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学校探検 後編

逃げまどう創造の信念を追う高雅。

途中でアリアやフィーラが来てない事に気付いたが、いずれ来るだろうとほったらかしていた。

?「クスススス・・・」

高「余裕を見せやがって、おりゃあああああああ」

高雅は間合いが縮まった所で一気に飛びかかった。

しかし、考えが気付かれていたのか、寸前で軌道を変え、高雅の手から逃れた。

高雅も避けられる事を前提にしていたため、すぐに反応出来た。

高「まだまだぁ!!」

高雅が手を伸ばし、創造の信念に触れた。

すると突然、動きが大人しくなり、逃げるのを止めた。

高雅は両手でがっちりと掴み、逃げられないようにしていた。

高「観念しろ」

?「クスススス・・・負けちゃった」

高「?」

?「あなた達、強い。全戦全敗」

高「何が全戦全敗だ。お前と戦った覚えはない」

?「だって、遊んでた。コンニャクぶつけしたり、イタズラ電話したり、お姫様ごっこさせたり」

高「知らん・・・って、最後の二つはどういう意味だ?」

?「あなたと一緒に来てた女の人、嘘の電話したけどすぐにバレて、今はお姫様ごっこの途中」

高(嘘の電話?。あいつが携帯持ってる訳じゃねえし・・・意思会話の事か?。後、お姫様ごっこはどういう意味だ?)

取りあえず、嘘を言っているようには思えなかったので、推測した。

その結果、色々と考えがまとまった。

?「さぁ、王子様が助けに行く。そして終わり。それで満足」

高「はぁ!?」

?「満足したい。そしたら、セイクリッドに行く」

高「良く分からねえが、ルールは何だ?」

?「簡単。助けるだけ。ただし、行くあてに色々あるだけ」

高「・・・・・面倒だな。勝ったら本当にすんなりセイクリッドに行くのだろうな?」

?「うん」

高「・・・分かった、交渉成立だ」

高雅は創造の信念を持ったまま、くるりと180度回転し、校長室へと向かった。

しかし、少しだけ進んだ先に見たこともないような化け物が待ち構えていた。

角が生え、人間の3倍以上の体格で鬼の形相をしている。

高「化け物まで創造しているのかよ」

?「姫への道のりは険しい」

高「あんな奴ら、姫でも何でもねえ!!」

高雅はむかっ腹で目の前の化け物を蹴り倒した。

行く道にトラップや魔物など、あらゆる障害物にぶつかっても、高雅は止まることはなかった。

順調に進んでいるかと思いきや、道が滅茶苦茶になっている為、容易に校長室には辿りつけなかった。

高「くそぉ・・・おい、校長室はどこだ?」

?「囚われのお姫様、場所を知っている訳がない」

高「テメェ・・・ったく」

色々と言いたかったが、下手に機嫌を損ねさせるとまたどこかに逃げてしまうかもしれない。

だとしたら、また探す羽目になる可能性が高いと思うと高雅は口を閉じた。

面倒事はなるべく避けたい高雅の性格である。

高「いいか。この遊び、俺が勝ったら絶対にセイクリッドに行けよ」

?「約束守る」

高「絶対だからな!!」

高雅は念を押し、再び動き出した。

向かう場所が定まってなく、適当に走り続ける。

そんな時、知っている顔が目の前に現れた。

A「おっ、高雅じゃん。やっぱ、お前もいたんだな」

高「おい、やっぱって何だよ。最初から分かっていたような口だな」

A「いやー、そんな感じがしたんだよな。んで、何もってんの?」

高「お前に関係ない。死にたくなければ帰れ」

A「帰りたくても帰り道が分からねーし、それにBの叫び声が聞こえたし」

高「お前の活性で壁でも突き破って出ればいいじゃねえか」

A「いやいやだから、Bをほっとく訳にはいかねえし」

高「じゃあ、勝手にしてろ」

高雅は立ち去ろうとしたが、Aが高雅の肩を掴み、進行を妨げた。

高雅は首だけを動かし、殺気を放っていた。

高「んだよ」

A「いやー、お前ってさ、何か面白い事を引き起こすだろ。だから、主人公である俺が一緒にいてあげようと」

高「消えろ」

A「うおっ!?」

高雅はAの手を振り払い、さらに足払いで転げさせた。

Aは咄嗟に片手で体を支え、肘の動きを利用して飛び上がり、そのまま着地した。

A「10点!!」

高「0だ。お前の存在だけで0点だ」

A「酷っ!!」

高「今更だろ」

高雅は今度こそ立ち去ろうとした。

しかし、Aは後ろからついて来ていた。

何度倒そうとも、Aは負けずにしつこくついて来た。

遂に、高雅の方が諦めていた。

Aが勝手についてこようとも、高雅は自分のペースを崩すことはなかった。








10分後。

怪物やら魔物やら化け物やらと遭遇しつつも、二人は怯みもせずに切り抜けた。

そして、怪しい場所を見つけたのである。

高「・・・・ここ、校長室のはずだよな」

A「ですよね・・・」

二人の目の前には校長室へと繋がる扉がある場所だ。

しかし、見た所コンクリートの塊が扉を隠してあり、元々扉があった場所となっていた。

高「おい」

?「助ける、お姫様を」

高「・・・・・・・・・くそ」

高雅は迷うことなく、創造の信念を置いてコンクリートを殴った。

何の力もない高雅の拳は人並み以上の威力は誇るもコンクリートに罅すら付けられない。

A「お・・おい、俺がやるって。こんなの、活性パンチで一撃・・・」

高「お前は勝手について来た奴だ。関わる必要はない」

高雅は何度も何度も殴り続ける。

辺りは骨が砕ける音や血が飛び散る音で響いていた。

激痛が高雅を襲うも、全く止めるつもりはない。

A「おい、手が壊れるって。てか、もう壊れてるって!!」

高「都合良くダイナマイトもないし、そんなことをして、もし壁の近くに二人がいたら危険だろ」

A「お前・・・」

高雅の優しさに心打たれるA。

だから、高雅の力になりたかった。

A「タイト、活性を」

タ「承知」

高「おい」

Aがやろうとしたのはすぐに分かった。

しかし、Aは止まらなかった。

A「か、勘違いしないでよね!!。ただ、Bがこの中にいると思っただけなんだからね!!」

高「なんてキモいツンデレだ・・・まぁ、今は許してやる」

Aが活性の籠った拳を振るう。

その瞬間、コンクリートに一気に亀裂が走った。

A「今回のおいしい所をやってやる。トドメをやってくれ」

高「・・・けっ、Aに助けられるとは。名前で読んだ分はチャラにしてやる」

高雅はAに感謝をして深呼吸をする。

高「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

そして、思いっきり力を込め、最後の一撃を放つ。

その一撃でコンクリートは砕け散り、扉が姿を現した。

高雅はすぐに扉に手を掛け、中に入った。

一瞬、吸い込まれるような風を感じ、高雅の嫌な予感は当たった。

高(やっぱり、あいつ空気の事は考えてなかったな)

殺気が読めないが、性格や考え方が幼稚であることが分かったため、最悪を予想していた。

中にいたのは衰弱しきったフィーラとアリアの姿だった。

後、数分遅かったらどうなっていたか考えるのはすぐに止めた。

高「二人とも、無事か!!」

ア「こ・・・コウガ・・・・」

フ「ギリギリ・・・セーフ・・です・・・」

辛うじて答える二人。

二人の無事を確認した高雅はすぐに創造の信念へ視線を向けた。

高「おい、約束は約束だろ」

?「負けちゃった。凄い」

高「どうでもいい。さっさと行け」

?「約束守る」

創造の信念は壁をすり抜け、どこかへ飛んで行った。

きっと、セイクリッドへと向かったのであろう。

A「俺、空気ッスね」

高「お前も帰れ」

A「そうだな。それじゃ、Bでも探して帰るとしますか。じゃあな」

Aは手を上げ、Bを探しに向かった。

高雅は一息ついた後、何も言わずに二人を抱えた。

ア「わわ!?」

フ「んみゅ!?」

高「さっさと帰るぞ。お前らの回復を待つのは面倒だ」

ア「で・・・でも、手、怪我してるよ!!」

高「言っただろ。回復を待つのは面倒だ。手ぐらいさっさと帰って寝れば治る」

フ「絶対、そんな怪我に見えないです」

二人が色々と言うも、高雅は馬耳東風状態。

申し訳ないと思いながらも二人はそのままの状態で抵抗を止めた。



あれから家に帰った途端、高雅は力尽き、その場に倒れてしまった。

慌てて皆が駆け寄り、アリアが再生を施してすぐに安静に寝かせた。

後日、文夫から創造の信念が自らやって来たとの連絡があり、一件落着となった。

ちなみに、高雅は次の日は休んで1日中眠っていたそうだ。

数日後に高雅は目を覚まし、完全回復した。

そして今は夕刻の時。

高雅は皆とリビングでゲームをしていた。

ゲームの内容は某大乱闘である。

ア「そう言えばさ」

高「ん?」

ア「創造の信念はどうして自らセイクリッドに向かったの?」

高「あいつ、モノのくせに意思を持っていて、しかも幼稚だ。簡単な賭け事に乗ってくれた訳だ」

フ「じゃあ、あの机が無かった教室に机が並んでいたのはどうしてです?」

高「幼稚なあいつが見よう見まねで作っただけだろうな」

フ「成程です・・ってわああああああああ、ハンマー持ってこっちに来るなです!!」

ア「ははは、皆やっつけちゃうぞ」

高「ボム兵投合」

ア「あっ!!。吹き飛んだ!?。無敵じゃないの!?」

高「ハンマー状態が無敵、誰がそんなことを言った?」

フ「コウガ様、隙ありで・・なっ、センサーがあったです!?」

高「30秒前に仕掛けたものぐらい、覚えてろよ」

レ「やはり、コウガ殿は強いな」

高「褒めてるレオにはバンパーをやる」

レ「ぬお!?」

結果、高雅の完全勝利。

その後、何度も高雅が勝利を収め、フィーラは顔真っ赤になって必死に勝ちを求めていた。

高雅はゲームを楽しめと言い聞かせ、フィーラの勝ちへのこだわりは終わった。





★おまけ★


高雅と別れ、AはBが居るはずであろう自分のクラスに向かって行った。

既に構造は元通りになっており、鍵もちゃんと取っている。

A「さーてと、あいつは生きてるかな」

タ「無事だといいが」

既に校内で怪物と戦って来たAであるが、もしBが遭遇していたら危険である。

Aにとって雑魚であっても、Bから見れば恐怖の塊である。

取りあえず、考えるよりも先に行動し、クラスへと向かう。

A「到着って・・・」

目に入ったのは破壊された扉だった。

Aは周りに気をつけながらゆっくりと中を覗く。

中もぐちゃぐちゃになっており、机が散乱していた。

A「中は・・・・誰も・・いや」

見た感じは誰もいないが、Aは何かを感じた。

契約の力を発動し、刀を構えてゆっくりと掃除用具入れに近づく。

そして、掃除用具入れを思いっきり開けて中にいる者に刀を向けた。

B「ひいいいいいいいいいいいいいいいいい」

A「あ、わりい」

Aはすぐに契約の力を解き、剣を戻して普通の姿に戻った。

酷く怯えていた状態だったのか、BはAが刀を持っていようと袴姿だったろうと覚えてなかった。

A「おーい、俺だぞー」

B「オレ!?。俺はオレなんて奴を知らない!!。早くどっか行け!!」

A「・・・デジャブ?」

B「デジャブ!?。誰だそれは!?」

A「こいつ、ビビると滅茶苦茶な思考になっているな」

タ「これではどうしようもあるまい。諦めるのだ、主殿」

A「そうだな、どうせ化け物はもういねえし、どうにでもなるだろ」

AはBの宿題を目の前に置いて上げ、家に帰った。

その後、Bが帰ったのかは誰にも知らなかった。




次の日。

龍「・・・・・・・・・?」

B「ブルブルブルブルブルブル」

朝一に来た龍子は何故Bが掃除用具入れの中で震えているのか分からなかった。

龍「宿題・・・そんなに・・・嫌・・?」

目の前に置いてある宿題に怯えているのかと思ったが、Bは何も答えない。

結局、宿題はしてない、怖い思いはする、皆の笑われ者になる、先生に怒られるの最悪の結果に終わってしまったBであった。

ちなみに、Aは寝坊で遅刻したらしい。

原因は言わずと知れていること。

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