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修学旅行編 その2、初めてのスノーボード

二日目の朝。

生徒達は厚着をして手袋、ゴーグルを付けてゲレンデに集合していた。

それぞれスノーボード、スキー用具を片手に綺麗に整列している。

先「えー、くれぐれも一般の方や他の高校の生徒とトラブルが無いように気を付けてください。それでは、インストラクターを紹介します。その後、各班に分かれてインストラクターさんの言う事を聞くように」

C「せんせー、Aと崎村がいません」

先「・・・・・・今度はA君もですか・・・」

最早、恒例の事になっており先生はもうどうでも良かった。

先(お願いだから、トラブルだけは起こさないように・・・)

ただ、それだけを祈っていた。

もちろん、自分が面倒だからである。







高雅はゲレンデの一番上、つまり上級者コースにやって来ていた。

かなりの急斜面で学生は立ち入り禁止区域である。

高「絶好の眺めだ」

ア「いや、いい加減集団行動を守ろうよ」

高「集団になるとお前と喋れない―――」

ア「えっ!?///」

高「―――と言うのを口実にここに来た」

ア「・・・だと思ってたよ、うん・・・」

高「それはさて置き」

高雅はスノボーに足を乗せて準備をするも、目の前には他の高校生がたむろしていた。

スキーを楽しむと言うよりも、ただ自己満足に居座っているだけである。

簡単に言えば、大迷惑な奴らだ。

高「・・・あいつら、轢き殺していいか?」

ア「殺人はまずいよ、人間だし」

高「人間じゃなければいいって言ってるのか、それ?」

ア「そう言うつもりじゃないけど・・・」

高「まぁ、堂々と滑走路にいるってことは轢かれても文句ないよな」

ア「あっ、ちょ!?」

高雅はアリアが止めようとするも無視して滑り始める。

一方、高雅が迫って来ているとも知らずに偉そうにたむろっている。

?1「はぁ、スノボーなんざくそだりぃ」

?2「そこら辺に滑ってる奴に石あり雪玉でも投げるか」

?3「それ、さんせー」

?1「んじゃ、あのガキにでも投げるか」

他校の学生が高雅に目掛けて雪玉を投げた。

もちろん、石が入っている。

高「ほぉ、調子に乗ってるな」

高雅は回転ジャンプをして雪を弾いた。

そして、着地と同時に膝を曲げて滑りながら雪をすくい、三人の顔面に投げ付けた。

?達「ぶっ!?」

高「あばよ、障害物共」

?2「っの野郎!!」

高雅の挑発にまんまと乗った三人はすぐにスノボーに乗って高雅を追い掛け始めた。

のんびりしていた割には意外と滑れるようだ。

?1「待てや糞野郎!!」

高「待てと言われて待つ奴がどこにいる、低脳君」

?3「あいつ、殺そう」

ゲレンデを高速で滑り降りる四人。

そんな中、一人新しく混じろうとしていた。

A「退けええええええええええええ」

?1「うおぁ!?」

Aだった。

Aが障害物を突き飛ばしながら高雅に接近していた。

ちなみに、Aもスノボーである。

?2「何だこいつは!?」

A「邪魔だあああああああああああああ」

?3「がっ」

Aがさらに加速し、徐々に高雅に迫って行く。

その行く先にある障害物は全部突き飛ばしていた。

?2「テメぇ、いいかげんn「お前なんかに用はない!!」ぬあ!?」

遂に、三人とも吹き飛ばし、高雅に迫っていた。

A「高雅!!、今日こそ俺が主人公である事を証明してやる!!」

高「生憎、俺はのんびり滑りたいだけだ」

A「ならば、転ばして雪だるまにしてやる」

Aが高雅と並び、ゆっくりと迫って来る。

先程の三人とはレベルの違いを分かっている為、Aは慎重に狙っていた。

高「俺に素直な攻撃が通用するとでも?」

A「だから、あれで隙を狙ってんだろ」

Aが指差す所にはリフトを支える為の柱があった。

それも二人が激突してしまう場所にだ。

A「さぁ、避けろ。その隙に突き飛ばしてやる」

高「それはどうかな」

高雅は回転ジャンプしてスノーボードをAの膝の後ろに当てようとした。

膝カックンで転ばそうとする作戦だ。

しかし、Aは分かっていたのか高雅よりも高く跳んで避けたのだ。

A「お返しだ」

そのままAは回転し、高雅にスノーボードをぶつけようとする。

高「バカだな」

高雅は着地と同時に体を大きく傾けて曲がり、スレスレでAの攻撃を避けた。

A「何!?」

高「せいぜい、柱とズキュゥゥゥゥンでもしてろ」

A「あっ」

Aが前を見た時、既に柱は目と鼻の先に合った。

さらに、まだ空中にいる為避ける事は不可能である。

A「うわあああああああああああ」

そして、Aは柱にぶつかりその場に倒れた。

もちろん、柱にはクッションが巻いてあるため大事には至らなかった。

高「まだまだだな」

その後、高雅は一人で快適に滑って行った。






滑り始めて2時間後。

高雅はゲレンデの一番上にあるベンチで休憩していた。

高「ふぅ、大分滑ったな」

ア「ありとあらゆるコースを制覇したね」

高雅はこの2時間でこのスキー場の全てのコースを制覇したのであった。

高「まぁ、普通に楽しかったし、もう満足だな」

ア「そっか。はぁ、私も滑りたいなぁ」

高「だったら滑るか?」

ア「え!?」

高「今なら誰も見てないし、人間状態になれば貸してやるぞ」

ア「だったら、滑ってみようかな」

アリアは人間状態になり、地面に立とうとした。

ちなみに、服やゴーグルは創造で作った物を付けている。

ア「きゃ!?」

しかし、重さで一気に埋もれてしまい、体の3分の2が雪の中へと消えた。

高「アホか。そのまま立ったら埋もれるに決まってるだろ。ほら、取りあえずベンチに立ってろ」

高雅はアリアに手を掴み、ベンチへ引き上げた。

ア「あ・・・ありがとう」

高「俺はここにいるから、思う存分に楽しんで来い」

ア「い・・いや。私、滑り方分からない」

高「・・・知るか」

高雅はスノーボードを渡すだけで何も教えなかった。

高「俺だって初めてだったんだ。教えられる訳が無い」

ア「あれだけ滑って今さら初めてだなんて・・・」

高「いいから、滑ってろ。いつか体で分かる時が来る」

ア「・・・まぁ、仕方ないか。それじゃ、頑張ってくる」

アリアは自分を信じてゲレンデへと向かった。

ただ、ここが上級者向けの急斜面と言う事を忘れたまま。

高「変に怪我をしなければいいが・・・ま、いっか」

「きゃあああああああああああ」

高雅がどうでもよくなった途端に叫び声が響いた。

高雅は溜息をきつつも少しだけ心配していた。

高「えっと、何か移動できる手段は・・・おっ」

周りを見渡すと丁度いい大きさの木の板があった。

高雅はそれに乗って、そのまま滑り始めた。

滑って僅か5秒の所でアリアが転んでいる場所に辿りついた。

高「おい、変な騒ぐな。恥ずかしい」

ア「わ・・私じゃないよ。目の前を横切った人だよ。私はそれに驚いて転んだだけ」

高「ふ~ん・・・ん?」

高雅がふと目をやると、小さな雪山に人が頭から埋もれていた。

足だけが露わになっており、かなりの芸当である。

高「あれか?」

ア「ん?・・・もしかしたらそうかも」

取りあえず、二人は埋もれた人の方に近づき、足を掴んで引っ張りだした。

?「ぷはぁ!!。ふぅ、偉い目にあったよぉ」

高「あれ、この口調・・・」

高雅の頭の中にある人物がよぎる。

しかし、それはちゃんと家に置いて来た筈である。

高「・・・・お前、誰だ?」

念のために名前を確認する。

?「・・普通ぅ、自分から名乗るのが礼儀ではありませんかぁ?」

当たり前な返答を返され、少し戸惑う高雅。

その間にアリアが先に名を名乗った。

ア「あ、私はアリア」

高「・・・俺は崎村。ほら、今度はお前の番だ」

紫「私は村井 紫理奈しりなですぅ。よろしくぅ」

丁寧に手を差し伸べて来る。

一応、高雅もそれに答えて握手を行った。

紫「あぁ、お礼がまだでしたぁ。ありがとうございましたぁ」

高「いや、あのまま埋まっておくと大惨事になりそうだし、面倒を起こしたくなかっただけだ」

紫「そうでしたかぁ。所でぇ、あなたも修学旅行の方ですかぁ?」

高「も、と言うとお前は修学旅行の者か」

紫「はぁい、黒淵高校ですぅ」

高「黒淵・・・成程ね・・・」

高雅は何かを理解した。

気になったアリアが首を傾げながら尋ねる。

ア「何が?」

高「さっきの障害物共のことだ。あいつらは黒淵高校の者だったんだな」

紫「あぁー!!、もしかして、迷惑かけちゃいましたかぁ!?」

高「まぁ、返り討ちにしたけどな」

紫「ごめんなさぁい・・・私がしっかりと管理・・をしなかったばかりにぃ」

ア(管理?)

高「別に。それじゃ、俺はこれで」

紫「はぁい。本当にありがとうございましたぁ」

高「行くぞ、アリア」

ア「ま・・待ってよ」

高雅は木の板で器用に滑り下りてゆき、アリアがふらつきながらも必死に後ろを追い掛ける。

なるべく隅っこを滑り降り、誰にも見つからずに一番下まで辿り着いた。。

高雅はスノボー用具を直し、ホテルのロビーにあるソファに座ってくつろぎ始めた。

アリアもその隣に腰を下ろした。

高雅はホテルの人と誰にも会ってないため、学生と言う事は分からないのである。

最も、見た目で分かってしまうが。

ア「ねえ、コウガ。あの人、管理って言ってたよね」

高「ああ、黒淵の奴らは野蛮な奴らが学校内全員合わせて9.9割で埋まっている」

ア「そ・・それはやばいね」

高「やばい方はその0.1割の方だ。そいつは学校全体を管理・・しているらしい。何もかも全てな」

ア「どういう・・こと・・・」

高「今に分かるさ。黒淵高校は国から独立したと言っても過言じゃないような所だ」

ア「こ・・怖いね」

高「ふぁ~、俺は部屋に戻って寝るかな」

ア「じゃあ、私はもっと滑ってくるね」

こうして、高雅は部屋に、アリアは再びゲレンデと戻って行った。

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