが目を覚まして戦闘組を回復させたが、服が無かったか結構腫れている部分が多かった。

再生の力が使えない怪我は姫花家の使用人に治療してもらった。

帰ろうとしたが高雅が『楽しまないのは勿体無いから気にせず遊べ』と強く言うのでビーチバレーとかで遊んでいた。

タコの所為かその後、海には入らなかった。

日が沈み始めるぐらいに着替えて、バーベキューを楽しんだ。

そして、現在は天体観測を楽しんでいた。

蓮「すごーい、星がいっぱいだ!!」

凛「ここは街灯も少なく、空気も綺麗ですので天体観測には打って付けの場所ですわ」

龍「・・・綺麗・・・」

夢「夢みたい・・・」

A「ぷっ、なに自分のことを言ってんだよ」

夢「そういう意味なわけ無いじゃん!!」


バゴッ!!


夢のパンチは綺麗にみぞを突いた。

A「はう!!・・・」

B「大丈夫か!?」

高「返事が無い、ただのs「殺すなーーーー」・・・っち」

ア「ふふふ・・・」

アリアはそんな光景を見て笑っていた。

セ「アリア様、少しよろしいですか?」

ア「?、別にいいけど」

セバスチャンはアリアを連れて皆と少し離れた所へ行った。

ア「それで、話って?」

セ「本日の戦いのことで、です」

ア「あ、もしかして怒ってる?」

セ「はい、わたくしもコウガ様と同じ気持ちでした」

ア「・・・・ごめんね」

セ「わたくしの分はコウガ様がやりましたので、これ以上は何も言いません。それともう一つ」

ア「何?」

セ「単刀に聞きます。コウガ様の事をどう思っていますか?」

ア「え!?・・・それは・・・」

セ「はぐらかさずに答えてください」

セバスチャンの目は本気だった。

アリアはそれを悟って本心を打ち明ける。

ア「・・・・・・コウガのこと・・・・好き・・・」

セ「やはりですか。まあ、薄々感じていましたが」

ア「だったら、何で聞いたのよ?」

セ「アリア様の口から直接確認がしたかったもので」

ア「もしかして、認めないつもり?」

セ「ほっほっほ、そのようなことではありません。ただ・・・」

ア「ただ?」

セ「コウガ様とアリア様はそれぞれ違うことを認識していてください」

ア「・・・・・・それって、人間と天使ってこと?」

セ「そうです。それは幾千の壁を作ってしまうかもしれません」

ア「・・・・やっぱり・・・」

セ「ですが、コウガ様を思う気持ちを強く持ち続けておられれば、きっと叶います」

ア「セバスチャン・・・」

セ「わたくしは如何なる時でもアリア様の味方です」

ア「・・・ありがとう、セバスチャン」

セ「それでは、そろそろ戻りましょう」

ア「うん・・・私、頑張るよ」

二人は皆の所へ戻り、天体観測を楽しんだ。



形はどうであれ、夏休みの思い出が一つ生まれた。






☆おまけ☆


C「俺、喋らなかった・・・」

いや、購組として喋っただろ。

E「それは別だろ。個人として喋ってねえんだよ」

仕方ないだろ、脇役なんだから。

C・E「うるせー!!」

C「それよりよ、何で最近、Aが活躍してんだよ!!」

A「悪いか?」

E「出たな裏切り者。殺してやる!!」


ドガッ・・バギッ・・・・喧嘩中・・・・ドゴッ・・ボゴッ・・・


C・E「ばたんきゅ~」

A「はっはっはっはっは・・・主人公の力を思い知ったか!!」

いつになったらこの自惚れが治るのだろうか・・・

高「バカに付ける薬はない」

だな。よーし、とことん自惚らさせて最悪な死に方を描いてやるか。

A「俺死ぬの!?」

高「俺としては嬉しいな」

A「んだと!!」

高「何だよ?」(←超冷酷な声)

A「な・・・何でもありません(くそ、どうして主人公になっても勝てねえんだよ・・・)」

・・・えー、今後、この自惚れを救うつもりはありません。

高「ネタキャラ完成だな」

イエス。

それじゃ、次回も読んでください。

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