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修学旅行編 その6、黒淵の異変

何とか追いついたようだ。

しかし、またレポートに追われる日々に戻った。


また、遅れそう・・・

時を少しさかのぼり、Aがこっそりと高雅を探しに出かけた頃。

ホテル内では両学校が広間に集められていた。

予想外の猛吹雪に見舞われ、遭難者も出たことから今後について大会議を開いているのだ。

その間、緑淵は黒淵の生徒達を危険視していた。

緑1「あいつらと一緒にいると怖いな」

緑2「全国で最も危険な人の集まりらしいわね」

緑3「関わりたくねーよな」

ひそひそと陰口を叩いているが、黒淵の生徒達には聞こえていたのだ。

そして、抑えきれなくなった一人の黒淵の生徒が緑淵の方へと歩み寄った。

黒a「ウジウジ言ってんじゃねーぞ!!。殺されてえのか!!」

緑4「ひぃ!!」

黒淵の生徒は適当に緑淵の生徒の胸倉を掴み上げた。

そのまま無関係の生徒を殴り飛ばした。

騒ぎにかきつけ、先生達が止めに掛かった。

B「こえ~、流石、ある意味有名校だな」

C「ところでさ、Aの奴、どこ行った?」

D「さぁ?」

E「そういやさ、崎村って見たか?」

C「・・・・新幹線以来、全く」

B「まぁ、あいつは元気にやってるだろ。雪山で裸になっても死ななさそうだし」

D「それ、同感」

購買部組はお喋りをして暇をもてあそんでいた。

いや、購買部だけじゃなくて他の皆もお喋りをしていた。

黒淵の生徒は先生にまかせっきりだった。

しかし、先生に任せると言っても、黒淵の生徒は先生に向かって全員が喧嘩を始めたのだ。

最早、広間は戦場と化していた。

会議をしていた従業員、先生達全員で黒淵を止めるも、人数の面で不利だった。

何人かの生徒達は広間から逃げ出していた。

夢「ほら、こっちこっち」

龍「う・・うん・・・」

夢達も逃げていた。

夢が龍子を引っ張って部屋へと逃げ切った。

夢「はぁ、相変わらずあの有名校だけは嫌だね」

龍「うん・・・けど・・・」

夢「ん?」

龍「何か・・・変だよ」

夢「そりゃぁ、あの学校は変だよ」

龍「違う・・・そうじゃなくて・・・その・・・」

夢「?」

龍「皆・・・怖い・・・」

夢「?、そりゃ、黒淵は怖いけど・・・どういう意味?」

龍「ゴメン・・・説明・・できない」

龍子は俯きながら謝る。

夢はその訳を知ることはなく、首を傾げたままだった。









時を戻し、とある山小屋。

そこに高雅が眠っていた。

高「・・・・・・・・んぁ?」

目を覚ました高雅が訳も分からずに周りを見渡す。

自分は暖炉のそばに眠っており、何故か生きていた。

てっきり、雪山に凍死でもしたのかと思ったが、天国でもないと判断する。

瞬時に状況を理解しようとするも、流石の高雅も理解できなかった。

高「俺、何でこんな所に?」

?「起きたようねぇ」

高「!?」

ついさっき周りを見渡したはずなのに、いつの間にか人がいた。

自分と同じように厚着どころか手袋も全くない。

驚いて警戒態勢を取るも、その人物の顔を見てさらに驚いてしまった。

高「・・・って村井!?」

?「?、何で分かったのかしらぁ?」

高「何でお前生きてんだよ!?。大体、意識が戻ってたのかよ!?」

?「えっとぉ・・・あなたぁ、紫理奈を知っているのかしらぁ?」

高「紫理奈?。紫理奈ってお前のことだろ」

?「くすっ、あははは」

高雅の言葉を聞いて突然笑い出した。

高「何だよ、テメェ。さっきから訳が分からねえ事を」

?「あははは、面白いわねぇ」

高「だから・・・ん、あれ?」

高雅はムキになって殺気を読みとろうとして考えを確認しようとした。

しかし、感じ取った殺気は紫理奈のものではないと気付いた。

高「あれ、誰だお前?」

詩「やっと気付いたのねぇ。私は村井 詩智安しちあ。紫理奈の双子の姉ですぅ」

高「双子ぉ!?。通りで似て違う訳か」

謎が解けた事で現在の状況を事細かに聞いた。

高「助けたのはお前か?。俺を助けた時に他の奴は見なかったか?。時間はどれくらいたった?。お前一人か?」

詩「落ち着きなさぁい。私も遭難した者だからぁ」

高「あっ、そうだったのかよ」

詩「まぁ、答えられるものだけ答えるとぉ、私は一人で時間はそれ程立っては無いのよぉ。後、他の人は見なかったわぁ」

高「そっかぁ・・・・」

高雅は落ち込み、暗い顔をする。

彼でもアリアや紫理奈の事を心配しているのだ。

詩「大丈夫よぉ。思っていればきっとぉ」

高「そんな根拠のない話で元気が出るか!!」

詩「出てるわよぉ」

高「これは怒りだ!!。元気とは違う!!」

詩「声が出せれば元気よぉ」

高「言ってろ!!」

高雅は怒りの勢いに任せて山小屋を出ようとした。

しかし、冷静に自分の状況を思い出す。

高(アリア無き今、こんな薄着で外に出るのは危険だよな・・・)

今、高雅は動きやすい普段着で薄着である。

アリアで活性を使ったお陰で外でも平気に移動できたが、アリアがいなければ無理である。

その姿で外に出るとさっきまでに逆戻りである。

詩「外に出るのかしらぁ?」

高「・・・いや、バカな真似はしない」

詩「賢明ねぇ」

高「――と言いたいが、これが動かずにはいられない」

立ち止まると思いきや、高雅は扉を思いっきり開けた。

気温はかなり低いものの、吹雪は止んでおり視界は全快だった。

詩「あらぁ?」

高「動き続ければ冷えないだろ」

詩「でもぉ、どこに行くか分かるのかしらぁ?」

高「俺は特殊でな。そんぐらいは分かる」

詩「そぉ。気を付けなさぁい。そぉそぉ」

詩智安が出て行こうとする高雅に一言はなった。

詩「管理無き黒淵はきっと暴走してると思うから気を付きなさぁい」

高「やっぱり、お前、黒淵の管理している奴か」

詩「まぁ、双子だからねぇ。でもぉ、私の担当は責任重大なのよぉ」

高「そうかい。んじゃ、俺は行く。拾ってくれてどうも」

そう言って、高雅は雪山の中へと駆けだした。

詩「・・・くす、私も動こうかしらねぇ」

詩智安も立ち上がり、山小屋を出て行った。









雪山を駆けまわる事10分。

足は雪に埋もれるわ、動いても寒いわ、アリア達は見つからないわでイラついていた。

高「ぅへっくしゅ!!。うぅ~、寒ぃ。見つからねぇ」

殺気を頼りに探すも、意識を失っているのか殺気を見つけるのが困難な状態である。

いくら動き続けたとしても周りの気温によって体温は上がらず奪われるだけだった。

高「さっき意思会話も試したのに反応なし。早いとこ見つからねーかなぁ」

辺りを見渡し、殺気を感じ取ろうとするも反応は無い。

次第に不安が積もってくるも、それを払いのけて探す事を諦めない。

高「・・・今度はあっちに行くか」

ダメもとで違う場所へ向かおうとする。

高「ん?」

いざ行かんの寸前で殺気を感じ取って立ち止まる。

そして、殺気を感じ取った方に目をやると人影が見えた。

高「殺気からして探している奴に一致してない。遭難者か?」

取りあえず、その影に近づいてみる。

もしかしたらアリア達の事をどこかで見たのかもしれないと思って。

高「おい、あんた。何してるんだ?」

肩を叩き、こっちの存在を気付かせる。

見れば黒淵の生徒だと言う事が分かった。

しかし、高雅は足下を見て目を丸くした。

高「ん・・・ッ!?」

高雅は飛びのいて距離を取った。

その人の足下には大量の血が滴り落ちていたのだ。

しかし、その人本人の者ではなく、手に持っていた刃物から滴り落ちていた。

高「テメェ、何をした!?」

?「・・・・足りない・・・」

高「あ?」

?「・・殺し・・・足りない・・・」

その人がくるりと振り返り、高雅に刃物を突きつける。

その時、高雅の頭にある言葉がよみがえった。

高「・・・そう言う事か」

そう言って自分に襲いかかって来るあいてを睨みつける。

相手は刃物を持っていようとも普通の人間、高雅の敵ではない。

殺気をぶつけて簡単に気絶させた。

高「・・・こりゃ、ホテルも危険だな」

Aがいれば、ホテルの騒動は全て任せられるが、彼も雪山のどこかに埋まっているはずである。

高「・・・ホテルでの大量殺人を止めるか、今にも死にそうな奴らを助けるか・・・どっちも死が関係してるな」

寒さを忘れ、真剣に悩み出す。

流石の高雅も一人じゃ両方を解決することはできない。

高「せめて使える手伝いが一人でもいたら・・・」

ロ「困っているようだな」

いつものように突然現れるログナ。

雪山に関わらず、厚着をしていない。

高「・・・・・いや、今は神出鬼没に感謝だな」

蓮田の事やどうしてここにいるかと色々とツッコミをしたかったが、今は一刻の猶予もない。

高「おいログナ。お前はホテルで起こっている事をどうにかして欲しい。解決しろとは言わない、死人がいるはずだからそいつらの再生を頼む」

ロ「ラジュッ!!。だけどよ、ホテルってどこよ?」

すると、高雅はログナの首根っこを掴んで振りかぶった。

高「6秒で着く。後は頑張れ!!」

ロ「サー、イエs〈ブンッ!!〉サアアアアア?」

ログナを思いっきり文字通りブン投げた。

高「さて、こっちも早めに見つけねーとな」

高雅も殺気に集中してアリア達を探す。

そして、雪山の奥へ再び姿を消した。










A「・・・・・・・・ぶはぁ!!」

雪に埋もれていたAが元気良く飛び出した。

さすがに雪崩の勢いで気絶はしていたようだ。

そして周りを見渡すも見えるのは雪景色のみだった。

A「・・・いや~、こうしてみると雪もいいな~」

などと呑気な事をいいつつも歩き始める。

タイトはちゃんとAのミサンガとしてそばにいた。

そのお陰で凍死は逃れたのだ。

タ「主よ、これからどうするつもりだ?」

A「ん~、高雅の感覚は結構分かってるはずだが、感じないな。まぁ、適当に山を下りながらぶらつくさ」

タ「そうか。しかし、他の者はどうするのだ?」

A「大丈夫だ。主人公が探せばすぐに見つかるさ」

タ「ならいいのだが・・・ん、待て、主よ」

A「どったの?」

タ「あれはアリアではないか?」

A「え!?」

Aはタイトに言われ、良く目を凝らすと蒼いブレスレットが落ちていた。

A「マジだ。ナイスだタイト」

Aはブレスレットに駆け寄って手に取る。

それは相当冷えており、呼びかけても何も返事を返さなかった。

A「おいー・・・アリアー・・・って、手に張り付いた!?」

握っていたため、Aの手にブレスレットが張り付いた。

つい驚いて手を振り回す。

タ「待て主よ。活性を送って軽く温めるのだ」

A「おおっと、そうだった。ほれぇ~」

間抜けな声を出しながらも活性を送る。

しばらくするとブレスレットから声が聞こえた。

ア「ん・・・んぅ~・・・A・・君?」

A「起きたな。もう平気か?」

ア「・・・ゴメン。まだ、体が上手く動かない」

A(体が動かない→何しても動かない→やりたい放題!!)

タ「主よ。邪心が見えるぞ」

A「おおっと、俺自重」

ア「?」

Aはバカな妄想を止め、本題に入った。

A「なぁ、高雅に連絡とれないか?」

ア「できるよ。やってみるね」

アリアは高雅と意思会話を始めた。

しばらくして、高雅の声が帰って来た。

高「もしも~し、生きてるか~」

ア(あっ、コウガ。コウガは大丈夫だった?)

高「この通りピンピンしてるけど」

ア(・・あれ、何か声がじかに聞こえるような・・・)

高「ここにいるぞーーー!!!!」

A・ア「わっ!?」

Aの背後から高雅の叫び声が聞こえた。

そして、Aからアリアを取り上げ、腕に巻いた。

A「ったく、手を焼かせやがって」

高「どっちのセリフだ、ゴラ。俺はずっと起きてからすぐに探し続けて・・・あっ」

ア「そんなに心配してくれたんだ」

つい本音を零すも、素直じゃない高雅は最後の最後まで言い切らなかった。

しかし、アリアには十分に伝わったようだ。

高「黙れ!!///」

ア「良かった。いつも通り元気だね」

高「この野郎・・・・の前に!!」

ア「え!?」

A「どったの?」

高「ホテルが大変だ。多分、大量殺戮が行われてるほど」

ア「えぇ!?」

A「ナ、ナンダッテー」

高「だから、Aは今すぐホテルに戻れ。俺は後一人探すべき人がいる」

A「サーイエッサー。んで、ホテルってどtt〈ブンッ!!〉ちいいいいいいいいいいいいいい!?」

高雅は問答無用でAをブン投げた。

ア「コウガ、ホテルで大量殺戮ってどういう意味!?」

高「説明は後だ。早く村井を探すぞ。あいつは普通の人間だからとっくに凍死していてもおかしくない」

ア「わ・・分かった」

高雅は残り最後の紫理奈を探すために殺気を集中させた。

そして、当てずっぽうで雪山を駆け廻り始めた。

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