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絆編 その1、覚悟

これが最後の章。

悔いがないように書き終えたい・・・

春の陽気が訪れる頃。

何もない通学路を自転車で学校へ向かう。

至って平凡な日常。

高「もうすぐ、三年生か・・・受験だな・・・」

ア「じゅけん?」

高「まぁ、勉強を頑張らないといけないって事だ」

ア「ふぅん。でも、コウガは頭いいから大丈夫じゃない?」

高「・・・まぁ、ノーベンでそこら辺の名門は軽く行けるな」

ア「頑張っている人に謝った方がいいんじゃ・・・」

高「事実だ。受け入れない奴は情けない心の奴だ。そんな奴が名門に行く必要はない」

ア「相変わらず、厳しい事を言うね」

そうして話している内に、学校に到着した。

全く変わらない足取りで教室へ入り、いつものようにチャイムまで寝る。

ア「ホント、変わらないな・・・」

変化しない日々に少し物足りなさを感じるアリア。

そう思っている内に自分も眠気を感じ、眠りだした。







飛ばして放課後。

学校は卒業式の準備のため、昼で終了していた。

高雅は寄り道をせずに真っ直ぐ家に帰っていた。

高「早く帰って寝るか」

ア「ホント、相変わらず・・ッ!!、ゲホッゴホッ!!」

高「何、むせてんだ?」

ア「ゴメン・・ゲホッ、・・・急に胸が・・」

高「ふ~ん。体は大切にしろよ」

ア「別に無理はしてないよ・・・って、治ってる」

高「あっそ」

胸の痛みが治った所で話は終わった。

家に辿り着き、玄関を開けて家の中に入ると、見慣れぬ靴があった。

高「?、ただいまー」

レ「コウガ殿!!、アリア殿は無事か!?」

高「は?」

高雅が帰って来たとたんにアリアの心配をするレオ。

しかし、それはレオだけではなかった。

フ「アリア様、元気です?」

ア「げ・・・元気だけど」

アリアが人間の姿になって無事なのを見せる。

エ「本当に無事かい?」

サ「痛みはなかったかのぉ?」

ア「痛みはさっきあったけど、もう治ったよ」

サ「な・・・・」

エ「本当に・・・」

高「さっきから何の話をしてるんだ?。分かるように説明しろ」

紗「それは私から説明してあげるわ」

現れたのは紗奈恵だった。

紗奈恵の他に、文夫と勇人のお決まりメンバーが揃っていた。

文「既に他の奴らに話したが、まさか話した直後になっているとは・・・」

勇「正直、高雅が暴走しなければいいが・・・」

高「意味が分からねえよ。お前らは本当に意味が分からねえ会話から始めるな」

紗「取りあえず、二人とも来なさい。そして、他の子たちは落ち着く事ね」

レ「・・・そうだな」

フ「正直、ボクは・・・」

エ「フィーラ君、心を決めなければ」

サ「まぁ、無理を強いるでない」

シ「あぅ・・・」

暗い顔をしつつ、五人はリビングを離れた。

残された高雅とアリアはソファに座り、話を聞き始めた。

紗「さて、高雅。これから話すことは嘘でも冗談でもないわよ」

高「はいはい、どーせルシフェルが復活したとか、そんな面倒なことだろ」

文「アリアはもうすぐ死ぬ」

ア「え・・・!?」

高「・・・・・・・・・」

文夫がそう言った途端、アリアは絶句し、高雅の動きも止まった。

そして、高雅は殺気を全開にして文夫の胸倉を掴み上げた。

ア「こ・・・コウガ!?」

高「喧嘩売ってんのか?」

文「落ち着け・・・と言っても無理な話だろう」

紗「でも、落ち着かなければ無理矢理でも止めさせてもらうわ」

高「・・・・・・・・・・・ちっ」

流石の高雅でも既に戦闘態勢に入った三人に勝つのは苦労するだろう。

勝てない事はないが、分が悪かったり、家で血を出すのも気に食わないため文夫を下ろした。

ア「えっと・・・どういう・・・」

紗「アリア、さっき胸が痛んだって言ったわよね」

ア「あ・・はい」

紗「やはり、その体、もう持たないかもしれない」

高「さっさと説明しろ」

高雅が怒りを抑えつつも、低い声でドスを効かせる。

文「いいか。アリアは元々普通の使いだ。それが、一人で大多数の力を扱えている」

勇「タイヤに空気を入れまくるとどうなる?」

勇人が分かりやすいように例えで教える。

それで感づいた高雅はすぐに言い当てた。

高「まさか・・・アリアの力の数が体に合ってないって訳か?」

文「そうだ。流石天才だな」

高「今さら、おかしいだろ!!。何で生まれた瞬間に死ななかった!?」

紗「最初から力が覚醒している訳じゃないのよ。アリアは貴方とであった力を覚醒させたため、体の負担が相当なものになったのよ」

高「じゃあ、俺がルシフェルを倒すように二度と回復しないよう全部出し切れば・・・」

紗「そんな簡単な策が思い浮かばないとでも?」

高「じゃあ・・・」

どうすればアリアは助かるのか、高雅は考え付かなかった。

真剣に考える高雅の横顔をアリアは心配そうに見ていた。

紗「高雅、受け入れなさい。そして、最も辛いのはアリアの方よ」

高「分かってる!!!!。だから、見殺しにする訳ねーだろ!!!!」

ア「コウガ・・・」

高「お前もぼさっとしないで、助かる方法を考えろ!!」

ア「う・・・うん」

紗「考えるのもいいけど、受け入れる覚悟をしなさい」

高「分かった分かった。お前らも考えろよ」

文「まぁ、最善は尽くすつもりだ」

勇「策が見つかるといいな」

三人は伝えるだけ伝えて帰って行った。

それを見計らって、レオ達がリビングへと戻って来た。

レ「コウガ殿・・・」

高「落ち込む暇があるなら考えろ。アリアを生かす方法を」

フ「で・・・でも、まだ決まった訳じゃないです」

エ「希望はまだ消えた訳ではない」

サ「協力して、方法を見つけ出すのじゃ」

シ「おぉ~!!」

ア「皆・・・うっ!?」

突然、アリアが胸を抱えて苦しみだし、床に倒れてもがきだした。

それを見た皆は全員が目を見開いた。

高「アリア!!!!」

真っ先に叫んだのは高雅だった。

アリアはもがき苦しんだ後、力尽きて気絶した。

皆、息を飲んでまさかだと思いこみ、棒立ちになっていた。

ただ、一人を除いて。

高「何してんだ!!。早くベットに運ぶぞ!!」

レ「え・・あ・・・ああ、済まない」

高「っち、お前ら・・・」

口では協力しようと言っていたが、いざとなって動けなくなった所を見て、高雅は怒っていた。

高雅はレオの背中にアリアを乗せ、取りあえず自分の部屋のベットへと運んでいった。







ロ「おぉぅ、まさか、こんなことになっているとは」

窓から中の様子を窺っていたログナが唖然としていた。

いつものように突然現れて飯をもらい、さっさと帰ろうと思っていたが、予想外の出来事を目撃してしまった。

ロ「アリアっちが死ぬだと・・・嘘だろ・・・」

ログナもまた、現実を受け入れられなかった。

しかし、目の前でアリアが倒れるのを見て、事実だと言うことは自覚していた。

ロ「やべぇよ。飯どころじゃなくなってるぞ、これ」

取りあえず、飯は諦め、ログナは戻って行った。

戸惑う心を落ちつける為に。







アリアが倒れた後、高雅が付きっきりで看病していた。

取りあえず、息はしている為、死んでない事は確かだった。

リビングで待機していた他の皆はこれからについて考えていた。

それも、最悪を備えての考えだった。

レ「アリア殿の身がもう持たなくなってしまったら、これからどうなるのだろう」

フ「今まで通り・・・にはいかないです」

エ「僕らが一人でも欠ければ、繋がりは狂いだすだろう。最悪、それぞれの道も考えられる」

サ「別れか・・・」

シ「えぇー!!」

皆、嫌なことばかり浮かんでしまっていた。

暗いムードから脱出不可能な状態になっていた。

そこに、高雅がやって来た。

高「目を覚ました。が、動ける状態じゃないみたいだ」

レ「そうか、良かった」

高「嘘つけ・・・」

レ「!?」

高「散々、アリアが死んだ後の話をしていて、生きてて良かったなんてよく言えるな」

フ「ち・・・違うです!!。そう言う訳じゃないです」

高「じゃあ、意味が無ければいいのか!?。お前ら少しは現実から抗え!!」

エ「しかし、仮にアリア君が生き抜いたとしても、その可能性は今の所0だ」

サ「万物はいずれ死を受け入れなければならないのじゃ。分かっておろぉ?」

高「・・・・・・ふざけるなぁ!!!!!!!」

今までにない怒りを見せ、さらに殺気を放つ。

もろに殺気を浴び、皆は震えて動けなくなっていた。

高「何が受け入れるだ!!。そんなことは百も承知だ!!!!。問題はそれに抗うことだろうが!!!!。覚悟を受け入れたら、お前らは何もしないのか!!!!」

高雅の言葉に何も返事がすることができない五人はただ目を見開いて聞いていた。

高雅は怒りどころか呆れ果てていた。

高「現実ぐらい、俺だって見ている。ただな、あんな現実はぶっ潰す」

そう言って、高雅はリビングを出た。

残った皆は一斉に止まっていた息を吐きだした。

レ「我らは、何をしているのだろう」

フ「さっきの無駄な時間を取り戻すです」

エ「そうだな」

サ「行くかのぉ」

シ「お兄ちゃんを助けるぅ!!」

今までの暗かったムードは一気に変わった。

五人にもう最悪の想像は無くなっていた。

そして、皆は高雅の部屋へと向かった。

しかし、出た途端に高雅とアリアが目の前で立っていた。

アリアは高雅の肩を借りて立っていた。

高「やっとやる気が出たか」

ア「皆・・・ありがとう」

レ「いや、まず謝らせてくれ。我々は最低だった」

フ「覚悟とか言って怖いことから逃げてたです」

エ「だから、僕らも一緒に戦うよ」

サ「遠慮するんじゃないぞ、アリア殿」

シ「あたしも頑張るぅ!!」

それぞれアリアを助け出す方法を探す事を誓った。

それを見た高雅が小さく笑みを零した。

高「ふっ、勝ってな奴らだな」

ア「でも、嬉しいよ。ありがとう、皆」

高「んじゃ、たった一人の家族のために、俺も頑張るとするか」

ロ「ちょっと待ったあああああああああああああ「うざい」ごふっ!?」

突然、ログナが玄関を蹴り開けて割り込んできた。

しかし、高雅がアリアを一瞬放し、ログナの腹に蹴りを入れた。

再びアリアに肩を貸して元の体勢に戻った。

ア「ロ・・ログナ?」

ロ「は・・・話は聞いてたぞ・・・俺っちも協力するぜ」

蓮「ぼくだって協力するよ」

遅れてやって来た蓮田が顔を出す。

ロ「と・・・取りあえず、肩貸して」

高「その場で倒れてろ」

ロ「おぉ、贔屓ひいきだ・・・」

結局、ログナはその場に倒れてぴくぴくと痙攣していた。

蓮「ログナから聞いたけど、本当なの、こうがにいちゃん?」

高「どう聞いたか知らないが、多分本当だろう」

取りあえず、ログナが盗み聞きしていたのは高雅自体も気付いている。

ログナの伝え方は全く知らないが、きっとまともであることと信じたいことだ。

高「とにかく、アリアを助け出す方法を探すぞ!!」

皆「おおー!!」

廊下につっ立って話し続ける訳もいかないため、取りあえず現状況で締めた。

何とか締めくくれた所で、高雅達はリビングへと向かった。

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