学校探検 前編
あれから何日か経ち、今日は休日。
高「Zzz・・・」
あいもかわらず、高雅はいつものように寝て過ごしていた。
アリア達は適当にゲームするなり読書するなりして過ごしていた。
一ミリも狂いが無い、崎村家の日常だった。
ピンポーン
そんな時、インターホンが鳴った。
レ「・・・誰が出るのだ?」
ア「家主は寝てるし・・・」
フ「はい、誰です?」
ア・レ「って、フィーラちゃん(殿)!?」
アリアとレオが考えてるうちにフィーラが勝手に出た。
フィーラは数回頷くと受話器を直した。
フ「セイクリッドの者が来てるです。今から入って来るです」
ア「そこまで勝手にしていいのかな・・・」
フィーラは高雅の許可を取らずに勝手に人を家に上げていた。
色々と考えている内にその者がドアを開けてリビングにやって来た。
紗「どうも。元気してるかしら?」
勇「・・・高雅がいないな」
文「寝てるんだろうよ」
堂々と自分の家のように入って来る三人。
とはいえ、元は自分の家だったのだが。
紗「変な天使が動いていたようだけど、大丈夫だったかしら?」
ア「うん。色々あったけど、無事に解決したよ」
フ「余裕です」
紗「そう。良かったわ」
まずは無事を確認し、安堵する紗奈恵達。
高「ったく、何でいるのだ?」
すると、寝起きの高雅がリビングにやって来た。
半分しか開いてない瞼を擦りながらダルそうにソファに座った。
紗「あなた達にお願いがあるのよ」
高「面倒な事だけは止めてくれよ」
勇「内容は簡単。最後の楽園の賜物を探してくれ」
改めて説明すると、楽園の賜物とは楽園の者が作ったと言われ、この世とあの世のどこかに3つだけある強力な道具のこと。
高雅はその一つである『選別の飾り』を持ってある。
セバスチャンが持っていた『ホープミラー』は宮殿の修理の時に文夫達が回収して厳重に保管している。
つまり、あと一つだけ見つかっていないのだ。
高「相当、面倒な内容じゃねえか」
紗「でも、目星は付いているのよ。運動会の時の事を覚えているかしら?」
高「運動会がどうした?」
紗「妙な事が起きていたわよね・・・」
高「妙過ぎるけどな」
紗奈恵が何でもリレーの事を言っているのはすぐに理解できた。
何の力もない生徒達があらゆる事を行っていた。
ATフィールドを発生させたり、UBWをも展開させた。
どう考えてもおかしい。
紗「それで、最後の賜物は『創生の信念』。あらゆるものを生み出す物よ」
高「・・・ドンピシャだな」
もし、その『創生の信念』が学校のどこかにあるとしたら、運動会の時に生徒達がふざけた事が出来たのが納得できる。
紗「学校に侵入するのは簡単でしょ?」
高「それはお前らも同じだろ」
勇「まぁ、学生じゃない俺達がばれたら色々と面倒だからな」
高「結局、押し付けじゃねえかよ」
つい本音がでた勇人の言葉を高雅は聞き流さなかった。
文「まぁ、楽園の者を従えていて学校の者ならお前が適任だろ?」
高「休日ぐらい、学校から離れさせてくれ」
文「じゃあ、もし世界を壊す兵器を創られたら、どうするんだ?」
高「だから、お前らがやれよ。フィーラ借してやるから。誰にもバレないで潜入ぐらい出来るだろ」
勇「学校に詳しいのはお前だけだ。諦めて働け」
紗「誰にも邪魔されないように夜に行ったらいいじゃないかしら?」
高「話を進めるな!!」
高雅の休日は今まさに壊されようとしていた。
高雅は必死に自分の休日を守ろうと抵抗していた。
結果から言うと負け。
そして、高雅は真夜中の学校の門にやって来ていた。
高「・・・・・・・・・・・・」
ア「取りあえず、探してみて、なかったらどうしよう?」
高「そん時は天国は無くなると思え」
ア「天国規模!?」
高「俺の休日は天国ごときで納まるか・・・」
フ「楽園で良かったです」
内心ホッとするフィーラ。
ちなみに、やって来たのは高雅とアリア、そしてフィーラの三人だけである。
高「ところで、信念と言う限り、物ではないのだろ?。どうやって探すよ?」
フ「大丈夫です。ボクに任せるです。実物を見たことがあるです」
ア「じゃあ、別れて探してもしょうがないからフィーラちゃんを中心に探そうか?」
高「だな。じゃあ、とっとと行くぞ」
高雅は門を軽く跳び越え、フィーラは空を飛んで簡単に中に潜入。
ア「よっ・・わ!?」
アリアも高雅と同じように跳び越えようとしたが、足が引っ掛かってしまい、顔から落ちそうになった。
しかし、高雅がアリアの服を掴み、地面スレスレで落下が止まった。
ア「あ・・ありがtふぎゃ!?」
高「のんびりするな。さっさと行くぞ」
高雅は掴んで上げた時間は1秒だけだった。
つい安心しきっていたアリアは油断して地面に腹を打った。
ア「いったたたた・・・」
フ「アリア様、早く行くです」
ア「う・・うん・・・いたた~」
アリアは腹を擦りながらも高雅の後をついて行った。
同時刻、裏門にはある人達が集まっていた。
A「・・・・で?、何で俺が?」
B「いやー、宿題忘れたから一緒に来てもらおうと」
A「だから、何で俺なんだ?。これでも暇じゃなかったんだぞ」
裏からはAとBがやって来ていた。
理由はBが宿題を忘れ、取り行くのに何故かAを一緒に連れてきたのだ。
B「お前さ、夜の学校とか興奮して嬉しがるかと思って連れてきたんだよ。決して、俺が怖いからじゃない」
A「ふざけるな。俺は日々、高雅に追いつくために修行をしているんだぞ!!」
B「いくら頑張ったって崎村には勝てないって」
A「うるせーー!!。俺は高雅を超える!!」
Aが興奮して騒ぎだす。
今は真夜中だったため、近所の人が顔を出し、怒鳴りながらあらゆる物を投げ付けて来た。
AとBは逃げるように門を乗り越え、校内へと入って行った。
高雅達が入って数分後。
夜の学校に訪れようとする者がまだいた。
龍「高雅君・・・・何をしに・・・行ったの・・だろう?」
それは龍子だった。
急な買い物を頼まれ、コンビニへ向かうの途中に高雅の姿を見たのだ。
その後をつけ、学校へ入って行くのを見ていたのだ。
龍「夜の学校・・・入っちゃ・・ダメだよ・・ね・・?」
誰かに聞かれている訳でもなく、自分に言い聞かせる。
悪いと言うことは認識しているが、自然と好奇心が龍子を動かしていた。
龍子は門を乗り越え、夜の学校へと侵入した。
少しだけと頭の中で理解しつつ、高雅を探しに向かった。
一方、高雅は狭い所から探すことにし、最初は体育館を探索していた。
高「何か分かるか、フィーラ?」
フ「全然です。何も感じないです」
ア「それにしても、創造の信念って形はどういうの?」
フ「形はないです。光の集合体と言った方が近いです」
高「ふぅん」
高雅は適当に返事をしてその光の集合体を探す。
アリアとフィーラも隅々まで探す。
しかし、それらしき光は全く見えず、見当がつかない。
高「・・・仕方ない。場所を変えるぞ」
ア「うん」
フ「了解です」
諦めて高雅は場所を移す。
つぎに目指したのは旧校舎だった。
道中、フィーラは懐かしむように周りを見渡していた。
フ「懐かしいです・・・」
高「そういや、初めてお前を見つけた場所だったな」
ア「そうだね。ここでフィーラちゃんと出会ったね」
フ「ずっとここで一人で・・・でも、今は一人じゃないです!!」
ア「うん、私達と一緒だよ」
高「・・・・・・・・・・ふん」
高雅は興味が無いのか足を速めた。
しかし、それが照れ隠しであることを二人は理解していた。
フィーラとアリアは笑いながらも高雅の後をついて行った。
旧校舎に着いた高雅はドアを蹴り開け、さっさと探索を開始する。
ア「もう、待ってよコウガ」
フ「ペースが速いです」
高「お前らがのろまなだけだ」
高雅は教室を開けて、中を少し見渡しては閉めて次の教室へ。
かなりのハイペースで探索していた。
フ「待つです。ちゃんと探s〈ピト〉ひゃう!?」
ア「ん、どうしたの?」
フ「い・・・今、顔に冷たい何かが!?」
ア「冷たい何k〈ピト〉ぅわぁ!!」
高「うるせぇな、さっきかr〈パシッ〉目障りだ!!」
高雅は視界が悪い中でも迫って来る正体不明の物体を掴んだ。
それはコンニャクであったが、何も繋がれていない。
高「?」
?「クスススス・・・」
ア・フ「!?」
冷やかな笑い声が聞こえ、姿は見えない。
高雅は辺りを見回すもそれらしきものは見つからなかった。
高「・・・おかしい。殺気を感じない」
フ「じゃ・・・じゃあ・・オバケです!!。間違いないです!!」
高「非科学な話に入ったな」
ア「じゃ・・・じゃあ、誰の笑い声だったの?」
高「さぁ?」
フ「コウガ様、危機感なさすぎです」
高「いずれ分かるだろ。気長に判明させればいい」
そう言って、高雅は探索を再開した。
アリアとフィーラは少し怯えながらも探し続けた。