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静寂VS活性 後編

万物を鎮めるような殺気を放つ高雅。

灼熱のオーラを纏って空気を揺るがすA。

二人は睨み合いをするだけで押しつぶされるようなプレッシャーがあった。

高「で、いつまで睨み合うつもりだ?」

A「あの枯れ葉が地面に落ちたら」

高「何とも季節外れ枯れ葉だか・・・」

そう言いながらも、ゆらゆらと自由に落ちる木の葉に集中する。

そして、地面に木の葉が付いた途端、半分燃えた瞬間、鎮火した。

その様子が終わる前に、高雅とAは一瞬で得物を打ちつけていた。

お互いの力が打ち消し合い、高雅とAを境に空気が変わっていた。

A「押し切る!!」

Aはさらに活性で力を増し、徐々に高雅を押していた。

高「ち、力じゃ負けるか」

高雅は潔く負けを認めていた。

しかし、それは活性の力のみである。

A「ぬお!?」

いつの間にか、Aの足下がぬかるんでいた。

高雅が変化の力で地面の硬さを変えたのだ。

足下が緩んで上手く力が入らない隙を狙って高雅が逆に押し返した。

高「おらぁ!!」

A「ちっくしょぉ・・」

高雅は最後の一撃に思いっきり波動の力を込めて吹き飛ばした。

高雅は吹き飛んでいるAに向かって追い打ちをするべく、高速で追いかけた。

追いついた瞬間、まだ立て直していないAの顔を掴んでそのまま地面に引きずらせた。

A「まだまだぁ!!」

高「うおっ!?」

引きずっている最中にAは高雅を蹴りあげた。

高雅が離れている間に体勢を立て直すA。

高雅も空中で体勢を立て直し、方向の力で滞空していた。

A「全く、容赦ねえな」

高「誰が容赦するか。したら、正直危ないからな」

A「おっ?。実力を認めてくれるか?」

高「まぁ、活性は俺より上だな。他はどうだか」

A「それだけで勝利条件は十分だぜ」

高「果たして、そのセリフは本当だろうか」

A「ぬかせ!!」

Aは高くジャンプして高雅に迫った。

高「飛べない奴が跳んでくるか?、普通」

高雅は向かってくるAに対して方向の力を真下に向かって思いっきり掛けた。

A「うおっ!?、重力の反乱!?」

高「埋まってろ」

Aの力は活性だけでどうやっても空中で重力に逆らうことはできない。

Aは地面に叩きつけられ、体が少し埋まってしまった。

動けないA目掛けて高雅が空中から方向の力付きで落下して来た。

さらに、活性を込めて強力な一撃を作る。

A「防御してやる」

高「真っ向勝負か。上等だ!!」

高雅は落下の力と活性を合わせてAの腹を思いっきり殴った。

Aはとことん活性して防御した。

殴った瞬間、強大な威力で砂塵が大量に舞い上がった。

砂塵が止んだ時、高雅の拳はちゃんとAの腹を捉えていた。

A「く・・ぐぐ・・・」

高「耐えやがった・・・」

Aは口から血を吐いているものの、高雅の攻撃を耐えていた。

A「今度は俺のターンだ」

Aは隙だらけの高雅の腹を思いっきり蹴った。

今度は吹き飛ばさずに、内臓に衝撃を与える蹴り方だ。

もちろん、活性で威力は半端ない。

高雅も防御したが、威力を完全に抑えきることができなかった。

高「ゲホッ!?」

高雅はのけぞり、大きな隙を見せてしまった。

Aはその隙に地面から抜けだし、追撃にでた。

今度は怯んでいる高雅を蹴り飛ばした。

Aは追い掛けずに、その場で力を込めていた。

A「きゅらえ~!!」

情けない声と共に高温の斬撃を飛ばした。

高雅は吹き飛びながらも体勢を立て直し、虚無の力を込める。

高「うざってぇ!!」

迫って来る斬撃を虚無の力で打ち消した。

そして、方向の力ですぐにAに近づいた。

A「読めてるぜ」

高「こっちもな」

高雅は地面に向かって思いっきり静寂の力を放った。

Aは地面の奥深くを活性して噴火させようとしていた。

だが、高雅の静寂が上回っていたため、噴火は起きなかった。

A「あり?」

高「バカ丸出しだな」

隙だらけのAの顔面に剣を柄をぶつけた。

Aの顔面は思いっきりへこんだ。

高「言っただろ。負けているのは活性だけだって」

高雅は追い打ちで衝撃を打ち込んだ。

今度は吹き飛ばさせるのではなく、内面的に攻撃を仕掛けた。

A「ごふっ・・・」

Aは内臓の直接攻撃により、意識が朦朧とし始めていた。

高「こいつでトドメだ!!」

高雅が容赦なく、Aの顔面を殴り飛ばした。

そして、Aは倒れて動かなくなった。

Aから殺気が消え、高雅は剣を地面に刺した。

高「ふぅ・・・マジできつかった」

疲れた溜息を零して正直な感想を述べた。

ア「A君、凄く強くなってなたね」

高「こいつ、本当にタダの人間か?。修行したからって言ってもレベル上がり過ぎだ」

ア「努力と才能が組み合わさった結果かな?」

高「そりゃ、恐ろしいな」

A「く・・まだ・・・・終わっちゃ・・・いねえ!!」

高・ア「ッ!?」

Aが体を震わせながらも無理やり立ち上がった。

尋常じゃない体力に高雅とアリアも普通に驚いていた。

高「お前、いつから人間卒業した?」

A「俺は・・・主人公だから・・・負けねえ!!」

Aは活性を込め始める。

今までよりもずっと強く、濃い活性をである。

高「最後の一撃か・・・じゃあ、こっちも対抗するか」

高雅は剣を抜いて少し距離を取った後に静寂の力を込め始めた。

もう絶対に起きれないように限界まで集中する。

A「俺は・・・負けたくない!!」

高「こっちもお前には何か負けたくないな」

お互いの力が最大に溜まったところで、それを全てお互いの得物に流し込んだ。

A「高雅!!、最後に言わせてくれ!!」

高「何だよ?」

A「ありがとよ、認めてくれて」

高「お前を認めた覚えなどない」

A「ひっでぇ!?。まぁ、この一撃で全てが終わる」

高「お前の人生も終わらせてやるよ」

A「返り討ちにしてやるぜ」

二人は笑いあいながらも、いつでも動けるように準備していた。

そして、笑顔も真面目な顔つきに変わって、静かに時が来るのを待った。

A「最終奥義・・・フルパワーアタァァァァック!!!!」

高「どりゃあああああああああああああああああ!!!!」

二人同時に剣を振って斬撃を飛ばした。

地面をえぐりながら飛ぶ二つの斬撃は互いに目標に向かって真っすぐ飛び、やがてぶつかった。

その瞬間、眩い光が発生し、辺り一面を真っ白にした。




















高・A「・・・・・・・・・・・・・・・」

二人は傷だらけで、ただ立っていた。

力を完全に出し切ったため、もう回復することはできない。

高「・・・・・・・・っ」

最初に動いたのは高雅の方だった。

しかし、前に倒れるだけで体力が完全に無くなったのを示しただけだった。

高「ち・・・・体が動かねえ・・・」

A「・・・・・勝った・・・・・・・・・」

Aも遅れて倒れ、そのまま気絶した。

すると、二人の真の契約が自然と切れてしまった。

ア「ふぅ・・・お疲れ様」

タ「はぁ・・・はぁ・・・」

アリアとタイトは人間状態になり、二人の傍に座った。

高「あ~あ、先に倒れてしまったなぁ・・・」

ア「負けちゃったね」

高「正直、油断してました」

ア「全く・・・」

タ「・・・いや・・ぜぇ・・・拙者らの負けだ」

高・ア「?」

高雅が潔く負けを認めたが、タイトはそれを認めていなかった。

タ「拙者らは・・・もう・・・指一つ動かすことができぬ。しかし、その余裕な会話を見る限り、拙者らの負けである」

高「そう言うなって。形はそうだが、先に倒れたのは俺だぜ。その時点で勝負がついてるって。俺らの負けだ」

タ「しかs「いいからもう黙れ。あんまり喋れる程元気じゃないんだ」そうか・・・かたじけない」

高「いいって・・・・・こと・・よ・・・」

遂に、高雅も意識を落とした。

あれ程のダメージでは流石の高雅も身が持たなかったのである。

ア「流石の高雅も限界だったみたいね」

アリアは高雅の頭を撫でながらそう言った。

タ「・・・拙者らはこれからどうするのだ?」

ア「そうだね・・・二人が起きるのはしばらく時間が掛かるし・・・どうしよっか?」

アリアは苦笑いしながら逆に聞いて来た。

タイトは呆れて溜息を零していた。

そんな時、困り果てていた二人にある者が訪れた。

レ「一体・・・どういう状況なのだ!?」

ア「あっ、レオ君!!」

都合良くレオがやって来た。

レ「莫大な力を見てここに来たのだが・・・まさか、コウガ殿とA殿の仕業か?」

ア「うん、今まで二人の決着をつけてたの」

レ「コウガ殿があれ程の力は分かるが、まさかA殿が引かぬ強さを持っておるとは・・・」

レオも正直に驚いていた。

ただの人間がここまで強い事に。

ア「それで来てすぐに頼みがあるのだけど・・」

レ「乗せてくれと言いたいのだろ」

ア「ゴメンね」

レ「仕方ないさ」

アリアは高雅をレオの背に乗せ、自分も乗った。

高雅が振り落とされないように後ろから手を回してしっかりと固定する。

レ「アリア殿、タイト殿とA殿はどうするのだ?」

ア「流石に、重量オーバーだし、私も早く気絶したいから、家に帰った後にレオ君を向かわせる。それでいい?」

タ「十分だ」

ア「ゴメンね。じゃあ・・・お願い・・レオ君・・・」

レ「分かった。では、タイト殿。しばし待たれよ」

レオはタイトに一言申してから高雅の家へ向かった。

タ「さて・・・拙者も・・もう・・・・」

誰も話す相手がいなくなった所でタイトは気絶した。

ずっと耐えていたのだが、その必要が無くなったからだ。



その後、アリアは家に辿り着く前に気絶してしまい、レオが振り落とさないようにゆっくり帰っていた。

家に着いた途端、レオは他の皆に高雅とアリアを任せてAとタイトの迎えに行った。

しかし、サミダレがレオを呼びとめた。

サ「待つのじゃ。事情が分からぬが・・・」

レ「コウガ殿とA殿が決闘をしたのだ。我もこれぐらいしか分からん」

サ「だとすると、A殿も気絶しておるはずじゃ。私も行くのじゃ」

レ「そうか。済まぬ」

こうして、レオとサミダレはAとタイトの迎えに行った。

サミダレの言うとおり、Aとタイトは気絶しており、サミダレが二人をレオの背に乗せて家に送ってあげた。





★おまけ★


高雅は三日間、アリアは二日間眠っていた。

A達もこれと同じぐらい眠っていて学校を休んでいた。

眠りから覚めた高雅はアリア達にどうなっていたか事情を聞いていた。

そんな時、ある疑問がわき上がった。

高「なあ、Aはあの後どうしたんだ?」

レ「我とサミダレ殿が家まで運んでおった」

高「?、家って・・・ちゃんと中か?」

サ「それは流石に無理じゃったから玄関の前に放置しておいたのじゃ」

高「・・・それ、まずくね?」

サ「気にしたら負けじゃ」

高「・・・・嫌な予感が・・・・」



A母「・・・さて、A。起きて早々に悪いけど、事情を説明してもらいましょうか?」

A・タ「・・・・・・・・」

A父「Aよ、お前とこの人は何故家の前で倒れていたんだ?」

A「えっとですね・・・そこには子供の事情が」

A父「惚けるな!!!!」

激怒したAの父親が机を強く叩く。

Aは驚いて一瞬、身を引いた。

A父「日頃、誰かの話声が聞こえていたのだが、それもこの人と関係があるのか!?」

A「ええええええええええっととととととと、ででですすすすねねねねねねね」

完全に動揺していた。


ピーンポーン


?「どうもー、宅急便で―す」

A「!?」

タ「この声・・・」

A父「こんな時に・・・」

A母「私が出ますよ」

そう言って、Aの母親は判子を持って席を外した。

A母(それにしても、何か荷物頼んだかしら?)

身に覚えがないと思いつつも、取りあえず出てみる。

?「どうも、お騒がせしました」

A母「?」

意味が分からないと思った瞬間、Aの母親の意識が飛んだ。

そして、宅急便の人は家に上がり込んだ。

A父「何だお前h「お騒がせしました」あ・・・」

Aの父親もすぐに倒れてしまった。

しかし、分かっていたAとタイトは驚いていなかった。

A「お前か・・・」

高「お前だよ」

そう言って、帽子を取って素顔を見せる高雅。

高「アリア達に事情を聞いて、こんなことになっているだろうと思ってよ」

A「まあ、玄関放置はまずかったな」

タ「拙者が姿を変えておかなかった所為だ。済まぬ」

高「考えなしに送ったこっちも悪いし、おあいこだ」

A「それよりも、俺は負けてしまったようだな」

高「先に倒れたのは俺だろ?」

A「もういいさ。お前に主人公の座を譲ってやるよ」

高「あっそ。んじゃ、こっちも負けたと思ってるから」

高雅はAの頭に手を乗せ、記憶を再生させた。

ただ、再生のショックで混乱しても困るから気絶もさせた。

高「これでよし。じゃ、俺は帰るぜ。二人の記憶は消してあるから安心しろ」

ア「じゃあね」

タ「本当に忝い」

高雅はAの家を出て、自分の家に向かった。

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