海と蛸 中編
なんか長引いて3編になっちゃった。
ここはタコの腹の中。
高「・・・まさか、喰われるとかな・・・」
捕食されてしまった高雅は出口を探していた。
高「早くしねえと消化液が出てきて溶けてしまうな。てか、何であんな巨大なタコがいるんだよ・・・」
まあまあ、非日常だから問題ないって。
高「繋がりがなかったら大問題だぞ」
大丈夫。ここまで読んでくれるほど心の広い読者なら理解してくれるって。
高「真面目にやれ!!」
・・・はい、ちょっとしゃしゃりすぎました。反省します。
高「で、何が原因でこうなった?」
それ言ったらネタバレじゃん!!。
高「気にするな。そういう小説もありだ」
アッ、ソトノヨウスヲカカナクチャ。
高「・・・逃げたな。仕方がない、アリアと連絡でもしとくか」
A「さあ、お待ちかね。世代の交代の時がやって来たぜ」
超自惚れのAがかっこつけてはしゃいでいた。
ア「大丈夫?。いくらなんでも一人じゃ・・・」
A「俺は主人公だぜ!!。キーワードに主人公最強があるんだぞ。負ける訳がないって」
ア「何言ってるの?」
A「行くぜーーー!!」
アリアを無視し、Aはタコに向かって跳んだ。
しかし、Aの身体能力は一般的だ。(ちなみに、高雅もちょっと上なだけ)
なのに速度の力も無ければ、足を活性化して強化しない。
つまり、跳ぶと言っても誰でもできる平均的な立ち幅跳びって訳。
A「・・・あれ?」
タ「何を遊んでおる!!。真面目にせぬか!!」
A「いや・・・だって、普通は異世界の奴と関われば身体能力ってバカみたいに上がるんじゃ・・・」
はっ?、別に高雅はアリアと契約してもそのままの力ですけどなにか?
あんたファンタジーの見過ぎ。
A「ええ!!。嘘だろ!!」
タ「何をしておる!!。敵が攻撃を仕掛けてるぞ!!」
A「え!?」
気づいた時には5センチ先にタコの足があった。
A「あっ、俺死んだ」
バギャッ!!
骨が砕けるような音を立てながら、Aは吹っ飛ばされ、砂浜に埋まった。
ロ「あいつ使えねえな・・・よっと」
ログナはタコの足を交わしながら哀れなAを見ていた。
蛸「ブフォオオオオオオオオオオオオ」
タコは超広範囲の墨を吐いた。
ただしその圧力は家が吹き飛ぶほど強いものだった。
ロ「うお!?」
蓮「わあ!?」
ログナと蓮田は巻き込まれ、壁に叩きつけられ気絶した。
ア「ログナ、レンタ君!!」
セ「アリア様!!」
ア「!?、きゃあ!!」
アリアが注意をそらしたその瞬間にタコはアリアを捕えた。
セ「アリア様!!・・・ぬおっ!?」
セバスチャンは片手を剣に変え戦っているが、複数の足をまとめて相手をするので手一杯だ。
ア「うぐ・・・ぐ・・・」
絶体絶命に追い込まれいった。
非戦闘員は車に乗り、遠くで見守っていた。
凛「一体、どうなっていますの!?」
凛が双眼鏡を持ったDに聞く。
D「なんかやばいぞ。アリアって言う人が捕まって、Aがぶっ飛ばされて、墨吐いて暴れてるぞ」
香「高君は大丈夫なの?」
D「いや、分からない。まだ姿が見えない」
香「高君・・・」
香凛は今にも泣きそうになっていた。
凛「大丈夫ですわ、香凛」
香「凛姉ちゃん?」
凛「香凛の病気を治した人がやられる訳ありませんわ」
香「科学的根拠はどこにあるの?」
凛「う・・・ここで天才ぶりを見せてはいけませんわ」
香「子供扱いしないでほしいの。カリンは高君を信じてるの」
凛「でしたら、さっきの涙目は何でしたの?」
香「!!、カリン、泣いてないの!!。凛姉ちゃんのバーカ!!」
凛「何ですって!!。姉に向かってその態度は何よ!!」
D「おや、言葉遣いが変わってる・・・ってそんなことより、ストップストップ!!」
姫花同士の喧嘩を購買部組が止めに懸かる。
夢「何やってんだか」
龍「二人とも・・・崎村君のこと・・・思ってるから」
夢「じゃあ、龍子は思ってないって言うの?」
龍「違う・・・暴れても・・・崎村君のことは・・・変わらない」
夢「大人ね、龍子は」
龍「違う・・・ただ怖いだけ・・・」
そう言って龍子は、Dが置いた双眼鏡を覗き、海の方を見る。
龍「・・・皆・・・無事に・・・」
ア「う・・・うう・・・」
じわじわと締め付けられるアリアは限界に達しようとしていた。
ア(やばい・・・骨が・・・)
高(おーい、アリアー。聞こえるかー?)
ア(コウ・・ガ・・・)
高(その物言いは逃げてないな)
ア(ゴ・・・ゴメン)
高(謝るな。それよりさ、どうにかしてAにタコの頭を斬ってもらえねえか?。食べられてしまってな)
ア(ゴメン・・・無理っぽい)
高(何で?。今、捕まってるからか?)
ア(それも・・・そう・・だけど・・・もうAはやられ・・・ちゃった・・・から)
高(大丈夫だ。あいつはタイトに鍛えられてるから)
ア(え!?)
その時、期待の声が聞こえた。
A「うおおおおおおおおおおおおおお」
ア(!?)
Aがタコに向かって走って来ていた。
学習したのか、袴でも上手く走れており、活性の力で足の力を増強していた。
A「とーーーーーーーーーーーーーう」
天高く跳び上がるAはタコの頭上の空にいた。
A「これが主人公の力だあああああああああああああああ」
重力の加速を利用し、さらに活性の力を腕に込める。
ザシュッ!!
そのまま、タコの頭を一閃した。
A「へへ・・・やった・・・ぜ・・・」
Aはそのまま無抵抗に落ちていった。
タ「主よ!!」
タイトがすぐに契約の力を解除し、Aを抱え、その場を離れる。
力を無くしたタコはアリアを放して崩れ落ちた。
ア「よかった。これで無事に・・・」
その言葉は目の前の光景によって潰された。
ア「・・・嘘でしょ・・・」
真っ二つの頭が再生を行っていた。
ア「そんな・・・」
セ「アリア様!!、右から来ています!!」
ア「へ!?」
完全に脱力状態のアリアは避けることができる訳なかった。
バゴッ!!
ア「あう!!」
砂浜へと叩き落とされてゆく。
セ「アリア様!!」
落下地点にセバスチャンが先回りしていた。
物凄い砂煙をあげながらもアリアをしっかりと受け止めた。
セ「大丈夫ですか、アリア様!?」
ア「うん・・・ちょっと痛いけど・・・」
ちょっとの痛みではないとセバスチャンは分かっていた。
なんせ、大木でぶん殴られるようなものだからだ。
確実に骨の何本かは折れているに違いない。
セ「無理をなさらないでください」
ア「大丈夫だって・・・いた・・」
アリアは自力で立とうとしたが痛みによって立つことはできなかった。
高「大丈夫か?」
ア「!!、コウガ!?、いつの間に!?」
高「ついさっきここに来た。頭かち割ってくれた時に脱出したけど」
ア「そう・・・よかった・・・」
高「契約の力を使えるか?」
ア「もちろn「嘘つけ」え!?」
高「さっきから必死に痛みこらえながら顔を引きつってるじゃねえか」
ア「そ・・・そんなことないよ」
高「おれを誤魔化せるとでも?」
ア「・・・・・・」
アリアは何も答えることができなかった
蛸「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
高「おやおや、あまり待ってくれるタコじゃねえようだ。セバスチャン、剣になってくれねえか?」
ア「!!、まさか、セバスチャンと戦うつもり!?」
高「もち。お前は休憩しとけ」
ア「私はだいじょうb〈グイッ〉いた!!」
高雅は赤く腫れ上がっている部分を手で押した。
高「説得力ねえよ。で、セバスチャンは?」
セ「分かりました。コウガ様にお任せします」
そう言ってセバスチャンは緑色の剣になった。
高「じゃあ、お前には攻撃が当たらないようにするから安心してろ」
ア「待って、私もまだ・・・」
アリアの声は高雅に届いていなかった。
ア「私・・・ただの足手まといなの・・・」
そんな疑惑がアリアを襲い続けた。