天獄戦争編 その2、地獄の目的
今ここに
高雅・D VS 謎の巨人
の戦いが幕を開けようとしていた。
高「おい、命が欲しかったらさっさと教室に戻れ」
D「それはこっちのセリフでもあるぞ。無駄にかっこつけて怪我しても知らんぞ」
高「お前、これは遊びじゃないぞ」
凛「あなた達、私に構わず早く逃げなさい!!」
D「大丈夫だ。君は僕が守る」
凛「え!?・・・」
Dの王道のセリフによって、凛の顔が少し赤くなった。
高(どっちが、かっこつけてんだが・・・)
D「行くぞ化け物。てりゃあああああああああああ」
Dが一人で巨人に突っ込んだ。
もちろん、武器も何も持っていない。
つまり、単なる自殺行為である。
巨「グゴオオオオオオオオオオ」
巨人が大剣を大きく振りかぶった。
D「バカめ。お前みたいな巨人がこの廊下で剣を振り上げたら天井に引っ掛かるだろ」←フラグ
振りかぶった大剣は天井に引っ掛かった・・・わけが無い。
天井を貫いて、まるで天井が無いように普通に振りかぶっている。
D「あれ、もしかして、俺って死亡フラグもろ立ってる?」
はい、その通りです。
巨「グオオオオオオオオオオオオオオ」
巨人が大剣を振り落とす。
D「あ、俺、THE END?」
ガンッ!!
巨「グオッ!?」
巨人の大剣は蒼いシールドによって防がれた。
・・・にも関わらず、Dは死の恐怖により気絶した。
高「使えねえ・・・と言いたいが囮としては良かったよ」
高雅は契約の力を既に発動しており、巨人の後ろにいた。
高「おい、でかっぱち。死にたくなければその人を放せ」
巨「グゴオオオオオオオオオオオ」
巨人は聞く耳を持たず、振り向きと同時に大剣を振り上げた。
高「お前、状況判断できてねえのかよ」
その瞬間・・・
ズバッ!!
巨「グオオオオオオオオオオオオオオ」
巨人はさっきの威勢の声とは違い、悲痛の声を上げた。
大剣を握っていた腕が斬り落とされていた。
高「Dではないが、バカだなお前」
実は、高雅はあれから一歩も動いていない。
後ろに回っていたのは創造の力で作った分身だ。
背を向けたその瞬間を狙って本物の高雅が瞬速で斬ったのだ。
高「分かったか、巨人。これが力の差だ」
巨「グウウウウウウウウウウ」
巨人は高雅を見て怯えていた。
すると巨人は凛を放した。
高「な~んだ。言葉の分かる奴だったのか」
凛はすぐに巨人から離れ、高雅の下へ向かった。
凛「崎村さん、それは一体なんですの!?」
高「遂に来たか、この日が」
高雅はいつかは来ることを分かっていたように溜息を一つこぼした。
高「まあ、色々話すことがあるから。まず、俺の教室に行け。まだ皆逃げてないようだし、この際今いる全員まとめて話す」
凛「分かりましたわ」
凛は教室へ向かった。
高「俺らも行くか。その前に・・・」
高雅は巨人の下に歩み寄った。
そして、巨人にこう呟いた。
高「隙を見て、俺と会長さんを斬るつもりだったんだろ」
それを聞いた巨人がビクッとした。
高「しかし、体が動かなかった、だろ。見え見えなんだよ。お前の体は俺が斬った時、静寂の力で溺れさせてあるから指一本動かせねえよ。残念だったな」
高雅はそこに転がっていたDを拾って教室へ向かった。
教室に戻った高雅は取りあえず教室にいる奴を安心させるために、教壇に立ってこう言った。
高「巨人さんはぎっくり腰で動けなくなったぞ」
教室内でこの話を信じた人:0人
D「大丈夫かい、凛?。怪我はないk「うるさい!!、私に近寄るないで!!」ど、どうして!?」
凛「一瞬でもときめいた私がバカでしたわ」
D「もしかして・・・・・俺に惚れた!?。マジ!?、本当!?。もう、何時でもキスしに来ちゃっていいかr〈ドガッ!!〉はぐ!?」
凛「ふざけないで!!。あなたのような見かけ倒しの人に唇を渡すものですか!!」
凛の必殺みぞ打ちパンチによって、Dはまた気絶した。
龍「ねえ・・・もう・・教えてあげて・・・アリアさんのこと」
高「今、その気なんだけどね」
夢「何、アリアって!?。まさか、崎村の彼女?」
高「この状況でどうやったらそう判断するんだ。アホッ子」
夢「なぁ!?。昔のあだ名で言うなーーーー」
A「何だよアホッ子って?。ダッセー」
夢「今すぐに死ね!!!!」
夢がAに関節技をかけた。
A「ぎゃあああああああああああ。ギブギブギブ<ボギッ!!>のわあああああああああああ」
高「あーあ。今の音、完全に骨いったよ」
凛「いい加減にしなさい。早く本題に移りなさい」
高「焦るな会長さん」
凛「私は会長という名ではありませんわ。姫花 凛と言う名がありますわ」
高「じゃあ、焦るな姫花」
凛「この状況で焦るなと言う方が無理ですわ」
高「いかなる状況でも落ち着くことは大切だぞ」
ア「もう、早くしようよ」
購買部組・夢・凛「何、今の声は!?」
知らない者全員が声をそろえて言った。
高「説明は全てお前がしろよ」
ア「どうしてよ!?。コウガも手伝ってよ!!」
高「取りあえず、人間の姿にでもなれ」
すると、腰のベルトに挿していた双剣が光り輝く。
C「一体、何なんだよ!?」
そして、高雅の隣にアリアが実体化した。
ア「初めました、皆さん」
高「おい、初めましたって何だ?」
ア「あっ!!、間違えちゃった」
A「崎村あああああああああああああああああああ」
Aが骨がいっているにも関わらず、ずいずいと高雅に近づいて来た。
A「お前は人外キャラ萌えだったのかあああああああああああああああ」
ボギッ・・・バギッ・・・
注意:これはボコッた音ではありません。
高雅の指を鳴らす音が異常にでかかっただけです。
つまり、ボコる下準備。
A「今日の俺はそんな脅しに怯まないぞ。この野郎、羨ましすぎrふご!?」
高雅はそこにあった野球ボールをAの口に詰め、襟を掴んで廊下へ連行した。
ドガッ、バギッ、グチャッ・・・しばらく、お待ちください・・・グシャッ、グギッ、メキッ
高「あー、スッキリした」
高雅は手をパンパンとはたきながら戻って来た。
Aは原形を留めておらず、モザイクが必要なほど哀れな姿になっていた。
ア「と・・・取りあえず、何から話そうか?」
凛「あなたは誰なのかと崎村さんとの関係は何なのかしら?」
ア「私はアリア。こう見えて天使よ。えっと・・・コウガと一緒にいるのはコウガの人生を見直しさせるためだけど、最近は妙に地獄の使い達に絡まれてね」
凛「なら、先ほどの巨人は地獄の使いだということかしら?」
ア「あれは違う。あれは創造の力で作られた、言わば人形かな」
凛「そうぞうの・・・ちから?」
ア「私達使いには何か力があるの。力は使いそれぞれだけど色々あるの」
E「なあ、天使と使いってどう違うの?」
ア「殆ど変わらないけど、現世を行き来できるのが使いって感じかな」
C「天使なのに黄色い輪っかや羽が無いのはなんで?」
ア「天使全てがそういう作りじゃないってことかな」
高「なんか、だんだん余分なことを聞いてねえか?」
夢「そんな話が信じられるわけないじゃん」
夢が割り込んできた。
高「ほー、アホッ子のくせに現実を見るか」
夢「うるさい!!。とにかく、そんな話が信じられるわけないじゃん。どうせあんたの悪戯でしょ?」
高「俺がこんな大規模な悪戯をする訳が無い」
D「とか言いながら、実は女子にもてたいからかっこいい所を見せようとしたんじゃねえのか?」
高「さっき、かっこ悪かったからってそんなこと言う奴は一生もてんぞ。てか、起きてたんだな」
D「うるせー。絶対お前より先に彼女を作ってやる!!」
高「どうでもいい挑戦だな。後、そろそろ質問タイムを終わらせていいか?。敵さんが来たようだし」
そう言うと高雅はここにいる全員に窓の外を見せるように促した。
B「げっ!?、何じゃあれ!?」
その光景はさっき倒した(正確には瀕死)巨人が何十人も校舎に近づいていた。
ア「なんて数なの!?」
高「そんなことはどうでもいい。問題はなんで今になって懸命に襲ってくるかを考えろ」
ア「え!?、どうして!?」
高「こんな何時でもできるようなことを今になってするってことは何か理由があるはずだ」
ア「・・・天獄戦争と関係でも・・・」
アリアの小さな呟きを高雅は聞きとり、あることが閃いた。
高「まさか、俺達を殺す方法の一つかもな」
ア「どういうこと!?」
高「俺の考えが正しければ、すぐに天国兵が来るはずだ」
D「おい!!、空から何かがやって来るぞ」
それは高雅の予想通りの天国兵が何千人を連れてやって来た。
高「まあ、これで地獄の大まかな考えが分かった」
ア「それは一体・・・」
高「まあ、もう読者の6割が理解してると思うが言ってやるよ」
緑淵町で天獄戦争をして、俺とアリアを殺すことだ。
アリアは戦争、それ以外は殺すという言葉に反応して絶句し、凍りついたように固まった。
そして、少し経ってアリアが口を開いた。
ア「え!?、コウガは緑淵町とは関係ないって・・・」
高「前話をよく聞け。俺は可能性がほぼゼロって言ったんだぞ。ないとは言ってない」
凛「崎村さん、あなた達を殺すってどういうk」
ガシャーン!!
凛の声をかき消すように扉が破壊された。
そして、そこにはあの巨人が何人もいた。
高「あちゃー、来ちゃったな。今度は団体戦か」
高雅はそう言いながらアリアを双剣に変えた。
また、巨人と高雅の戦いが幕を開けようとしていた。




