記憶
ディバイトの攻撃によってアリア達はボロボロになっていた。
デ「ははは、もう終わりのようだな。呆気ない者だ。たった話が変わっている間にやられるとはな」
ア「うう・・・強すぎる」
ロ「俺っちもう無理」
蓮「痛いよ・・・うう・・・」
アリア達全員が地面に伏せ、瀕死の状態でいた。
デ「ところで、そこに転がって起きない小僧は何なんだ?」
ディバイトは男性を操り、高雅に指を指して言った。
デ「生意気だな。勝負中に寝ているとは。そんなに寝たいなら永遠に寝かしてやろう」
ア「!?、させない!!」
アリアはボロボロにも関わらず高雅の壁になった。
デ「貴様、我に勝てると思っているのか?。例えその契約者が起きたとしても無駄なことだ」
ア「コウガを殺させない。私はコウガの使いだから」
デ「ほう、使いの心としては悪くないがその行動が自殺ということを理解しているのか?」
ア「く・・・」
アリアはディバイトの言っていることが本当のことだということが悔しかった。
ア「理解してても、絶対にどかない」
デ「まあ、ラギュラバル家の奴を我は黙って見逃すような者ではない」
ア「どういうk〈ガシン〉きゃあ!?」
ディバイトはアリアに鎖で繋がれた首輪を投げ付けた。首輪はアリアの首に巻きついた。
デ「ラギュラバルと言えば、先代から伝わる力がある。どんなものかは知らんが我はそれが欲しいからな。貴様は生かしてやろう」
ア「何これ!?。外れない!?」
デ「先に言っておくがそれは我の破壊の力を込めている。下手に扱えば首が無くなるだろう」
ア「う・・・」
アリアは首輪から手を離した。その瞬間・・・
グシャッ!!
ロ「はが!?・・・」
デ「不意打ちとしては問題なかったが我にそのようなことは通用せん」
ログナが後ろから近づいていたのをディバイトは気づいていた。
そして、ディバイトは男性を操り、ログナの腹の心臓部に風穴を開けた。
ロ「ちっくしょ・・・やっぱ・・・ダメ・・か」
ア「ログナ!?・・・」
蓮「ロ・・・ログナーーーーーーーーーーー」
蓮田は涙交じりの叫び声をあげた。
しかし、その声は届かず、ログナは完全に息を引き取った。
デ「そこのガキ、黙れ。さもなくば殺すぞ」
ア「レンタ君。少し静かにして・・・お願い・・・」
ディバイトの言葉が本当だと思い、アリアも蓮田に静かにするよう促せる。
蓮「うぐ・・・ひぐ・・・うう・・・」
デ「いい子だな。さて・・・次は・・・」
そう言いながら、男の体を高雅の方へ向けさせる。
ア「!?、ダメ!!」
それを悟り、アリアは男性を抑え込んだ。
しかし、その力はディバイトにとって、あまりにも幼い。
デ「お前は生かしてやると言っているのだ。お前も少し黙っておけ」
すると、男性は鎖を握り・・・
バリリリ!!
ア「きゃああああああああああああああ」
黒い稲妻を走らせた。
アリアは体が麻痺し、倒れた。
デ「さあ、待たせた小僧。永眠の時間だ」
男性が少しずつ高雅に近づく。
ア「や・・・やめ・・・て・・」
すると、アリアにある記憶がよみがえった。
そこは天国のどこか。そして、アリアの運命が変わった瞬間の場所。
その時のアリアは泣いていた。そこにある人が現れた。
?「お嬢ちゃん、どうしたの?。なんで泣いてるの?」
ア「うるさい、話しかけないで」
?「何かあったの?」
ア「話しかけないでって言ったでしょ!!」
?「・・・・あなたも似ているわね」
ア「何よ!!。しつこいわね」
バシッ!!
ア「っ!?」
突如、アリアをビンタした。
アリアは目を丸くして、再びある人の方を向く。
?「何甘えたこと言ってるの?。本当に一人でどうにかなると思っているの?」
ア「あ・・・あんた、ラギュラバル家に逆らってただで済むと・・・」
?「うるさいわね!!。子供が偉そうなこと言ってんじゃないわよ!!」
ア「ひっ・・・」
ある人の声は威圧があり、アリアは圧倒されていた。
?「人を拒んでやっていけると思っているの!?。いつまでもそうやって生意気な口を聞いていられるとでも思っているの!?」
ア「ちょ・・・くる・・・」
ある人はいつの間にかアリアの首を持ち上げていた。
?「あ・・・ごめんなさい。なんか、息子を怒ってるみたいで」
その人は我に返ると、すぐにアリアを下ろした。
ア「げほっ・・・ごほ・・・」
?「一つ教えてあげる。人は一人では生きられないのよ」
ア「そんなこと・・・嘘に決まっている。それに、私は人じゃない」
?「じゃあ、あなた一人でここに生まれてこれたの?」
ア「それは・・・」
?「少なからずでも、誰かのお陰で生まれてこれたはず。天使でも人でも一緒。一人だけで生きることなんて不可能よ。後、あなたは大切な人がいるでしょ?」
ア「それは・・・一応・・・」
?「私の息子はね、それを知らないの。教えてあげたいけど私にはもう無理なの」
ア「それは残念ね」
?「はぁ、一度でいいから現世に化けて出たいわ・・・ねえ、あなたは天使よね?」
ア「そうよ。あんたとは違うわ」
?「じゃあ、ダメもとで言うけど。息子の使いn「いや」即答ね」
ア「当たり前でしょ。人間なんてどうせろくなもんじゃないんだから」
?「じゃあ、ちょっと息子の生活を覗いて見て。そしたらまた聞くから」
ア「まあ、見るだけならいいけど、どうせ決意は変わらないわ。それと、どうやって見るのよ?」
?「はい、これ」
アリアは石のような物を渡された。
ア「何よこれ・・はっ!?」
その瞬間、アリアの頭の中に何かが映った。
ア「これは・・・何なの?・・・ひどい」
?「それが私の息子の姿。嫌いなものを壊す、一人で何でも抱え込むような性格よ」
この時のアリアはまるで未来の自分を見ているような気持ちだった。
ア「ダメ!!。そんなこと・・・はっ!?」
アリアは気づいた頃にはつい声に出していた。
?「どう、息子の使いになってくれる?」
ア「・・・何が狙いなの?」
?「狙いって言うことじゃないけど、息子の人生の見直しが狙いかしら」
ア「・・・いいわ。こっちの人間の方がやりがいがありそうだし」
?「そう、お願いするわ。あっそうそう、息子の名前は崎村高雅よ。高雅って呼んであげて」
ア「コウガ?、変な名前ね。まあ、過度な期待をしないでね」
?「後、恋愛感情を抱いちゃってもいいわよ」
ア「な!?・・・バカなことを言わないで!!」
?「ふふふ、あなたと高雅なら息が合いそうだけど」
ア「人間ごときに恋愛感情なんて抱かないわよ!!」
?「じゃあ、高雅の人生の見直しだけをお願いするわ」
ア「最初も言ったけど、過度な期待をしないでね」
?「はいはい、いってらっしゃい」
こうしてアリアは現世に行き、高雅とであった。
ア「だ・・・ダメ・・・」
刻一刻と高雅に近づく男性。
それは、高雅との別れのタイムリミット。
ア「嫌だ・・・失いたくない・・・」
最初は適当な気持ちも少しあった。何ならもっとダメにしてしまおうという気持ちもあった。
だけど、今は違う。
一人で生きられないことを教えてあげたい。もっと人生を見直せてあげたい。もっと友達を作って欲しい。
いや、今のアリアはそんなこと思っていない。思っていることはただ一つ・・・
もっと高雅と一緒にいたい。
ア「コウガ・・・コウガ・・・」
デ「何も話さずに消えてしまうとは残念なことだな。さらばだ」
男性が黒い剣をゆっくりと振り上げる。
デ「敵は簡単なうちに片づけた方がよいからな」
そして、振り下ろされる黒い剣。その時・・・
ア「コウガーーーーーーーーーーーーーーーーー」
当然、この状況を覆す何かが起こった。
高「おいおい、当然なんて言うなよ」
高雅が起きている時点でもう当然は確定条件だ。
高「あっそ。じゃあ、次回はお望み通りにしようかね」