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静寂VS活性 前編

高雅は休日に何もやることが無く、適当に散歩していた。

高「あー、暇だなー」

ア「平和って事でいいじゃん」

高「暇と平和を一緒にするな」

A「そんな暇を破壊する男、スパ○ダーマッ!!」

いつもの神出鬼没はログナのはずなのに今日は違った。

目の前に失礼にも指を差すAの姿があった。

A「今日はそろそろ因縁の対決も終わりにしようと思いました」

高「過去形ならどうでもいいな。んじゃ、俺は散歩の途中だから」

高雅はAの横を何もなかったかのように通り過ぎて行った。

通り過ぎた後、後ろから妙な殺気を受けた瞬間、高雅は大きく跳んだ。

そして、空中で一回転をして振り向き、剣を構えていた。

高「何だ、喧嘩っ早いな」

A「そろそろ、本気で戦いたくなってな。どっちが最強の主人公か決めようぜ」

高「またそれかよ」

A「今回は本当に最後だ。これに負けたら主人公は諦める」

高「・・・なーんか、急展開だが、相手がマジだし・・・こっちも付き合うか?」

ア「うーん、A君は本気だし、いいんじゃないかな?」

高「んじゃ、やってやるか。もう剣は構えている事だし」

高雅は人差し指をヒョイと曲げて挑発した。

高「場所を変えるぞ。こんな町のど真ん中はゴメンだ」

A「おk」

高雅は高く跳躍し、屋根を渡ってどこか遠くへ行く。

Aもそれを追って屋根に跳び移った。

ひたすら進むこと数十分、高雅がやって来たのは途中で中止になり、中途半端のまま残された工事現場だった。

周りは平地で何もなく、人の姿も全くない。

障害は鉄筋で組み立てられた大きなジャングルジム。

この二人が暴れるのにはうってつけの場所である。

高「ルールはどっちがが倒れるまで。それでいいな?」

A「おk。所で、賭けをしねえか?」

高「何を賭けるつもりだ?」

A「もち、俺は主人公の座だ」

高「どうでもいい・・・」

A「バカヤロー!!。主人公の座がどうでもいいとか、どうかしてるぜ!!」

高「価値のない賭け事だな、おい」

A「じゃあ、お前は何を賭けるんだよ!?」

高「そうだな・・・じゃあ、お前の記憶を再生させてやる」

A「それ、賭けてなくね?」

高「どうでもいいから、開始な」

すると、高雅は一気に踏み込んだ。

Aは構えてなくても高雅の斬撃を受け止めた。

A「おまっ、不意打ちとか!!」

高「ボゥっとするお前が一方的に悪い」

高雅はAの刀を弾き、鉄筋のジャングルジムへ蹴り飛ばした。

Aは鉄筋に背中を打ちつつも、すぐに立ち上がった。

A「ってえ、こりゃ、俺も本気で行くしかないな」

Aは鉄筋を伝って上へ昇り始めた。

少し離れた場所でも高雅が同じように鉄筋を伝って上へ駆けだしていた。

その途中、二人同時に飛び出し、空中で何度か斬撃を交えて鉄筋に着地する。

お互いの位置が入れ替わっただけでダメージはなかった。

A「ぬおっ!?」

しかし、Aが着地した鉄筋はバラバラに斬られていた。

高雅が飛ぶ際に細切れにしたのだ。

Aは仕方なく近くの鉄筋に着地しようとしたが、高雅がそれを許さなかった。

既に高雅が目の前に迫っており、Aは着地より高雅の動きに対応した。

しかし、高雅が残像だったことに気付いたのは背中を打ってからだ。

A「いってえ・・・うお!?」

さらに、追い打ちを賭けるように上から鉄筋が降って来ていた。

そんな様子を見ていた高雅はAが鉄筋に押しつぶされて見えなくなってしまった。

高「こんなもんか」

ア「だと、いいね」

呑気に一番てっぺんから見下している高雅。

欠伸をしながら目尻を擦っていた。

高「あ~、ねむてー」

ア「ホントに終わったのかな?」

下の様子は全く変動なし。

勝負は付いたかのように思われた。

高「・・・・・・・・・ん?」

高雅は空を見上げると、太陽の光が目に入り、手で軽く遮る。

そして、重なって見える影を目視した。

A「おらああああああああああああああああああ!!」

高「普通にピンピンしてるな」

高雅はその場から跳び、移動を開始した。

Aはそのまま高雅が元いた場所に剣を振り下ろし、鉄筋を真っ二つにした。

A「逃がすか!!」

Aはすぐに体勢を立て直して高雅を追う。

高雅は鉄筋のジャングルジムを降りつつ、接続部分を斬っていた。

そして、負って来たAが乗った瞬間、Aの足下の鉄筋が崩れ落ちる。

A「またぁ!?」

高「学習しろよ」

高雅が遠くからAの無様な姿を眺めていた。

しかし、Aは落下中に活性を込め、高雅に向かって斬撃を飛ばした。

体勢が悪いにも関わらず、狙いは完璧で真っすぐ高雅に向かって来ていた。

高雅は跳んで上の鉄筋に乗ってやり過ごそうとした。

しかし、斬撃が丁度、真下に到着した瞬間、それは爆発をした。

高「うおっ!?」

決して爆破の力を使った訳ではない。

ただ、活性の大き過ぎる力が勝手に爆発をおこなっただけだ。

高雅は爆風でバランスを崩し、吹き飛ばされた。

いつの間にか体勢を立て直していたAが隙だらけの高雅に接近していた。

A「おらぁ!!」

高「ち、少しはやるな」

高雅はAの斬撃を受け止めるも、勢いに負けて吹き飛ばされた。

高雅は鉄筋のジャングルから外に出てしまい、このままではかなりの高さから落下してしまう。

高「ひょいっと」

高雅は片方の剣を投げ、鉄筋に紐を巻きつける。

そして、その伸縮を利用してジャングルジムに戻って来た。

しかし、着地した瞬間、鉄筋はバラバラに崩れ落ちた。

高「なっ!?」

A「パクったぜ」

Aが既に高雅の着地位置を予測して斬り刻んでいたのだ。

高雅のバランスが崩れた隙を狙ってAが追撃する。

流石に、先程で受け止めても同じように吹き飛んで繰り返しになるため、高雅は別の方法で出た。

Aが剣を振った瞬間に、身を翻して寸前で避けきった。

高「俺はお前と違って学習するんだよ!!」

そのまま、空中で横一回転して蹴りを喰らわせる。

A「俺だって、お前の蹴りぐらい予想していたぜ」

Aは高雅の蹴りを体で受け止め、そのまま足を掴んだ。

その隙に、Aは動けなくなった高雅を狙った。

しかし、間近くにいる為、高雅もチャンスである。

A「肉を蹴らせてぇ・・・・」

高「肉を掴ませてぇ・・・・」

同時に得物を構え、そして・・・

高・A「骨を断つ!!!!」


ザシュ!!


同時に斬った。

互いの胸を大きく斬り、大量の血が噴き出した。

高・A「つぅッ!!」

流石の傷の大きさに、互いに力を無くして落下した。

ア「コウガ!!」

タ「主よ!!」

アリアは再生を施し、タイトは活性で細胞の再生を促進して傷口を塞いだ。

傷が治った瞬間、二人は空中で一回転して体勢を立て直し、鉄筋に着地した。

高「浅かったか・・・」

A「こっちのセリフだ。ったく、油断も隙もねえよ」

高「戦いにそんなものがあったら、とっくに負けてるだろ」

A「ですよねーw」

そう言って、Aは軽く剣を振ってから構える。

A「さぁ、休憩はお終いだ。第2ラウンドに行くぜ」

高「休憩なんて最初からなかった」

A「ゑ?」

そう言った瞬間、高雅はその場から離れて上に向かった。

すると、Aに影が差しかかり、振り向くと鉄筋が倒れて来ていた。

A「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおグレイズッ!!!!」

Aは寸前で横っ跳びで回避して下へ逃げた。

高「まだまだ弾幕が終わると思うなよ」

高雅は上から次々と鉄筋を落としてきた。

A「グレイズグレイズグレイズグレイズグレイズ!!」

Aは全ての鉄筋をギリギリで避ける。

A「実はルナティックシューターだった俺を舐めるn「隙あり」ごふっ!?」

適当に駄弁りながら避けることに夢中になっていたAは鉄筋に乗って一緒に下りて来ていた高雅に気付かなかった。

高雅は持っていた鉄筋でAの顔面を殴り飛ばした。

A「いてぇ・・・首が吹き飛ぶかと思った」

タ「実際、活性が無ければ吹き飛んでいたはずだ」

Aは着地して首が繋がっているのを確認するかのように首をさすっていた。

何とか骨は無事で痛みだけで済んでいた。

高「よっと、俺が優勢だな。このまま終わるか?」

高雅がAの近くにやって来て挑発していた。

完全に余裕を見せつけていた高雅にAは自然と闘志を燃やしていた。

A「まだだ。まだ、終わらんよ!!」

高「終われよ」

Aは刀を構え、高雅に向かって踏み出す。

高雅は後ろに下がって、そのまま落ちて行く。

Aはすぐに反応してそのまま追って行く。

落ちている最中にもかかわらず、二人は剣を何度も交える。

一番下に着いた途端、二人は同時に攻撃を止めて着地する。

そして、一回だけ剣を振ってお互いに弾いて距離を取る。

A「おらぁ!!」

Aは距離を取っても、斬撃を飛ばして遠距離攻撃をする。

高雅は軽く弾いて軌道を逸らし、空の彼方へと斬撃を飛ばした。

A「ちっ、ダメか」

高「ちょっと少し戦術を変えるか」

高雅は創造を使って自分の分身をいくつか創りだした。

A「質量のある残像だと!?」

高「普通に分身だ。質量のある、な」

すると、数人の高雅がAに向かって接近した。

数人の高雅はAの隙を狙うように絶妙な距離で待機していた。

隙を狙われていることをAは理解していた。

Aは隙を出させないように最小の動きで数人の高雅をやり過ごす。

A「よっ、ほっ、とっ」

高「ああ、言い忘れたけど。あと2秒でそいつら爆発するぞ」

A「なっ、んっ、だっ、とおおおおおおおおおおおおおおおお!?」

高雅は自分の周りにバリアを創った瞬間、創造の高雅が一斉に爆発した。

辺り一帯は爆炎に呑みこまれた。

さらに、近くにあった鉄筋のジャングルジムも耐えきれなくなって崩れ落ちた。

落ちた場所は狙っていたかのようにAがいた場所だった。

爆炎が落ち着いて視界が良くなった所で、高雅はバリアを消して目の前の状況を確かめる。

高「これで勝ちは確定だな」

ア「あははは、容赦ないね」

高「これでこいつは俺にかまってこないだろうな」

そう言って、高雅は踵を翻して帰ろうとした。

しかし、後ろから強烈な殺気を受けた瞬間、足を止めた。

高「・・・・・・・・・」

ア「まだ・・・・だね」

高「はぁ・・・」

高雅が振り返った瞬間、崩れた鉄筋の山がいきなり吹き飛んだ。

そして、中から真の契約をしたAの姿が目に移った。

A「第3ラウンド開始だ」

高「・・・しぶといな」

Aは一瞬で高雅の目の前まで接近した。

高雅は反応して攻撃を紙一重で避けるも、刀の熱気で軽いやけどを負った。

高雅は跳躍して距離を取った。

そして、やけどを負った頬を触って確認する。

高「あいつの熱、かなり上がったな」

ちゃんと静寂で打ち消したつもりでいた。

しかし、打ち消し切れてなく、やけどを負ってしまったのだ。

もし、対抗していなかったら頬は溶けて無くなっているだろう。

高「やばいな・・・ッ!?」

そう思った瞬間、高雅の視界がグラリと揺れた。

Aが見えない速さで近づいて殴ったのだ。

高雅は吹き飛んで小さな土山にぶつかって砂塵を上げた。

A「はっはっは、どうだ参ったk〈ゾクリ!!〉おふぅ・・・」

Aは高らかに笑っていたが、いきなり目の前から強大な殺気を浴びた。

つい、情けない言葉を上げてしまうも、目の前の殺気の強さに黙り込んでしまう。

そして、さっきAが鉄筋を吹き飛ばしたのと同じように砂を吹き飛ばして高雅が現れた。

もちろん、真の契約済みである。

高「そっちがその気なら、こっちだってマジになる権利はあるだろ?」

A「最終ラウンドの始まりだな」

高「後悔するなよ、俺に挑んだ事を」

A「まさか。返り討ちにして主人公になってやるぜ」

殺気に慣れたAが余裕を見せながら刀を構える。

そして、高雅も殺気を全開にして剣を構えた。

鉄筋と鉄骨、どう違うか分からないのは自分だけのはず。

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