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絆編 その4、侵略開始

天国は今日も平和であった。

外で門番している兵士が欠伸をするほどである。

門1「それにしても、暇だな~」

門2「そうだな。これも、コウガって奴のお陰だな」

門1「あーあ、一度でいいからコウガって方に会ってみてーよ」

暇すぎて他愛のない会話をしている二人。

すると、目の前にある訪問者がやって来た。

それは、先程来ていたフィーラとエクスであった。

門1「おや、エクス様にフィーラ様。忘れ物ですか?」

エ「ああ、今回も用事でここに来たんだが・・・」

門2「何でしょうか?」

フ「ふっふっふ、それは・・・」

フィーラが一息置いてから門番に堂々と言った。


フ「天国を乗っ取りに来たです!!!!」


その瞬間、空を飛ぶ黒い龍が宮殿に体当たりした。

さらに、空は突然発生した黒い雲が一気に覆い隠した。

門1「な!?」

エ「悪いけど、これは冗談ではない」

エクスは把握しきれていない門番の隙をついて腹を殴り、気絶させた。

フィーラも、夢幻でもう一人の門番を再起不能にしていた。

エ「さあ、かなりの大手に喧嘩を売ってしまったぞ」

フ「全てはアリア様のためです。家族のために、頑張るです!!」

エ「そうだな」

フィーラとエクスは門から普通に宮殿へと入り込んだ。







変わって、屋上。

サミダレが宮殿に体当たりし、崩壊した所から数名侵入していた。

高「よっと、サンキュ。サミダレ」

ロ「派手にいったなぁ」

蓮「怒られないかな?」

レ「怒りで冷静さを無くさせるのは良い作戦だ」

シ「とうちゃぁく」

高「んじゃ、サミダレはそのまま空を支配してくれ」

サ「任せるのじゃ」

サミダレは高雅達を送り届けて再び空へと飛び上がった。

レ「しかし、本当にこれでいいのか?」

高「天国が荒れればセイクリッドも動くだろう。後はとっ捕まえて聞き出すだけだ」

ロ「よっしゃー、暴れるぜぇ!!」

蓮「あ、待ってよログナ!!」

ログナは一人で走り出し、それを追う蓮田。

レ「いいのかコウガ殿。自由にさせておいて」

高「別に。暴れてくれればそれでいい。お前らも自由にしていいぞ」

レ「いや、我はコウガ殿といよう。一応、コウガ殿は非戦闘員みたいなものだ」

高「おいおい、あまりなめるなy「見つけたぞ!!、侵入者」早速だな」

兵士がすぐさま駆けつけて来て剣を構えた。

しかし、兵士は高雅が襲って来たというのに少ししか驚いていなかった。

兵「本当に・・・紗奈恵様の言う通りだったのか」

そんなことを呟く兵士の声を高雅は聞き逃さなかった。

高「つまり、こうなることをあいつらは読んでいたと言う事か」

兵「と・・とにかく、本当ならば何としてでも天国を守る!!」

高「カッコイイ信念だな。けど、こっちも心のもやを無くすために天国を乗っ取るつもりだ!!」

そう言って、高雅はありったけの殺気を兵士にぶつけた。

強大な殺気の前に、兵士は震え、構えていた剣を落とした。

高雅はその隙に一気に踏み込んで兵士の目の前まで迫った。

高「所詮、覚悟の違いだ。そんな仕事の信念とかじゃなくて、自分の為の信念を持ちな」

高雅は兵士の腹を思いっきり殴った。

軽めの鎧もついているが、あまりの威力でかなりへこみ、普通にダメージが通っていた。

兵士は一撃で倒れた。

高「俺だって、こんな下級兵士ぐらい倒せる」

レ「そうか。ならば、コウガ殿の護衛は最小限で十分だな」

高「と、言う事で班は俺一人で」

レ「ま・・待つのだ!!。さすがに一人は危険ではないか!?」

高「心配するな。危険なの別の方だ」

レ「・・・そうか、シリア殿か。確かに、戦闘は出来ないだろう・・・」

高「いや、そっちじゃない」

レ「?・・・〈カプッ〉ッ!!」

レオの手に謎の感触が襲い、ゆっくり顔を向けるとシリアが噛み付いていた。

シ「おああういあぁ~《お腹すいたぁ~》」

レ「まさか・・・コウガ殿・・・」

レオが高雅に聞こうと首を戻すも高雅の姿は既になかった。

シ「おいうぅ~《お肉ぅ~》」

レ「止めるのだシリア殿!!。我を食べてもおいしくないぞ!!」

シ「うぅ~」

噛み付いた手を全く放そうとしないシリア。

このままレオが骨になるのも時間の問題である。

最も、骨すら残らない可能性が高いが・・・。

レ「あああああ、まずは厨房を占領するぞ!!」

シ「ふぁい」

レオは消えた高雅を気に掛けずにとにかく厨房を目指した。

自分の手が消えない内に・・・









門から堂々と入ったフィーラとエクスは順調に侵略していた。

来る兵士全員、夢幻の世界に閉じ込め、逆に操って戦わせたりと着実に進んでいた。

フ「おらおらー、やれやれーです!!」

エ「死なない程度、忘れてないだろう?」

フ「そのぐらい分かってるです!!」

そう言って、フィーラは夢幻に囚われている兵士達を巧みに操って進んで行く。

エクスは何もしていない訳でもなく、遠くから狙ってくる狙撃兵を空間を使っての不意打ちで気絶させていた。

そんな死角のない二人の侵略を止めるのは一筋縄ではいかない。

フ「適当にここにでも入ってみるです」

フィーラは一際大きな扉を見つけ、手に掛けた。

鈍い音を立てながらゆっくりと開き、中には巨大な階段が待ち構えていた。

エ「成程、ここは玉座のようだ」

フ「でも、誰もいないです」

そこには王様はおろか、兵士の一人も待ち伏せしていなかった。

流石に不審に思った二人は警戒を解かなかった。

すると、玉座の後ろからある人物が現れた。

紗「全く、楽園の王と女王が何をしているのかしら?」

フ・エ「ッ!!」

現れたのは紗奈恵だった。

今回は一人だけで他の二人は一緒でなかった。

紗「やっぱり、高雅の考えは怖いわね」

紗奈恵はゆっくりと階段を下りて来た。

そして、二人は徐々に大きくなる殺気に警戒心を強める。

紗「例え楽園の者だとしても、許さないわよ」

フ「ボクらだって負ける訳にはいかないです。何としてでも、アリア様を見つけるです」

エ「その為にも、サナエ君。君に口を開いてもらいたい」

紗「・・・随分と偉そうになったわね」

フ「普通に偉いです」

エ「そうだな」

紗「ふふ、そうね。でも・・・」

そう言って、紗奈恵の腕がハンマーと化す。

それと同時に、感じていた殺気が最大になった。

紗「今じゃ、強い方が偉いのよ」

フ「んぐ・・・でも、負けないです」

エ「ああ。アリア君の為にも僕らは反抗させてもらうよ」

紗「・・・はぁ、普通はすんなり言うこと聞くはずなのに。これも高雅のせいね」

エ「そうかもしれないです」

フ「確かに、コウガ君の影響が強いな」

二人は紗奈恵の殺気の前で高雅の名が出ただけで笑っていた。

紗「じゃあ、始めるわよ。こっちも高雅の為と思って動いてるのよ」

フ「そのコウガ様が反逆しているなら、ボクはコウガ様について行くです」

エ「僕もだ」

紗「そう、それじゃ、容赦しないわよ」

紗奈恵が構え、続いてフィーラとエクスも構える。

この広い玉座で2VS1が開始された。








変わってレオとシリア。

レオは動きやすいように獣状態で全力疾走していた。

ちなみに、今度は手から首の後ろを噛みつかれていた。

決して、腕を噛み千切られた訳ではない。

レ「厨房はどこにあるのだ!!」

シ「もぉ、あてあいおぉ《待てないよぉ》」

レ「待ってくれ!!。まだ顎に力を入れないでくれ!!」

徐々に血がにじみ出すも、レオは必死に堪えて宮殿内を駆け巡る。

途中、兵士がやってくるも軽くあしらって走ることを止めなかった。

?「おい、厨房はこっちだ」

レ「何・・・ッ!?」

走っていたレオが急に止まった。

それもそのはず、目の前には文夫の姿があったからだ。

今回は煙草を吸って壁にもたれかかっていた。

文「何している。首が無くなるぞ」

レ「あ・・・ああ」

怪しいと思い気も、首の痛みでそんなことを考える余裕はなかった。

レオはすぐに文夫が指差す扉に入った。

そこは本当に厨房であり、食材も放置されていた。

レ「さあ、シリア殿。好きなだけ食うが良い」

シ「んぁ?」

シリアがついにレオから離れ、目の前に置かれた食材を見つめていた。

シ「いただきまぁす」

そう言って、シリアは料理されていない食材にそのままかぶりついた。

シリアにとって、空腹を満たせればそれだけでいいのだ。

そんなシリアをしり目に、レオは文夫の方へ顔を向けた。

レ「どういう・・・事だ」

文「争いは好まねぇだけだ。今は紗奈恵がいないから本気出せねえし」

レ「しかし、セイクリッドの一員としてそれなりに実力は持っているはずだ」

文「怖いねぇ」

警戒心を全く解かないレオに対して余裕を見せる文夫。

文「お前達の行動は知っている。アリアの居場所だろ?」

レ「そうだ。我に教えてくれぬか?」

文「タダで教える訳にはいかねぇ。これも、元息子の為にやっている事だ」

レ「どういう事だ?」

文「俺らだって、嫌がらせで動いている訳じゃない。高雅に失う悲しみをこれ以上持って欲しくないだけだ」

シ「・・・そんなの・・・」

シリアが手を止めて文夫を睨みつけた。

そして、怒りを込めて文夫に怒鳴った。

シ「そんなの、酷過ぎる!!。生きてるか死んでるか分からないのはとても辛いよ!!」

いつもの緩い口調は消え、本気で言葉をぶつける。

シ「そんなことなら、いっそ死を確認した方がいいよ!!。あたしは・・・ずっと分からなくて・・・」

シリアが目尻に涙を溜め始めた。

シ「だから・・・お兄ちゃんに同じ思いをさせたくないのぉ・・・」

文「・・・・そうか。別に永遠に隠すつもりはない。落ちついた頃にでも伝えようと思ってたさ」

レ「その言いよう、まさか・・・」

文「安心しろ。まだ生きている」

レオは文夫の言い方が気に入らずに怒りを込み上げる。

レ「善処は尽くすと言ったはずだ!!。なのに、そのやる気のなさはなんだ!!」

文「はっきり言ってやろう。もう助からない」

レ「ふざけるな!!。我々はアリア殿を助ける方法を見つけたのだ!!」

シ「あたし、もう怒った!!。この人、許さない!!」

文「おいおい、勘弁してくれよ・・・」

文夫はただ正直に言っただけと言う面倒そうな顔をしていた。

レ「そのやる気のなさ、訂正してやろう」

シ「残さず食べてやる!!」

文「全く」

文夫は頭を掻きながら、煙草をそこら辺に捨てる。

レオとシリアは未だにやる気を見せない文夫に向かって接近した。









アリアのノート、ニページ目


今度こそ、ちゃんと書くぞ。

取りあえず、さっきの事でも書いておこう。

確か、サナエさんがやって来て、コウガがどうとか伝えてたような。

それに、他の二人と一緒に天国へ向かうって言ってたし。

二人の名前はえっと・・・

もう、これじゃ、またグタグタだよ。

取りあえず、コウガが何かしている事が分かったってことで。

それはそうと、足の指って4本だっけ?。

確か5本だったような気がするけど、見てみると4本だし・・・

う~ん、どっちが正しいのだろう?。

手は5本だけど、足は違うのかな?。

取りあえず、今は4本だし、4本って事にしておこ。

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