天獄戦争編 その11、不発
高「はははははは・・・」
まだ笑っていた。
ア「コウガ!?、壊れちゃったの!?」
レ「コウガ殿!!、気をしっかり持つのだ!!」
高「安心しろ。いたって正常だ」
デ「ふん・・・」
ディバイトが鼻で息をしたその時、凛は落下した。
高「ありゃりゃ、姫花を落としたみたいだな」
デ「小僧、何故そんなに余裕でいられるのだ?」
高「いや、いられないほうがおかしいだろ。だってよ・・・」
高雅は一置きして言った。
高「あれ、姫花じゃねえぞ」
デ「何だと!?。そんなはず、ある訳がない」
高「お前は本当に姫花と契約を結んだのか?」
デ「当然だ!!。我が読んだ通りにことは運ばれていった。小僧も全て読み通りに動いた。狂いはないはずだ」
高「成程。俺はお前の手の上で踊っていたわけか?」
デ「そうだ。我の読み通り、小僧が天国を壊滅に陥れ、小僧を殺すということが」
高「そうか・・・ところで、俺がぶっ倒したのは天国だっけ?」
デ「何を言う!?。小僧自身が天国の総司令官を討ったはずだ!!」
高「だーかーらー、それは本当に天国の方なのかって?」
デ「どういう意味だ!?」
高「きっぱり言う。俺は地獄を滅ぼしたつもりだ」
この言葉によってディバイトの冷静さは消えてしまった。
デ「バカを言うな!!我が読み違いなどすr「だったら誰か読んでみろよ。地獄の誰かを」いいだろう」
ディバイトは無線機を取り出した。
高「ちゃっかり現世の代物を使ってんのかよ・・・」
デ「これは力を使う必要がないからだ」
そしてスイッチを押して喋った。
デ「全てに命ずる。今すぐに我が元へ来るのだ!!」
高「どこか言わなくても大丈夫なのか?」
デ「ふふふ、我々を舐めるでない。我の絶大な力は隠さなければすぐに分かる」
すると、ディバイトはいきなりどす黒いオーラを放った。
高「すげー。軽く戦闘力5万ぐらいはあるオーラだな」
デ「いずれ仲間が来るだろう。その時に血祭りに上げてやろう」
高「待ってやるよ。最も、来ることはないがな」
高雅とディバイトは待ち続けた。
時を戻して凛が落ちたその後。
凛が落ちた所にも高雅がいた。
いや、こっちが本物の高雅である。
高「ラスボスがこんなに思い通りにいっていいものか?」
ア「いいじゃないの。こんなにも思い通りにいってるから」
高雅は落ちて来た凛をキャッチして抱えていた。
凛は気絶している。
高「なあレオ。ひとつ質問をいいか?」
レ「何だ、コウガ殿?」
高「夢幻の力で見せた幻覚内の行動は現世と同じって言ったよな?」
レ「ああ、確かにそう言ったが」
高「俺さ、あいつの幻覚内でアリアを殺しちゃったんだけど、なんでアリアは生きてるんだ?」
ア「ちょっと、私を殺したってどういうことよ!?」
高雅はアリアのことを無視してレオの回答を聞いた。
レ「それは、アリア殿の声が聞こえた後にやったのか?」
ア「まあ、そうだな」
レ「ならば、それはただの幻覚だ。現世で同じ行動をすると言っても、それは完全に幻覚の世界に落ちた時になるものだ。それを省くために破壊の力と平行して使われることが多いのだ。アリア殿の声が聞こえたのであれば、ある程度は幻覚のことを意識していたはずだ」
高「へー、そうだったのか」
ア「それで、私を殺したってどういうことよ?」
高「しつけーな。偽物のお前なんかより本物の方がよかったんだ。だから偽物をぶっ倒しただけだ」
ア「そう・・・なの・・・」
蒼い双剣は赤みがかった。
高「赤くなるワードが入ってたか?」
レ「それよりコウガ殿。その方は夢幻と破壊の力が掛かってあるぞ」
高「じゃあ、再生と虚無の力で」
高雅は凛の精神を再生し、夢幻の力を消した。
凛「う・・・・ううん・・・」
高「おや、気づいたか?」
凛「崎村さん?・・・・・・・」
凛は頭の状況を確認した。
結果:高雅に抱えられている。
凛「・・・きゃあああああああああああ」
高「ぶっ!?」
凛は高雅を突き飛ばした。
高雅は尻もちを突き、凛はちゃっかり着地した。
レオは危険を察し、既に頭から降りていた。
凛「なななな・・・何をしていますの!?。ささ・・崎村さん!?」
高「お前、命の恩人にこれはねえだろ」
凛「命の恩人って・・・どうして私を抱えているのですか!?」
高「よく思い出せ。俺と別れて、自分がやって来た行動を」
凛「私は・・・ログナって人が現れて、その方からもらった崎村さんのネームバッチで裏切り者だとわかったから追いかけて・・・見失って戻ろうとしたら・・・・」
高「その後はどうしたんだよ?」
凛「・・・分かりませんわ。何か夢を見ていたような」
高「俺の読みすげー」
高雅は地下にいった時からこのことを読んでいた。
凛がディバイトに捕まったことを。
ア「自分で自分を褒めるとか痛いよ」
高「うるせーな。でも、まさかここまで読み通りとはな」
レ「確かに、コウガ殿の読みは称えるべきだ」
凛「犬が喋った!?」
レ「我は犬ではない!!。天獣だ!!。弁えろ人間!!」
高雅はレオを抱え、頭に乗せて説明した。
高「こいつはレオっていう・・・生き物だ」
高雅は少し迷って答えた。
凛「見れば分かりますわ。もっと具体的に教えてくださる」
高「う~ん・・・俺の家族の一員だ」
凛「そういう意味ではありません」
高「だって、どうせ忘れるし・・・ん!?」
突然、高雅は屋上からでかいオーラを感じた。
それについてレオが切り出した。
レ「コウガ殿。それよりもディバイトの方は?」
高「まあ、ここまで順調だったからこれ以上は望まねえけど、強いていうならこの後の展開も思い通りに・・・ってな」
ア「さすがに、あれは無理だと思うけど・・・」
高「まあ、見てみようじゃねえか」
そう言って、高雅は目の前の空間を捻じ曲げ、屋上を映し出した。
高「この後どうなる、俺の幻覚は?」
幻覚世界はあれから10分経過していた。
デ「何故来ないんだ!?」
地獄の者は一向に来る気配はない。
当然、幻覚だからであるが、一部現実でやって来たので高雅が倒していたのである。
だから、この幻覚は邪魔されることはなかった。
高「だから、俺が滅ぼしたって言っただろ」
デ「ふざけるな!!。小僧は我の思い通りに動いたはず。なのに・・・」
高「動いていたのは本当に俺か?」
デ「どういう意味だ!?」
高「例えば・・・俺の分身だったとか」
デ「まさか・・・小僧、このことを分かっていたのか!?」
高「もち。後はお前を倒せばお終いだ!!」
高雅は双剣を構え、ディバイトに向かって走り出した。
だが・・・
ガッ!!
高「のわっ!?」
足が躓き、豪快にこけてしまった。
その時に双剣を離してしまった。
高「しまっ・・・」
双剣は床を滑り、ディバイトの目の前で止まった。
デ「ふん!!」
パリーン!!
ディバイトは双剣に付いてあった宝石を壊した。
高「マジかよ・・・」
高雅は消えていった。
デ「ふはははははは。哀れな奴め。最後に足を払われるとわな。ふはははははははは・・・」
ディバイトはずっと高笑いしていた。
幻覚の中で。
高「だはははははは・・・」
こっちも、腹を抱えて大爆笑していた。
ア「何だかここまで上手くいくと・・・ぷっ」
アリアも笑いを堪えていた。
高「ひー・・・はー・・・腹筋崩壊したぜ。ここまで・・・ぶはははは」
ア「コウガ・・・笑い過ぎ・・・うふふふ」
高「お前もさり気なく笑ってるじゃねえか」
ア「だって・・・あははははは」
アリア、ギブアップ。
凛「意味が分かりませんわ。どういうことですの?」
レ「我が代わりに説明しよう」
レオは高雅とアリアが説明できる状態ではないと察し、代わりに説明した。
レ「コウガ殿は敵が屋上にいると知った途端に敵に幻覚を与えたのだ。しかし、途中で気づかれてしまうものだと思っていたが全て、事が思い通りにいき喜んでおるのだ」
凛「しかし見た所、崎村さんが負けてしまわれたのでは?」
レ「現実はコウガ殿が空間の力で敵の命である宝石を奪い、自分の偽武器を創って、宝石の部分に敵の宝石をはめ込んで色をアリア殿の宝石に変えていたのだ。それをわざとこけ、敵の前にやった途端に思い通りに壊したわけだ」
凛「つまり、崎村さんの策略って訳ですか・・・」
凛が納得した所で高雅とアリアが落ち着きを取り戻し、高雅が話しを切り出した。
高「さーて、最後の仕上げにかかるか」
凛「一体、何をするつもりですの?」
高雅は人置きしてから喋った。
高「簡単に言えば、今日を消す」
凛「な・・・何ですって!?」
あまりのことに、凛は思考が追いついていない。
しかし高雅は普通に説明する。
高「まず、日本全員の今日の記憶を消して、巻き込まれて死んだ人や町も再生して、天国と地獄共を元の場所に返して、ニュースになっていた町は空間の力で戻す。まあ、そんなところだ」
凛「な・・・何をおっしゃっていますの?。訳が分かりませんわ」
高「無理もない。まあ、忘れるから心配するな」
そう言って凛に背を向けて跳ぶ用意をした。
凛「待ってください!!。私はどうなりますの!?」
高「心配するな。後遺症も無いし、ちゃんと家に送ってやるから」
そう言って高雅は空高く跳んだ。
高度500メートル。
月と星が照らす空に高雅は足場を創り、立っていた。
高「さあ、行くぞ。準備はいいか、アリア?」
ア「何時でもいいよ」
高雅は双剣を真上にある月に向けてかざした。
高「再生+波動+空間+破壊の力!!!!」
その瞬間、高雅を中心に波動が日本全体に轟き、高雅、アリア、レオ以外の記憶が破壊され、町や被害に遭った人が再生し、全てが元の場所へ空間移動した。
高雅は自分の部屋に移動していた。
高「・・・終わったな・・・」
ア「少しだけもの寂しいね」
レ「しかし、これが最善の手であったのは事実だ」
高「まあな。俺もこれしかいい手が思いつかなかったし」
ア「・・・せっかく友達ができたのに・・・」
高「きっと、またなれるって。だから落ち込むな」
高雅がアリアを励ました。
すると、アリアは笑い出した。
ア「ふふふ、まさかコウガからこんな言葉が聞けるなんてね」
高「べっ・・別にどうだっていいなら気にしねえけどさ」
ア「完璧なツンデレね」
高「うるせー!!」
レ「ふふふ、賑やかであるな」
高「もう寝る!!。明日も普通に学校があるからな!!」
高雅は布団に潜り込んだ。
ア「お休み、コウガ」
レ「今日はお疲れであったな、コウガ殿」
高「今日はもうねえよ」
アリアとレオも高雅の部屋を出た。
こうして、第2次天獄戦争は起らなかった。
天獄戦争編 fin
戦いばかりだったので次回から少しコメディーに行きたいと思ってます。新キャラも登場する予定です。