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絆編 その15、高雅の想い

明けましておめでとうございます。

2011年は本当に色々ありましたね


そして、この小説も新年早々終わりそうです。


では、最後まで見守ってくださるド広い心の方は見守ってくださいM(_ _)M

力の具現体は何もせずに高雅をずっと見下していた。

高雅は這いつくばって耐えながらも力の具現体を睨みつけていた。

すると、力の具現体はゆっくりと高雅の目の前に下りてきた。

高「・ぐぐ・・・テメェ・・・」

力「・・・・・・・・・・・」

高「見下しやがって・・・あぐっ!?」

少しでも喋って気を散らせばすぐに体が消えてしまう感覚に襲われる。

すると、高雅は力の具現体の足を必死に掴んだ。

高「テメェ・・・調子に・・・乗るなぁ!!!!」

力「ッ!?」

突如、力の具現体に宿っている力が流出しだした。

でたらめに出て行った様々な力は辺りで効果を発動し、カオスになっていた。

高「お前を・・使っていたのは・・・俺だからな・・・こんなの・・朝飯前だ!!」

力「ッ!!」

力の具現体は高雅から離れようと足を振るいだす。

しかし、高雅はしがみ付いて簡単に離れようとはしない。

力の具現体は足を振るうだけでなく、高雅の腹を蹴りだした。

その威力は当然のごとく絶大で、高雅は口に血を含んでいた。

高「ぶ・・・ぐあっ・・」

流石に吸収と攻撃を同時に耐えている為か限界が早かった。

高雅は蹴り飛ばされて動かなくなった。

力の具現体は高雅に力を出されて一時的に膝をついた。

しかし、吸収した力ですぐに立ち上がった。

力の具現体は高雅の近くへ歩み寄り、再び見下した。

力「・・・・・・・・・・・」

力の具現体は静かに座りこみ、高雅の頭に手を伸ばした。

その時だった。

A「人間キィィィィィィック」

力「?」

Aが全力疾走からの飛び蹴りで力の具現体の顔面を蹴った。

しかし、力の具現体は全く動じずに、Aは壁を蹴ったかのように跳ね返って転んだ。

A「いった!?」

Aは尻を擦りながら痛みを和らげていた。

ア「大丈夫?」

遅れてきたアリア、そしてマリアとルシフェル。

アリアはAに声を掛けて上げた。

一方でマリアは倒れている高雅に近づき、力の具現体と向かい合った。

マ「・・・・・・・」

力「・・・・・・・・」

マリアは何もせず、また力の具現体も何もしなかった。

すると、マリアは高雅に手をかざし、ルシフェルの力を抜き取った。

当然のごとく、ルシフェルの力は吸収されてしまう。

マ「さぁ、決着をつけてね」

そう言って、マリアは身を引いた。

間もなく高雅の目が開き、起きた瞬間に関わらずに体を起して力の具現体と距離をとった。

高「・・・あれ、苦しくない?」

ア「コウガ!!、大丈夫!?」

高「え、アリア!?。何でここに・・・てか、記憶回復してる!?」

ア「コウガ・・・コウガァ!!」

高「うわっと!?」

色々と訳が分からない状態の高雅だが、アリアは高雅に抱きついた。

全く理解していない高雅は戸惑いながらもしっかりと受け止めていた。

マ「間にあって良かった」

高「なぁ、どういう事だ?。色々と訳が分からん」

マ「でも、やるべきことは分かるでしょ?」

高「・・・・まぁな」

高雅は力の具現体を睨みつける。

力の具現体は待ってくれているのか襲い掛かる様子はなかった。

最も時間をもらってもいずれ爆発して負けになってしまうが。

高「・・・もう時間がない。アリア、耳をかせ」

ア「ん?」

高雅はアリアに耳打ちをすると、アリアは目を丸くして驚く。

しかし、すぐに高雅の考えを理解して笑顔になった。

ア「ほんと・・・コウガは優しいね」

高「最終の手段だ。優しさもへったくれもない」

ア「もう・・・うん、一緒に皆を守ろう」

高「・・・ああ」

A「んで、俺は何をすればいい?。何でもやるz「皆のとこに戻って帰る準備をしろ」は?」

高「任せたぞ、主人公・・・じゃあな」

ア「バイバイ、A君」

高雅が勝手に決め付け、Aの承諾も得ずに力の具現体へと向かって行った。

Aは手を伸ばして制止の言葉を掛けるが、二人は全く聞かずに進んで行った。

すぐにでも走り出して二人を止めたかったが、何故か動くことができなかった。

二人が別れ際の言葉が妙に重く感じたのだから。

未だ唖然と二人を見送るAは手を伸ばしたまま動けない。

すると、マリアがAの肩を叩き、優しく言葉を掛けた。

マ「二人を見守ろう。私達はそれしかできないから」

A「え・・・」

ル「仲間なら最後まで見届けてやるのだ。あの二人の決意を」

Aはただ二人の背中を見守り続けた。

A(・・・結局、主人公はあいつらだった訳か・・・俺もまだまだだな)

Aは溜息を吐きながら、そう思った。

そして、二人は力の具現体の目の前までやって来た。

高「待たせたな」

力「・・・・・・・・・・・・」

既に、力の具現体の体には罅が入り、今にも砕けてしまいそうだった。

爆発までもう十分もないだろう。

その為か、力の具現体は全く動く気配がなかった。

高「アリア、怖くないか?」

ア「・・・正直怖い。けど、コウガと一緒なら大丈夫だよ」

高「あっそ・・・いくぞ!!」

ア「うん!!」

二人は同時に力の具現体の肩に触れた。

その瞬間、辺りに力が暴発し始めた。

先程、高雅がやったと同じように力の流出を行って時間を稼いでいるのだ。

しかし、それだけじゃなかった。

高「いいか!!。空間の力を見つけたらここから空間がどこにも繋がってない所に繋げるんだ!!」

ア「分かってるよ!!」

A「ちょ!?、何やってんの!?」

二人は無数にある力の中から空間の力を探していた。

遠くで見ているA達だが、周りでは爆発したり火柱が立ったり岩が創られたりと危険であった。

それでも、逃げ出さずにずっと二人を見続けていた。

マ「・・・成程ね」

A「何ですかぁ!?」

ル「・・・一緒に死ぬつもりだ、あの二人」

A「・・・は?」

ルシフェルの言葉にAが固まった。

ル「簡単な話だ。ここから繋がっていない場所に行くだけだ。あいつを連れてな」

A「つまり・・・死ぬ気なのか、あいつら!?」

マ「そうでもしないと、私達が助からない。コウガなりに考えた結果が導き出した答えよ」

A「ふざけるな!!。絶対に止めさせt「無駄だ」何で勝手に決めるんだよ!!」

ル「あいつは何度もこういう危険な事を乗り切り、多くのものを救って来た。そんな奴が考えた事だ。他に救いようがない」

A「それは・・・」

Aは何も言い返せなかった。

高雅は色々な事を救って来た。

高雅は常に最良のやり方で救ってきた。

だからこそ、ああいう考えになったのだろう。

そんな高雅が考えたやり方にAは反論することすら許されないのだと自覚した。

ル「だからこそ、見届けてやれ」

A「・・・あいつら、かっこつけやがって・・・」

Aは文句を言いながらも高雅達の事を見ていた。

高雅とアリアは必死に空間の力を探していた。

ア「・・・ねえ、コウガ」

高「こんな時に何だ?」

ア「もう離れないから」

高「・・・そうかい」

ア「一緒に・・・やり遂げよう!!」

高「ああ」

二人が空間の力を探しているも、刻一刻と力の具現体の体は脆くなっていた。

もう数分も持たないだろう。

それでも、二人は諦めずに空間の力を探し続けた。

高「・・・・あった!!」

ア「ほんと!?」

高「ああ、これでこいつを宇宙の彼方にでも連れて行けば・・・」

ア「皆が助かるんだね」

高「そうだ。じゃあ、さっさとこいつを連れて・・・」

遂に望んでいた力を見つけ出した。

力の具現体が爆発する前に移動することができるだろう。

すると、アリアは突然、高雅に抱きついた。

高「んがっ!?、何するんだよ!!」

ア「・・・どうせ一人で連れて行く気なんでしょ?」

高「ッ!?」

ア「分かるんだよ。私だって高雅の考えが。でも、こうしたら一緒だよね」

高「・・・放せよ」

ア「嫌」

高「こんな奴、俺一人で連れて行けばいいだろうが」

ア「・・・もう離れたくないよ・・・グスッ」

高「ッ!?」

アリアが高雅の胸で涙を流し始めた。

肩を震わせ、手に力を入れて高雅を放さないようにしていた。

そして、自分の胸に秘めた言葉を話した。

ア「私・・・コウガが好きなんだよ・・・ずっと前から・・・凄く好きで・・時が経つにつれてその思いが大きくなって・・」

高「・・・・・・・・・」

ア「でも・・コウガは気付いてくれなかった・・・私がこんなに苦しんでたのに・・・」

高「・・・・だから、俺は優しくないって言っただろ・・・」

高雅はアリアの肩を掴んで優しく押しのけ、アリアの顔を見て言った。

高「・・・ずっと分かってた」

ア「え!?」

高「俺は殺気が読める奴だぞ。気付かない方がおかしいって」

ア「え・・あ・・・」

高「・・・・・・・・ずっと知らない振りして、アリアを苦しめる奴が優しいと思うか?」

ア「コウガ・・・うっ!?」

すると、高雅は不意打ちでアリアの腹を殴り、アリアはそのまま気を失った。

ゆっくりとアリアを寝かせ、力の具現体と高雅の足下に空間を開いた。

高「だから、最後は優しい自分でいさせてくれ。俺はお前が好きだから・・・失いたくないんだ。それに言っただろ、見殺しにするわけねーだろって」

そう言って、力の具現対の肩を掴み、空間の中へと押し運んだ。

力の具現体が空間の中で爆発すると同時に、高雅の開いた空間は閉じられた。

力を吸収する眩い光も力の具現体が居なくなったお陰で完全に消滅した。

そして、全てが終わったのだ。

A「・・・・・・・・・・・・あのバカが・・・」

静かになったこの場所で、Aはそう呟いた。









数分後、レオ達が駆けつけてきた。

光が見えなくなってここへ来たのである。

レ「・・・どういった状況だ?」

A「全てが終わったとでも言っておこうか」

フ「・・・コウガ様はどこです?」

A「あいつは・・・」

ア「ん・・・は!?」

アリアが目を覚まし、すぐさま高雅を探した。

しかし、いない事に気付くと涙を浮かべた。

ア「・・・バカ・・・コウガの・・・バカァ・・」

エ「コウガ君はまさか・・・」

A「・・・そのまさかだ・・・」

Aの言葉を聞いて皆は絶望した。

しかし、たった一人だけが余裕の表情だった。

ロ「大丈夫!!。俺っちが再生w「高雅の媒体なんて一個もないぞ」・・・それは・・」

Aの言葉にがっくりと肩を落とすログナ。

結果、全員のテンションがゼロになった。

サ「・・・ホント、バカな奴じゃ・・・全く・・・」

シ「えぐ・・・おにいちゃぁん・・・ひぐ」

サミダレも暗い顔をしており、シリアは泣き崩れていた。

すると、地響きが聞こえ、皆は不安そうにあたりを見渡した。

マ「いけない。あれだけ力が関与されて空間が崩れてる!!。皆、早くあの空間に入って。二度とここから出られなくなっちゃう」

マリアはいち早く状況を理解し、皆を促す。

緊急事態の為、すぐに動きだして空間を出て行った。

しかし、アリアはまだ動かなかった。

マ「アリアちゃん、早く!!」

ア「コウガ・・・」

マ「高雅からもらった命を無駄にしちゃ怒られるよ!!」

ア「!!・・・分かった・・・」

アリアはマリアの言葉を聞いて涙を拭いて空間へ走った。

殆どの人が空間へ入ったがマリアとルシフェル、コイカ、S-04、ゴドは空間に入らなかった。

紗「さあ、あなた達も早く!!」

マ「私達は一度消えた存在。もう十分よ」

ル「私も同じだ」

コ「最高指揮官様もセイクリッドもないなら、生き返る意味がないわよ」

S「ビービー ワタシ ハ ヤルベキ コト ガ アリマセン。ココデ キエマス」

ゴ「生き返りたいとは思っておらぬ。ここで別れじゃ」

紗「・・・そうですか・・・ありがとうございました」

紗奈恵は最後の別れに頭を下げた。

そして、繋がっていた空間は閉じられ、皆は現世に帰っていた。

A「ここは・・・」

辺りを見渡すと、ここは森の中で少し開けた場所だった。

近くには綺麗な池があり、春の陽気で美しい花も咲き誇っていた。

ア「お墓の前だね」

レ「綺麗な場所だな」

エ「まるで秘密の花園だ」

フ「えっと・・・・ッ!?、このお墓、サキムラです!!」

サ「では、ここはコウガ殿の家族の墓か!?」

紗「実際、中には誰もいないけど・・・高雅が一人で建てたのかしら?」

文「あいつ、俺らの墓を作ってたのか・・・」

勇「まあ、当たり前と言えば当たり前だがな」

ア「・・・皆」

アリアが立ち上がり、皆を呼び掛ける。

すると、アリアは笑顔で言った。

ア「帰ろう。皆が帰る場所に」

紗「・・・・・・そうね。こんな所に居ても何もないもの」

文「それじゃ、俺らは先に帰らせてもらう」

勇「じゃあな」

紗奈恵が空間を開き、先に3人は天国へと帰った。

A「・・・んじゃ、俺も帰るわ。じゃあな」

ロ「俺っちと蓮田が案内するぜ。森なら大体の事は分かるからすぐに道に出られるぜ」

蓮「この獣道、人が歩いた形跡があるからきっと道に出られるよ」

Aは後ろを向きながら手を振り、蓮田が教えた獣道を歩いて行った。

ロ「じゃあな、また飯でも食いに行くぜ」

蓮「バイバイ」

ログナと蓮田もAの後を歩き、帰って行った。

それを見送ったアリアが皆に顔を合わせる。

ア「私達も帰ろ」

アリアの言葉に皆は頷き、獣道を歩いて行った。

ただ、離れる前にアリアは墓の前に一本の花をそえた。

BAD ENDが好きでしたらここで読み終える事をお勧めします。


一応、後少しだけありますよ。

作者は無理矢理でもHAPPY END主義ですw

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