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修学旅行編 その9、行方(ゆくえ)

Aside


Aとケリンの攻防は続いていた。

Aは隙を見つけては斬り、なければどこまでも逃げ続ける。

ケリンは見えない攻撃を仕掛け、追い詰めようとするも不意をつかれて後一歩が届かないでいた。

A「ちくしょぉ、あいつがちょっと反応が遅かったら攻撃が当たるのによ」

タ「主よ、奴の攻撃を見切ってはいるのか?」

A「ん~、良く分からん。どのくらい避ければ当たらないのかとか、まだ把握してない」

タ「ならば、まずはそれを把握すべきである。最小限な動きをすれば捉えられるはずだ」

A「でもよ、見えない攻撃なんてどうやって把握するんだ?」

ケ「無駄。絶対、理解、無理」

Aがタイトと話している最中でも、ケリンは容赦なく攻撃をくり出す。

見えない攻撃の為、大きな動きで避け続ける。

先程いた場所にあった壁は粉々に崩れていた。

反撃にでるも、遅れて攻撃を読まれてしまう。

A「ちっ、攻撃が見えればいいのによ」

ケ「私、攻撃、完璧。絶対、分からない」

ケリンはAの反撃を避け終わった後にすぐに攻撃を再開する。

Aは取りあえず逃げ、ケリンと距離を取った。

A「どうすりゃ、見えるかなぁ・・・」

逃走しつつ、対策を練るA。

どうしたら相手の攻撃が見えるのか、はたまた規模が分かるのかを。

A「見えないってこんなに厄介だったのかよ」

タ「だが、永遠に使えるとは限らない。あれだけの破壊力があるのだ。こちらが避け続けばいずれ」

A「そうだなぁ。でもよ、体力がどのくらいあるかも分からない。あいつ正体不明すぎるだろ」

ケ「正体、隠す。勝機、上がる」

A「んげぇ!?」

逃げてもすぐに追いつき、僅かな攻防が始まる。

正直、逆に体力が持たないと思っているAであった。

ケ「遅い」

A「やべっ!?」

少しだけ反応が遅れてしまったAは、衝撃に耐えるように歯を噛み締める。

そして、衝撃に吹き飛ばされ、壁を貫いて外に出された。

そのまま落下し、雪の上に落ちるかと思いきや、露天風呂に落ちた。

A「ぶはぁ!!、おー、いてぇ」

タ「ぼさっとするでない!!。次が来るぞ!!」

見上げればケリンが追って来ていた。

そして、空中で再び攻撃をしようとしていた。

A「・・・よし」

Aは逃げるかと思いきや突然、風呂に潜り始めた。

決して深くは無いのだが、何故か潜ったのだ。

ケ「血迷った。勝ち」

ケリンはAが潜った場所に向けて攻撃を放った。

その攻撃で露天風呂が粉々に吹き飛んだ。

お湯は一気に飛び散り、最早露天ぶろは瓦礫の山となっていた。

ケ「・・・・・・・・」

ケリンは無言でAの姿を確認する。

しかし、Aはどこにも見当たらず見失っていた。

瓦礫に潰れて死んだと思いたかったが、高雅が認めた相手だと言う事を改めて思い出し、姿を確認するまで勝利を実感しなかった。

すると、瓦礫の中から腕が飛び出した。

間違いなく、Aの腕であった。

A「お~、いてぇ~。水で緩和できると思ったら・・・上手くいかないものだな」

ケ「見つけた」

傷だらけのAを見つけ、また攻撃の準備に出る。

Aは横に跳び、何とか二回目の攻撃を避ける。

ケ「まだ」

A「ちっ」

ケリンがすかさず攻撃を繰り返す。

先程の攻撃で傷を負ったAは動きが鈍くなり、また、もろにダメージを受けてしまった。

A「がはっ!?」

吹き飛ばされ、柵を越えて雪の上に投げ出された。

A「つぅ・・・痛みで体が動かねぇ・・・」

最早Aの体は限界に近かった。

雪の上に突っ伏したまま起き上がることすらできなかった。

ケ「これ、お終い」

ケリンがトドメの一撃を溜め始める。

先ほどよりも強く、確実にAを倒す程の威力を誇っている。

だが、Aは仰向けに倒れてその光景を拝むしかできなかった。

A「あぁ、殺されるなら幼女に殺されたかったな・・・」

最後までロリコンを貫き通し、ケリンが攻撃を放つ所を見届けた。

そして、間もなく今までにない衝撃がAの体を襲った。

A「ッ・・・」

悲鳴すら上げられず、Aは倒れた。

その威力はAを中心に半径10メートルのクレーターが出来上がっていた。

ケ「・・・勝った。王、戦える」

ケリンは勝利を確証し、すぐにホテルに戻って高雅を探そうとした。

A「・・・にっしっしっしっし」

ケ「ッ!?」

しかし、不気味な笑い声に反応し、すぐに振り返った。

そこにはAが倒れたまま笑っていた。

A「いやー、俺の演技も捨てたもんじゃないねぇ」

ケ「な・・・生きてる。倒す」

ケリンが再び構え、攻撃をくり出す。

すると、Aは傷だらけにも関わらず普通に起き上がり、三歩横に移動した。

そして、ケリンの攻撃をギリギリで避けたのだ。

ケ「ッ!?」

A「見える、見えるぞ!!。お前の攻撃が全て見えるぞ!!」

ケ「嘘!!。見えない、完璧!!」

そう言って、ケリンが再び攻撃を繰り返す。

しかし、全攻撃をAは全て紙一重で避けきった。

A「なぁーっはっはっは。お前の攻撃のデカさや規模も全てお見通しだ」

ケ「どうして!?」

A「どうしてもこうしても、ずっと調べてたからだ。お前の攻撃のデカさと強さを」

Aはケリンの攻撃をずっと見ていたのだ。

自分が避けた場所に活性を施し、少しだけ壊れにくくしていたのだ。

そして、壊されるたびに次回は活性の量を増やし、どのくらいで耐えられるのかを測っていた。

結果、吹き飛ばされた時の後ろにあった柵が壊れなかったのを見て、規模が分かった。

最後は大きさだった。

大きさと言っても、攻撃ごとにまちまちな事はAも理解していた。

さらに、攻撃の跡が瓦礫となって視覚的に分からないのも問題だった。

その為、最も跡が残り易い雪の上で、さらにトドメの最大攻撃をしてくる瞬間を待っていたのだ。

全て、ケリンはAの手のひらで踊っていたのだ。

A「さぁて、こっちも本気で行くとするか」

Aは自分の傷を活性で回復させ、剣を高らかに上げた。

A「真の契約、発動ぅううううううううううううう」

バカに叫び、真の契約を発動させた。

真っ赤に染まった日本刀を軽く振るう。

それだけで、周りの雪が殆ど解けていた。

雪崩は起きないように活性は自重気味である。

A「本気で行くぜ。主人公の本気、マジ最強」

Aはケリンに向かって一気に踏み込んだ。

ケ「なめないで!!」

ケリンは近づかせないように攻撃を繰り返す。

しかし、Aは紙一重で避け、最小の動きでケリンへと近づいた。

A「無駄だぜ。お前の最大の攻撃から威力や大きさを比例させてるんだ。手に取るように分かる」

ケ「くっ」

Aがケリンの前までやって来た瞬間、Aは消えた。

ケ「!?」

どこに行ったのか探し回ると後ろで剣の歯を鞘から少しだけだしていた。

A「またつまらぬ物を斬ってしまった」

そう言って、剣を完全に鞘に収めた瞬間、ケリンはその場に倒れた。

A「・・・とか言っても、峰打ちだけどなぁ」

などと笑いつつ、ケリンに歩み寄る。

瞬速の一太刀でケリンを一撃で倒したのだ。

A「・・・俺を倒せるのは幼女しかいない!!」

などど名言を言っているかのようにケリンに剣先を突き付けながら言った。

結局、最後までバカなセリフを吐き捨てていた。











高雅 side


一方、高雅の方は既に試合が終わっていた。

高「まぁ、普通な奴が俺に勝てる訳がない」

倒し方はいたって簡単、全力全開の殺気をぶつけただけである。

戦闘経験の少ない天使は実力もさほどないため、大き過ぎる殺気に耐えきれなかったのだ。

ア「取りあえず、シリナちゃんを呼ぶ?」

高「そうだな。お~い、終わったから出てこ~い」

高雅がドアに向かって叫ぶ。

しかし、何の反応も示さなかった。

高「・・・寝てるのか?」

ア「こんな状況で寝るなんてコウガじゃあるまいし」

高「取りあえず、何か言え~」

何度か返事を求めるも、全く帰って来ない。

高「・・・ちょっと気が引けるが、勝手に開けるぞ」

高雅は仕方なく、紫理奈がいる部屋に入ろうと扉に手を掛けた。

?「うわああああああああああああああああああ」

その瞬間、聞き覚えのある叫び声が聞こえた。

さらに、その声は徐々に大きくなっており、こちらに近づいているのが分かった。

高「この声・・・」

ア「ログナだよね?」

アリアの思った通り、間もなくログナの姿が見えてきた。

そして、その後ろには黒淵の先生達が獲物を追い掛けていた。

高「おいおい、先生にまで手を出していたのかよ」

ロ「うおおおおおおお、コウガっちいいいいいいい、助けてくれえええええええええ」

ログナが目の前で止まり、肩で息をしていた。

高「お前、そこら辺の人間には勝てるだろ。自分で何とかしろ」

ロ「いやいや、あれ見るとそこら辺の分類に入らないって。マジでやばいって」

高「ん~、確かに殺気が一味違う。まぁ、狙いはお前だから俺には関係ないな」

ロ「ちょ!?、酷くね!?。もうい少しは心配してくれよ」

高「宝石が壊れなければ何度でも蘇るだろ」

ロ「いやいや、そうだけどよ・・・ってえええええええ、追いつかれるううううううううう」

結果、ログナに救いは無く、再び走り出した。

黒淵の先生達は高雅を無視し、まっすぐログナに向かっていた。

高「一度狙った獲物は変えないのか?」

そう思いつつ、ログナを見捨て、再びドアと向き合う。

今度は何も声を掛けずにさっさとドアを開けた。

すると、部屋はもぬけの殻となっていた。

高「あれ、いないぞ」

殺気で探すも、全く見つからない。

完全に消えていたのだ。

ア「ど・・どうして!?」

高「荒らされた様子はない。となると・・・」

ア「?」

高「・・・取りあえず、適当にぶらつくか」

ア「え?・・ちょっと!?。どういう意味!?」

高「確信が持てないからまだ教えられない。まぁ、結果なんて気長に待てばいずれ訪れるモノだ」

ア「いや、そんなこと言っても納得しないからね」

高「ちっ」

ア「舌打ちしないでよ」

取りあえず、高雅は何もない部屋を出て行き、ホテルの詮索を開始した。

目的は取りあえず最初に決めていたクゥちゃんという人物を探すこと。

それと同時に消えた紫理奈の行方を知ること。

他にも、緑淵高校の人達の無事を確認や薬の在りかなどと色々とやることが積もっていた。

高「一つずつ片付けるか、一気に連鎖して片付くのを期待するか」

ア「取りあえず、どれかを片づけたら自然と他のも片付くよ、きっと」

高「・・・そうだな。取りあえず、優先順位を考えないとな」

ア「えっと・・・リュウコやリンちゃんも気になるし、けど、薬があると全て解決しそうだし、クゥちゃんって人やシリナちゃんも気になるし・・・」

高「おい、オール1位は禁止だぞ」

ア「うぅ、考えられないよ」

高「・・・じゃあ、行き当たりばったりで行くか」

ア「あれ、コウガの意見は!?」

高「責任はお前に預けた」

ア「ええええええええええええ!?」

いきなり責任を任せられ、高雅は歩みを再開した。

取りあえず、ログナの後ろでも追ってみようかと思いこんでいたのは高雅の密かな優しさであった。








ログナ side


ロ「おおおおおおおおおおおおおおおおおお」

相も変わらず全力疾走中。

そして後ろも全力疾走で追い掛け中。

ロ「しつけえええええええ。マジ、しつけええええええ」

かれこれ10分以上は逃げ続けていた。

それでも、敵は諦めずにログナを追い続けていた。

ロ「俺さぁ、最近悪いことしないぞ。なのに、どうしてこんな目に会うんだよおおおお」

取りあえず、開いていた扉の中へ逃げ、すかさず鍵を閉めた。

ドガドガと扉にぶつかる音が聞こえるも、鉄製の扉はビクともしなかった。

ロ「ふぅ、間一髪だった・・・んで」

落ち着いた所で辺りを見渡す。

ここはホテルの地下1階。

上階と全く違って薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。

ロ「う~ん、使わなくなった客室かな。埃も結構あるみたいだし」

そう言って、適当に探索をしてみる。

ロ「んー、暗くて良く見えn〈ガタッ〉うおっ!?」

突然の物音に驚くログナ。

そして、恐る恐る音がした方へと近づきだす。

ロ「し・・・真実を暴くんだ、俺っち。幽霊なんぞいない事を!!」

自分の存在が十分不可思議な事は言わないで欲しい。

辿り着いたのは一つのタンスがあった。

ロ「ゴクリ・・・」

ログナは息をのみ、ゆっくりとタンスを開ける。

?「んぐ!?、んむーー!!」

そこでログナはガムテープを口に巻かれ、手足を縛られている少女と出会った。

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