絆編 その8、兄VS弟
月~金まで深夜からしかフリーな時間がない週ばっかり。
土日もバイトと睡眠で大抵が潰れる。
自分の生活を見返すと本当にギッシリだw。
笑い事じゃないですね。
遅れてすみません。
廊下が新しくなり、試合は元に戻る。
勇人は灼熱のブーメランを肩に担いで余裕を見せる。
勇「さぁ、仕切り直しと行こうか」
高「何が仕切り直しだ。お前のダメージは残っているだろ」
勇「だったら、追いつくまでだ!!」
勇人はブーメランを投げずに、接近して来た。
高雅に取って、唯一ダメージを与えられる接近戦であるため、好都合ともとれる。
勇人はブーメランを振り回し、打撃として使う。
高雅はそれをことごとく避けていくが、所々皮膚が焼けていた。
高「あっつ!!」
勇「どうした?。もうダメージが追いついたか?」
高「ぬかせっ!!
高雅は隙を見て勇人の頭を蹴ろうとしたが、見切られてしまいブーメランで防がれてしまった。
ブーメランに触れた靴は燃え上がり、高雅は目を丸くして焦った。
高「あちいいいいいいいいいいいい」
高雅は足を振り回して消火しようとするも、火は全く消えない。
その隙を狙って勇人がブーメランを振りかざす。
勇「もらった!!」
高「なわけねーだろ」
勇「なっ!?」
勇人は殺気まで読みとって、高雅が本当に焦っているのが分かっていたが、それは違った。
高雅は焦っている殺気を放っていたのだ。
勇人は殺気を感じることはできるのだが、相手の思考まで読むことは出来ないのだ。
高雅は後ろから狙っている勇人をジャンプして避け、そのまま回し蹴りで勇人の顔面を蹴った。
それも、燃えている靴を使ってだ。
勇人は数メートル吹き飛ばされて倒れた。
高「おまけだ」
高雅は燃えている靴を蹴って脱ぎ、器用に勇人の腹の上に乗せた。
勇「うわちちちちち!!」
勇人の服は直に炎を浴びて、燃え上がり始めた。
勇人は手や地面で擦って必死に鎮火させていた。
その光景を高雅は笑いながら指を差していた。
高「ははははは、おもしれぇ!!」
ロ(すげぇよ。力がないのに翻弄してるぜ)
蓮(やっぱり強いね、こうが兄ちゃんは)
影から見ていた蓮田達がつい呟く。
すると、勇人が起き上がってポケットから青い球体を出した。
勇「調子に乗るなよ!!」
高「もう次を使うか。追い詰められ過ぎだろ」
高雅の言葉も聞かずに、勇人は青い球体を装着した。
すると、ブーメランの周りに水蒸気が発生した。
高「次は何だ?」
勇「受けてみれば分かる」
そう言って、勇人はその場でブーメランを振った。
すると、高雅は熱い蒸気が体全体に当たった。
高「?、そこまで熱くないぞ」
勇「どうかな?」
高「・・・!!、あっつ!!。てか、動けね!!」
急に高雅についていた水滴の温度が上がり、高雅の動きを封じた。
徐々に上がる水滴の温度に、高雅はまたやけどが増えていた。
拭いたくても、全然動けない体でどうしようもなかった。
勇「へっ、静寂を兼ねた水で動けないだろ。こいつで終わりだ!!」
勇人は高雅に向かってブーメランを投げた。
ロ(おいおい、やばいぞ!!)
蓮(こうが兄ちゃん!!)
二人は助けに行きたくても、既に間にあう距離ではない。
高雅がきっと何かしてくれると祈り続けた。
高「・・・・・こんな単純な騙しに引っ掛かるとか、情けない」
勇「何っ!?」
高雅は普通に手を動かし、ブーメランをキャッチした。
そして、水滴を拭って静寂が全く通用してない事を示した。
勇「何故だ!?」
高「これ、忘れてないか?」
そう言って、高雅が取り出したのは『選別の飾り』である。
アリアからもらったネックレスであり、自分の好きに力を無効にできる代物だ。
ただし、直接自分の体に影響が出るものではないと、その効果は発揮しない。
高「活性自身は水滴の方だったからどうにもできなかったが、静寂は余裕だろ」
勇「くっ・・・うかつだった」
高「そして、何もない俺は武器が欲しい所さ。勇兄の殺気で読ませてもらった。ブーメランが強化するってことを」
勇「だから、最初はブーメランを取ろうとしなかったのか」
高「そっ。ぶっちゃけ、活性だけだったら触れられなかったが、静寂が入ったお陰で俺にも触れられるようになったし、そろそろ盗み頃かなっと思った訳だ」
ロ「すげええええええええええええええええええええええ」
遠くから聞いていたログナが大声でほえる。
蓮田はログナと違って静かに高雅の凄みを感じていた。
高「さぁて、一気に決めてやろうか」
勇「ふん、例え武器がなくても、お前ごときにやられる訳がねーだろ」
高「どうかな?」
高雅はブーメランから赤い球体を取り外した。
すると、ブーメランから水蒸気は消えた。
勇「何をするきだ?」
高「これって言わば活性の塊だろ。利用するしかねーだろ」
高雅は赤い球体を握り、活性を吸収した。
かなり濃縮された活性が全て高雅の体へと移ったのだ。
赤い球体は透明な球体へ代わり、高雅はそれを投げ捨てた。
そして、高雅は一回だけ深呼吸した。
その瞬間・・・
ドゴッ!!
勇「がはっ!?」
高雅は瞬く間に勇人に近づき、腹を殴った。
活性で身体能力は尋常ではなく、速さも強さも何十倍にも上がっていた。
そんなパンチをもろに喰らった勇人は痛みで硬直していた。
さらに、高雅は器用に勇人を吹き飛ばしてなかった。
高「ふ~ふふ~ん♪」
適当な鼻歌をしながら、勇人の後ろに回った高雅は腕をぐるぐる回転させていた。
そして、その回していた腕を思いっきり振って「くの字」になっていた体を「逆くの字」にした。
用は後ろから思いっきり殴ったってことである。
今度はぶっ飛ばし、壁に叩きつけた。
高「中々な活性だな」
そう言って、勇人の飛ばした方を見る。
殺気がまだ消えてないため、勇人は倒れていない。
高雅はそれが分かっていて勇人から目を放さなかった。
勇「・・・てめぇ、本当に俺を怒らせたな」
高「何回怒れば気が済むんだ?」
勇「黙れ!!」
勇人は何かする訳でもなく、怒りのまま高雅に突進して来た。
高雅は突進してくる勇人の頭を掴み、受け止めた。
高「このまま潰す訳にもいかねえ。さっさとアリアの居場所を吐け」
勇「さぁな。俺は何も知らねえ」
高「・・・そのようだな。殺気からも読みとれねえ。だとすると・・・」
高雅は勇人を放り投げ、壁に叩きつけた。
そして、ブーメランを投げ、先端を器用に刺して勇人を捕えた。
だが、勇人は既に気絶しており、もう戦う力は残ってなかった。
高「結局、あいつしか分かってねえだろうな」
三人の中で一番強くて権利がある奴と言えば一人。
おのずと答えが見えてきて、高雅は溜息を零した。
高「・・・仕方ない。ジッとしている暇はない。てか、天国兵の動きがないな」
高雅は勇人と一緒に襲ってくるかと思っていたが、勇人が倒れた今でも兵は来ない。
殺気は既に解いており、とくに近づけるはずである。
ロ「よっ、おつかれちゃん」
高「どこの上司になったつもりだよ」
蓮「すごいね、こうがにいちゃん」
蓮田とログナが顔を出す。
レ「おお、ここにいたか、コウガ殿」
シ「お兄ちゃぁん!!」
続いて反対側からレオと手を振っているシリアがやって来た。
高「あれ、お前ら無事だったんだ」
レ「まぁ、少しばかり強行したが、何とかな」
高「別に頭は食べて良かったぞ」
レ「なっ!?」
高雅が呆気なくレオの殺気を読みとり、何をしていたか理解した。
そして、レオが最も気にしていた所を読み当てた。
レ「いやいや、教育上よろしくないぞ!!」
高「人を食う時点で手遅れだけどな」
シ「あの人ぉ、食べていぃ?」
シリアが指を差すのは勇人の事である。
蓮「た・・・食べちゃうの!?」
ロ「マジで食うの!?」
高「アホか。そんな暇はない。さっさと行くぞ」
高雅はシリアの話をさっさと流し、歩き始めた。
レ「さ、シリア殿。速くコウガ殿について行くぞ」
シ「うぅ~・・・・お腹すいたぁ・・・」
レ「ビクッ!?」
最も恐ろしい言葉を聞いて、レオは一気に高雅に隠れた。
レ「こ・・・・コウガ殿。何か、シリア殿の腹を満たす物はないか?」
高「ない」
レ「わ・・・我はどうすればいいのだ?」
ロ「笑えばいいと思うよ」
高「生きれ」
レ「他人事のように言わないでくれ!!」
シ「じーっ」
レオが必死にせがむんでも、高雅は相手にしない。
シリアがレオを何かを訴える眼差しで見つめていた。
ちなみに、涎を垂らしながら。
どう見ても、得物を狙う目であった。
レ「シリア・・・殿・・・?」
シ「あのぉ・・・レオさぁん・・・ちょっといいですかぁ?」
レ「敬語!?。シリア殿が敬語だと!?」
シ「そのぉ・・・腕一本・・・必要でs「いるに決まっておる!!」なぁんだぁ」
シリアがさぞかし残念そうに項垂れる。
だが、シリアの殺気を感じているレオは常に警戒していた。
高「・・・いい加減に行くぞ」
痺れを切らした高雅が声を掛ける。
普通に喋っていたが少しばかりの殺気を感じ、皆は大人しく従った。
その後、シリアの空腹はそこら辺にいた兵を食べさせておいた。
ちなみに、蓮田とログナにはその光景を見せていない。
アリアのノート 六ページ目
むねがいたい。
はりさけそうなほどいたい。
・・・くるしい。
・・・さみしい。
・・・こわい。
・・・つらい。
・・・かなしい。
・・・しにたくない・・・。
またわらいたい。
みんなと・・・みんな・・・
・・・みんなって・・・なに?